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<2006年8月12日>
■初日は海岸線をひた走り
5:30起床。
う~む、キャンプの時と同じ時間に目が覚めてしまった。
宿泊でこんな時間に起きても仕方ないんだが…ツーリング効果恐るべし。
なんやかんやと過ごし、朝食後の8:30出発となる。
そういえば昨夜は遅くまで他の宿泊客と大騒ぎしてしまった。
ライダーは俺一人だったが、実に楽しい時間を過ごす事ができた。
北海道で宿泊まりってのもいいもんだなぁ…。またお邪魔させていただきますね→宿のご主人
記念撮影されました
天候は薄曇り。雨の気配はないが、いまのところ「晴れ」と呼ぶには微妙な天気である。
「ま、こればっかりはお天道様次第よ」と走り出す。
今日のとりあえずの目的地は襟裳岬。
特に行き先を決めてこなかった今回の北海道ツーリングだが、まずは走った事のない南の海岸線(道南ではなく道央から道東)を回るつもりなのだ。
★
R235へ出て、海岸線を東へ。
走っていると天気がみるみる回復してきた。
薄曇だった空は見事に晴れ上がり、ぎらぎらと太陽が照りつけはじめる。
よしよし、それでこそ「晴れ男」のツーリングだぞ。
家族総出の昆布干し作業を横目に脇道へと入る。
ルートチェックかたがた小休止。そうだ、ちょっとblogの方へも書きこみしておくか…
晴れてきましたよ
対向車から連発されるピースサインを返しながら、なおも東(南?)へと走る。
なんでも今年の北海道は警察の取締りが厳しいらしい。
なるほど、ここR336も巡回らしいパトカーの姿が目立つ。
ま、慌てず行くとしよう。ツーリング先で捕まっちゃぁつまらないからねぇ。
「塩釜ローソク岩」なるものをほうほうと見学し、丘の上に見つけた風車をへぇぇと見上げる。
天気は良いが風は強い。
「天気晴朗なれど波高し」とかなんとか意味も無く呟いてみる。
R336と別れ、道道34へ。
ツーリングマップルには「夏は霧注意」と書かれていた。だが、まさかこんな良い天気の時には…と思っていたのだけれど。
「襟裳岬まで4km」の辺りで唐突に周囲が真っ白になる。
それはもう雲の中に飛び込んだようなものである。
周囲は宗谷丘陵風の丘が広がっている…ようなのだがまったく見えない。
シールドに付く水滴を払いながら走る。気温が急激に下がり、メッシュジャケットだと震えが出るほど。
「くそぉ、さすがは襟裳岬だぜ…」(意味不明)
ようやく到着した「襟裳岬駐車場」
バイクを停め、やれやれとヘルメットを脱ぐ。
聞こえるのはごうごう吹く風の音と、土産物屋から流れる「森進一」だけ。
「くそぉ、さすがは襟裳岬だぜ…」(2)
とりあえず岬へと歩く。
もちろん他の観光客もいるが、夏休みの著名観光地とは思えない程人は少ない。
展望台から眺める岬の先端は…「何も見えませんな…」
ま、この霧じゃ見えるはずもないのだが。
そりゃもう真っ白です。
それでもお約束ですから
「せめてアザラシでも見られないか?」と探した(近くに繁殖地があるらしい)のだがこちらも収穫はなし。
本当の先端(?)まで歩いていく事もできるようなのだがすっぱりとあきらめる。
「くそぉ、さすがは襟裳岬だぜ…」(3)
「まあこの手の場所は、景色が云々というより来たという事実の方が大切なわけで…」
なぜか自分で自分に言い訳しながら襟裳岬を後にする。
案の定、岬を出て数キロも走らないうち、空は綺麗に晴れ上がった。
「くそぉ、さすがは襟裳岬だぜ…」(4)
★
晴れてしまえば道道34は素晴らしい道だった。
基本は海岸線だが、防風林(?)の中を走る場所あり、綺麗に開けた場所ありと多彩な景色が楽しめる。
岬での失望を補って余りある風景だった。
少しだけ霧が残ってるかな?
R336へ合流しても良い景色は変わらない。
「おおお…」とかなんとか勇んで走っているうち、行こうと思っていた豊似湖へ向かう猿留川林道の入り口を見逃してしまう。
気づいたのは数キロ走ってから。
「せっかく昨夜の宿で"いいところですよ"って薦められたのになぁ…」
まぁ通り過ぎてしまったものは仕方が無い。このまま先へ進むとしよう。
R336を北東へ。
湾岸の有名な「黄金道路」はトンネルが多い。
道は綺麗に乾いているのだが、なぜかトンネルの中はびしょ濡れで、路面も水しぶきが上がるほどだ。
なぜなのだろう?夜の湿気が残っているにしては凄い水の量なのだが?
広尾町へ入った辺りで、燃料計が良い感じに下を向く。
そろそろ給油かな?隼はV-Maxと比べ航続距離が約2倍。給油回数も減るからできるだけホクレンで入れて旗ゲットの機会を増やさねば。
しかし、そのホクレンが無い。
そこそこの距離を走って探したが、あるのは他のメーカーだけ。
この先国道を離れる予定なのであまりギャンブルはしたくない。手近なニッセキで満タン給油して……そうだよな、1km走らないうちにホクレンが現れるんだよな。人生なんてそんなモンだよな……
★
気を取り直して走る。
海岸沿いの脇道へ寄り道しながらぶらぶらと進んだら、さぁ、昆布刈石のダートへ突入だ。
ここは旧国道336。海沿いの高台を広いダートがはしっている。
すぐ脇に作っている国道が出来上がると廃道になってしまうらしいので「走るなら今」なのだ。
※とはいえ、まだまだ完成しそうにはなかったけど→新国道
ダートとはいえ、路面は広くフラットなので走るのに苦労は無い。
あえて言えばちょい砂が深めなのと、カーブ&勾配の部分。対向車が来た時の対処くらいのものだろう。
あ~、フェンダーをノーマルにしてきて良かったぁ……
見晴らしよかったですよ
波の音を聞きながらしばしぼーっとする。
あ~、缶コーヒーでも持ってくりゃぁ良かった…
更にダートの坂を降り、道道1038へ。
こちらは舗装路だが、本当に海岸ぎりぎりを走る細い道、しかも今は道路拡張の工事中である。
海から吹いてくる潮風をたっぷりと浴びて走る。「こりゃぁどこかでバイク洗わないとサビサビになりそうだな」
★
道はR38へ。
気づけばとうにお昼は過ぎ、現在の時刻は13:30。
どうりで腹がぐうぐう鳴っているわけである。
本格的な食事は釧路まで我慢することにして、とりあえずセイコーマートのウーロン茶と豆パンでお茶を濁す。
※今年のセイコーマートでの「当たり」はこの豆パンだった。しっとりしていて激ウマ。
「そういえば今夜の宿も決めていないんだよなぁ…」
のん気にそんなことを考えながら、景色の良さそうな場所があるとバイクを突っ込んでしまうのはV魔でも隼でも変わり無し。
実はこの後、砂地から出られなくなって大騒ぎ(笑)
一昨年同様、和商市場へ一直線。「さぁ、勝手丼を食うぞぉ…」と意気込んでいたのだけれど…
(丼+ご飯に好きな具材を自由に乗せられるのが和商市場名物勝手丼)
う~む、妙に高い。高すぎるのだ。
ホタテにウニにイクラ、あるいは各種刺身。
いろいろ見て回るものの、好き勝手するととんでもない値段になりそうな気配。
「おかしいなぁ…2年前はこんな感じじゃなかったんだがなぁ…」
いくら「セレブツーリング」とはいえ、価値に見合わない対価を払うのは俺のポリシーに反する。(いや、そんな大げさな…)
そこで、昼の売れ残りと思われるちらし寿司が安く売られていたのでそれを買い、そこに具材を2,3品乗せてもらうことにした。
「まぁ、これならなんとか納得できる質と量だな…」
これで900円ですから
「有名になりすぎたのかねぇ?」と首をひねりながら釧路を後にする。
気を取り直して走る道道113から142.
これがまた素晴らしい道だった。
釧路近郊の住宅街を抜けるとそこは見事なワィンディング。
森林の中と、海が見下ろせる高台が交互に現れる。
3~4速を使って走り回る。
先のダートのホコリで真っ白になったタイヤがサイドまできれいに黒く変わる。
「あ~、凄い気持ちいいぞぉ…」
これは高台ルート
えっほっほと走っていた高台の途中で、例によって変なものを見つけてしまう。
海の中に1本の紐のようなものが延々伸びているのだ。
長さは100m以上か?崖の上から見たので詳細はわからないが…定置網か何かなのだろうか?詳しい人教えてプリーズ。
これなんですがね
R44へと合流し、ふぅと一息つく(どんなペースで走ってたんだか…)
今度はしっかりとホクレンで給油。やっと1本目の旗(道東)のゲットとなった。
★
厚岸。「カキあります」の幟を横目に通り過ぎる。
実は釧路での飯の際に今宵の宿の確保に成功していたのだが、このペースで寄り道していると夕飯に間に合わない事に気づいたのだ。
先の道同様、海沿いの道道123も快適なワィンディング。
これまた結構なペースで走っていくが…景色の良い場所があるとつい停まってしまうんだよねぇ。
「琵琶瀬」ってところから霧多布湿原を望む
画像の琵琶瀬の手前あたりから、急に気温が下がってくる。
空から「青色」が無くなり、雲が一面に広がっていく。
道道1039に入ったあたりからは一面の霧。ううむ、さすが「霧多布」の名前は伊達ではないな…
到着した「霧多布岬」は、襟裳岬ほどではないものの霧に包まれていた。
夕方という事で、空もじわじわ暗くなりつつある。
先に増して気温も下がってきたし、とっとと宿へと向かうとしよう。
ちょい戻った場所にある今宵の宿はすぐに見つかった。
バイクを施錠し、部屋に荷物を片付けたらまずはともかく風呂。
霧に冷え切った体をじっくりと暖め、ホコリで真っ黒になった顔をごしごしと洗う。
夕飯は焼きサンマと刺身のサンマ、そしてカキと北海シマエビ。
ビールをやっつけた後の飯がこれまた旨い。
「あ~、上げ膳据え膳のご飯ってなんでこう美味しいんざましょ」(←セレブ風)
<本日の走行距離=約450km><給油回数=2回><教訓=げ、450kmも走ってたのか…>