☆ ツーリング紀行 ☆
北茨城・福島林道激走記


走りましたよ・・・ええ、それはもう
 


<2008年3月>

新たなる戦い?

 

「ふはははは、こちらの林道は全て我々の支配下にある!返して欲しくばここまで来るがよい!」
 
 悪の組織ガハハ団からの挑戦を受けた我らがセロウ。

 北茨城から福島へと続く広大な林道群で待ち受けるのは、シェルパ魔人、バジャ男、そして大幹部ドジェベルマン

 戦えセロウ!負けるなセロウ!

 林道の平和を取り戻すために!

 お泊りオフロードツーリングに誘われていた某日早朝、北茨城を目指してセローで走り出す。

 今日の集合場所は日立市の北あたり。先日隼で走った場所のすぐ近くでもある。
 さすがにペースが違うが、まぁあの時+30分も見ておけば充分に到着できるだろう。

 田舎道をぽへぽへと走る。

 3月の下旬ともなれば、さすがの北関東にも春の気配がたっぷりと漂っている。
 梅は満開、桜はつぼみ。
 草むらにはほんの少しの青い新芽と黄色い菜の花。
 天気は最高、空は真っ青で気温も程よい。今日はのんびりツーリングには絶好の日和である。

 今朝の天気予報は「気温はそこそこなんじゃない?」だった。

 冬の格好をするか、3シーズン+αでいくかずいぶん悩んだのだが、「迷ったら厚着の法則」(もしくは「暑けりゃ脱げるが寒かったら我慢するしかないの法則]」)により、冬ジャケット&グローブをチョイス。

 「この陽気だと日中はちょっと暑いかもしれないな…」

 久しぶりのお泊りツーリング。もったいないので(目的地は似ているが)隼の時とできるだけ違う道を使って走る。

 枝道へ入ったり、河原へ降りたり、梅を眺めたり。
 うぐいすの啼く里山の中で缶コーヒー休憩。
 「あー気持ちいいー、この寄り道だけでも出かけてきたかいはあったな。」


名も無い大木の下で記念撮影してみたり


某林道を軽く流してみたり

 集合場所への到着はほぼ予定どおり。
 既に集まっていた「悪の軍団」(笑)に「毎度ぉ~」と挨拶する。
 コンビニで当座の食料を買い込んだら、「んでは早速行きますか」

 地元民であるシェルパ氏を先頭に、4台のオフ車で走る。
 国道からわき道へと入り、山中へ。

※え~、ぶっちゃけた話、この先どこをどう走ったのかまったくわかりません。文中に固有名詞がないことあらかじめご了承下さい。


 

「ふはははは、よく来たなセロウ!まずは我々の歓迎を受けるがよい! いでよガレガレピストン林道!」

 道が砂利へと変る。
 ほどなくちょいガレの林道に……って、「お~い、待ってぇ~」

 先頭を走るシェルパのペースが上がる。とても上がる。それはもう上がる。

 たまたま2番目を走っていた俺は、見失わないよう必死に走る。
 だって、見失ったら迷っちゃうじゃないですか!
#まぁもちろん分かれ道では待ってくれていますが(笑)

 派手なフォームではないが、するりするりとカーブを「凄いペースで」抜けていくシェルパ。
 うーん、あの力の抜け具合は凄いなあ。後で走り方教えてもらおうっと。


いやぁ速い速い

 行き止まりの広場で停車。
 あれがこれがと大騒ぎしての2本目。

 今度は最後尾でジェベルの後ろを走る。
 後ろから見ていると、荒れた場所でのサスペンションの動きがよく判る。
 むふう、フルサイズのオフ車のサスってあんなに動いてるのね。

 広場であれがこれが(略)

 次は3番目の位置。
 今年初ツーリングだというBAJA氏の後ろでは、やはり排気量(馬力)の違いを感じさせられる。
 「え~ん、直線で置いていかれちゃうよぉ」

 アンダーパワーのセローは、立ち上がりではなくコーナーリングスピード優先で走ればいい。それは頭では判っているのだが、いかんせん腕がまったくついていかない。

 安全にそろそろとコーナーへ入ると、どうしても出口で遅れてしまう。
 それを挽回しようとスロットルを開けると、2部山のリアタイヤがずるりと横を向く。ひえー、怖いよぉ・・・
#でもまぁ、実際にはパワーなんて使いきれてないんだから、結局は腕の差なんでしょうな・・・

 道端で小休止。「うう、暑い暑い」

 ウエアの中はいつの間にか汗まみれになっていた。
 気温もそうだけど、バイクに乗るってのはやっぱスポーツなんだねぇ……さて、次のステージはっと。
 


 
「なかなかやるなセロウ!ではこれはどうだ? 獣道ヒルクライム&ダウンヒル!」

 次のルートはまさに獣道だった。
 
 


え?じゃなくてですか?
 

 林間をくねくねと登るのは1本の車輪のふみ跡だけ。
 片や川、片や崖という場所を枝を掻き分けながら上り、急斜面途中の鋭角スイッチバックを切り返し、その後は深い溝のダウンヒル

 「えー、これ本当に『道』なんですかー」(棒読み)

 本来であれば、この手のガレ場はセローが一番得意とするコースのはず。
 しかし俺の腕では・・・「怖いよー狭いよー」

 崖っぷちを恐る恐る走り、急な登りでエンストしそうになり泣きが入る。

 それでもさすがはセロー、アイドリングからでも力強く回ってくれるエンジンが心強い。
 なんとか坂を上がってほっと一息。
 「うーん、セローだからなんとかなったようなものの、フルサイズだったら俺の腕じゃ上がれないな・・・」

 下りももちろん大騒ぎ。
 石を避けて転びそうになり、倒木を踏んで転びそうになる。
 これまた下まで降りてほっと一息。
 これも他のマシンよりアドバンテージがあるセクションのはずなんだけどねぇ・・・


もちろんセクション通過後には休憩を

 復帰した通常の林道(?)では相変わらずのハイペースとなる。
 前車が見えているうちはそこそこ走れるが、単独になると途端にペースが落ちてしまう俺。「うう、腕が腕が・・・」

 泣きながら午前中のルートは終了となる。わーい、お昼お昼ー

 国道へ降りて某ラーメン店へ。辛味噌ラーメンで英気を補充。
 「エネルギー補充110%!よし、これで午後も戦えるぞ!」

 ・・・すいません、午後は更にハイペースでした・・・orz

 延々と続く林道をこれでもかと走り回る。
 
 一人でまったりツーリングするのも良いが、こうして大勢でわいわい走るのも実に楽しい。
 時々滑ったり飛んだりするのもご愛嬌。ヘルメットの中で叫び声を上げながら山を駆け回る。
 天気は相変わらず良い、ぽかぽかした気温もGOOD。楽しさをスポイルする事といえば・・・杉花粉のシーズン真っ最中な事くらいだろうか。

 セロウに浴びせられる数々の攻撃。

 極悪杉から毒花粉が噴射され、尖った石がタイヤに襲い掛かる。

 飛び掛ってくる泥を避け、覆いかぶさる倒木を潜り、路面を覆う杉の葉を蹴散らして走る。

 セロウの必殺技、木霊クシャミが山々に響き渡る。

 がんばれセロウ、負けるなセロウ!

 今宵の宿はもうすぐそこだ!
 


天気いいなぁ・・・

 えー、どこをどう走ったのかまったく(略)

 夕刻、国道へと降りていく。
 そのまま北上、今日は某温泉街のビジネスホテルに泊まるのだ。

 屋根つき駐車場に4台のオフ車を停め、温泉街ならではの天然温泉の公衆浴場で汗を流す。「あ~、気持ち良ぃ~」

 もちろん夜は居酒屋で大宴会。

 いやー、走った走った。今日の酒は特別旨いぞぉ・・・




 翌朝。

 ビジネスホテルのベッドから寝ぼけ眼で確認するTVの天気予報は・・・「あ、雨?」

 どうやら急に天候が変わり、今日は午後から雨の可能性があるらしい。
「雨か・・・まぁ泥だらけ覚悟では来てるけどなぁ」

 1時間後。
 朝からハイテンションの某氏、二日酔い気味の某氏、ホテルの時計を信じて寝坊した某氏と共にホテルを出発する。
 もちろん、コンビニに立ち寄り、朝食&行動食を買い込むのはお約束である。

 今日は福島県の林道へ突入する。

 昨日に増して入り組んだ今日のコース。一応地図で教えてはもらったものの、「素人にはまったくわかりませーん」
 例によって、一人だったら道に迷う事間違いなしだ。


コース確認中

 予報に反して、今のところ天気は悪くない。
 ちょいと青空も見え隠れ、これなら夜まで大丈夫なんじゃない?はいいのだけれど・・・


「さあどうだセロウ、この天候は! 来るがよい、巨大寒冷前線!」


 「寒い!寒いぞぉ!」

 近づく低気圧のせいか、猛烈に気温が下がって来た。
 昨日のぽかぽか陽気はどこへやら。まるで真冬のツーリングのようだ。

 冬ジャケだから耐えられるようなものの、3シーズンジャケットだったら凍えていたはずである。

 「うう、『迷ったら厚着』ってのは名言だったんだなぁ・・・」


 雨の予報もあるし、寒いし、今日は早めに解散しますか?とはなったものの、予定されているコースに変更はない。
 というわけで、昨日に増してのハイペース走行が開始された。

 昨日同様、悲鳴を上げながら走る。
 
 道路状況はさほど悪くない。が、山の北斜面に入ると、昨日はさほどみられなかったマディな路面が現れてくる。

 この泥が滑る滑る。

 カーブ途中なら土手を使って(引っ掛けて)やり過ごす事もできるのだが、直線途中に深い泥&轍があるとどうにもならない。
 停まるようなスピードでそろそろ行くか、運を天に任せて突っ込むか。
 「あーでもこれも走り方があるんだろうな・・・」

 メインに予定していたという某林道は、残念な事に舗装工事の真っ最中だった。
 それではと回った林道でも、一部をコンクリート化する工事中。

 「うーむ、未舗装路はこれからますます減っていくんでしょうなぁ・・・」

 それでもゲップが出るほど走り回れるのはさすがに福島の林道群である。


山の頂上からは海が見えたり


謎の巨石群があったり

 お昼過ぎ。山中の河原でコンビニオニギリの昼飯。

 あれやこれやのバカ話。
 「そうですねぇ、今年のGWはどこへ行きましょうかねぇ・・・」

 いつの間にか強くなってきた風と、更に下がって来た気温。吐く息は既に白い。
 「んじゃまこの辺にしときますか」と山を降り、国道へと向かう。

 高速の某IC近くのコンビニで解散式。

 いやはやお疲れ様&ありがとうございました。
 楽しかったのはもちろん、絶対一人じゃ来られない場所ですよこの辺りは。

 帰りは高速を使って、と言うことで、皆がタイヤに空気を入れ始める。
 持参のポンプでしゅこしゅことポンピング。

 うちのセローは一般道でも林道でも同じ空気圧なのだけれど、やはり林道では低圧のほうが走りやすいらしい。
 「俺も買おうかな?小型ポンプ」

 皆と別れた帰りの高速道路。100km/h巡航なのに寒くて仕方がない。
 鼻水をすすりながら走り、高速を降りたら国道へ。

 一直線に自宅へ…向かう前に、某氏から探索を頼まれた場所へちょっと寄り道。
 里山風の林道はなかなかに面白そう。うん、ここは後でまた調べに来るとしよう。

 さくっと県道へと抜け、走りなれた地元道へ。
 いつものスタンドで洗車して給油。
 ガレージであたふたと荷物を下ろしたら・・・うー寒い、ともかく風呂だ風呂!

 2日間の走行距離は、トータルでも500km弱とさほどではない。
 しかし、うち林道だけで100kmとなると・・・「やっぱ走りがいがあるねぇ、林道ってのは」


詳細マップ

<2日間の走行距離=約500km><本日の教訓=天気は良いと気持ち良いのはオンでもオフでも一緒>


 
「よくぞ走りきったなセロウ、だが、これで最後とは思うなよ!」 

 セロウの活躍により、平和が取り戻された茨城と福島の林道群。

 しかしその頃、栃木北部の林道では、新たなる怪人ツインレイドがうごめき始めていたのであった・・・<続く>

※ ↑続きません。
 
 
 




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