YAMAHA V-Max

＜２０００年２月＞

 

思い立ったが・・・吉日？ 　連休のはずが単休になってしまったとある週末、「そーいえば、そろそろキャブでも見てやるかぁ…」って思ったのがそもそもの始まり。 　ホームセンターでキャブクリーナーを購入し、ガレージへ戻る。いつもならエアクリーナーを外してキャブへ吹き込んで終わりにしてしまうのだが、「休日だし、中身まで綺麗にしてやるか・・・」と分解清掃を決意する。 　ダミータンクを外して、ダミーダクト外して、ステアリングダンパー外して、エアクリーナーボックスを外す。燃料パイプとスロットルケーブルを外すと一体型のキャブがごっそりと外れるので、フレームとサブフレームの間からそ～っと取り出してやる。 　キャブを作業台の上に置いたら残されたエンジンにぽっかりと開いたインテークマニホールドにガムテープを張ってほこりの侵入を防いでおこう。変なものが入っちゃったら何の為の清掃だかわからなくなってしまうしね。 　さて、外したキャブを目の前にちょっと悩む。 　Ｖ４のキャブだ。フロート室が通常と違って内側に付いているため（直４の場合は下側）これを外すには４個のキャブを別々にする必要がある。ううむ、なんか面倒そうだなあ、ま、いいか、今日は休日だし・・・	埃は防止せねば・・・
君にバラバラ・・・ 　とりあえずはサービスマニュアル引っ張り出して手順の確認。じっくりとマニュアルを読むと…あ～やっぱり面倒くさいかも（笑） 　チョーク（スターター）関連の複雑な取りまわしは忘れそうなんで、バラす前にデジカメでしっかりと記録。これって結構利くんだよねぇ。 　さて、覚悟を決めてバラし開始だ。 　ある程度予想していたとはいえ、４個のキャブを固定しているステーの取り付けネジが猛烈に硬く締まっている。＋ネジ（+2サイズ）だけど、迂闊なドライバーを使うとすぐにナメてしまうだろう。案の定半分ナメたところで（爆）中断。ちょっと考えて、インパクトレンチ用の＋ビットをソケットレンチに噛ませるという大技（笑）を思いつく。 　これがなかなかに正解(笑)どうにか４つのキャブの取り外しに成功する。 　それぞれのキャブのドレンパイプから、溜まっているガソリンじゃぼじゃぼっとを抜き出して分解準備完了。 　パーツ点数の多いキャブレターだ、とりあえず一つずつ洗浄していくことにしよう。 　フロート室をはずして、中のフロートを慎重に取り外す。オーバーフロー防止用のピンを確認。段つきはないようで一安心。 　フロート室の中は綺麗なものだ。ベトベトとかネバネバとかも見当たらない。 善哉善哉。 　メインジェットを外し、キャブクリーナーで清掃。 スロー＆アイドル系のジェットとかも同様に綺麗にしてやる。それぞれの部品は思っていたよりぜんぜん綺麗、チョーク（スターター）のバネとかにも劣化は見られない。う～ん、これならバラす事はなかったかなあ？（笑） 　ジェットニードルとスライドピストンを見てやる為、ダイアフラム側をバラそうとして気づく。「あ、ネジの１本がトルクスだ。」 　トルクスドライバーなんて持っていないし、分解したままだとネジにはあんまりトルクかけられそうにない。こちら側は一旦組み立てた後にまとめて面倒を見てやることにする。 ＃結果的に大正解（笑）	ところで、コレ、 無事に組み立てられるんでしょうか？（笑）
気づいたのが運の尽き。 　同様の手順であと３個のキャブも掃除してやる。 　幸いにして４個とも状況は同じようなもの、内部パーツにも交換が必要なものは見当たらない。洗うところは洗って、拭くところは拭く（笑） 　マニュアルと首っ引きで、４個のキャブを元通りにステ～で繋ぎ合せて、スロットルやらチョークやらの連動して動く場所の動作確認。あ～面倒くさい・・・（笑） 　一通り形になったらエンジンへ組み込む。接合部のインシュレーターは以前ギア交換の際に新品にしてあるのですんなりと取り付けOK。やっぱりゴム部品（？）は新しいといいねえ。 　ステアリングダンパーの取り付けステ～との干渉に気をつけながらスロットルワイヤーを取り付ける。 　どれどれ、おおまかにはできあがったかなあ？と、まだエアクリーナーボックスのついていないキャブを上から覗き込む。並んだジェットニードルとピストン。だが・・・「あ、なんか隙間の幅が違う・・・」 　キャブのピストンの下端とインテークマニホールドの隙間の幅が微妙に異なっているのだ。特に１番キャブは妙に隙間が大きい。バラせなかったダイアフラム内のバネが劣化しているんだろうか？２ストやＦＣＲじゃないし、負圧式キャブだからさほどの影響はないのだろうけどやっぱり気になる。 　「う～む、仕方ない、トルクス買ってきてここもバラしてやろう。」 　ちなみに作業開始からここまでで１２時間が経過（爆）。夜も更けて来たので今日の作業はここまで。 　ガレージでの作業は、こういう「途中でや～めた」ができるから良いよなあ・・・（＾＾）
ネジ侮る事なかれ。 　さて、後日パーツ屋に注文しておいたダイアフラムのバネが届く。 　近所のホームセンターでトルクス用の交換ビットも購入。しかしまあ、今ではこんなものまでホームセンターに売っているんだねえ。いったいどんな人が買うんだろ？（←お前だ、お前） 　さて、んではバラしますかとキャブに取り組む。 　ダイアフラムカバーのネジは、横置きキャブのためエンジンにとりつけたままでも作業できるのがありがたい（トルクもかけられるし） 　ただし、このカバーはダミーインテークの真下にあり、V-Maxのデザイン上のアクセントにもなっている。しかもアルミ製、うかつに作業して傷でもつけたら涙がとまらないはずだ。 更に留めてあるボルトは外観を意識してか＋のネジ、う～ん、これはいかにもナメそうだよなあ・・・ 　とりあえず・・・と１番キャブに挑む。 　さすが専用工具だけあって、トルクスネジはすんなりと緩んだ。しかし・・・あ～、他の＋ネジがゆるまないよぉ。 　通常のドライバーではまったく歯がたたない。インパクトドライバー使ってやっと２本はＯＫ、最後の１本は・・・あ、ナメちゃった・・・（爆） 　見事にナメきったネジにため息をつきつつ最後の手段。タガネを使ってネジに溝を刻む。更にカネノコの歯を使って溝を広げた後、インパクトドライバーの一番大きなビットをさし込んでっと・・・ふう、なんとか外れました。 　でもなあ、キャブはあと3個あるんだよなあ・・・ 　くそぉ、どうせ元の＋ネジは（ねじ山が削れて）使えなくなっているし、組付けの時には全部新品のヘキサゴンボルトに交換してやるぞぉ・・・ 　カバーが外れてしまえばバネの交換自体は簡単な作業だ。 　古いバネは、さほどヘタっているようには見えなかったけど新品に交換、ダイアフラムのゴムもまだ大丈夫そう、合わせ面に気を付けてカバーをセットすれば交換は完了。よおし、あと３つ分、がんばってみようかぁ！ 　・・・残りのネジは、今までのネジに輪を掛けて頑固でした。（核爆） 　ドリルで揉んだり、逆タップを切ったり、ありとあらゆる「ネジ外し技術」（笑）を駆使し、＋ネジと格闘すること１週間、ついに「我、勝利せりっ！」（笑） ＃結果、一番有効なのは昔ながらの「タガネ当て」であることが判明 　予定どおり、ネジは全部ヘキサボルトに交換。あ～でもここはもう開けないぞぉ！（爆）	今回購入した「ネジ外しツール」の数々 本当はまだまだあったりして・・・（笑） 全部ヘキサボルトに変更。
インプレッション 　キャブをもう一度確認し、イグニッションオン。セルを回す。 　ふう、同調ネジを適当に組んじゃったからアイドリングが不安定なのは仕方ないとして、とりあえずエンジンはかかったぞぉ。 　エンジンの温まったところで、あらためて４連バキュームをセットして同調のとりなおし、あ～、やっぱりすごいばらばらだわ＞負圧。 　じっくりと時間をかけて調整、納得のいったところ(笑)でカバーやらダミータンクやらを装着、外観を整えたら試乗にでかけよう。 　さて、その試乗は・・・心なしか出足がスムーズになっているような気がする。 　実は部品注文の際、あえて国内仕様向けのダイアフラムのバネを注文したのだ。「国内仕様向けはバネレートが若干低い（やわらかい）のでツキが良くなる」との裏情報があったからなのだが・・・うむ、結構効いてるかも。 　信号待ちのアイドリングも安定している。この時期の日中にしては低めの気温でこの状態なら上々、よしよし、良いぞ良いぞ(笑) 　さぁて、これでキャブも綺麗になって、春のシーズンインに向けての準備は完了・・・かな？ ＃あ、あとオイル交換とプラグとタイヤと・・・（＾＾；

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