＜２０００年１０月＞

 

せっかくの機会ですから 　  　購入してから半年が経過し、総走行距離も早（？）6,000ｋｍ。やっと多少なりとも隼に慣れてきたような気もする。 　そんなある日、とある集まりで栃木の北部の峠を走ろうという企画を聞きつけた。 　この企画、初めから「初心者及び運転に自信のない方の参加はご遠慮ください」と銘打つほどのもの、それなりのバイク＆ライダーが集まってくるはずだ。 ＃３年程前に１度参加した事がある。 　隼はエンジンもサスペンションも落ち着いてきたし、いろいろなバイクと思い切り走ってみるのには丁度良い機会だ、他のバイクとの挙動の違いを観察するのも面白いだろう。 　但し隼の純正リアタイヤはそろそろスリップサインが見え隠れ、この企画が最後の走りになると思われる。  　当日は、当然のように皮ツナギを着て参加する。 　集まったのは２０人ほど、他の参加者も皮のウエアが多い、バイクはほとんどが大排気量車だ。 　全員で走り出すフリー走行の1本目は、15Ｒから３０Ｒ程度のコーナーが連続する典型的なワィンディングロードだ。 　以前、2000ｋｍインプレの時に「奥まで突っ込んで向きかえして一気加速」と書いた隼のコーナーリングだが、こうして他のバイクと一緒に走るとその傾向が顕著に感じられる。 　ＺＺＲ1100（Ｄ型）と比べると、ブレーキングはともかく倒し込みの楽さは圧倒的にこちらが上、従って同じ速度で突っ込んでいっても余裕がある分だけ立ち上がりで先にスロットルが開けられるのだ。 　またＧＳＸＲ７５０（00モデル）と比べた場合、さすがにブレーキングや加速は敵わない（腕も違うが）が、極低速コーナー（15Ｒ程度）だけは隼の方が安定して旋回しているような気がする。 　登りの加速では怒涛のトルクに怖いものなし。 　比較的小排気量（とはいっても600ｃｃとかだが）のバイクが相手だと、コーナーリングで無理をする必要がまったくない。短い直線でもあればブレーキングの分を補って余りある余裕が生まれるからだ。 　下りのコーナーは得意ではないにせよ、Ｖ－Ｍａｘのように無理をすると破綻するようなこともなく、淡々と走ることができる。 　もともとフロント過重の強い隼は、下りだからといって特に曲がりやすくなることはないが、その安定感はたいしたものだ。ブレーキだけに頼らないよう注意して走ればそこそこのペースではいける。 　現在のサスペンションはいろいろセッティングを試した結果（それほどではないが…）リアサスの圧側を標準より１段柔らかくしてある。 　これが低速コーナーで曲がりやすくなっている一要になっているのは間違いないだろう。 　次のステージとなる峠道は九十九折れの続く林道セクション、コーナーは○Ｒというより「Ｕターン」に近い場所が多く、道幅も狭い。 　いくら低速コーナーに強いとはいえ、Ｕターンともなればさすがに隼の重量が響いてくる。 　加えて低く切れ角のないハンドル、ハングオフよりリーンアウトの方が早く回れる（曲がるではない）ような気がするほどなのだ。 　このステージではオフ寄りの車両（ＢＭＷのＲ１１５０ＧＳ等）が速い。なんとかついていこうと努力するが、次第にリアタイヤが滑り始めた。 　林道の荒れた路面のせいもあるだろうが、やはりスリップサインが出るほど減っているのが影響しているのだろう。 　ブレーキング毎にテールが振られ、スロットルを開ける毎にノーズがインを向いてしまう。 　うまく使えば（ドリフトさせて）速く走れるのかもしれないが俺の腕では無理、少々ペースを落として走る事にしよう。 　最後のセクションは先ほどに輪を掛けて荒れた路面の林道、しかもメインは下り。 　ここでは大型バイクより125ｃｃのオフローダーの方が確実に早いに違いない。 　先ほどと同じようにリアタイヤをずるずる滑らせながら走る。 　ペースはゆっくりと。このペースでなら俺の腕でも多少のすべりは抑えていける。 　中腰をキープし、ステップに過重して狭い峠を切り返す。こんなときはフロントが切れ込む心配のないのが一番にありがたく感じてしまう。 　へとへとになりながらミーティングは終了。ハイペースツーリングのため（他の車に）多少のトラブルはあったものの、なんとか無事に帰ってこられたのは何よりである。

まとめてインプレ 　さて、１日走り回った結果だが、エンジンは相変わらず好調だ。 　但し、スロットルポジションセンサーがズレてきたのか、多少のドン突き傾向が感じられる。 　なにしろこのトルクだ、フルブレーキングしてバンク、クリップの手前でじわっとスロットルを開けたときに「ドン」と前へ出られるとちょっと心臓に悪い、ましてやリアタイヤがこういう状況の時にはなおさらだ。 　ま、これは後でショップに見てもらう事にしよう。 　サスは先にも書いたように、まあこんな感じ。だがフロント、リアともにもう少し柔らかくても良いかもしれないし、そのほうが峠では曲がりやすくなるに違いない。 　圧側だけでももう１段づつ弱めてみようか？後で試してみる事にする。 　前々から換える換えるといっていたハンドルだが、最近では慣れてきたのか長距離（といっても200ｋｍ程度）乗っても辛くはなくなってきた、これはもう少し純正のまま様子を見てみてやることにする。 　却って気になってきたのがステップ。 　高さはともかく、もう少し後ろの方がハンドルに合うような気がする（納車時インプレ時と同じ感想） 　ハンドルよりこちらを交換する方が先かもしれない。 　今回一番困ったのがクラッチ。相変らず０発進時のタイミングがどうにも馴染めないのだ。 　低めの回転で繋ごうが、多少上で繋ごうが、巧い事クラッチミートすることが出来ない。「ハンクラ状態はできるだけ短く」というのが自分のスタイルなのだが、どうやってみても違和感を感じてしまう。 　隼だけでなく、Ｖ－Ｍａｘにも乗っているせいで慣れないのかもしれないが、この年になってエンストするのはどうにも恥ずかしいものだ（今日１日で２回もやってしまった） 　00年式ではクラッチ容量を含めなにやら対策がなされているようなのだが詳細は不明、マスタシリンダ等を交換してなんとかなるものならそうしたいがどうだろうか？この辺りは今後情報収集していこう。 　ともあれ、今日は久しぶりにいろいろなバイクと結構なペースで走ることができて得るものも多かった。 　こうして他人と走ると自分の下手さ加減を思い知らされる。まだまだ修行がたりませんな。 　さて、とりあえずやらなければ行けないのはタイヤ交換。ブリヂストンのＢＴ０１０を導入する予定である。


山は紅葉がイイ感じでした…見る暇なかったけど(笑)