<第二話>
「周遊の時を」
2005/5/1
さて、今日は能登半島を一周する予定である。
このキャンプ場からだと、左回りにきれいに一周できるはずなのだ。
先に書いたとおり、明日の天気(正確には今夜から)は期待できない(*2-1)今日のうちにさくっと回るとしよう。
昨日同様、お風呂セット&気温が下がった時用のインナーのみを入れたリアバッグをV-Maxに積み込む。
いやぁ、テント張りっぱなしってのはやっぱ楽だねぇ…
さて、今日も行くとしましょうか
6:30am出発。
R160を快走、海沿いの道が実に気持ち良い。
早朝で他の車がほとんど走っていない為、自分のペースを保ったまま海岸線を走り続けることができるのだ。いやぁ気持ち良いねぇ…(*2-2)
今のところ、空はうす曇りだがなかなかのツーリング日和、気温も高い。
革ジャンの下にはTシャツ&インナー1枚のみ、これで丁度良い感じの気温である。
「冬ジャケにオーバーパンツ?いくらなんでもこの時期にそんなものは必要ないでしょう」(*2-3)
★
七尾の「能登食彩市場」で朝食を、と思っていたのだが、観光客向け為かこの時間にはOPENしていなかった。
和倉温泉まで足を伸ばすが、こちらにも旨い朝食をだしそうな店が見当たらない。朝市はやっているものの、みんな農・海産物なんだよねぇ。
ええいと一気に能登島大橋を渡り能登島へ。
この橋はなかなか綺麗な橋である。また最初やや登ってから下るので、橋の真ん中で急に目の前に能登島が現れることになる。
偶然なのか故意なのか、いずれにしても面白い演出だ。(*2-4)
能登島大橋
能登島へ入り、やっと他のバイクを見かけるようになってくる。
昨日まではあまり見かけなかった他のツアラーだが、今日から5月だし、徐々に増えてくるのだろう。
時節を鑑みてかタンデムツアラーもちらりほらり。FJR(1300)にフルパニアのタンデムツアラーとは、能登島を一周する間ほぼ同じ道を走ることになる。
ふらりふらりと寄り道しながら能登島を一回り。
R249へと戻り、更に能登半島を北上する。
途中、本日初の給油と共にコーヒー休憩。
GS中の椅子で休んでいると、停めてあるMAXの回りにGSのお兄さん達が集まってなにやら談義中なのが見て取れる。栃木ナンバーが珍しかったのだろうか?
コーヒーを飲んで、妙に腹が落ち着いてしまう。
どうやら「すきっ腹モード」が通り過ぎてしまったようだ(*2-5)。この先慌てず飯屋を探す事にしよう。
穴水町あたりでR249と離れ、海沿いの県道34へと入り込む。
落ち着いて海岸縁をゆっくりと…と考えていたのだが、例によって道に迷ってしまう。(*2-6)
この辺りの道は細く、標識もない。まぁ海へ出るか、大きな道路に出会えばなんとかなるだろう。
今はこの道と鳥の鳴声とV4の排気音があればそれでいいや…
★
先ほどから6台ほどのツーリンググループと前になり後ろになりしている。
給油や休憩の際分かれるのだが、何時の間にかまた追いついてしまう。まぁ能登半島一周といえばツーリングルートが事実上1本しかないから当たり前といえば当たり前なのだが。
あまり気にせず、目に付いた観光ポイントを覗いていくとしよう。、
★
恋路海岸通り。
名前といい景色といいロマンチックな雰囲気ではあるが、曰くは悲しい恋愛物語らしい。
ちらりと見える鳥居付近にはカップルが多数、ま、当然ですな。(*2-7)
弁天島を望む
結構混雑してました
能登半島先端。
お馴染みANKさんから「ここの露天風呂は最高ですよ」と言われていた「ランプの宿」の案内板を発見する。
温泉に入る時間はないが、ちょいとだけ覗いてみる。
細くて斜度のある路地を入った駐車場から、崖の下、入り江に立てられた旅館を見下ろす。
ううむ、確かにあそこからの景色は良さそうだ。しかし、揃った黒い瓦がそれなりの高級感を予想させる。一泊いくらくらいするんだろうな?(*2-9)
ここへ来るまでが結構狭くて
禄剛埼灯台は歩くらしいのでパス。(*2-10)
堂ガ先手前の茶屋で本日初めての食事となる。
刺身定食は量的に今ひとつだが味は合格。
★
能登半島もいよいよ西側。
地図で見るとしばらく岬が連続するらしい、また、東側に比べて岩場が目立つ気がする。
景色としてはこちら側の方が見栄えするのかな?
道も曲がり込んでます
日本テレビの「鉄腕ダッシュ」で見て以来(*2-11)気になっていた「ゴジラ岩」を発見。
看板も出ていたので間違いないとは思うのだが…今ひとつピンとこないのは何故?
違う岩を撮っていたら大笑い
観光客も多かったです
輪島市内へと突入。
せっかく輪島へ来たのだし塗り物でも…と思っていたのだが、目ぼしいお店がないのでパス。
輪島塗の博物館だけでも見て行こうかとも思ったが、ま、今回はよしとしましょう。(*2-12)
★
海沿いの県道38をほこほこと走る。
この辺りは断崖絶壁で景色が素晴らしく良い。
海にも岩がごろごろしており、見ごたえがある。
慌てずゆっくり走るかぁ…と思っていると…
ぽつりとシールドに雨粒が落ちる。
ありゃありゃと見上げる空は明るいが、落ちる雨粒の数は次第に増えてくる。
おいおい、まだ14:30だぞ、夕方まで降らないんじゃなかったのか?(*2-13)
更に増えてくる雨粒。
仕方が無いと路肩で合羽を着込み、荷物にはカバー。
じっとりと路面が濡れる頃、国道へと合流し、ガソリンスタンドへ逃げ込む。
明日以降もツーリングは続く(*2-14)のだ。それほどの大雨ではないが、濡れないようにブーツカバーもつけておかねば。
もこもことブーツカバーを着ける俺を見て、GSのおばちゃんがぽつりと言う。「バイクは大変だねぇ」
いえ、まぁこれもツーリングの一部なんですけどね。(*2-15)
雨となれば仕方が無い。海沿いのちんたら走りはあきらめて国道を使うとしよう。
千里浜付近まで一気に下り、R415で半島横断は昨日と同じルート。一度走った道というのは雨でも安心して走る事ができる。
天気予報によれば、これから雨は激しくなってくるという。
もう一度出直すのは面倒なので、キャンプ場へ戻る途中で今夜の飯をどっさりと買い込んでしまう。
メインはもちろん刺身。あとはほたるイカ(*2-16)を忘れずにっと。
★
テントサイトへと戻ると、Myテントの手前になにやら怪しいテントとタープ。
おお、にょろさんも到着していましたか。(*2-17)
夜はにょろさんの巨大タープの下で2人宴会。
ガソリンバーナーが炎を吹き上げ、刺身醤油に山葵が放り込まれる。
さて、肴はあるからがんがん呑むとしましょうか。
雨は降ったりやんだりで、思っていたほどの量ではない。だが、とにかく風が強い。
宴会中にはためくタープを締めなおす事2回。うちのタープも寝る前にもう一度締めなおしておかないとな。
夜半、Myテントへと戻り、就寝となる。
雨は止むが風は益々激しくなる。
すぐそこまで打ち寄せているように感じるほど、激しい波音が響き渡る。(*2-18)
明け方、あまりの風にテントを再チェック。特に問題はなく一安心。
雨の降り始めが数時間早まったという事は、回復するのも早くなるに違いない。
そうすると、明日は朝から晴れるのだろうか?
そう、この時にはまだ、そんな生易しい事を考えていたのだ(再)