YAMAHA SEROW 225WE (4JG6)

☆ メンテナンス編 ☆

スイングアーム周り・グリス充填記


<2007年1月>

  はじめてってどきどきしますよね

 セローには付いていて、V-MAXや隼には付いていないもの。
 それがグリスニップルである。

 バイクで給脂を必要とする箇所は山ほどあるが、普通はなるべく密閉して汚れを防止し、かつ油を流さないように設計されているものだ。
 そして、密閉された場所にきちんと給脂するためには、その部分を分解する必要がある。

 ところで、荒地を走り回り水や泥をかぶることの多いオフ車の場合、(いくら密閉されていても)稼動部に水やゴミが入る可能性は非常に大きい。
 「ならば、分解しなくても外からグリスを充填(補給)できるようにしてしまおう!」というのがグリスニップルの役割なのだ!

・・・とかなんとか偉そうに書いているものの、俺、グリスニップルって見るのも初めてなんだよね・・・

 さて、グリスニップルからグリスを補給する為には、それなりの道具がいる。
 グリスガンフレキシブルチューブ、そしてもちろんグリスである。


左からグリスガン、フレキシブルチューブ、グリス

 グリスガンはグリスのチューブを絞る機械。先端にノズルが付けられる。
 大きさがいくつかあるが、「そんなに大きいのはいらないだろ?」と、80g用のものを買ってみた。

 フレキシブルチューブはグリスガンの先端とグリスニップルを繋ぐ物。
 実はこれはなくても良い。同様の物がグリスガン本体に付属しているからだ。
 
 ただ、付属の物は真っ直ぐな金属のノズル。
 バイクのような狭い場所で使うには不便かも?ということで自由に曲げられるフレキシブルチューブを別途購入した。

 グリスは一般的なウレアグリス
 水に強くて何より安い。遠慮せずがんがん使えるのがありがたい。

 これらは全てホームセンターで購入。価格は全部あわせて1500円といったところだ。

 さぁて、それではやってみようか。

 調べてみると、セローのグリスニップルは5箇所とのこと。
 全てスイングアームピボット周辺らしい。
#逆に言うと、このあたりの稼動部の負荷が一番高い言う事だろう。

 どれどれとニップルを探す。

 スイングアーム付け根の2個はすぐ見つかった。
 真下の1個も見つかったが、あと2つがわからない。
 あれこれ探しまわると・・・「あ、ここか」

 車体右側でフレームの影。しかも泥で汚れていて形が判別できない。
 こりゃ見つからないはずだわ


スイングアームの根元に2箇所


車体右下から覗き込むと3箇所



 ニップルの形状はブレーキキャリパのエア抜きバルブに良く似ている。
 違うのは中央にボールキャップがある点。
 これで内側からのグリス漏れ防止&外からのゴミ混入防止をしているのだろう。


ニップル拡大
真ん中のボールキャップが見えますか?



 早速グリスガンをセットしてみる事にする。
 
 むぅ、固い。
 フレキシブルチューブの先がなかなかニップルに接続できないのだ。

 「汚れているせいか?」ともう一度ニップルを洗浄してみたが変らず。
 もしかするとフレキシブルチューブが新品だからなのかも?

 ともあれ、えんやら押し込んだら、なんとかカチンと嵌ってくれた。
 
 ぐいっとレバーを押してグリスを押し込む。
 と、フレキシブルチューブの先からむにゅっと出てくるグリス。
 ええい、きちんと接続されて無いじゃん!

 どうやら接続した後、「ニップルとチューブをきちんとまっすぐに」しないとグリスが漏れてくるようだ。
 
 これはこういう仕様なのか、それとも工具の精度の問題なんだろうか?


こんな風に繋ぐんですが

 グリス漏れがなくなると手にかかる抵抗が大きくなり、グリスが中に入っていくのが感じられる。
 
 ニップルの反対側あたりから古いグリスがむにむに押し出されてきたら、最初の1箇所目の作業が完了となる。
#思ったほど汚れて無かった>古いグリス

 それでは次の場所に移るべくチューブをニップルから外し・・・外れねぇよっ!

 がっちりニップルをくわえ込んだままのフレキシブルチューブ。
 確かに「ニップルから外すのにはコツがいる」とは聞いていたし、チューブにはわざわざ外し方の注意書きまであった。
 しかし、どうにも外れない。
 「押しながら捻る」らしいのだが、どうやら他にもコツがありそうだな・・・

 それでも上へ下へひねくりまわしていたら、やっとホースが外れてくれた。

 次のニップルに繋いでグリスの充填を開始・・・完了。

 「気をつけないとなぁ、外す時に無理するとニップルって簡単に折れるらしいからなぁ・・・」 ポキッ
 
 「うああああっ」

 あまりにお約束すぎるが、そのとおりニップルを折ってしまいましたとさ。


この根性なしがっ!

 幸い、真ん中から折れてくれたので、残ったネジを抜く事ができた。
 
 残った穴にはとりあえず手持ちのボルトを突っ込んで塞いでおく。やれやれ、これ1本いくらするんだろ?>ニップル。
#後で注文したら1本250円くらいでした。


とりあえず穴は塞いでおきましょう

 
 これで多少慣れたせいか(開き直ったとも言う)他の場所は問題なし。

 意外な場所から古いグリスが押し出されてきて慌てた程度で、全5箇所の作業が終了となる。

 
 ところが、後始末にととある場所のニップルを拭いていたら、ニップル自体がくるりと回ってしまった。

 あれ?これ回っていいんだろうか?
 ネジが付いてるって事は締まってなきゃいけないような気がするんだが・・・とりあえず外れなきゃいいのかな?あとで増し締めしておくか。

 
 そしてこれまた後始末だが、溢れた古いグリスを綺麗にふき取るのがなかなかに難しい

 見えるところ、手の入るところは拭けるのだが、奥の方にも垂れてしまっているような気がする。
 グリスが残ったままだとホコリを呼ぶだろうし、飛び散る恐れもある。
 さて、どうやれば綺麗に拭けるんだろうか?コレ。

#判らない事が次々と出てくるなぁ・・・・
 
 
 



Copyright 2007 Akira

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