YAMAHA SEROW 225WE (4JG6)

☆ メンテナンス編 ☆

リアフェンダー装着記

もしくはナンバープレートステー自作記
 

<2008年4月>

  想定外の話です。

 「うちのセローは弄る必要なし!エンジンも外装も純正が一番!」とずっと思っていたのだけれど。

 ツーリングの時撮ってもらった自分の画像をみると、どうにも後姿のもっさり感が否めない。
 
 実用車風というか、包○風というか、とにかくまぁそんな(?)感じ。
 「う~む、これはやっぱりリアフェンダーの形状のせいなんだろうな…」(←乗り手は?)

 セローだって立派なオフローダー、となればやっぱり跳ね上がったフェンダーも試してみたい。
 実用的にはまったく問題ない(というか泥ハネが少なくて良い)純正フェンダーだが、思い切って交換してしまおうか。

 さて、セローに付ける跳ね上がりフェンダーというと、レアルエキップ製のキットが有名らしい。
 だが225用はどうやら絶版、というか価格を見たら目の玉がどこかへ行ってしまったのでこれは無理。さあて、どうしてくれようか。
 
 更に調べていくと、同じヤマハのオフ車TTR250(レイドも同じか?)のフェンダーが流用できるとの情報に行き着いた。
 「そうか、確かRaidなら画像があったよな…」


某氏のRaidと並べて撮ったのがありました

 
 ふむ、これは格好良い。「跳ね上がり具合」も俺の希望にぴったりだ。
 TTR用なら中古も手に入りやすいはず。もちろんボルトオンというわけにはいかないだろうが、ま、多少切った貼ったすれば大丈夫だろう。

 某日、オークションで中古フェンダーの入手完了。但し結構高くついてびっくりしたのは秘密である。
(人気あるんだな→TTRのパーツ)

  んじゃ始めますよ。

 物が届いたら作業開始。
 まずはともかく純正フェンダーの取り外しだ。

 シートを外して、サイドカバー外して。
 左右2本ずつのボルトで留まっているサイドグリップ外して、一緒にキャリアも外して。
 ステーからウインカーを引っこ抜いて、フェンダー本体を留めているボルトとナンバープレートステーを友締めしているボルト外してフェンダー外して、配線関係を引っこ抜く。
 「よおし、外れた外れた」


あー汚な…

 それではと、購入したフェンダーを取り出してくる。

 テールライト付きのTTRフェンダー。
 そこそこ綺麗だが、そこそこ汚い。(←どっちなんだか)
 まぁうちのおんぼろセローに付けるのだから、新品同様である必要などないのだけれど。

 
充分でしょ

 ところで、このフェンダーに交換するには(付く付かないとは別に)問題点がある。
 それはナンバープレートの取り付けだ。
 
 TTRのナンバープレートステーは別体式で、ナンバー灯とリフレクタもここに取り付けられている。
 しかし今回これは入手できず。というより、TTRのナンバープレートステーをセローに使うと、妙に後ろに飛び出てしまう(はず)のだ。
 「どうしようかな?ま、後で考えるか…」(←楽天主義)

 ☆

 TTRフェンダーをセローに乗せて位置をあれこれ検討する。

 もともとの取り付け方法が異なるので、固定には穴を開けるしかない。
 言い換えると、どんな風にでも取り付けることが可能なのだ。
 
 「ちょい跳ね上がった方がいいけど下品になるのは嫌だし、ガタつきは少なくしたいし…」


こんな感じ・・・かな?

 ガタつきを減らすのであればフレームとの接触箇所が多い方がいい。
 セローのフレームのブリッジ部(3つ上の画像参照)とテール先端がフェンダーに接触するような場所がベターだろう。。

 心配していた「シートとのクリアランス」は問題なし。許容範囲は結構大きそう。

 目安のポジションが決まったら、「さあ、穴開けるぞ~」

 フェンダーの、純正のボルト穴に該当する部分をドリルでぐりぐりと開けていく。
 できた穴に、これまた純正で使ってたボルトを差し込んで…って、「げ、届かねぇじゃん!ボルト!」

 フレームとフェンダーの隙間が大きく、ボルトが届かない。
 もちろん長いボルトに交換すれば良いのだが、そもそもこんなに開いてるって事は…「まさか?」

 後で確認すればいいやと思っていたキャリアを取り出してくる。
 フェンダはこのキャリアの内側に納めなければならないのだが、合わせてみると案の定まったく入らない。
 「くっそー、こんなに幅が違うとはなあ…」


入る気配なし

 多少の違いなら、ボルトを締めこむ事で幅を狭められる。
 しかし、これだけ違うとなると、無理に狭めるとゆがみや割れの恐れもある。
 「やっぱあれか、切るしかないか」

 特に出っ張っているフェンダーの左側をざっくりと切り落とす。
 加えて、前側のリブ状になっている部分も切り落とし、狭めた時に力が逃げるように加工する。
 この上でロングボルトに交換して締めこんでみると…「ん~、なんとか入りそうだな…」

 左側の切り取った場所はキャリアステーの内側になるので外からは見えないはず、とりあえずこの仕様で調整してみるか。

 さてとフェンダーの固定へ戻る。

 前2箇所のボルトは先のとおりでOKなのだが、後ろ側が未固定ではパタパタと暴れてしまうだろう。
 だが、後ろ(のフェンダーと接触している部分)にはボルト穴はない。
 こんな時には……じゃーん、伝家の宝刀タイラップぅ~

 テールランプ裏側に穴を開けて、長めのタイラップを通してやる。
 これをフレームに留めてやれば、バタ付き防止には充分だろう。


穴を開けて通しました。
実際には2本(保険用)
 

こんな感じに留める予定
フレームとの間にはスポンジを挟んで。

 仮固定したら、一歩下がってバランスを見る。
 
 「うん、いいんじゃない?」

 違和感無くすっきり付いていて、歪んだり曲がったりはしていなさそうだ。
 よーし、んじゃこれで行くかぁ・・・


こんな感じです


画像撮った後、ちょい傾いている気がしたので直しました(笑)

  懸案事項をなんとか。

 日が変わった某日。
 ふらふらとパーツショップを見回っていて、こんなものを見つけてしまう。


ホワイトLEDランプ
価格は1500円くらい

 どうやら汎用のオフロード車用ナンバーランプらしい。
 
 白色LEDが3個ついており、黒いベースの裏側は粘着テープになっている。
 LEDの明るさは不明だが、曲がりなりにもナンバー灯として売られている品物だから大丈夫…だよね?
#まぁナンバー灯は実用というよりはお巡りさんへの言い訳用というかなんというか……(フェードアウト)

 本来はフェンダーの裏側に貼って使うらしいのだが、工夫すれば違う方法でも付けられそうだ。
 
 当然のように購入。帰宅後工具箱をごそごそと漁り、適当なステーを見つけだす。
 先端にランプを貼り付け、更に小さなボルトで固定する。

 これをフェンダーの空いているボルト(多分純正ナンバー灯用)で固定すれば、「ほおら、ナンバー灯の出来上がりっと」


こんな風に作って・・・


固定完了
(微妙なオフセット具合がキモです(笑))

 ナンバー灯がなんとかなれば、電装系はもう心配しなくて良い。
 とっとと配線を済ませてしまおう。

 純正と同様の取り回しで配線を引いていく。

 TTRのテールランプ3線は、そのままだと長さが足りない
 コードにギボシを付けて延長する、LEDナンバー灯のコードも同様に延長だ。
 同時に、本体側のアース線を2本に分岐させる(テールランプとナンバー灯用)
 更に、延長したテールランプ配線のポジション用も2本に分岐させ、ナンバー灯に接続する。

 
俺メモ

 ギボシにはカバー。
 直接分岐させたところはハンダ付けし、熱収縮チューブで保護。更に上から絶縁テープ。
 洗車ガンで洗うことが多いうちのセロー。電気系の保護はできるときにできるだけやっておいた方が良いに違いないのだ。

 指差し確認してキーをON。
 ポジションランプOK、ナンバー灯OK。ブレーキをかけてブレーキランプOK。

 「よおし、これにて電装系は完了!次はさくさくキャリアを付けて…」と気楽に考えていたのだけれど…

 


ナンバー灯もちゃんと点きました

  やっぱりいろいろありますね。

 取り出してきたキャリア。

 幅は先に調整済み、上にセットしてボルトを…「む、ボルト穴が合わない…ってかぶつかってるじゃん、フェンダーと!


ここががっちりぶつかってます

 仮合わせの時には幅ばかり気にしていたので、上までは気が回らなかった
 フェンダーは固定済みだし、配線も済ませてあるから移動はできない。いや、例え全部戻したとしても、フェンダーはこれ以上下げられないはずなのだ。

 「どうするかなぁ?さすがにフェンダーの上側切るわけにはいかないし、キャリアは使いたいし……」
 
 

 熟考2分(早)

 「そうか、横棒外せばいいじゃん」

 ぶつかっているのは荷台の棒の1本だけ。これはボルト留めなので外すことが可能だったのだ。

 「♪あったっまっはっつっかっうために~」とぶつぶつ言いながら外す。
 形状から考えて、外してもキャリアの剛性に影響がでることはないだろう。(多分…)


外れました


ほぉら付いた
(ボルトは仮留め)
 

 思うとおり最小の手間で取り付けできた事に小躍りしながら次の作業へ。

 サイドグリップを取り付け、ウインカーを差し込んで固定する。

 シートとサイドカバーを取り付け、乗って「ギシギシ音」が出ないか確認する。

 あれこれ試すが問題なし。
 「よし、後は試乗して……って、そうだまだナンバー付けてないじゃん!

  それなら自作でしょ。

 「適当な市販品を買えばいいや」と考えていたナンバープレートステー。

 だが、探せば探すほど、無理なような気がしてくる。

 市販のステーは、(あたりまえだが)ナンバーを取り付ける部分しか用意されていない。それにせいぜいリフレクタ(反射板)が付く程度。
 そして、セローのナンバー取り付け部は幅が狭い。間に入るステーで調整されているのだ。
 そしてそして、そのステーは(高さの関係で)今回は使えないのだ。

  最初は「市販品を逆さにして、リフレクタ用の場所に取り付け穴をあければ」と思っていたのだが、そうなるとリフレクタをつける場所が無くなってしまう。
#安全の面からも外したくない→リフレクタ

 そして一番の要因はもちろん、「なんでこんなアルミの1枚板に2000円以上も出さなきゃいけないんだよ!」

 憤りながらホームセンターへレッツゴー(死語)

 150mm*300mm*1.5mmのアルミ板を600円で購入してくる。
 「作ってやる作ってやる作ってやる……」

 万力と電動ドリル、糸ノコとヤスリを手に苦闘すること30分。
 「よおし、こんなものかぁ?」

 
これが、
 

こうなって、
 

こうして、
 

こうなる





 「をを、なかなかいいんじゃない?」

 ナンバーの角度はほどほどで、後方からの確認は問題ない。
 多少フェンダーに被っているような気も…いやいや気のせい気のせい…
#リフレクタはセロー純正を移設しました。

 取り付けたフェンダーや周辺パーツ、そしてナンバープレートステーの調子をみるために試乗に出かけてみる。

 走っている最中確認すると、ナンバーには結構振動が出ているようだ。
 ボルト類には緩み止めをしてあるが、しばらくの間は頻繁にチェックするようにしよう。

 「いつもの場所」まで走って撮影会。

 うん、結構格好いいな、この仕様。


 

 



 最初に感じたとおり、違和感は無い。
 というか、あまりに自然でカスタム感がまったく無い。
 こんなに苦労して取り付けたのになんとなく拍子抜けする程だ(笑)
 
 さぁて、これで外身も格好良くなったし、次はタイヤでも交換してやろうかな。

<余談>

 夜、心配だったナンバー灯を確認してみる。
 
 「うん、これだけ明るければ大丈夫」


ナンバーの文字も見えるしね。



Copyright 2008 Akira
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