＜１９９８年１1月上旬のある日＞

海だぞっ、海！

誘われて、＜福島県の天神岬までキャンプ＞に出かけることにする。 　前日まで心配した天気だが朝のうちはまあまあ。天気予報によれば午後から崩れるらしい。まあ男の３人旅、いざとなったら場所変更してもいいし、土砂降りのキャンプもまたオツなものよと腹をくくり出発する。 　待ち合わせは東北道の矢板北ＰＡ、１５分前に着いたけど既にお２人とも到着済みであった。 amiさんはＧＳＦ(1200)、相変わらず綺麗に掃除してある。ウエアはゴールドウインのジャケットでロングタイプ、オフ兼用かな？なかなか格好良い。自分も今のジャケット買う時にロングにするかどうか迷ったんだけど、「パット標準装備」に負けてショートにしたんだよなあ。 　ま～ぼ～さんはＲＧＶガンマ(250)、レストアしたバイクだよとの言葉通り、外装はかなり「年期の入った」様子。でも懐かしいなあ、自分のＶガンマも売らずに取っておけば良かったかなあ・・・ 　ＰＡで軽く朝食を摂って出発する。東北道を白河ＩＣまで互いに前になり後ろになり走る。おおっ！カストロールの香りが懐かしいぞぉ。 　東北道を降りてまずは給油、今後のルートを確認する。 天気が心配だが目的地の変更はなし、裏道に詳しいま～ぼ～さんを先頭にＲ２８９をショートカットしながら走る。そうか、今日は「東北縦断駅伝」が福島県を出発する日だ。道端に小旗を持った人達がいるのは我々を見てるわけじゃないのね・・・ 　棚倉町でちゃんと（？）Ｒ２８９に乗って、あとは一本道。道を間違える心配がなくなったんで自分が先頭を走る。あぶくま山地の山間は紅葉が綺麗だ、今年の常で赤い木は少ないけど黄色く染まった山々が美しい、何故か対向車のまったくいない峠が気持ち良いなあ、快調に走ってＲ６に乗り換え、予定よりちょっと早めに小名浜漁港に到着する。
なにはともあれまずは食事。漁港内にあるま～ぼ～さんお勧めの食堂へ飛び込む。１２時前だというのに混雑しているなあ、聞けば結構有名な店だという。自分とま～ぼ～さんは「ウニ丼」、「今日こそ魚嫌いを克服するぞっ！」と意気込むamiさんは「刺身定食」だ。 　ほどなく丼到着。カニの味噌汁にイカの塩辛付き、上に盛られたウニの黄色が海苔の黒に映える、どれ、早速やっつけよう。 　寿司飯でないのがちょっと残念だがたっぷりの量は大満足。ウニも美味美味・・・あ～幸せ・・・ 　amiさんの刺身定食のボリュームもすごい、無言で食べまくるamiさん、「どこが魚嫌いなんだか・・・」(爆)。３人とも何一つ残さず食い尽くす、う～、また来よっと、この食堂。 　食事の後は漁港で買い出し、目移りしながらも「牡蠣」」「帆立」「蜊」なんぞを大量購入、発泡ケースに氷と共に入れてもらい、ガンマの荷台に括り付ける。amiさんは宅配でサンマを自宅へ送る算段をしている。「どこが魚嫌いなんだか・・・」(爆２)。 　Ｒ６から海岸線の県道へ、新舞子のあたりは松林の中の直線道路を走る。時折右手に見える太平洋の波と潮の香り、海はいいなあ・・・ 　再度Ｒ６を経由して、目的地の天神岬キャンプ場へ到着だ。	幸せな食後
まずは管理棟で受け付けする。 　しかし立派なキャンプ場だなあ、オートキャンプサイトやらテニスコートやらも付いてるし、管理棟にも宿泊できるらしい。我々にはちょっともったいないか？（笑） 　費用は一人１５００円、キャンプサイトまでバイクならＯＫということでのそのそと入って行く。なんと今日は貸し切り状態らしい、ディキャンプ（バーベキュー？）らしい集団以外には人の姿はない。 　松林の中央にバイクを停め、転がっている松ボックリを蹴飛ばして場所を作り、テントを張る。 　キャンプ場の端に張られたネットの外は崖、その下はもう海だ。 あんなに心配していた雨はどこへやら、西の空には夕焼けが広がる。またまた晴れ男パワーが炸裂したようだ。(爆) 　さっきまでバーベキューを楽しんでいた集団に「是非」と薦められ、一緒にヤキソバをごちそうになる。すぐ近所から来ているらしい、いいなあ海が近いと・・・（潮風がバイクには良くないけど（笑）） 　少し食べ物が入って胃が刺激されたかな？急に感じてきた空腹にいそいそと夕食の準備、さて、どうやって食べてやろうか？＞海の幸 　炭火はないのでガスストーブをつける、キャンプ場に用意してある焼き網をセットしてっと。まずはビールで乾杯！あ～、多少寒かろうがなんだろうがビールは美味いぞぉ！ 　最初は牡蠣、生食でもイケル奴だ。網に乗せる前に殻をなんとかしたいのだが・・・ううっ「牡蠣のように・・・」って形容詞あったよなあ、ホントに開かないや。 　殻の端を叩き割り、ナイフをねじ込み、強引に開ける。中の汁がまた美味いんだよね、こぼさないように注意して焼く。「卵料理は半熟なところに価値がある」とは故色川武大氏の言葉だが、貝料理も同じじゃないだろうか。汁がぐつぐついってきたあたりを見計らって醤油を垂らす。殻の端で焦げる醤油が香ばしい、ふふふ、熱い殻取り上げるのにちゃんと軍手も用意してあるもんね。 　「海のミルク」とはよく言ったものだ。アツアツの身（しかし半生）は口の中でとろけるよう、心地よい塩味にビールもすすむ、次の殻を開けながら軽口も出るってもんだ。「おい、スティーブ、今日の客はノリが悪いぞ・・・」（←３０歳以上の方「世界の料理ショー」って覚えてます？（爆）） 　蜊（アサリ）は酒蒸しにする。軽く炒めた後、料理酒を入れて蒸すだけ、塩胡椒はホントに軽く、これがまた美味い。バター入れたりしてもいいんだけど俺は塩味オンリーのこっちの方が好きだなあ。 　調子が出てきたところで今度は帆立だ。焼きは牡蠣と同様、残りをま～ぼ～さんが刺身にさばく。「痛たっ！」ってま～ぼ～さん、まだ生きてる帆立に噛まれてるし（爆） 　肉厚の貝柱＆ヒモが最高！あ～こんな贅沢して良いんだろうか。３人とも夢中で食べつづける、そういえばamiさん、「どこが魚嫌いなんだか・・・」(爆３) 　ビールもお代わりを繰り返し、俺のマグカップの中味は何時の間にかバーボンのお湯割だ。 　揺れる明かりは蛍光燈。バイクのバッテリーからコンバーターをかませて普通の電灯を使えるようにしたま～ぼ～さんの自信作だ。時々エンジン掛けてやらないといけないのが玉に傷だが（笑）他に人気のないキャンプ場では気がねする必要もない。 　さあ、酒もすすんで今度は炭水化物だ！（笑）。ニンニクと唐辛子を炒めたところへアサリを放り込み、口を開いたあたりで缶詰のホールトマトをぶち込み、イタリアンのスパイス（オレガノやらバジリコやらが入っている）で味を整える。茹でたパスタに合わせて「ボンゴレロッソもどき」の完成だ。 　アツアツウマウマ、唐辛子が素晴らしく辛い。汗をかきながら食べつづける。amiさんが炊いたご飯も美味い。パスタソースをご飯にかけてもイケるなあ。 　・・・う～、さすがに満腹。日はとっぷりと暮れ、崖の下からは波が岩を洗う音が響いてくる。時折聞こえるのは海鳥の泣き声か？松林から覗く夜空は雲も取れ星が輝いている。 「明日は晴れるなぁ・・・」　 　んじゃおやすみなさい・・・	立派な管理棟 独占のキャンプサイト 夕焼け（補正なし！） これは食い尽くした後 （食ってる最中撮る暇あるか！）
翌朝、波の音で目が覚める。 　意外に寒くないのは海沿いだからかな？ごそごそとテントを出る。丁度皆起きたところらしくやあやあと声をかけ朝飯の支度。 　朝はさすがに手抜き、俺は冷凍食品のチキンライスをオリーブオイルで炒める。なにやら朝から買い出しに行ってきたらしいま～ぼ～さんはパスタにハンバーグをソース代わりにかけて御満悦だ。 　食後に煎れたコーヒーをゆっくり飲んだら近所を散策。芝生の中をうねうねと走る道路（？）をバイクでゆっくり走る。芝を傷めないように気を使いながらの撮影会。なかなか芝生でバイクの写真なんて取れないもんなあ。 　テントを畳んで一息ついて、さあ出発だ。キャンプ場の先でお２人とはお別れ、今日は各々好きなコースで帰るのだ。 　自分は海沿いの道を南下する。気温は確実に昨日より高い、Ｒ６沿いのコンビニでオーバーパンツを脱ぎ、冷たい缶コーヒーを買う。勿来の海で波を見ながらちょっと休憩、いいなあ、海。人気のない海岸って落ち着くなあ。 　ここから先は海水浴の帰りに通るいつものルート。大子、袋田の滝なんてあたりでちょっと峠遊びをしながら走る。栃木県に入れば自宅までは１時間ほど、昨日、海岸に丸１日停めておいたしなあ、帰ったらきれいに水洗いしてやろっと・・・	撮影撮影・・・ ノーヘルなんて久し振り（笑）

＜両日の走行距離＝約２５０マイル＝約４００ＫＭ＞


＜本日の教訓＝海はよい！＞