その3
<2003年4月28日>
枕元の時計を見ると既に7時半。今日は午前中に四国を横断して香川県の高松まで行かねばならないのにこの有様である。
慌てて荷物をまとめ、MAXへと積み込む。
チェックアウトの必要が無い事は確認してある。忘れ物のないよう室内で指差し確認。バイクのロックを外し、ヘルメットを被り、出発前に一応メールチェックをしようと携帯電話を覗き込むと…「あれ、?まだ7時前?」
どうやらライダーズインで借りた目覚まし時計が1時間進んでいたようである…っていうか、昨日のうちに気づけよ、俺。
「ま、早いに越したことは無いし…」と負け惜しみを言いながら出発。田舎道をほこほこと走る。
「朝は高松まで直行!」と思っていたのだが、時間があるなら話は別である。どれ、ちょっと寄り道していくか。
須崎市から海岸線へ。
手持ちの4年前のツーリングマップルによれば、この先の横浪海岸線(県道47)は「土佐のライダーのお気に入りのワィンディング」らしいのだ。
なるほど適度なアップダウンと連続するカーブ。土佐湾が見渡せる景色もなかなかに良い。
ただ路面に付けられたカマボコ状凹凸のせいで走りを楽しむと言うわけにはいかないようだ。まぁMAXでとことこ走るには問題ないレベルなのだが。
見晴らしよし
ところで4年前のツーリングマップルといえば、やはり現在の道路状況とは異なっている点も多い。
高速道路が伸びていたり、バイパスが出来ていたり。この先の「宇佐大橋」もツーリングマップルでは有料の表示になっているのだが、既に償還したのか現在は無料であった。
やはり地図は新しくなければ意味がない。次回来る時には新調してやる事にしよう。
県道をのたのた走って高知市内へ。
連休途中の月曜日のせいか交通量は少ないようだ。市街地にも関わらず快適に走る事が出来る。
路面電車の線路をふむふむと渡り、道路中央の停車場をむむむと通り過ぎる。
もう少し時間があれば観光していくんだがなぁ、ま、今日はゆっくり通り過ぎるだけで我慢しておこう。
高知自動車道に乗る前に、今日はじめての給油。
ガソリンスタンドにMAXを停めると、作業服を着た男性が近づいてきた。
こちらを見て微笑むので「レギュラー満タン、現金で」と伝えると、「いや、俺は店員じゃないんだけど…これ、ナナハン?」
店員偽装ナンシーと命名する。
そうかそうかとうなづきながら高速へ。
昨日に引き続き今日も天気が良い。青い空の下、ぼーっとMAXを走らせる。
高知自動車道は片側1斜線の区間が多い。
先行車(←中華キャノンは付いていない)に付いて走ると眠くなってくる。
2車線区間でスイッチをフルタイムブーストに叩き込み、眠気を払う。
川之江JCから高松自動車道。高松西から東側へいつの間にか伸びていた高速道路のおかげで、津田町の待ち合わせ場所にはすんなりと到着する事ができた。
待ち合わせ、そう、今日はネット繋がりの連中がここ四国に集合し、「腹いっぱい讃岐うどんを食うぞ!オフ」が開催されるのである。
時刻は約束の11時、しか~し、「誰も居ないぞゴルアッ!」
駐車場に他のバイクの姿はない。「ええん、誰も来てないよぉ…」と嘘泣きしているところへ(CBR)XXとTDMのペアが現れた。
九州よりお越しの、りずむ&MASHIRO夫妻の到着である。
「どもども、"あ"です」「"り"です」「"ま"です」
りずむ氏はもちろん、MASHIROさんとはネット上でかれこれ5年近いお付き合い(?)なのだが、実際にお会いするのはこれが初めて。初めてなのに初めてではないような気がするのは…(後略)
わいわいやるうち、別働隊到着。
昨夜一緒だったB.W&いずらん夫妻、つちもとさん、昌さんに加えて、博&めぐ夫妻。総勢9名の大部隊(?)が揃い、挨拶もそこそこに高松市外へと向かう。
さすがに混雑している高松市内をぐるぐると巡り、まずは博さんお勧めの某うどん店に飛び込んでみる。
もちろんセルフ店。「セルフ店とはなんぞや?」という方は、恐るべきさぬきうどん(新潮OH!文庫)を参照の事。
狭い店内を9人のライダーが走り回る。
うどん玉を湯がかず薬味と天カスをかけてしまう者、料金を払ってからてんぷらに気づきどうしようか悩む者、片手にどんぶり、片手にヘルメットを持って呆然と立ち尽くす者…とそれはもう大騒ぎである。
そんな奴らを「ふっ、甘いな」とニヒルに笑う俺は、カケの大(2玉)といなり寿司をチョイス。薬味はワケギと天カス。
うどんに夢中になり、いなり寿司の分の料金を払うのを忘れ慌てたのは内緒の話である。
カウンターに腰掛けてうどんをすする。
うむ、美味い。うどんの強いコシはもちろん、ツユのダシがたまらない。いなり寿司も美味。
あっという間に完食して店外へ。
う~む、ちょっと時間が微妙だけどもう一店いっときますか…って、博さんここで2杯も食べて大丈夫?
ちょいと歩いて香川県庁裏の某店へ。
俺は今度もカケだが玉は小、代わりにてんぷら(関東で言うところのさつま揚げ)を1枚乗せる。
う~ん、コシはこっちの方が凄いなぁ、ダシも異なっているがやはり美味い。
うどんの画像はありません
(そんなヒマあったらもう一杯食ってるわいっ!)
満腹(というか限界すれすれ)の我々が店を出る直前、店の暖簾が外され、しまいこまれる。
今日のうどんが終わりになったのだろう。「作りおきせず、食材がなくなったら店をしまう」食べ物屋の基本ですなぁ
ちなみに2軒回って腹いっぱい食べて、支払った金額は500円ちょい。
う~む、相変わらずおそるべし讃岐うどん
わいわいとバイクを停めた場所まで戻り、せっかくなのでと集合写真。
ツーリングに出られず、今日は仕事中の某氏の仕事場へ「いいだろぉ~」と自慢のTEL【悪】をしたら、さて、出発するとしましょうか。
ツーリング途中のりずむ&MASHIRO夫妻、このまま関東へ帰るという昌さんとはここでお別れだ。気をつけて行く&帰るんだよぉ…
残ったメンバーは郊外でお茶。
これから九州へ渡るつちもとさん、四国を巡る博&めぐ夫妻ともここでお別れ。
さて、俺はというと…今晩も泊めてくれる?B.W&いずらん夫妻。
3台のバイクで淡路島まで高速をひとっ走り。
やれやれと荷物を解いた後、夕食はとあるレストランで、淡路牛のステーキ&ワインと洒落込んでみる。
気どらぬ雰囲気とすばらしく柔らかい肉に舌鼓。「すいません、ワインをもう一本…」
これも大分食べた後…