☆ ツーリング紀行 ☆
田代山林道走破記


気づけば紅葉の季節だったんですねぇ… 
 


<2007年10月>

無茶をしてはいけません

  「よーし、んじゃ行くかぁ…」
 土曜日朝。セロー、エンジン始動。アイドリングを開始する。

 転倒でわき腹を強打してしまい、まともな生活がおくれなかったここ4週間。

 もちろんバイクも(完全にではないけれど)控えていたのだが、やっとなんとか寝返りがうてる程度にまでは回復した。

 夏の暑さは既に去り、世間は秋の行楽シーズン真っ只中。
 そこへ「いい天気になりますよ、間違いない!」という天気予報を聞いてはじっとしているわけにはいかない。
 リハビリを兼ねて、ちょいとセローで出かけるとしよう。

 念入りに準備運動をしてから出発する。

 服装は、もちろん全プロテクター装備の完全仕様。
 また転んで怪我でもしたら笑うに笑えない。今日は走りの方も押さえ気味で行かねばな。

 セロー発進。ぽたぽたと川原まで走る。

 いつもの場所からダートイン。
 北へと向かうお馴染み20kmの土手ルートは…「あ゛あ゛や゛っは゛り゛わ゛き゛は゛ら゛が゛…」

 細かい振動が結構響く。「う~、まだ早かったかな…リハビリ…」

 「尤も優れたサスペンションとは、人間の足である」
 そんな金言を思い出しながら、スタンディングで振動を誤魔化して走っていく。


予報どおりの良い天気です

 さて、今日の目的地は、毎年秋だけにオープンされる「田代山林道」だ。
 
 ここは栃木ー福島に渡る全長20kmオーバーの著名林道で、今年も10月初旬から11月下旬までの限定オープンらしい。
 有名な林道だけに、地元民(?)としては一度は走っておかなければいけない道なのだ。
 


 鬼怒川温泉から川治温泉をスルーして川俣湖へ。

 田代山林道へ行くには遠回りのルートなのだが、実は近くの「馬坂林道」も全線オープンしているとの噂を聞いたのだ。

 こちらも「いつも通行止め」の林道だけに走れるのは貴重なチャンス。
 良い機会なので一緒に制覇してしまおうという考えである。

 川俣湖の分岐点で記念撮影。「そうそう、前通った時なんか、入れないようにブルドーザーで山が作られていたっけなぁ…」

 もちろん今日は「どうぞどうぞ」状態。んじゃま、行かせていただきますか。


最初の対向車はセロー

 湖畔を走る馬坂林道。

 湖の見晴らしもさぞかし…と思っていたのだが、森の中の道が多く、湖はちらりちらりと見える程度だった。

 それでも今日くらい天気が良いと、木漏れ日が実に気持ち良い。
 「暑いかな?」と思いながらジャケットの下に着込んできた長Tシャツも正解で、首筋に当たる風が秋の訪れを感じさせる。
 気づけばそこここの木々の葉も紅葉が始まっているようないないような…


チラリズムですな



 湖を離れ、山の北側へ回りこむと、路面に水溜りが多くなる。
 ここ2,3日雨はなかったはずなのだが…まぁ1日日陰になる場所だから仕方ないか。

 どろどろの水溜りを慎重に超え、岩の転がる崩落跡を乗り越える。

 相変わらずわき腹には振動が響くけれど、走り自体は体もバイクも大丈夫そう。
 「よぉし、これならなんとかなるか。だけどくれぐれも慎重にな、俺」(笑)


基本的には走りやすい道ですよ(一部例外あり)



 天気のせいか季節のせいか、今日は対向車も多い。

 同じセローやらXRやらLANZAやらDJEBELやら。

 手を上げると返してくれるのが嬉しいところ。これもピースサインの一つと言えるだろう。

 同じように4輪も多い。

 しかし、パジェロとかジムニーとかはともかく、日産マーチが歩くようなペースでゆっくり走っていたのには驚いた。
 結構山中に入った辺りだったのだが…ちゃんと抜けられたのだろうか?

 久しぶりの林道にうはうはしながら馬坂を抜ける。
 さぁて、次は本命の田代山だ。
 

 入り口で記念撮影して進入。
 「フラットで走りやすい」とされる田代山だが、砂利が深くて結構苦戦させられた。まだオープンしたてだからなのだろうか?


左馬坂右田代

 交通量も馬坂以上にある。

 こちらも4輪が多数。当然4駆がメインだが、セダンやミニバンも走っている。
 まぁゆっくりなら走れないことはないだろうが…足回りが傷だらけになることは避けられないと思うのだが。

 山を上がると急に気温が下がってくる。
 これまでの「あ~、気持ちいい~」「う~寒さむぅ~」となる。

 む~、なんでこんなにいきなり気温が下がるんだ?太陽は結構照らしてるんだけどなぁ?

 田代山=OPENな見晴らしの良い道と勝手に想像していたのだが、林の中を走るルートが延々続く。
 これもまぁ、もう少し経って木の葉が落ちると違う感じになるのだろう。


道自体はは明るくて走りやすいですよ。

 峠の頂上付近で小休止。

 先達から「丘の上から記念撮影するのが定番なんだぜべぃべぇ~」(誰?)と聞いていたのだが、それらしい場所は見つけられなかった。

 まぁいいか、記念撮影はあとで皆と一緒に来た時の為にとっておくとしよう。


この先が頂上(というか尾根)でした。

 ゆっくり降りる福島県側。
 俺的にはこちらの方が「林道」らしくて好ましかった。

 周囲の風景もそれらしく、路面も程よい荒れ(?)具合。
 うひょうひょ下るが…「やっぱ寒いよ~」

 ウエアのベンチレーションが全部締まっている事を再確認。
 む~、そういえばそこここの木々の紅葉も(略)

 湯の花温泉まで下りて国道へ。
 セローにガソリンを食わせてやったら、さて、俺も飯にするか。

 ここまで着たら、飯は当然蕎麦しかない。
 国道沿いの店で新蕎麦を頼む。寒かろうがなんだろうが、ここはやっぱり盛り蕎麦大盛りである。


ポイントはワサビ…とか書くと通っぽいですか?(笑)

 「天ぷら頼むほどじゃないけど、蕎麦はもう一つくらいサイドメニューが欲しくなるんだよな…」とかなんとか贅沢なことを考えながら出発する。
 
 帰りは、せっかくだからこれまた林道経由で行くか。

 安が森林道は毎度お馴染みの混雑状態。だが路面は締まっていて素晴らしく走りやすかった。
 前沢稲が沢林道はこれまた毎度お馴染みの荒れ具合。下りは止まるような速度でしか走れなかった。

 「まぁ今日はリハビリリハビリ…」

 川治温泉から先は朝と同じルート。
 帰宅は夕方、走行距離は250km。

 「うん、今日のは悪くないコースだった。これに『いつもの林道』といくつかのオプションを入れれば、一泊ツーリングに丁度良い距離になるだろうな…」
 
 実は今秋のうちにやってみたいんだよね、一泊オフロードツーリング。


そしてまた泥だらけになりましたとさ

<本日の走行距離=約250km><本日の教訓=下りの走り方が判らないのはオンロードと同じか・・・>




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