■ 理由等々
今回の売却にあたっては、HPでオークションを開催したこともあり、いろいろな方から、「どうしてV-Max売っちゃうんですか?」とずいぶん聞かれました。
何しろこれまで、「壊れたら直せばいい!」とか「こいつは俺が看取る!」とか散々偉そうに書いてきたわけですからね(笑)
手放した理由としては、大きく3つほどあります。
☆
1つ目は、乗る機会が減ったということです。
この「乗る機会」というのはV魔にだけではなく、「バイクに」という意味です。
さまざまな要因から、バイクに使える時間がかなり減りました。
V魔を買った頃からすると、トータルの年走行距離は半分以下になっているでしょう。
かたやバイクは3台。
VーMax単体の走行距離は年にせいぜい2~3000km。オイル交換なんて春先に1回だけでも充分間に合ってしまいます。
#まぁ2回は交換してますけど(笑)
「乗らなくてもとっておけばいい、置き場はあるんだし」と思う方もいるでしょう。でも、私はそれは避けたかったんです。
以前ちょっとした事から、多くのバイクを所有されている方の家を訪ねたことがあります。
大きなガレージの入り口にアクティブなバイクが2、3台。
奥は板の間になっていて、その上にレーサーを含めた車両が10台ほど。
「奥のはほとんど置きっぱなし。イベントがあった時に引っ張り出すだけだね。」というオーナーの方に愛想笑いをしながら、「ちょっと違うんだよな…」と思ったのは正直な話です。
「バイクを飾る」というのを悪い事だとは思いません。むしろそうできる環境を羨ましいと思います。
記念というか、オーナーの大切な思い出をコレクションとして形に残しておくというのは良いものです。
でも、そうなるとそれはもう「乗り物」じゃなくて「物」なんですよね。
「乗り物:バイク」であるためには、とにかく乗らなきゃダメです。
機械は動かさなければダメになってしまいます。
一旦「物」になってしまうと、それを「バイク」に戻すのは大変です。
そして「物」になる事を避ける為に、「(楽しみの為にではなく)バイクであることを維持させる為にだけに動かす・動かさければならない」のは精神的に非常に疲れるものです。
余談になりますが、「オヤジが残したバイクを息子が乗る」なんて話があったりします。
でもあれ、実際的にはすごい大変な事だと思うんですよ。
昨日まで動いてた車両ならともかく、数年保管(放置)されていた車両をきちんと直し、走らせる為には大変な労力が要ります。
残すのは簡単ですが、それを戻すのにはそれなりの覚悟(と費用)が必要なんですよね。
幸い、うちのMAXは好調を維持しています。
本当に「なんでこんなに丈夫なんだ?」と思うほどよく走ります。
これをこのままずるずると「物」にしてしまうのはどうにももったいなくて仕方ありませんでした。
逆にもし致命的なトラブルでも出ていれば、動かないままオブジェとして保管していたかもしれませんね。
1998年
☆
先に書いたとおり、現在うちのMAXは非常に好調です。
多分このままでも数年は(基本的な整備さえ行っていれば)そんなに大きなトラブルは出ないでしょう。
#ま、確信はできませんが(笑)
「人に譲る」と考えた場合、好調であるというのは大切なことです。
どんな関係で譲るのであれ、どんなに現状を説明済みであれ、買う側は現車に好調を期待します。
引渡し後、互いに気まずい事にならないように。また気持ちよく乗ってもらって「買って良かった」と思ってもらえるように、売買は好調の時期に行うべきだと私は思っています。
今なら「そろそろ交換なんだよな」な点はありません。
でももうしばらく経つと(実際必要であるかどうかとは別に)「そろそろあの辺りをバラして…」と思い始めかもしれません。
その時になってから売却するのは何か嫌な気がしたんですよね。
もちろん、今急いで売らなければならない理由はありません。
逆に言えば、慌てずいろいろな手続き(買ってくれる相手を探す等)ができます。
「慌てると碌な事にならない」というのは整備だけでなく、売買にも言えるような気がするんですよね。
#もちろん、「思い立ったが吉日」「鉄は熱いうちに打て」ということわざもありますけれど(笑)
2007年
☆
いろいろくどくどと書いてしまいました。
これらはまぁ「手放した理由」というより、長年乗ってきたバイクを手放した事に対する自分自身への言い訳なのかもしれません。
最後の洗車完了
こんなインチキなHPにも関わらず、これまで結構な数の方からV-Maxについてのお問い合わせ・ご相談を受けました。
曰く、「これを買いたい」「ここを直したい」「これはどうなっているのか」等々。
毎回素人なりに一生懸命返答させていただいたつもりですが、その中で私はよく「V-Maxは絶対に買って損のないバイクです。」と書いていた気がします。
これは世辞でも儀礼でもなく、私の本心です。
乗って良し、眺めて良し、弄って良し。
十数年前、限定解除(現大型二輪免許)を取得して初めて買った大型バイクがこのV-Maxであった事を感謝すると共に、これを選んだ当時の私を褒めてやりたいと思っています。
機械を擬人化して語るのは私の流儀ではないのですが、もし今、V-Maxに声を掛けてやるとすればこんな感じでしょうね。
「これまで本当にありがとう。そしてこれからも頑張って。」
そしてこれが残りました
☆
・・・・・・ああ、理由の3つ目ですか。
それはやはり、コレの存在ですね。
コレがなかったら、果たしてこの時期にここまで思い切れたかどうか。
ただ個人的には、「互いに良い時期に巡り合った」んじゃないかと思っています。
ええ、本当にどんぴしゃりのタイミングで。
<了>