<2004年11月>
■しばらくご無沙汰でした
先日のバーハン試乗の際、ちょいと気になったのがドン付きである。
スロットルパーシャルからのじわ開けの時に、ドンっと前へ出てしまう。
極低回転時の安定感も今ひとつ。
「ここのところ調子が良かったのになぁ…何故だ?」と考え、思いついたのがスロットルポジション(以下スロポジ)センサーのズレである。
以前、同様の現象が起きたときに調整してやったらずいぶんと良くなった。
今回も同様に見てやることにしよう。
「スロポジセンサー」はその名のとおり、スロットルの位置(開け具合)を測るものである。
この情報に様々な要素(温度、回転数、もしかするとギアポジションも)を加えて計算し、インジェクションが燃料の噴射量を制御…とまぁ難しい事はさておき、体重計のゼロ合わせみたいなものと考えておけば間違いないだろう。 |
さて、まずはズレているかどうかを調べよう。
実は隼には、自分でスロポジをチェックする機能が付いている。
■隼をディーラーモードで起動し、
■メーターパネルの表示で確認する。
…事ができるのだ。
まずはディーラーモードでの起動。
リアシート下、左側の配線途中に、黒いゴムのカバーのかかった白色のカプラーがある。
これに特殊工具「モードセレクトスイッチ」を繋ぎ、キーオンする事でディーラーモードに切り替わるのだ。
専用特殊工具はスズキで買うと数千円するというが、もちろん俺が持っているはずはない。
そこで取り出したのが…「モードセレクトスイッチのようなもの~」
人差し指の下にハイテク機器が…隠れてません
制作費無料、製作時間1分のオリジナル特殊工具である(笑)
銅線の両側をハンダでまとめただけ。要はカプラー内の配線をショートできれば良いのだ。
早速取り付ける。
6極のカプラーだが、接続されているのは2線。これをショートさせてやる。
作業途中で抜けないよう注意
キーオン。
どれどれとメーターパネルを覗いてみると…
いつもは時計が表示される場所ですが
思いっきりズレてるじゃねぇかよっ!
「C00」の左側の「-」の表示。
今、上部に表示されているコレは、本来であれば真ん中に表示されなければならないのだ。
あ~、やっぱこの前スロットルボディ弄った時にズレたのかなぁ…
ズレたと判ったら調整すれば良い、ではやってみるとしよう。
スロポジセンサー本体の付いている場所は、スロットルボディの左側。
前シートを外し、タンクを持ち上げる。
ホース類をちょいと避けるとスロポジが現れる。
画像が小さくてすいません
指先の緑の○印が本体。これを赤の○印のネジ2本を緩め、回転させ、調整するのだ。
赤の○印のネジ2本はトルクスネジ、中ポッチ付きのT20サイズである。
■ネジを緩め、本体の位置を調整。ネジを仮留め。
■キーオフ、キーオンしてメーター表示を確認。
調整はかなり微妙なものだ。少し動かすだけで表示は大きく変わってしまう。
何度か繰り返して、メーター表示が正常になったところでネジを締め込み固定する。
固定の際に本体が動いてしまうとまたやり直しとなる。慎重に慎重に。
これで正常になりました。
調整できたら「特殊工具」を外して通常どおりエンジン始動。
うむ、アイドリングも安定したような気がしないでもない(笑)
近場を少しだけ試乗。
おお、こちらは明らかに良くなった。極低回転域(~2000rpm)での乗り味がマイルドになっている。
その分、ゼロスタート時のクラッチミート直後のトルクが減少した気もするが…ま、乗りやすいからこっちのほうが良いだろう。
最初に気になった峠でのドン付きについては、後日改めてチェックすることにしよう。