☆ ツーリング紀行 ☆
東北ツーリング記
バイクで行くのって初めてだったりします>東北北部
いや、いろいろありましたよ(笑)
<1998年10月下旬のある日>
行くぞ東北、走るぞ高速、今日は初日だ!
ううっ、久しぶりのロングツーリングだぁ!強引に休暇を取り、<3泊4日で東北地方を回る>ことにする。 一応マスツーリングなのだが、例によって現地集合現地解散、宿だけ取っておいて途中参加離脱自由という気ままなイベント(?)だ。 天気予報によればここ4日間の天候は不順とのこと、特に東北方面は期待が持てない、多少の雨は覚悟の上だが土砂降りの中長時間走るのは嫌だなあ、晴れ男パワー全開にしなければ・・・ 当日朝7時半、今回のツーリングにと防寒具を一式用意したけど今日は暖か。オーバーパンツも冬用グローブもバッグの中に仕舞い込んで、Gパン、夏グローブ、そしてこれだけは冬用のジャケットを着込んで出発する。 |
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コーヒータイムの後、レストランの「前沢牛ステーキ」に心惹かれながらも出発。 ふと見上げると雲の動きが早くなっているようだ、まもなくポツポツと雨。路面も次第にウエットへ、どうしようか?雨具を付けるならいまのうちだが。 心を決めて路肩へバイクを寄せる。さて、合羽を取り出そうかと思った時、後からJHの道路パトロールの車が近づいてきた、ウインカーを出し減速している、自分の後ろに停まるのか?「嫌だなあ、故障とでも思われたかな?」別にやましい事あるわけじゃないけど「なんでもないよ」のつもりで軽く手を振り合羽を着ずにそのまま出発してしまう。次のPAまで我慢しよっと。 雲の流れは益々早い。ぽつぽつしか降ってこない雨をこれ幸いに「PAはまだかぁ~」と走っていると・・・「あれ?止んだかな?」 さっきまでの雨雲はどこへやら、突然の陽光、路面もドライ、お~晴れたではないか!盛岡を過ぎて岩手山SAへ入る頃には朝と同じくらいの天候にまで回復した。「よしよし、それでこそ晴れ男!」 途中の雨で急いだせいかちょっと予定より早い時間だ。慌てる必要もないし、SAでゆっくりと休憩。頭に雲を抱いた岩木山と周囲の紅葉、出入りする車もまばらなSAでは時折聞こえる鳥の鳴き声が心地よい、1時間ほどベンチでお昼寝と洒落込もう。 |
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再度走り出し、集合場所の花輪SA到着は14時丁度、どうやら一番乗りのようだ。4回目の給油を済まし、コーヒー片手にバイクをチェックしているとメンバーがぞくぞくと集まってくる。毎度の顔、久しぶりの顔、初めての顔、バイクも250から1200まで様々だ。やあやあと挨拶、ひとしきりバイク談義に興じた後は今日の宿までコンボイを組む、高速を十和田ICで降りて十和田湖へ、紅葉で黄金色に輝く湖畔の国道を観光客に混じってゆっくりと進む。「おおっ、湖の向こうに暮れる夕日がすごいぞぉ」
休憩時のバカ話に大笑いを繰り返しながら進む、「秋の日はつるべ落とし」の言葉通り、あっという間に訪れた暗闇の中、峠道を越えると今日の宿泊地「黒岩温泉郷」だ。
さあ、今夜は飲むぞぉ! |
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<本日の走行距離=約350マイル=約560KM><本日の給油回数=4回>
アメニモマケズ、カゼニモマケズ、ヌレタオチバニモマケズ・・・の2日目!
朝、土砂降りの雨と雷(!)が屋根を叩く音で目が覚める。「あ~、とうとう来たか・・・」まあ覚悟の上ではあるのだが。 旅館で朝食をパクつきながら天気予報を見る。(しかしなんで旅館の朝食ってのは腹に入るのかなあ?普段朝食摂らないのに3杯飯が食えるってのは理解不能だぁ・・・)どうやら午後からはなんとか回復するらしい。午前中はあきらめるとしよう。 今日はあらかじめいくつかのコースが用意されていたのだが雨の為パス。とりあえず皆で<岩木山へ向かおう>という事になる。 旅館の玄関で雨具の準備、一応用意はしてあるのだが、オールウエザー仕様(のはず)のジャケットとオーバーパンツ、グローブの実力を試すべく、あえて合羽は着ない事にする。ブーツにだけカバーを付けて準備完了。気温も昨日に比べるとぐっと低い、防水&防寒のテストにもなりそうだ。 宿を出発、雨の中を千鳥で走る。 防水は問題ないようだ。今日初めて使うオーバーパンツもきっちり雨を弾いてくれている。長くて「踏むと転ぶな・・・」って心配していた裾もブーツが隠れるんで丁度良い具合。「やっぱり考えてあるんだなあ・・・」と感心する。 グローブも大丈夫。濡れた指がちょっと滑るけどこれは仕方がないだろう。それになんと言っても・・・「蒸れない!」。これが一番ありがたい、気張ってゴアテックスの奴にして正解だったなあ。 |
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岩木山へは午前中に到着する。 移動したせいなのか雲の流れが速かったのか、はたまた日頃の行いの良い連中が集まったせいなのか(これはないな・・・)雨は上がった様子、路面はまだちょっと濡れているけどいずれ乾いてくるだろう、ブーツのカバーを外してっと・・・さあ、今回のツーリング、最初の「走り」のステージ、岩木山周回コースに有志4台でチャレンジだ。 乾き始めた路面にオーバー750のエキゾーストが響き渡る。無論一番煩いのは俺だ(爆)。地元の(ZX)9Rを先頭に、2車線のワインディングを「カメッ」と叫びながら(爆)走る、かなり「イイ」ペースだ、気合を抜くと置いていかれるぞ。道路は曲がりくねりながら次第に山の南側から北側へと回り込む、そして本コースから脇道へ、すると・・・「おおっ!落ち葉がぁ!」 紅葉シーズンの雨上がり、しかもほとんど交通量のない道路、路面を覆うのは黄色や赤の濡れ落ち葉の山だ!その滑ること滑ること、かろうじてアスファルトが見えるライン以外ではブレーキングなんてとんでもない、エンジンブレーキのショックだけでグリップが危うくなるほどだ。更に朝からの雨のせいで道路を泥水が横断している、ううっ気が抜けないぞぉ~ オーバーランして対向車線へ飛び出す事2回、ブレーキングでロック3回、リアのスライド4回を乗り越え、へとへとになって周回コースをクリアする。何時の間にか完全に晴れ上がった空の下、見上げれば雲を抱いた山頂が美しい、「あ~生きてて良かった・・・」(意訳(笑)) こちらとは対照的に、ほのぼのとバイクの品評会を開いていたらしい他の面々と合流、ちょうど収穫時期の林檎畑の中をゆっくり走って、さあ昼食にしよう。 |
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食事の後はスケジュールの確認。自分は宿直行組と別れ、鉄人コースと名付けられた「八幡平アスピーテライン経由」コースを選択することにする。 皆と別れ、またまた有志4台で走る。東北道を鹿角八幡平ICまで走り、そこからは国道、意外にも道路は混雑していない、快調なペースで走る。天気も回復したし、周囲の紅葉の具合もまあまあ、なのにこの道路は何故空いているのだ?不思議不思議と首をひねりながら走る。 (※ここで気づくべきだったのだ・・・) 八幡平入り口へ到着、「さあ、走りの第2ステージじゃあ!」と走り出す。 |
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コーナーを一つクリアする度に高度はぐんぐん上がる。つづら折れの道は苦手ではない(日光も似たようなものだ)。1200ccのトルクに物を言わせて登る。相変わらず車は少ない、「天気良くなってきたのになあ?」と思っていたのだが・・・ 突然、周囲が霧に包まれる。真っ白で前が見えない。何時の間にか風もごうごうと音を立てて吹きすさんでいる。「な、なんだこれわっ!」 視界は最悪、シールドも持ち上げ、文字どおり「手探り」状態で峠頂上へたどり着く。バイクを停め、ヘルメットを脱ぐと・・・「さっ寒ぅ~!」走っている最中気づかなかったのが不思議なくらいの寒さ!耳が千切れそうだ! うおぉと絶叫しながらヘルメットを被ったままの姿で山頂の売店へ突入、当然のように用意されていたストーブで暖を取る。 駐車場はがらがら、そりゃあそうだ、こんな寒さの中観光する奴の気が知れない。時折入ってくる自家用車もすぐさま山を下りて行く、気温は0度以下かも、同行している一人の眼鏡は凍り付いてしまったようだ。 「道も空いているはずだわ・・・」 この先予定していた「アスピーテライン&八幡平樹海コースチャレンジ」は残念ながら延期しよう・・・ |
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「災い転じて福となす」・・・急遽、冬用ウエアの耐寒テストの為にここまで来た事にする。(爆) 結果から言えば「合格!」この寒さに気づかなかった(笑)のはウエアが優秀だったからかな。ジャケットもオーバーパンツもまったく風を通さないし暖かい。グローブも指先が冷えることもない。それぞれの下は厚着していないし、これなら「初日の出ツーリング」にも問題なく使えそうだ。 霧(雲?)の向こうの太陽がゆっくりと傾いていく、周囲はそれに合わせて夕暮れへ、寒さを我慢した者だけが見る事の出来る素晴らしい景色だ。さあ宿へ向かおう、八幡平を一気に下り、山間の道を飛ばす。漆黒の闇と化した峠道を抜け、明かり一つないダム湖の脇を抜ける。1時間ちょいの距離だけど闇の中の走行は神経をすり減らせる。休憩なしで走りつづけ、宿の直前で直行組に追いついた。 |
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さあ、今夜も飲むぞぉ!(爆) |
<本日の走行距離=約150マイル=約240KM><本日の給油回数=3回>
3日目は・・・ウニウニトロトロでGO!
う~、寒ぅ・・・ 朝、気温が低い、白い息を吐きながら駐車場に停めたバイクを覗き込む「おおっ、シートが凍ってる!」明け方には氷点下になったのかな?白く輝く霜に朝日の照り返しが眩しい。今日は天気が良さそうだ。 またもや朝から3杯飯を食らいつつ、今日のスケジュールの確認。3日目ともなるとメンバーの集合離散も激しく「あそこだ」「ここだ」「俺は帰る!」と侃侃諤諤、そんな中、一人が遠い目をして言った「海がみたい・・・」の一言で宮城県の気仙沼までの<東北横断ツアーに行く>事になる。 目的地も決まったし、さて行くかと荷物をまとめてバイクへ積み込む。凍ったシートの霜を払ってエンジンを・・・「ありゃ、セルが弱いぞ?」 キュルキュルキュルと次第に心細くなって行くセルの音「おいおい、夕べはあんなに元気だったじゃあないか!」。どうやらこの寒さでバッテリーがイってしまったらしい。う~、とうとう寿命かぁ?4年目のバッテリー! セルはあきらめるしかなさそうだ。うお~!また押しがけかい!ま、人手はいっぱいあるし・・・(爆)と開き直り押してもらう。ガチガチに冷えていたにも関わらず、エンジンは比較的簡単にかかった「あ~よかったぁ」今日はライト消して走ろうっと。 充分な暖気の後、とりあえず宿から3分の田沢湖畔へ、今日帰る連中と共に記念撮影を行う。空は雲一つない晴天、青く輝く湖、黄色く染まった山々、気持ち良いぞお! 今日は昼に気仙沼で飯を食う以外にイベントはない。途中のチェックポイントだけ決めて各々のペースで走ることにする。 V-Maxは(バッテリーを除き)相変わらず快調そのもの、充電の為ライトを消して走る以外心配要素はない。人の2倍の給油回数を取りながらも、正午過ぎに気仙沼へ無事到着する。 さて、どこで飯を食おう?あてはないのだ、あれこれ聞いて回った末、コンビニのお姉さんに薦められ、漁港の脇に最近出来たという海産物センターへ向かう。 なるほど新しい建物だ。2階へ上がり店を覗く、「さかなじゃさかなじゃ・・・」ここまで来て魚を食わないわけにはいかない、ここは「華厳の滝から飛び降りたつもり」(爆)で「ウニトロ丼:3000円」(!)を注文する。 |
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ここからまたまた内陸部へ戻る。 ペースは適当(笑)、気仙沼でちょっと長居をしたので途中の観光は省略、コースも国道だし、交通量もそこそこあるので飛ばすわけにも行かない。「だるだるぅ~」とぶつぶつ言いながら走る。 何かあったのか、それとも連休の中日だからなのかそこここに警察官の姿が目立つ。う~む、やましい事はないけど気になるなあ・・・ 夕暮れ、無事宿に到着。今日の宿は「こけし」で有名「鳴子温泉郷」だ さあ、今夜も飲むぞぉ!(爆*2) |
<本日の走行距離=約220マイル=約352KM><本日の給油回数=3回>
行け行け高速、最終日
妙に早く目が覚める。 未だ朝の6時、テント泊ならともかく立派な宿に泊まっているのに早起きしたのはやっぱり夕べのお酒のせいか?朝風呂の後、海苔、卵、納豆に焼き魚という正しい東日本の朝食(笑)を摂ってあとは「うだうだ」。今日は帰るだけなので気楽だ。 ゆっくりとチェックアウトして出発。昨日ライトを消して走ったせいか、はたまた比較的暖かいせいかバッテリーは何事もなし。まあ念のため帰ったら新品を注文しておこう。 東北道を矢板ICで降りれば自宅までは30分ほど、まずは洗車してやってからバッテリー注文しに行こうっと。 |
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さあ、今夜は帰宅祝いに何飲もう?(核爆) |
<本日の走行距離=約230マイル=約368KM><本日の給油回数=4回>
まとめ
いやあ、走った走った。2000kmまではいかなかったけど走りまくった4日間でした。 心配していた天候もなかなか良好、本格的に降られたのは2日目の午前中だけ。気温も山の上を除いてあたたかかったし、晴れ男パワーはやっぱり健在でしたね。(笑) 本格的なロングツーリングってホント久しぶりだったんですけど楽しめました。面白かったなあ、年に一回ぐらいロングに出るようにしようかな?(笑) |
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