YAMAHA V-Max

☆ メンテナンス編 ☆

クラッチマスタシリンダ交換記


さすがに交換しないとダメみたいです。

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 なにせ12年ものですから。

 クラッチフルードが少々汚れている。それは少し前から気付いていた。

 では何故放っておいたのか?
 実用上問題ない(ないわけではないが…)という事もあるが、実は前回のクラッチフルード交換の際、フルードタンク内のゴムがてろてろに伸びきっていて、最後に「蓋」を密閉するのにとても苦労したのだ。
 正直、今度開けたら上手く閉じられる(密閉できる)自信はない。何せ12年物の純正クラッチマスタだ。蓋のプラスネジもちょっとネジ切り気味だし、シリンダ内のピンのカバーゴムも破れている。クラッチレバーの位置が調整できないのも前から気になっていた。
 よし、この際だ、一式交換してしまおう。

 チョイスしたのはデイトナ製のクラッチマスタ。当然純正と同じ5/8インチサイズである。

 ブレーキ側で使っているRC30用や昔懐かしいOW01用、そしてXJR1200(1300)純正流用も考えたのだが、主として金銭的な理由によりデイトナ製に決定。
 ちなみに「ブレンボラジアル」などと言う言葉は俺の辞書には載っていない。

 さて、本来であれば同時にクラッチホースもステンメッシュ(って今は言わないのか?)へ交換すべきである。が、今回こちらには手を入れない。
 ブレーキと違って性能(タッチ)の向上はさほど望めないし、エンジン側のエア抜きが少々面倒(なはず)なのだ。
 ゴールデンウィークに予定しているロングツーリングの前にあまりばたばたしたくないので今回はパス、いずれ時間的(&金銭的)な余裕がでてから改めて交換する予定である。
 #何時になることやら…

 キットに含まれていないバンジョーボルトは、後々の事を考え、アルミのエア抜きタイプを購入する。(EARL製、中身はPOSHの1.25ピッチ)
 通常タイプに比べて多少(かなり?)高いが、ここからエアが抜けると抜けないではメンテの際に大違いなのだ。

デイトナ製クラッチマスタシリンダ
デイトナ製クラッチマスタシリンダ
5/8インチ シルバー

V-Max
さすがにくたびれてます。

 

  難しい事はないけれど。

 さて、交換作業である。

 塗装を腐食させるブレーキフルードを扱う為、周囲にはウエスを巻いて保護しておこう。
 旧マスタシリンダのホース連結部をメガネレンチで緩める。但しフルードが漏れない程度に軽く…だ。
 ホースを外すのはマスタシリンダをハンドルから外した後になるので、その時力を入れなくても外れるようにしておく為である。

 取り付け部のボルト2本を外す。純正マスタシリンダには左スイッチボックスに食い込むツメがあるので、スイッチボックスのビスも緩めてやる必要がある。
 クラッチスイッチのコネクタを外せば本体が外れる。
 
 次に新しいマスタシリンダを仮止め&仮組みする。
 ボルト系にはカジリ防止用のグリスをかるく塗り、レバー部も念のためグリスアップしておこう。
 ディトナのオイルタンクの取り付けステーはバックミラーとの友締めなので、バックミラーも仮組みしてしまう。

 旧シリンダからホースを外して一気に新しい方へと組み込む。
 古いホースに付属のゴムカバーは、今回装着したエア抜きバンジョーには合わないので取り外す。
 交換時に漏れるフルードは少ないほど良い、後でのエア抜きもその方が楽だ。 注意するのは、バンジョーボルトのワッシャにゴミがつかないようにする事。ここからフルード漏れしたら致命的だし、何より後始末が面倒だ(一からやり直しになる)

 クラッチホースまで交換する時には、ホースの取りまわしや取り付けの角度の調整も必要となるのだが今回は不要。純正ホースの角度は少々変わったが、実用上問題はなさそうだ。

 本体の仮組みが終了し、バンジョーボルトをしっかりと締め付けたら、いよいよオイル交換&エア抜き作業である。

 まずはこのバンジョーボルトからエア抜きを行う。
 本来エア抜きは「マスタシリンダから遠いところから」が基本である。しかし今回はホース交換をしていないのでホース内にはオイルが既に入っている。最初にマスタシリンダ内のエアを抜いてやれば後の作業も楽になるだろう。

 作業手順はブレーキの場合と同様である。
 エア抜きボルトにメガネレンチを噛ませてその先にビニールホースを繋ぐ。ホースの先にはオイル溜め用のペットボトルを置く。
 レバーを握ると同時にレンチでボルトを緩めるとオイルが流れ出してくる。レバーを握りきる前にボルトを締め、オイルを止める。ゆっくりとレバーを戻す。この繰り返しだ。

 クラッチのフルードタンクはブレーキ側に比べて小さいので、レバーを3ストロークもさせると残り僅かになってしまう。かなり頻繁に補充してやる必要があるだろう。(タンク内のフルードが空になってエアが入ってしまったら、これまた一からやりなおし)

 そうそう、あたりまえの事だが空気はオイルより軽いので、エア抜きボルトの位置が一番高くなるようにハンドルを切って作業を行うと良い。

 いい感じ(?)にエアが抜けたら今度はエンジン側からエア抜き。
 手順は同様、フルードが一巡すると流れ出るフルードの色が変わり、かすかにエアも出てくる。
 クラッチがカッチリした感じになったら完成である。
※翌日以降に再度エア抜きを行うと完璧。

 各部に水をかけてフルードを洗い流し、レバー位置を合わせ、バックミラーを調整する。
 そういえばその昔、ブレーキのマスタシリンダの交換の時、バックミラーの取り付けネジが切られていない事に気付かず慌てたよな…

 センタースタンドを立てたままエンジンをかけ、ギアを1速へ。
 クラッチを握って後輪の回転が止まる(もしくは足で止められる←注意危険)ようならば、きちんとクラッチが切れている証拠である。

 作業時間は、レバー等の調整も含めて1時間ちょいであった。

V-Max
フルードがつくとぼろぼろになるんだよなぁ…

 

V-Max
エア抜き用ビニールホースも買い替えねば。

 


 
 
 取り付け完了。

 満足したらテスト走行。

 うむ、タッチは変わらないものの、レバーは多少軽くなった気がする。
 前のレバーも結構頻繁にグリスアップしていたのだが、やはり新品にはかなわないのだろう。
 いずれにせよ新しい部品が見えるところに付くというのは楽しいものだ(笑)

 レバー調整できるようになったのはやはりありがたい。これなら前のように「冬グローブで乗るとクラッチが切れない」等ということはなくなりそうである。

 余談だが、V-Maxの純正クラッチスイッチのコネクタは、デイトナのクラッチマスタのスイッチと形状が異なるため取り付けることが出来ない。
 ディトナの説明書によればアダプタが出ているとの事だが、正直なところあまり必要性を感じていないので今回は外したままとした(実用上問題なし)

 

V-Max
こんな感じに付きました。


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