直射日光を遮り、パッドが取り付けられる長袖のウエアはツーリングには欠かせないものだが、いかんせん夏にはどうにも暑い。
風を良く通すメッシュ素材が使われるようになったのも当然といえば当然だろう。
だが、本当に夏はメッシュが一番良いのだろうか?
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メッシュジャケットは確かに涼しい。しかしそれは走っている最中の話である。
信号待ちで停まっている時も涼しいわけではない。
そして走っている最中の話であれば、メッシュでないウエアでもそこそこ涼しいのだ。
山へ上った時など急に気温が下がるような場合にも、メッシュでは対応する術が無い。
普通のウエアならジッパーを上げ、袖と襟元を留めればそこそこの防風効果が期待できるものだが、素通しのメッシュでは無理な話だ。
「メッシュジャケットは汎用性に欠ける」と言い切っても、あながち間違いではないのだろうか。
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■ でも買っちゃいました。
…というわけで、検証の為(?)メッシュジャケットを購入する。
メーカーは毎度お馴染みKADOYA
品番はCF-HR S2
謳い文句としては
「本体メッシュ面積を大幅に拡大させる事により前モデルとは比較にならないエアインテーク量が灼熱のライディングを快適にサポートします。」
…だそうだ。
これまで着ていた夏ジャケは、同じカドヤの製品(非メッシュ)
これと比較すればメッシュジャケットの良し悪しが見えてくるだろうか?
※比較はデザインやポケットの配置等の機能的な部分を除き、「メッシュ」部分についてのみ行う。
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■まずは通常走行時。
涼しい。とにかく涼しい。
風が「当たる」のではなく「抜けていく」感じなので、冷えすぎる感じがしないのが良い。
■高速走行時。
これまた快適。
先の「抜けていく」感じが強調される。
これは、このジャケットの袖の上部や肩という風の最も当たる場所が非メッシュだからだろう。
風が「当たる」場所は非メッシュ、「抜ける」場所はメッシュにすることで、体が疲れる事を防止しているように思う。
バタつかないという点も非常にありがたい。
■信号待ちで停止
暑い。前ジャケットと変らない。
■気温の低い場所
やはり寒い。外気にダイレクトに連動して体温が下がる。
(単独では)対処方法なし。我慢の一手。
■その他
夏場、影響が大きいなと思ったのが襟である。
このジャケットもそうだが、メッシュジャケットの襟はいわゆる「U首」が多い。
これだと確かに涼しいものの、首の外気に晒される部分が非常に広くなる。
紫外線による日焼けと共に、虫に衝突されてびっくりすることが多かった事を記しておく。
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…というわけで、最初に考えていた「汎用性の無さ」が証明された形となった(笑)
最も大きなデメリットである「気温の低い場所での対応」については、防風インナーを装着する事で対応はできる。
※当然カドヤでも対応品が用意されている。
だが、別途持ち歩かなければならないのは便利とはいえないだろう。
ジャケットの中には、普段インナーしまっておける専用ポケットが装備されているものもあるが、それでも一旦脱いでから着込まなければならないのは同じである。
#収納する事によるデザイン的な問題もある。
個人的には、メッシュジャケットは「真夏&平地限定」とし、3シーズン用には別のジャケットがあった方が良いように思う。
その場合、プロテクタ等は当然として、
・立て襟で、
・ファスナーによるベンチレーションが多数あり、
・防風効果ありで、
・バタつきが少なく、
・薄手のもので、
・できれば簡易防水
・・・であれば使い勝手が良さそうだ。
不満はあるけど、それでも結構お気に入りだったり(笑)