■ツーリングレポート セロー 栃木、群馬

 

これまた快晴峠越え記


素晴らしい天気の一日でした

 

 

garage Ak!rA

 

<2015年5月上旬>

晴れました

 日曜日午前10時、快晴。
 「おーし、んじゃ出発するか」

 ツーリングにしては遅すぎる出発だけれど、おっちゃんの日曜日にはいろいろ浮世の義理があるのだよ。それに今日はご近所散策だけなのでゆっくりでも大丈夫。(多分)


 フルオーバーホール後のセロー。エンジン自体は快調なのだけれど、キャブのセッティングに迷いがある。

 パワー重視でいくか耐久性でいくか、はたまた日常域でのレスポンスが大切か。
 いろいろ考えた事は後で別コンテンツにするとして、ともかく一度高地でのテストをしてみたい。

 山へ行くことの多いセロー、そしてトラブルになって困るのも山の中。

 もし2000mクラスの峠が普通に越えられたなら、どこの山(北海道の大雪山系とかもね)へ入っていっても大丈夫。
 あとの街中はどうにでもなるはずで……とかの理由付けは実はどうでも良くて、「とにかく今、俺はセローで走りてぇんだよ!」
#最近セローで遠出できてなかったからなぁ…


 出発。街中をぱたぱたと走る。

 先のとおり天気は快晴、今はまだ涼しいが天気予報では今日の宇都宮の最高気温は25度オーバー。
 なので服装は長短Tシャツのレイヤードにパーカー、グローブはメッシュの夏仕様だ。

 さて、名目上とはいえ高地テストに山へと向かうのだけれど、本気の林道にソロで侵入というのはこの時期まだちょい危ない気がしないでもない。
 そして気づく 「あ、スマホ持ってくるの忘れた

 ううむ、ネットへのアクセスはともかくとして、何かあった時の緊急通報には困るかも。
 なら先の心配もあるし、今日は舗装路メインでおとなしく走るとしようか。

 「まだGW休暇の人もいるのか?」と思うほど混雑していた宇都宮環状線から北道路へ。
 ここは一般道だけど80km/h制限なので一生懸命走る……いや、セローとはいえ空荷の80km/hはさすがに楽々だわ。(喜)

 珍が山ほど溜まっていたコンビニの脇を顔をしかめながら通り過ぎて日光街道。「お~、新緑が綺麗だ~」

 桜をはじめとする広葉樹の緑に目が染まる。
 真夏の緑もいいけれど、GWから梅雨時期の「これから伸びるぞ~」って木も勢いがあって俺は好きなんだな。

 北へ走ったからか時間のせいか、空はますます晴れ上がってくる。
 いや、こんな青空久しぶりじゃないか?それともゴールデンウイーク中も同じくらい晴れてたんだっけ?(←仕事だったので記憶無し)

 旧今市市から先。あまりに天気が良いので、いつも使うバイパスではなく旧街道を走ってみる。
 ありゃ?日光の市内がさっぱり綺麗になってら。電柱無くすだけでもイメージ変わるけど、路肩広げると更に雰囲気変わるもんだな。


すっきりさっぱり

 ここだけはまだまだ昔の雰囲気の日光東照宮下を通り過ぎ、いろは坂方面へ。

 いつも満タン保管が基本のうちのバイク達だけれど、今日のセローはいろいろテスト後の中途半端な燃料量で出発している。
 なのでこの先で念の為給油。よし、これで今日は帰宅まで給油は必要なしっと。
※航続距離が300kmあるとホント楽だわ(はぁと)


 日光市内を抜けると混雑は減っていった。それっといろは坂へ突っ込んでいく。

 「をを、結構元気に上がるぢゃないか」
 第二いろは坂を上るセロー。絶対的に非力なのは仕方なしとして、きちんとしたギアを選んでやればきちんと加速してくれる。
 そうだよな、このシフトチェンジがオートバイの醍醐味みたいなものだものな。

 心配した高地的現象は今のところ感じられず。尤もこの上の明智平でも標高は1300m弱だからまだまだ何か起きては困るのだけれど。

 その明智平から見上げる男体山。「や~、残雪が綺麗だわ~」
 谷沿いに雪が白く輝いて見える。南側でこれだから北側はもっと残っているに違いない。(そうそう)


標高確認的画像

 駐車場から下の道路を覗き込み、通行区分帯違反を取り締まっている(であろう)お巡りさん2人を尻目に出発する。

 中禅寺湖畔の混雑もさほどではなし。
 それでもちょい前から流行ってきたらしい某肉屋(兼食堂)の前には行列もできていた。そして待っている人のほとんどがライディングウエア姿なのが面白い。

 「それにしてもこの天気の良さを表す言葉は何かないものか?」と己のボキャブラリーの貧困さを嘆きながら走る国道120号。

 いつもの撮影ポイント、中禅寺湖畔の砂利道へ降りていくのもUターンするのもセローなら楽々。
 ここ、VMAXとか隼とかだと大騒ぎしなきゃいけないんだけどね。

 いつの間にか強くなってきた風に白波の立つ湖畔で小休止。お~遊覧船も気持ち良さそうだぁ~


お気に入りの場所で


風が出てきましたね

 ひとしきり休んだ後、「さて」とリアボックスからウインドブレーカーを取り出しパーカーの下に着込む。グローブも3シーズンへとコンバート。

 いろは坂下までは夏の気温だったのだけれど、次第に下がって今では桜が咲く前あたりの体感に。
 これから更に高度を上げると気温はまだまだ下がるはず、ま、地元(?)としてはこのくらいの準備は当然ですよ当然。
#あー持ってきておいてよかった…


持つべきものは防寒装備

 それっと戦場ヶ原。
 「ここもいい天気だなぁ、あと北の山、雪がやっぱ凄いなぁ。」

 こんなに良い天気なのに、北から対向してくるライダーは雨具を着込んでいる人が多い。
 そして案の定、セローを追い越して行くライダーは皆寒そうな。そうそう、そこのメッシュジャケットの練馬ナンバー、早めに着込んでおかないと風邪ひくからねぇ。


画像からは想像できない冷え込みが

 湯の瑚温泉への分岐を過ぎると交通量は更に減った。
 よしと上る金精峠。うっひゃ~雪だ雪だ

 見上げる山の斜面にはまだまだたっぷりの残雪があった。
 男体山同様、谷に残った雪は氷河のよう、距離が近いので遠近感くっきり、真っ青な空とあいまって素晴らしく綺麗だった。


雪だ


雪だ雪だ


 さて、ここで肝心の高度テストを…と。

 実は金精峠はいろは坂(上り)以上の斜度がある。
 高度も明智平から600mプラスで、頂上で海抜1900m弱といったところ。

 さすがのセローも「元気に」上るのは辛そうだけれど、ギアをあわせて法定速度で走るなら問題ない感じ。
 でも意地悪なスロットル操作をするとちょいグモるから、相応に濃い状況なっているのも間違いなし。

 街中で薄い感じはしないからMJはもう少し下げても大丈夫なはず。
 「どうしようかな?もう2.5~5番くらい落とそうかな…」

 頂上のトンネル手前の駐車場にセローを停めてアイドリング。
 回転はやや低くなり上下するものの止まることはなし。なのでスロー系はこのままで。


標高確認的(略)

 「以上、テスト終了!」と叫びながら頂上トンネルを抜けて群馬側へと下っていく。

 パワーのいらない下りではもちろん問題なし。そして「ああ、軽いって正義かも…」
※特に下りの荒れたヘアピンではね。

 昼過ぎ、峠の茶屋。
 トイレを借りて飯をと思ったいたのだけれど、何故かお腹が空いていない。うん、なら昼飯はもうちょい先までひっぱってみるか。

 出発しようとして、この茶屋の裏から始まる登山道にたっぷりと残雪があるのに気づいてしまう。

 いや、残雪というか今はただの雪原だ。
 夏だと車両進入禁止(だったはず)だけれど今日はフリー(というか無理)

 「ひゃっほぅっ!」と勢いをつけて突っ込んで、ごん!っとフロントが雪壁に乗り上げたら足が宙釣りになって大慌てとなる。
 うひぃと飛び降りて車体を支えて。うん、積雪50cmはナメちゃいけないね。

 そろそろとバックして一息ついて。
 乗り上げた前輪でできた溝の深さからするに、上がったら動けなくなるのは間違いなし。うむ、ではここは名誉の撤退を選択するとしよう。
※以上、誰もいないと思ってはしゃいでいたのに、駐車中の何台もの車の中からガン見されていましたとさ。(恥)


無理か…


無理だよなぁ…


 ゆるゆると片品村方面へと下っていく。

 北に広がる沼が空と対比してとても綺麗。
 夏にとうもろこし目当てで来るのもいいけれど、この時期の国道120=ロマンチック街道も悪くない。まぁ気温はかなり下がってすっかり冬のそれではあるのだけれど。
※でもこの辺りの本当の冬はこんな生易しいモンじゃないんだよな(←スキーで体験済み)

 丸沼高原スキー場の上部では、雪景色の中でBBQが絶賛開催中だった。気持ち良さそうだけどどこから入ったんだろ?それともスキー場関係者なんだろうか?

 そしてセローだと枝道が気になるのはいつものこと。

 VMAXでは見過ごしてしまう細い道やら怪しい曲がり角を試してみたり。
 なんたらリゾート跡とか旧道とかをぐるぐると走る。特に目新たしい林道は見つからなかったけど新鮮味があって楽しい。
 「あ~やっぱいいな、軽くて足の長いオフ車ってのはさ」

 尾瀬へと曲がる丁字路まで来て安心する。
 よし、ここまで来れれば大丈夫。この先の尾瀬方面はもう少し暖かくなってからまた訪れるとしよう。


水上へ抜ける道も気持ち良いんだよね


 くるりとUターン。来た道を戻る。

 枝道探索は継続。
 丸沼高原付近で以前、初めてオフロード体験をした林道を探したのだけれど見つからず。
 確かペンション村から上ったはずなんだけど…さてどこだったんだろ?
※「以前」とか軽く書いているけど、なにせこれ1998年の話だからねぇ

 戻るにつれ、また路肩の雪が増えてくる。

 そしてちょい奥まったところに雪溜まりを見つけ、「ここなら大丈夫!」とセローを突っ込ませる。

 「え~、この時期の残雪というのは当然ザクザクのベタ雪なわけでして~」

 前輪はずっぽりとはまりこみ、後輪はむなしく雪を掻く。
 あわわわわと慌てながら足でコイてじりじりと進む。大汗をかいて抜け出して「せ、セローの真骨頂はこの2輪2足にあるのだよ!」(はぁはぁ)
※やっぱ先の林道へは突っ込まずに正解だったよな…


大丈夫じゃありませんでした


「あ~でも空は青いわ~…」(逃避中)


 金精峠頂上を越えて栃木側の下り。

 正面に男体山と中禅寺湖が広がるのは見慣れた景色だけれど、今日はとにかく天気が最高、そして残雪が映える。
 シャーっと(?)下って国道120継続。そして見つけてしまったんですねぇ。

 わき道探索を続けていた時。何気に入った枝道が砂利に変わる

 結構先まで続いていそうな予感がしたので上っていく。
 道は砂利だけれど最近撒かれたわけではなく、かといって荒れているわけでもない。そして砂利の上にふわりと枯葉が被った素敵な路面状況だ。

 周りは巨木だらけだけれど、この時期なので葉はまだ少なく見通しはきわめて良い。
 南斜面なので日差しが差し込み、木々の向こうにはちらりちらりと湖の青い湖面が。

 「うわー、綺麗だなー」


最初は砂利も見えますが


その先は枯葉に覆われて

 しんと静まりかえった林道をゆっくりと走る。
 時おり倒れた巨木やら太い枝やらが道をふさぐがセローなら問題なし。上り下りが急な部分もあるがこれまたセローなら。

 1km程先、道は砂防ダムの下で終わりとなった。

 多分このダムの作業用として作られたのだろう。手入れはされないだろうからこの先荒れてしまうのかもしれないけれど、今は素敵な散策路。
 距離が短いから走るのには合わないけれど、休憩がてら乗り入れて途中でコーヒー飲むには良い環境間違いなしだ。
 問題は、いかにも熊が出そうな雰囲気なところなのだけれど。


次回は何か飲むもの持ってきましょうか


 「よし!ここはキープ!」と叫び、国道へと復帰。

 遅れに遅れた昼飯は、中禅寺湖畔の喫茶店で湖を見ながらパスタを食べる。
 うん、今日は充実したお出かけだった。セッティングもそうだけど、夏の宇都宮からまだ冬の金精峠までいろいろな季節を楽しめた気がする。さすがは日光ロマンチック街道、恐るべし。

 まっすぐ帰っての帰宅は16時半。

 予定通り自宅近くで給油、燃費は31km/Lというあたり。
 もうちょい良いはずと思っていたけれど、これは(セロー的には)厳しい峠越えのせいかボアアップのせいかキャブセットのせいか。ま、これからおいおい判ってくるだろう。

本日の走行距離:280km、給油回数:2回
本日の教訓:新しい発見は嬉しいものです

 
 

 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。

 

ツーリング紀行へ戻る ツーリング紀行へ戻る