＜２０００年９月中旬のある日＞

参加は２回目。 　お馴染みamiさんから「キャンプですよ…」の便りが届く。 　場所は福島県の海岸沿いにある「天神岬」、一昨年に一度利用した事のあるキャンプ場だ。（福島天神岬キャンプ記参照） 　３人だったその時とは異なり、今回はamiさんの掲示板から多数の参加者があるという。 　「んでは是非に…」と参加させていただく事とする。 　当日朝は曇り。天気予報によれば今日の天候は曇り時々晴れとの事だが、ここのところの様子（秋雨前線停滞中）を考えると雨の可能性もないとはいえない。 　雨具をすぐ取り出せるようにしたリアバッグをＶ－Ｍａｘにくくりつけて自宅を出発、県道を南へと向かう。 　さて、これから行くのは北にある福島県、なのに何故南へ向かうのかといえば……それは「道が無いから」(爆) 　栃木県の中央部から今回のような福島県の海沿いへ行こうとすると、一旦東北道を北上し磐越道を東へ行く（費用莫大！）か、まるで迷宮のような県道をじりじりと東へ進む（雨上がりだと路面状況最悪）か、今日のように一旦国道５０号線まで下り、水戸から改めて北上する（距離過多…）かしか手が無いのだ。 　まぁ５０号までの裏道は開拓済みだし、今日はゆるゆると行くとしよう。 　自宅から１時間程走り、Ｒ５０へ出る直前で、どんよりとした空からとうとう雨粒が落ちてくる。 　道路脇のセブンイレブンで雨宿り（ついでに朝食）。雲の流れが速いし、西の空は明るいから長時間降り続く事はなさそうだ。しかし降り止んだ後の天候にも期待は持てない。う～む、ここで雨具を着けるかどうか悩むよなあ・・・ 　予想の通り、２０分ほどで雨は上がる。とりあえず荷物にだけカバーを掛けて雨具は着けずに出発。 　Ｒ５０号を東へ向かう…と、またぱらぱら降ってくる雨。すぐさま止んで陽が射すが、しばらく走るとまた雨が…あ～、あきらめて合羽着ようっと。 　水戸から常磐自動車道へ乗り北上。空は相変わらず雲の流れが速い。 　着込んだレインスーツは高速道路だと多少とはいえバタ付いて疲れるのでスピードは出せない。３連休の初日で多少混み合っている高速道路をゆっくりと進む。 　北上するにつれ空の状態は次第に良くなって行った。 　風は相変わらず強めだが、青空の範囲は広がり、日差しが射し込むことも多くなってきた。路面は完全にドライ、よしよし、ツーリングはこうでなくっちゃね。 　決して急ぎはしなかったのだが、集合地点の中郷ＳＡには約束の４０分も前に到着してしまう。さすがに未だ誰も来ていないようだ。 。 　乾いてしまった雨具をバッグにしまう。次々とＳＡに入って来るライダーも、皆雨具を脱ぎ畳んでいる。 　これから自分と同じように北上すると言う隼乗りと立ち話、今日はこのまま晴れてくれれば良いのだけれど。 　集合時間丁度に、amiさん(Ｒａｉｄ)完治さん(GSF1200S)キミさん(GSF750)が到着する。お初の完治さん、キミさんにどもどもと挨拶。 　amiさんとは特に待ち合わせたわけではなく、高速道路上で偶然一緒になったらしい。amiさん曰く、ＧＳＦが２台ってのは珍しいからすぐにわかったそうだ。 　「amiさんがいつものGSF1200だったら、噂のトリプルＧＳＦアタックが見られたのに…（笑）」などと話している所へＧＥＮさんが登場、今日は残念ながらキャンプには参加できないそうなのだが、四輪でこの周辺を釣りして回るとの事だ。 　「差し入れですよ」と出されたのは怪しいサイダーのビンが１０本ほど。「おおっ、これが噂のピリピリジンジャーですかっ！」　早速一本頂いてみる。 　栓をヴィクトリノクスでこじ開け一気飲み、甘さの中にほのかな酸味が懐かしい。でも・・・うわっ、本当に喉がピリピリするぅ… 　わいわい騒いでいるところへカラテカさん(DR250)が到着、これで第一次集合地点の参加者が全員揃った。 　「夜、キャンプ場へ寄りますよ」と言うＧＥＮさんに別れを告げて、５台のバイクは一路常磐道を北上する。 　勿来ＩＣで降り国道６号へ。国道から工業団地へ入り海沿いを進めば、そこが小名浜漁港の「いわき　ら・ら・みゅう」、市場に海産物の売店、食堂、レストランのパワーセンターと言ったところだ。 　ここが第二次集合地点、マスヤンさん（マジェスティ）とはしピーさん（CBR1100XX）は既に到着されてた。 　時刻は１２時ちょっと前、互いの挨拶もそこそこに昼飯を食う事にする。 　市場の２階の食堂（？）を片っ端から覗いていく。当然のように海産物の店が多い、一件の食道の海の見える席を陣取りメニューを覗く。 　うむ、ここまで来て我慢する必要はない。自分は迷うことなく『ウニ・イクラ丼2200円』を注文する。 　運ばれてきたそれはさすがに美味だった。ウニもイクラも生臭さはまったくない、物も言わずに食い尽くして、デザートがわりの茶碗蒸（ホタテ入り)を平らげて満腹満腹。しかし海沿いで食う海産物ってのは何故にこう美味いんだろうねぇ・・・ 　膨れた腹を抱たら、さて、夕食の買出しをしておこう。 　一階の市場で品定め。季節柄サンマが美味そうだが、キャンプ場では調理のしようが無いだろう（今回は炭火は使わない予定） 　刺身用のホタテと、何にでも使える大型アサリを購入する。amiさんは土産にとサンマを自宅へ送る算段をしている。まったく、「どこが魚嫌いなんだか…」(一昨年爆) 　獲物と氷の入った発泡スチロールケースをマスヤンさんのマジェスティのリアシートに括り付け、さて、キャンプ場へ出発だ。 　海岸沿いの県道を北上、天気は上々、松林の間から吹いてくる潮風がすばらしく気持ち良い。 　Ｒ６へ合流し更に北上、２００２年のワールドカップサッカー選手村の建築現場の横を抜ければ、目的地「天神岬スポーツキャンプ場」はすぐそこだ。	続々集合、中郷ＳＡ 小名浜へＧＯ！ お約束（笑） 次第に天気は良くなって・・・
キャンプ！キャンプ！ 　このキャンプ場は、オートキャンプ場が併設された大変設備が充実しているキャンプ場だ。 　温泉はもちろん、遊技場やサイクリングコース、テニスコートまで用意されているのだ。 　マイナーキャンプ場ばかり利用する我々には、普段あまり縁の無いバブルキャンプ場なのだが・・・場所が良いからついつい来ちゃうんだよねえ・・・(笑) 　受付を済ませて、バイクのままテントサイトへと向かう。 　松林の中の芝生のキャンプサイト、連休初日とあって既に家族連れらしいテントがポツポツと建っている。 　今は良いけど、夜には雨もあるかも・・・という事で、常設のイベント用（？）天幕の周りに皆でテントを張る。これなら雨が降ってきても、宴会は天幕下でできるから問題無いだろう。 　ひとしきり落ち着いたところで一休み。この後、オフロード組は近隣の「乙次郎林道」へ出かけるという。雨上がりの林道だ、当然Ｖ－Ｍａｘで走れるわけも無く、俺はテント番を申し出る(笑)。 　ところがばりばりのオンロードマシン、ＧＳＦのお二人完治さんとキミさんも林道へ行って見たいと言う。荷物は置いていくから身軽とはいえ…う～ん、大丈夫かなあ・・・ 　２台のオフローダーと２台のオンローダーがキャンプ場を出て行く。日帰り組のマスヤンさんとはしピーさんも出発するとの事、皆が出かけてしまうと・・・あ～、なんか急に寂しくなっちゃったぞぉ・・・（笑） 　先日買ったタープの下にドカシーを敷き、上にエアマットを置く。 　さ、お昼ねお昼ね。テントの中とは違って芝生の上を流れてくる風が心地良い。遠くから響いてくる波の音も子守唄のようだ。おやすみなさい・・・ 　１時間ほど経ったところでごそごそと起き出す。 　う～む、良く寝た。これで今夜の宴会は、途中で電池切れを起こさなくてすむぞ。(笑) 　テントサイトを散策する。売店でアイスクリームを買い、ベンチに座って水平線を行く漁船を眺める。ちょいと湿っぽいが気持ちの良い潮風だ。 　夕刻、約束通り四輪車でＧＥＮさんが現われる。林道組みも「ほぼ」無事に帰還。（キミさんのGSF750のマフラーが何故傷だらけになってしまったのかは秘密） 　同時にharuさんがCB1300で登場、メンバーが揃ったところで宴会の買出しに出かけますか。 　ＧＥＮさんの四輪に便乗させていただきスーパーへ向かう。食事はもちろん小名浜で買った魚介がメインだが、その他の具材をどうするか・・・ま、とりあえずパスタがあれば大丈夫でしょう。 　こまごまとしたものに加え、もちろん忘れず酒を購入しテントサイトへ戻る。巨大天幕の下で、なにはなくともまずは乾杯するとしましょうか。 　生きたホタテはもちろん刺身にする。醤油と山葵で食う貝柱の甘い事・・・ 　アサリは半分を酒（ビール）蒸しにする。新鮮なだけに変な小細工をせずにストレートに食うのが美味いのだ。 　炭水化物はやっぱりパスタ。amiさん持参の短めのパスタを、完治さん持参の鍋で茹で上げる。 　う～む、７人前茹でるとさすがの鍋もいっぱいいっぱい、ホールトマトにタマネギ、アサリで作ったソースは別途合わせてもらう事にしよう。 　飲み、そして食う。 　amiさんはなにやらパエリヤを作ろうと格闘中。haruさんは北海道で習い覚えたという茹でじゃがいもを皆に振舞う。 　今日の「アタリ」はタルタルソース。じゃがいもにはもちろんぴったり、あえて名を秘すが、生のピーマンにタルタルをかけて齧っていた人もいたようだ(笑) 　皆に次第に酔いが回ってきた頃、なっきぃさんがＲａｉｄで登場する。まあまあとビールとホタテの刺身を勧める。 　ホタテを食べ終わった後、「これはなんですか？」となっきぃさんが抱えたものは……amiさんの怪心作「パエリヤを作ろうと思ったんだけどど～にも上手くいかないのでリゾット風に煮込んだけど今一つでしたご飯」だ。首をひねりながら食べるなっきぃさん。味はどうだったのか、何故か聞く人は誰もいなかったという(爆) 　酔った勢いで、なっきぃさん持参の「遊遊ドーム」を皆で大騒ぎしながら組み立てる。 　夜が更け、テントサイトには雨混じりのジメジメとした風が吹き始める。 　「んじゃそろそろ…」と各自のテントに引き上げたのは丁度日付の変わる頃。どれ、歯を磨いて寝るとしよう。水場が近くにあるキャンプ場ってこういうとき便利だよなあ・・・	キャンプ場到着 （画像提供：マスヤン氏） テント設営 宴会開始！ 恐怖！遊遊ドーム！
霧の朝 　翌日、例によって６時に目が覚める。 　何故かテントの中は湿度が高くジメジメ状態。外は？と覗くとテントサイトは濃い霧に包まれていた。 　静かな海辺の朝…と言えば聞こえはいいが、このべとべと感は今一つ、どれ、さっさと起きて茶でも飲もう。 　ごそごそと着替えて外へ出る。 　昨日の天幕の下でお湯を沸かしてコーヒーの準備、今日はどんな天候になるのだろう？相変わらずのどんよりとした曇り空からするとあまり期待は持てそうに無い。これじゃぁ山へ遊びに行っても路面は濡れてしまっているだろうなあ・・・ 　次第にメンバーも起き出して来る。どもどもと挨拶をし、そのままなし崩しに朝飯へとなだれ込む。 　主食は昨日買っておいたロールパン。これに昨日の残りのタマネギとジャガイモを使った味噌汁という奇妙な取り合わせだ。（何故か味噌を持っていたキミさんに感謝（笑））ま、偶にはいいでしょ？こういうのも。 　朝霧は次第に薄くなるが、相変わらず天候はぱっとしない。食事が終わり洗いものを済ませ、皆がテントを畳み終わった頃、とうとうぽつぽつと雨が降り出してくる。 　ううむ、やはり降ってきたか、これは雨具を着込まないといけないな・・・ 　さて、帰り仕度を・・・と言う頃、突然修ちゃんがBAJAで登場する。 　昨日は所用により参加できなかったのだが、せめて顔だけでも・・・とわざわざ駆けつけてくれたらしい。 　あぶないあぶない、あと３０分遅れてたら皆いなくなってましたよ（笑） 　出発の準備が整う。帰る場所もばらばらなら帰るルートも皆ばらばらだ。 　再会を約束して解散、天候にはあまり恵まれなかったけど、なかなか楽しいキャンプでした。 　一人になった帰り道、どのルートで帰ろうかと迷ったのだが、天候を考えて昨日とまったく同じ道筋をたどる。 　小名浜まで戻って土産にホタテとサンマを購入。リアバックの更に上に発泡スチールのケースを積む。ううむ、こりゃぁ「チーム過積載」に入れてもらえそうな迫力だ（笑） 　朝のうち、あんなに降っていた雨なのだが、小名浜漁港を出る頃からは天候が次第に回復してくる。 　雲も薄くなり青空も広がる。天気が良くなったのは時間的なものなのか、はたまた場所的なものなのか。 　勿来ＩＣからは常磐道、なんとなく脱げなかった（笑）雨具がバタつくのと過積載の為スピードは出さない。５速４０００rpmで流す高速道路というのも気持ちの良いものだ。 　午後、無事帰宅。 　山積みの荷物を降ろし、テントとタープをガレージ内に干し、潮風の中を走ってきたバイクを水洗いする。 　空は何時の間にやらきれいな秋晴れ。う～む、こんなことならもうちょっと遠回りしてくるんだったかなあ・・・	霧の朝 積載量オーバー？

＜２日間の走行距離＝約２４０マイル＝約３８４ＫＭ＞＜本日の教訓＝現地で晴れて欲しかったよなあ。＞