☆ ツーリング紀行 ☆
目指せ火の国!九州ツーリング記
<第1話>
「出 立」
・ ・ ・ 深い闇に低い排気音が溶けていく 巨大な獣の息吹きのような、不均等の鼓動を繰り返す1台のバイク そして、まるでその獣の調教師でもあるかのように、傍らに佇む一人の男 春、夜明け前の空気は、容赦なく男の肌を刺す ほぅと息を吐き、軽く身震いをすると、男はその頭をヘルメットへと押し込んだ 牛皮ジャケットのジッパーが上がり、虫の羽音のような微かな音と共に襟元のベルクロが留まる 茶色のグローブをはめた右手が、ぽんと一つタンクを叩いた ぎしりと音を立て、巨大なバイクが直立する サイドスタンドが跳ね上がり、シフトペダルがカコンと乾いた音を立てると、 バイクは、先ほどの男と同じように軽く身震いをした ごく僅か高まった排気音と共に、バイクはじわりと前へ出る クリアシールドの下の口元が、微かに微笑んだようにも見えたのは幻だったのだろうか? 男とバイクは闇に溶けた 後には、赤いテールランプの残像だけが残された ・ ・ ・
あ~!ったく、慣れねぇ文体で書くもンじゃぁねぇなぁっっっ!
|
<2002年4月28日>
今年こそ行きましょう。
…とまぁそんなわけで(笑)、今年も待ちに待ったゴールデンウィークがやってきた。 得意先に頭を下げまくり、会社で白い目で見られながらもぎ取った10連休。 当日、「"ナルシスト"の語源ってなんだったっけ?」とかなんとか考えながら、栃木県の自宅を出たのは0:00am。例によって九州までの往路は自走なのだが、それにしてもずいぶん早い出発時刻ではある。 一昨年四国へ出かけたときには、初日に600kmちょい走って京都へ一泊した。 自分の○×年に渡るバイク人生(笑)で、これまでのツーリングで1日に走った最長距離といえばせいぜい700kmといったところ。 「メガかよっ!メガメートルなのかよっ!」とさまぁ~ず風の一人突っ込みで退屈を紛らわせながら東北自動車道を南下する。 毎年の事だが、この季節、深夜の東北道はひどく寒い。 たっぷり1時間をかけて100km走り、いつものように蓮田SA(サービスエリア)で給油、その後首都高速道路へと突っ込んでいく。 首都高速川口線。東京都に入ると気温が上がるのが肌で感じられる。 深夜の首都高はさすがに空いていた。 1:40am、東京料金所手前、車線両脇に取り付けられたブルーの照明が美しい。 煌々と照明の点った高速道路を淡々と走る。 日中であればどか~んと見えるはずの富士山も今は闇の中。 4:30am、浜名湖SA手前。いいかげん一人で走るのに飽きてきた頃、やっと他のバイクの姿が見えてくる。
|
|
|
ガソリン哀歌。
5:00am過ぎ、日が昇る。 6:00am、養老SAで給油&朝食。 7:00am、京都の先を通過する際、ガソリンスタンドのあるSAを見逃してしまう。 高速道路が分岐する。名神高速に別れを告げて俺は中国自動車道へ…と、途端に消えてしまうSAの案内標識、どうやら先の標識は名神高速側の表示だったようだ。 刻々と進むトリップメーター。相変わらず標識は無い。 |
||
いきあたってばったり。
急に混雑が激しくなる中国自動車道、何故かな?と見ると、なんと一斉検問を行っているではないか。 8:00am、数キロ先のその西宮名塩SA、良かった良かったと給油&長めの休憩をとる。 神戸からは山陽自動車道。 9:30am、給油に立ち寄った竜野西SAでコーヒーを啜る。 例によって宿の予約などはまったく行っていない。 倉敷IC(インターチェンジ)で高速道路を降りる。 11:30am、初めて来た倉敷の町。 うむうむとうなづきながら出発。 スタンディングで尻の痛さをごまかしながら出発。 4:00pm、YHへ到着。
|
|
<本日の走行距離=約580マイル=約928KM><本日の給油回数=8回><本日の教訓=1,000kmにはちょっと足りなかったな>