☆ ツーリング紀行 ☆
突発谷川岳ツーリング記


何気に出かけたんですが…



<2003年9月下旬>

にゅーましんとあれば。

 うちの掲示板でもお馴染み、にょろさんがホンダのX4(1300)を買ったという。
 V-Max乗りとしてなにかとライバル視されるX4とあれば黙って見ているわけにもいかない、「お披露目」と称してプチツーリングにお誘いしてみる。

 当日朝、抜けるような青空の元、V-Maxで集合場所へと急ぐ。
 素晴らしい天候とは裏腹に、ヘルメットの中で「寝坊寝坊」と冷や汗をかいていたのはもちろん秘密である。

 空いた道に助けられ、約束の時間丁度に到着。
 当然のように到着済みのにょろさんに「いやいや」と照れ笑いの挨拶を交わす。おお、これがにゅーましんですか。


別の場所ですが

 知り合いから購入したというX4は、SP忠男のモンスターとアクティブのニーグリッププレート、スラッシュガードまでが付いている。ううむ、これじゃぁ当面いじる楽しみはなさそうですなぁ(笑)

 朝食代わりのおにぎりを頬張りながら今日のコース設定。といっても男の2人旅。「とりあえず金精峠から赤城山方面でも…」というはなはだいいかげんなものになる。

 ゆるりと出発。
 信号待ちで並ぶX4はさすが直4、排気音はスーパースポーツのそれである。
 どろどろとしたうちのV4の排気音とは実に好対照、ジャンルは似てるけど乗り味はかなり違うだろう。

 タンク容量の少ない2台ということで、山へ入る前にまずは日光市内で給油。満タンになったところでお馴染みいろは坂へ突入だ。
 
 9月後半のいろは坂。今日は休日にも関わらず交通量が少ない。
 吹く風は完全に秋…というより初冬のそれ近い。「うむ、今日は革ジャンパーを着てきて正解だったな」(この日の早朝、奥日光は初氷が張ったらしい)
 3シーズンジャケットのにょろさんはガクガクブルブル状態、何時の間にやらネックガードを装着していた。

 戦場ヶ原から金精峠。2台でゆらゆら走っていたら、後ろからZX10が追い越していった。「ふふふ、80年代のマシンに負けるかぁ」(←自分も80年代設計のくせに)と追走。あー、加速はともかく、ブレーキングで置いていかれてしまうぅ~…(←根性なし)


ちょっと休憩

 峠の頂上での一休みの後、群馬側へ。
 標高2000mの金精峠、北面の日陰に入ると気温はいっそう下がる。「寒いよぉ」と一気に駆け抜け、片品村の街中でやれやれと給油。その時、にょろさんが遠い目をしてぽつりと漏らした。

「利根川の源流が見たい…」

 すぐさま予定を変更。尾瀬方面へと入り、山を登る。

 「尾瀬戸倉なんぞスキーで1回来たきりだなぁ…」とかなんとか呟きながら水上方面へと曲がると、次第に道は細くなり、通る車もなくなってくる。
 「あ~、なんかすンごく気持ちいいぞぉ…」

 広葉樹林の中を抜けるすばらしい峠道。
 道は狭いしアップダウンは激しいものの、バイクならまったく問題なし。しかも空は素晴らしい青空。ちらちら光る木漏れ日が実に美しい。
 気温も少しだけ上がってきた。「うひゃひゃひゃひゃ、気持ちいいいいい~」こんなノリならどこまででも走り続けられそうだ。


ホントは晴天なんですよ

 国道291へ出る手前で小休憩、ちょっと早いがお昼にしましょうと入ったラーメン屋が大正解だった。
 はじめ「色物か?」と思った変わりラーメンは、麺、スープ、具ともに合格レベル。店内が混雑していたのも頷ける。
 ただ一つの難点は、これから先、ヘルメットの中がニンニク臭くなるであろう事だ。

 国道291を北へ北へと走り、谷川岳ロープウェイの乗り場から林道をさらに先へ。
 極細の道と荒れた路面に、前を塞ぐ場違いなセダンは一台一台といなくなり、いつしか我々のバイクだけとなる。
 路肩を歩く登山者の脇を、歩くくらいの速度でゆっくりと走り、行き止まりにある駐車場へと到着。「お~、すごいなこりゃ」

 一の倉沢(?)が目前に広がる。
 ごつごつとした岩と圧倒的な質量を感じさせる山肌、日陰(逆光)で見難いが渓谷の中央に見えるのは氷河だろうか?ううむ、こんな景色が自宅から4時間ちょいで見られるとは思わなかったなぁ。


ここを登る人がいるんですねぇ

 凄い凄いと付近を散策。こういう風景を見てしまうと「山歩きもいいよなぁ…」等と言う浅はかな考えも浮かんでしまう。
 まぁ実際にやれば、俺ではその辛さに根をあげてしまう事だろう。「本格的に登山やる人って凄いよなぁ・・・」

 渓谷の風と水をたっぷりと楽しんだ後出発となる。

 国道291を南下して水上温泉。さて、帰りはバブル高速を使うとしますか。

 水上ICから関越自動車道へ。V-Maxでは久しぶりの高速走行である。
 相変わらず風圧と戦いながらの高速走行、「お~い、にょろさん大丈夫かぁ・・・」

 関越自動車道から北関東自動車道(群馬側)へと乗り換え、伊勢崎ICで降りて国道50号。
 桐生の街中で給油を済ませたら、さぁ、東北道を目指して走りますか!と思いきや・・・

 給油を終えたX4のエンジンがかからない。いや、エンジンがというより、キーオンしてもランプ類に反応がないのだ。

 ううむ、こりゃぁ電気系ですねぇとガソリンスタンドの片隅でバラし開始。あ~、なんか昨年の九州を思い出すなぁ(笑)

 ヒューズを確認:問題なし。
 バッテリーコネクタ確認:問題なし。
 「メインヒューズはどこにあるんだ?」と探すうち、「あ、電気きました」

 特にドコを直したわけではないのだが、メインパネルにランプが点る。
 どこかが接触不良だったのだろうか?まぁ念のため、帰ったらバイク屋さんに見てもらったほうが良いでしょうね。

 電気が来ればエンジンは問題なし。始動したX4と共に50号を東へ走る。
 佐野藤岡ICから東北道、北関東自動車道(栃木側)に乗り換え、宇都宮上三川ICまで走れば、もうそこはご近所みたいなものである。

 国道4号の某所にてにょろさんとお別れ。
 いやいや、お披露目ツーリングだというのに結構な距離を走ってしまいました。これに懲りずにまたよろしくね(笑)

 自宅近くで最後の給油。
 今日は一日中快晴だったけど、林道を走り回ったせいで足回りは汚れている。さて、次の週末、洗車する余裕はあるのかなぁ?
 




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