納車は先負につき午後。
一昨日までの天気予報は大雨で、延期するかどうか悩んでいた納車当日。だが、例によって雨は上がり午後からは日の光が射し出す。ううむ、自分で自分が恐ろしい程の晴れ男パワー(*1)だ。
ショップへと向かう。
シングルシート、取扱説明書、交換スクリーン、その他もろもろのかさ張るブツは昨日のうちに車で引き取り 済み。今日持ち帰るのは本体だけ。
黒と銀に彩られた「奴」は倉庫の中でひっそりと俺を待っていた。
あれやこれやの手続き&説明を受け、キーを受け取る。
イグニッションオン。メーターパネルがセルフチェックを行う。(*2)
クラッチを握ってエンジンスタート。スクーターのようでちょっと面倒。
純正らしい低い静かな排気音と共にエンジンが目を覚ます。
暖機の時間を使ってシフトペダル、レバー類を自分の好みの場所にセット。バックミラーも合わせておこう。
使い慣れたSZ-Mを被って、よし、じゃぁ行ってみようか。
クラッチを切りギアを1速へ。ゆっくりと通りへ出る。
うむ、やはりハンドルは低い。気を抜いていると過重が両手にかかってしまう。ガンマと同じようにきちんと腰で乗ってやらないといけないだろう。
思っていたより、ステップは低く、前に感じられる。
信号待ちで足を出す時、丁度ぶつかってしまうような位置だ。ハンドルに合わせるならもうちょっとバックしていても良いと思うが、不満に思う程の事ではない。長距離乗るのならかえってこの位の方が良いだろう。
初めての給油。V-Maxと異なりバイクから降りずに給油できるのが有難い。まあ今回はいつものつもりで降りてしまったが(笑)(*3)
レギュラー満タン、今後ハイオクにするかどうかは状況次第だ。
大通りへ出る。せっかくの納車日だし、慣らしを兼ねてちょっと走ってやろうと思う。
輸入店であるカキウチの取り扱い説明書には、「800kmまでは5500rpmまで、1600kmまでは8000rpmまでで慣らしを・・・」とある。もっともショップの店長に言わせれば「1000kmも走れば慣らしには充分ですよ…」だそうなのだが。
とりあえず今日は4000rpm程度に抑えて走ろう。エンジンやミッション、サスと同様に「自分」も慣らしてやらないといけないだろうし。
心配していたミッションは特に問題は無い。
2000回転程度の極低速域でも6速まできちんと入る。
スズキ特有のねっとりしたシフト感と大きめのストロークは今一つだが、それもまあ許容範囲。
ニュートラルの出も問題なし。ただ1速へ入れる時のショックがちょっと大きめ。
油圧クラッチは、噂通り繋がるポイントがはっきりとしない。
信号からのゼロスタートには結構気を使う。更にエンジン(後述)に合わせてシフトチェンジするのに、タイミングを合わせるのがなかなか難しい。まあ、これも慣れるしかないだろう。
交通量の少ないバイパスへ出たら、4000rpmまできっちり回してシフトアップ。
さすがは1300ccのエンジン、慣らし中とはいえ他の車に遅れをとるようなことはまったくない。
そのエンジンだが、V-Maxに比べて慣性マスが非常に小さい。(あたりまえだが)
早い話が、クラッチを握った時の回転の「落ち」が速いのだ。最初はこれに慣れず、シフトアップが妙にギクシャクしてしまう。シフトダウンは自分で回転を合わせれば良いし、もう少し上の回転域なら問題ないはずなのだが、ゆっくり低速で走っている最中に不安定なのはどうにも(自分に)我慢がならない。(*4)
バイクの問題ではないので、自分でクセを覚えるしか方法はない。比較的慣性マスの大きいとされる隼でこれだとすると、(YZF)R1とかはどんな感じなのだろうか?
さて、サスペンションは噂どおり固い。
路面のギャップでコツコツと跳ねる。通常の一般道ではリアサスをノーマルより1段柔らかくしてやると乗りやすいということだったのだが、標準の固さを確かめたかったのと「俺、体重あるしなあ・・・」(*5)ということで今はストックのまま。まあ、まだまだ慣らし中だ、サスのセッティング云々なんてのは先の事だ。
当然ブレーキも本調子ではない。
ミュー…というフローティングブレーキ特有の音はするものの、思っているより制動距離が長く取られる。
もっとも以前乗っていたVガンマも、ブレーキ(というよりローター)にアタリが出るまでには1000km近くかかっていたはずだ。それにV-Maxに比べれば上等上等。
埼玉のライコランドまで100KM程走り、ちょっと覗いたらUターン。
帰りは高速を使ってみる。
6速4000rpmだと速度は1.5Seigen(意訳)。流すのには丁度良いスピードだ。(*6)
さすがはフルカウル・・・と言いたい所だが、通常のフォームでは低いスクリーンのおかげでヘルメットに結構な風圧がかかる。(伏せれば問題なし)
交換用に5cm高いスクリーンを手配しておいたのは正解のようだ。(※後に交換:スクリーン交換参照)
その他下半身への(風圧的な)負担はまったくない。今日の東北道は天候が不安定で横風が強いけれどブレたり煽られたりすることもまったくない。リア190の極太タイヤにもかかわらず轍の影響も皆無、がっしりとしたフレームはびくリともしない。V-Maxに比べたら天国のような高速巡航性能だ。(*7)
東北道を北上、ふと気付くと北の空が怪しい。
ヤバいかな?と思ったのもつかの間、突然、本当に突然ものすごい土砂降りの雨となる。
叩き付けるようなと言うか、バケツを引っくり返したような豪雨。路面が跳ね返った雨粒で周囲は真っ白、視界が急に狭まる。
当然雨具などの用意はない(あっても着替えている暇などなかったが)。あっという間に皮ジャンパーの上半身からジーンズの下半身。尻の穴までびしょ濡れになる。(*8)
「なにもいきなり雨中走行まで体験させてくれなくとも・・・」ヘルメットの中でボヤきながら走る。
しかしこの雨の中、この速度でまったく不安を感じないというのはさすがだ。速度を落とす四輪を尻目に先を急ぐ。
土砂降りは20分ほどで止む。まあこれだけ濡れてしまえば、いまさら止んでも止まなくても関係はないのだが。
帰宅後、まずは洗車。
洗車している最中に、太ももあたりの筋肉痛に気付く。
今日の走行距離はたったの250km程、しかも1/3は高速道路だ。やはり腰の負担が大きいのだろうか?とすればハンドルはやはり上げてやる必要があるかもしれない。
ともあれ、まずは慣らしを完了させてやることが一番重要。ポジションの変更は、ある程度乗りこなしてからになる予定である。
<脚注>
*1 すいません、もう言いません・・・
*2 なかなかに格好良いぞ。
*3 なんでGSだと右側に降りるんだろう?俺。
*4 ノンクラッチシフトしてやれば問題ないけど、それじゃあ慣らしにならないし。
*5 どれ位あるのかは秘密。
*6 東北道は2Seigen位で流れていることもある。
*7 比べないように。
*8 結構気色悪い。でも一度試して見ることをお勧め。 |