＜２００２年４月２９日＞

西へ西へ。 　6:00am、頬にくっきりと畳の跡を付けて起床。 　ううむ、９時間しっかりと寝てしまった。まぁこれで昨日の時差ボケ（？）も解消できたことだろう。 　夜のうちに携帯電話へメールが多数届いている。 　どうやら「ツーリングに出発したよ～」と、うちの掲示板に書いておいたのか効いているようだ（笑） 　やはりロングツーリングに出ている友人達には現状報告をし、出かけられない友人達には「いいだろ～」と自慢のメールを送る（笑） 　しかしツーリング途中で連絡が取れるってのは便利な時代になったよなぁ… 　手早く出発の支度。 　大荷物をＶ－Ｍａｘに積み込み、管理人夫妻に挨拶する。 　「夜、（子供会の）子供達が煩くありませんでしたか？」と心配されるが、なぁに、そんなに繊細な神経はしていませんのでご安心を（笑） 　7:00am、控えめなアイドリングの後、出発。 　クリアシールドの下から眺める今日の空は、若干雲が広がるものの、雨の心配はなさそうだ。 　山陽自動車道のＩＣ手前のコンビニで、朝飯のパンを咥え、缶コーヒーを頭の上に乗せながら（←意味不明）本日のルートをチェックする。 　今日の目的地は山口県の萩市。そしてその手前にあるカルスト大地、秋吉台へも立ち寄ってみたい。 　例によっていきあたりばったりで、萩のＹＨへ電話してみると、運の良い事に今日の宿泊も食事も大丈夫ですとの事。 　よし、んでは秋吉台から萩観光と洒落込むか。 　山陽自動車道は快調に流れていた。というかガラガラであった。 　8:00am、小谷ＳＡで給油の後、若干ペースをあげて走る。 　Ｖ魔のエンジンは相変わらず快調だ。昨日は長旅＆夜間走行だったのでさほど回さなかったのだが、今日はちょいと上の回転域を使ってみる。 　力強い排気音が頼もしい。加えて今日は妙に「乗れている」気がするのだ。 　高速道路の緩いアールをクリアするのが楽しくて仕方がない。 　出掛けに新品に換えてきたリアタイヤとオイルのせいなのか、単なる気分の問題なのか、1.6NSの高速でカーブに突っ込んでいっても何故か怖さを感じない。 　V-BOOSTを効かせたままの高速コーナーというのは久しぶり、「みゃー」とか「にゃー」とか意味不明の叫び声をあげながら西へと爆走する。 　広島県。左手に瀬戸内海と島と橋、手前に市街地の町並みが広がる。 　うむ、絶景絶景、ここばかりはステップに立ち上がって景色を愛でながらゆっくりと走ろう。 　トンネルの多い山陽自動車道。一つトンネルをくぐる度に気温が上がっていく。 　雲が流れ、次第に晴れ上がってくる空の下、山口ジャンクションで中国自動車道に合流、小郡ＩＣで高速道路に別れを告げ、県道２８号から国道１３５へとを乗り継げば秋吉台周辺（笑）へと到着だ。 　11:00am、休日だというのに、秋吉台近くの一般道はこれまた快調に流れていた。 　付近をぐるりと回った後、まずは展望エリアへと駆け上がる。 　高校の修学旅行以来の秋吉台。展望台の駐車場にバイクを停め、ヘルメットを脱ぐ。 　う～む、凄いよなぁ、この景色は。 　一面に草が広がる高原に点在する石灰岩。そしてそこをうねうねと通るアスファルトの道路。 　以前、同じような景色の四国のカルスト大地に行った時には、妙に寒々しさを感じたものだが、ここではそんな印象は感じられない。 　薄く空を被う雲の間から、時折差し込む日の光。絶景絶景、さて、見ているばかりじゃなく走らねば。 　展望台から一旦下り、ワィンディングへと乗り入れる。 　高原にもかかわらず気温は高く、皮ジャンの下に軽く汗をかくほどで、草原を抜ける風が実に心地良い。 　皮ジャンのジッパーを開けて走る。 　観光客も少なく、ストレスなく走る事ができる。う～ん、気持ち良いねぇ… 　走っては写真撮影を繰り返し、国道１９１へと合流。さて、汗もかいた事だし、温泉へでも寄っていきますか。	秋吉台展望台 快走ルート
温泉と島。 　ツーリングマップルで誉めていた「湯免ふれあいセンター」へと立ち寄ってみる。 　500円を払い入浴、広い大浴場と露天風呂に浸かりどろどろと溶ける（笑） 　湯上りに腰に手を当ててフルーツ牛乳を飲んでいると、フロア隅に「握力計」が置かれているのに気がついた。 　「どれどれ」と計るが…ひ～ん、60kg割ってるよぉ…俺も歳をとったものよのぉ…（しみじみ） 　0:30pm、ほかほかに温まった体で国道を一走り、山陰側の海岸線へと出る。 　うむ、考えてみればこちら側へバイクで来たのってこれが初めてだな。 　時間はまだ早い。海に突き出した「青海島（チンタオ島と勝手に命名）」を一回りするとしよう。 　島の先端までは気持ちのよいワィンディングロードであった。 　峠道を楽しみ、漁港を眺める。 　この辺りは昔鯨漁が盛んだったようで、先端付近には「くじら資料館」がある。 　入館はしなかったもののなかなかに面白そうな施設であった。付近の道路に置かれたマンホールまでクジラ柄、いいねぇ、こういう遊び心。 　行って帰ってのチンタオ島（←違います）探訪の後はもちろん昼飯。 　島の付け根あたりに大きな漁港というかショッピングセンターがあったので、期待に胸を膨らませて（←不気味）行ったのだが、どうにも目ぼしいメニューが見当たらない。 　ま、こんなこともあるさと、屋台の揚げたて巨大カマボコ（ガンボコと書いてあったが）200円の「イカ」と「タコ」１枚づつをもぐもぐやって昼飯代わりにする。 　さて、ここから萩市まではほんの30kmほどだ。 　国道を走ったのではつまらない、海岸沿いを走る県道64号線で行くとしよう。	向こうに見えるはチンタオ島（違） くじらマンホール
萩市到着。 　県道64号線は、実に味のある道であった。 　景色は抜群、交通量も少ない…のだが、少ないのはあたりまえ、なにしろとてつもなく狭いのだ。 　１車線の細い道路は、海沿いの崖っぷちを通り、畑の中のあぜ道を抜ける。 　並行して走る単線の線路には、時折り２両連結の列車ががたんごとんと通り過ぎていく。ああ、なんかほっとするぞこの風景（笑） 　この雰囲気は、四国の国道４３９号（通称ヨサク）に通じるものがある。海と山との違いはあるものの、何か懐かしいものを感じさせるのだ。 　だがこの道も、ご多分に漏れず拡張工事中であった。 　もっともこの工事個所、通る人が無いせいだろう、現場の親父さん連中は道路の真ん中にトラックやらユンボやらを停めっぱなしで昼飯中。 　「すいませ～ん、ちょっとだけよけてもらえばとおれますからぁ～」 　30kmにたっぷり１時間半をかけて走りきる。 　次第に強くなってきた風を浴びながら萩市内へ。綺麗に整備された道路はさすがに観光都市である。 　萩は倉敷と同じように観光バスが多いが、萩名物（？）のレンタサイクルに跨る修学旅行（？）の学生さんたちも多い。 　今日は風が強いから、自転車はちょっと辛いだろうな。 　さて、萩といっても俺のお目当ては旧家や歴史的建造物ではない。目指すは食い物と萩焼きなのだ。 　まずは道の駅シーマートへ立ち寄り、生け簀で泳ぐイカを眺める。「刺身にしたら美味いだろうなぁ…」 　キャンプだったら即購入なのだが今日はユース泊、我慢我慢っと。 　イカの代わりに蒸気船焼き90円を咥えてうろうろとうろつきまわる。 　一通り見学した後、道の駅を出発。 　市内で恒例の給油の際、ＧＳのお兄さんに萩焼きのお勧め店を聞き、ちょいと離れた萩焼きの窯に立ち寄ってみる。 　意外に大きな展示場に驚きながら品定め。 　安物だが、萩焼き独特の柔らかい色合いをしたちょいと見栄えの良い杯を一つ購入する。 「あ～、バイクなんでクッション多めに入れておいてくださいな」 　市内をぐるりと一回りしてＹＨ到着。観光地だけに、実にユースユースした（？）ＹＨであった。（一体どんなんだか…） 　夜は同室のアフリカツイン氏と、秋吉台の道路情報と九州ラーメン情報を交換しあう。 　さぁ、明日はいよいよ九州上陸、今日も早めに就寝しておこう。 　 ←ＢＡＣＫ　ＮＥＸＴ→	６４号線はずっとこんな感じ なるほど蒸気船型だ。

＜本日の走行距離＝約２４３マイル＝約３８９ＫＭ＞＜本日の給油回数＝４回＞＜本日の教訓＝観光地も悪くないよな＞