YAMAHA SEROW 225WE (4JG6)

☆ メンテナンス編 ☆

キャブレター清掃記

 ともかくバラしてみましょうか   あらためてもう一度 

<2006年11月>

  ともかくバラしてみましょうか

 「一度OHして様子を見る予定である」
…というわけで、キャブレターをオーバーホールしてみる事にする。

 ところが、手元にはまだ整備マニュアルがない。
 あるのは発作的に買った「セローファイル」のみ。
 む~、手探り状態でOHか。まぁ単気筒だし、なんとかなるかな?

 まずはとサイドカバー、シートを外す。
 
 サイドカバーは、買ってすぐエアクリーナー&バッテリー周りを掃除したので、その時に一度外している。
 片側に1つずつのボルト、他はグロメット(?)で留められているだけなので簡単だ。

 シートは初めての取り外し。これまら左右にボルトが1本ずつ。
 「そうか、セローのシートって、裏側はフェンダーを兼ねているのか…」


なんかすっきりしてます

 次はタンク。
 
 セローファイルに載っている燃料コックの取り外し手順で手間取る。
 「最初にフューエルホースを外せ」とあるのだが、どう見てもすんなりと外れそうに無い。

 考えて、まずコックのステーを先に外し、その後ホースを引っこ抜く。
 まぁこの辺りは臨機応変ということかな。
 
#しかし、どう考えても最初にホースを外すのは面倒だ。もしかするとセローファイルの例の4JG5とうちの4JG6ではこの辺りが何か変っているのかもしれない。


ホースコックステーの裏にあるんですよ

 シート側のボルトを外せばタンクがフリーになる。
 
 それではと外そうとすると、ステアリング側のゴムががっちりと食い込んでいて外れない。
 うんこらせと揺すって引っこ抜く。あ~、タンク外すなら満タンになんてしとくんじゃなかったぁ…

 キャブの全体が現れたところで、付いている各種ホースをフリーにする。
 しかしなんでこんなにホースが沢山付いてるんだ?左右に2本ずつ&ドレンがあるんだが。

 エアクリボックス側とインシュレータのバンドを緩め、本体を引っこ抜く。

 キャブ外しってこれが一番面倒なんだよな…と思っていたのだが、ボックス側のゴムがとても柔らかく、比較的楽に引き抜く(横に出す)ことができた。
 
 もしかするとエアクリボックス外さないとダメか?と思っていただけに嬉しい誤算。
 でもこれ、柔らかいだけに取り扱いには注意しないと、切ったり伸ばしたりしてしまいそうでちょいと怖いかも。


比較的簡単に外れました

 フリーになったキャブ本体から、スロットルケーブルとチョークケーブルを取り外す。
 チョークはともかく、スロットルは今の取り付け位置をチェックしておいてっと。

 これで完全に車体からキャブレターが取り外せた。
 やれやれ、んじゃ場所を移して中をバラしますか。

 まずは外観の汚れを落とす。
 車体の洗車はしてあるが、さすがにキャブまでは洗えていないのだ。
 
 土ホコリと油汚れをせっせと落とす。中に砂粒とか入ってしまったら何のためのOHかわからなくなるしねぇ。

 それではと、下のフロート側からバラしていく。

 大抵このフロート室のネジが固くて…あ、やっぱり固いわ。
 
 ちょいナメかけながらもなんとか取り外しに成功。
 しかし、この雰囲気だとこのキャブ、これまでOHされたことは無さそうだな…

 外れたフロート室には見た事のないパーツが入っていた。
 黒い筒で、スロー系のパイプに突っ込まれている。
 なんだこれ?キャブが揺れても安定して吸い込めるようにとかなのか?
#情報募集中


ちょい見にくいですが、何だと思います?このボールペンのキャップみたいな奴

 メインジェットを外してチェック。
 ジェット自体に汚れや詰まりはなくて一安心。「まぁ上はそこそこ吹けてたしな」

 次にキャブ上側。
 V-Maxで散々苦労したダイアフラムのカバーのネジは比較的簡単に外れてくれた。

 カバーを取り、ダイアフラムを破らないように気をつけながらスライドバルブをそーっと取り外す。
 中のスプリングを引っこ抜いて…あ、ニードルになんか変なワッシャが付いているぞ。
 いかにも無くしそうなパーツなので、ニードルとペアにして保管しておこう。

 
ダイヤフラムを外して中をチェック

 改めてキャブの内側をチェック。

 むー、汚れてるといえばそうだし、それほどでもないともいえなくも無い
 とりあえずガソリンのワニスらしきものは無い。ただ、相応に黒い
 これはガスが濃かったのか、それともホコリとかが溜まったのか。

 内部にキャブクリーナーを吹き、ウエスで磨く。
 
 黒い汚れがみるみる落ちていく。
 インテークとスロットルバルブは特に綺麗に磨いてやる。
 手の入らないところは綿棒で掃除するが、繊維が残らないように気をつけて。

 もちろん、各ジェット系も綺麗にする。
 ただ、取り外せたのはメインジェットともう一箇所(パイロットジェット)だけ。後は細すぎて手持ちのドライバが入らなかったのだ。
 くそぉ、低回転時にはこの手の細いところの影響が大きいんだがな…ま、キャブクリーナーが吹き抜けてるから大丈夫かな?

 俺的に満足できるまで掃除して組みなおし。

 残パーツなし&迷う事なしに組み終えたのだが、確認にとセローファイルのパーツリストと見比べるたらパーツが一つ違う気がする。
 先の無くしそうなワッシャとニードルの間に小さなスプリングが入っているようなのだが見当たらないのだ。

 む~、ここは外す時入念にチェックしていたのだけれど…ま、機能的にはそれほど関係なさそうだから無くてもいいか…


組み終わりました

 キャブの車体への取り付けも特に問題なし。
 「柔らかいゴム」はやはり便利かも。

 苦労したと言えば、取り外しの逆の順序でやればいいものを、本体を付けてからワイヤーを繋ごうとしたのでチョークのプランジャボルトの締め付けが面倒だった事くらいである。

 あとは…そうそう、キャブ本体の取り付け角度がフリーなので、車体と垂直になるように調整しないといけないな。

 タンクを付けて、燃料ホースを繋げばとりあえずの準備が完了。
 
 コックを開けて様子を伺う。
 オーバーフローの無いことを確認してから、ぱんぱんと手を叩いて一礼。「間違いがありませんように・・・」

 キーオン、セル始動・・・ボンッ、トトトトトト・・・

 をを、一発でエンジン始動かよ。凄いじゃないか、俺!

 ひとおとり「"偉いぞ俺"の舞い」を踊った後、アイドリングの状態をチェックする。

 うむ、「時折アイドリングが不安定になる現象」はかなり軽減されている。
 完全に解消とまではいかないが、これまでのようにエンストしそうになるまで下がる(もしくはエンストする)事は少なくなった。
 これは成功と言っていいだろう。

 パタパタと動くエンジンを見ながら思いつく。
 「そういえば、スロー(エア)調整とかのネジが見当たらなかったなぁ、どこでやるんだろ?それともそんな機構はないのかぁ?」

 う~ん、やっぱり買うか、整備マニュアル。


エンジン始動できました
 

 後日、パーツの詳細については、V-Max同様ヤマハのサイトで調べればよい事に気づく。
 
 例のスプリングはやはり無くて良いようだった。
 #っていうか、普通その辺りを調べてからバラすだろ、俺。

 まぁ、これで手順はわかったから、来シーズン前にもう一度バラしてやるとしよう。
 今度は「完全バラ」にできるように、細めのドライバーも用意しておかねば。


<2007年5月>

  あらためてもう一度

…というわけで、遅ればせながら細いマイナスドライバーを入手したので再度オーバーホールしてやろう。

<手順は省略>

 あけてみると、中は前回(半年前)清掃のままの綺麗な状態だった。


これは全バラした後



 前回バラせなかったフロート。
 手に入れたマニュアルで留めているピンが単純な圧入であることが確認できたので、これはえいやっと引っこ抜く。

 外れたフロートバルブは段つきなし。よしよし

 スロージェットは・・・あ、ちょい詰まり気味かも。
 例の「アイドリング時にすとんとエンスト」はこのせいだったのだろうか?
 バラしてキャブクリーナーで清掃、吹き抜けを確認。

 前回見逃したパイロットスクリュも無事発見し、分解調整。

 調整値はマニュアルの指示どおり、締め込みから2回転戻し。

 洗って組んで、付け直す。
 
 あ~、それにしてもシングルキャブってのは簡単でいいねぇ・・・

 ついでに「もしかして切れかけかも?」と心配していたスロットルケーブルを新品に交換した後、テスト走行。
 もちろん問題なし。というか、「・・・なんかトルクが上がってるかも?」
 

#ま、プラシーボだろうけどさ(笑)
 



Copyright 2006 Akira
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