☆ ツーリング紀行 ☆
2010 四国ツーリング記

<3>


<2010年5月1日>

海から山へ

 6時起床。
 それではとすぐ出発……しない。だって、7時から始まるホテルの朝ごはんが100円で食べ放題だって言うんだもの。(←貧乏性もはなはだしい)

 ともあれメニューは各種パンとコーヒー、パスタ(のようなもの)に生野菜サラダとなかなかにありがたい。
 なんてったって朝きっちり食べないと、走ってる途中で燃料切れするからねぇ。

 出発は8時。路面電車の走る高知市内をほうほうと抜ける。

 「並ぶと車体に触れそう~」とか「黄色の矢印信号わからねぇ~」とか一人大騒ぎ。
 ふふふ、道路を横断する線路トラップもセローなら全然平気だぜぃ!(←昔Vmaxで滑った)


とか言いながら追いかけてみたり

 さて、今年は坂本竜馬一色(NHKの長編ドラマが始った)の高知県。
 昨夜行ったの商店街(アーケード)も竜馬のポスターでいっぱいだった。
#リアル版・福山雅治版・小山ゆう版と各種あり

 今日朝一番で行こうとしている桂浜も、GW中は交通規制が敷かれているらしい。
 ローカルのTVニュースでは「桂浜へはシャトルバスで・・・」としきりに流していた。
 バイクはどうなのだろう?でもまぁ行くだけ行ってみるか。
 
 市内で給油の後県道34から14、海岸線へ。うわー、綺麗だな、海。
 今日も天気は絶好調、朝日に波がきらきらと光る。
 
 ほとほとと走って桂浜入り口。なるほどお巡りさんが忙しく立ち働いている。
 
 ちょっと綺麗な婦警さんがいたので聞いてみると「バイクは大丈夫ですよ」とのこと。
 おおそれは良かった。やっぱ実際聞いてみるのが一番ですな。

 次々とUターンさせられている乗用車を尻目に駐車場へと入る。時間が早いためか混雑はないようだ。
 だがもう少しすると観光バスが押し寄せてくるだろう。

 セローを停めて歩き出す。

 到着した丘の上、坂本竜馬像の前は…なんと大混雑だった。
 あんなに駐車場が空いていたのに、いったい何処から出たんだこの人たちは!
 
 銅像を撮ろうとカメラを掲げる人・人・人
 像が台座が高いので近くからでは全景が映らない。なのでこれだけの混雑でも像の周囲だけはぽっかり隙間が出来ているのが面白い。


近くからでは撮れないぜよ!

 それを考慮してか、像の横にはやぐらが組まれ、像と同じ高さまで登れるようになっていた。
 だがそれには料金が100円かかるとのこと。
 むー、混雑対策なんだろうけど、そんな変なところで小銭稼ぎしないほうが観光地のイメージとしてはいいと思うんだけどな。


「チケット\100-」と手書きで念押し


 海岸まで降りて「アイスクリン」を食べる。
 前に食べた時とちょっと印象が違うのだけど気のせいか?そういえばうちの地元でも昔は運動会の屋台で出てたんだよな。


まぁ名物ですし


それにしてもいい天気ですな

 これ以上人が増えてはたまらないので適当なところで出発する。

 先の婦警さんの手を振って県道14へ。
 しばらく海沿いを西へ走る。うわー、綺麗だな、海(再)

 県道47は、以前も走った海沿いの尾根を走る快走路。
 左下に見える海を見ながら時速50kmでゆっくりと走る。


ず~っとこんな景色が続きます


ところどころに自販機が(笑)

 道の駅すさき(かわうその里すさき)で停まったのが9時過ぎ。
 そうそう、前はここでカツオを食べたんだよな。

 中では以前同様藁焼きの実演が行われていた。
 驚いたのはタタキの値段が当時と一緒だった事。いや、デフレとはいえ凄いねぇ。

 甥っ子にと竜馬グッズを購入し、駐車場でツミレ汁サービスが行われていたのでありがたく頂戴する。あー小腹空いてきたところだから旨いや。
 


遠慮なくいただきます

 さて、ここから内陸へと入る。
 今日のメインステージは四国カルスト。そしてその前に四万十川の源流(の近く)を探索に行くのだ。

 山越えの県道41、道は急に狭くなる。
 
 とぽとぽと登る狭い峠道から下に見えるのは、建設中の高速道路。
 ずいぶんと長くなった印象のある四国の高速だが、まだまだ先は延びるようだ。う~む、これは嬉しいような悲しいような。


どんどん便利になるんでしょうね

 さてと気を取り直す。んじゃこの辺りで軽く林道1本行っときますかね。

 どれどれど某林道(あえて名前は書かない:後述)の入り口を探索する。
 
 えんやこら曲がって…ここだよな?でもこれは?
 それはまたもや「この先抜けられないよん」な看板だった。


右ミラーの先に見えるのがあの看板でして

 それでもやはり先を確かめずにはいられない。
 林道へIN。
 最初は簡易舗装だったが、小さな集落を抜けたら路面はダートへと変わった。
 里山の中を抜けて行く道は次第に高度を上げていく。
 針葉樹の森を抜け尾根筋へ。おお、結構楽しい道だな。

 
ひらけたところあり 


ちょい崩れたところもあり

 たっぷり十数キロ走っただろうか、峠の頂上を越え、道が下りになってすぐの場所。

 なるほど看板の通り、鉄パイプのゲートがしっかりと道を塞いでいた。「くっそ~、やっぱり通行止めかよっ!」

『……』「なんやねん君、今どうしてもその話せんとあかんのか」
『……』「そうか、ほな仕方ないな」

 例えばの話、林道がきっちり塞がれていたとして。
 
 その先も道幅いっぱい(というか道幅以上)に重機がでんと据えられていたとして。
 「こりゃダメだな…」と腕組みして見ていたら、たまたま反対側から来た工事の人が「いまちょっとだけ動かすから通っちゃいな」と言ってくれたとして。
 嬉々として「すいません!助かります!」と通ったとして。

 それを「この林道は通れます」と書いてしまうのはどうかと思うのだ。

 通してくれたのは完全に好意からのものだが、公(おおやけ)になるといろいろと問題もあるはずだ。
 ここは今紛れも無く「通行止め」のはずなのだから。

 このレポを読んで、万が一「通行止めでも工事の人に言えば通してくれる!」などという超訳をする輩がいないとも限らない。
 いや、普段からうちのHPを見てくれている人なら大丈夫だと信用しているが、この世にはGoogle様という神が存在する。
 林道の名前から辿ってくる人がいたら…という懸念が捨てきれないのだ。
 
 そんなわけで、ここでは林道の名前は書かないでおこうと思う。レポと地図を見比べればどこかは一目瞭然ではあるのだけれどね。

 『……』「君、それはエアロスミスやないか」

 下りは広葉樹の中を抜ける気持ちの良い道だった。ああ、癒される…


広葉樹っていいですよねぇ

 国道439から197。ここまで出てはてと考える。

 先のツミレ汁は完全に消化され、またまた小腹が空いてきた。
 これからまた山の中へ入っていくのだ。その前に腹を膨らませておこう。
 
 道の駅布施ケ坂へ入る。
 
 オーダーはおでんと巻き寿司。とくにこれといったところのない組み合わせだがなかなか旨かった。出店のおっちゃんも愛想よくて○。
#アイゴの焼き魚も旨そうだったな。

 「っしゃぁ、行くぜい!」と山の中、県道378へと突入。細い県道はつづら折れを繰り返しながら高度を上げて行く。

 ちょい迷いながらも、「ここをこういって…おお、あったあった四万十川源流の看板が」

 看板を頼りに、更に細くなった道をおりゃっと登る。
※ちょっとだけ期待していたのだが道はその先もずっと舗装のままだった。ううむ残念。

 走行5分、「四万十川源泉の碑」へとたどり着く。
 ヘルメットを脱ごうとして気づく。「あれ?道はこの先まで続いてるじゃないか、なら行ってみよう」

 すぐ先から道はダートへと変わった。
 嬉々として登ると、1、2キロでT字路の分岐へと出た。
 右も左も山を降りる方向、どれと両方試してみるが、どちらもそこから結構荒れており、最近誰かが入ったj形跡はみられない。
 う~む、ここからはどこへも出られそうにないな、引き返すか。

 あらためて碑の前へ。

 記念撮影の後、せっかくなので渓流で水に手を浸してみる。うっひゃ~やっぱ冷たいや。
#画像を撮ろうとしてカメラを水没させるところだった…


お約束画像


この後カメラが危険な事に

 うひゃうひゃしていると、上へ伸びる遊歩道から人が降りてきた。
 聞けばこの先30分ほど歩けば「本当の源流」に出られるらしい。でもまぁ今回はパス。いやだってまだまだ行かなきゃいけないところが多くてさ。(←言い訳)
 

 洗った顔を拭いて出発、一旦先の県道まで降りる。
 そこからちょいと北へと走ると、「四万十源流の大モミ」なる看板(地図)が現れた。

 なにやら名所っぽく、2kmほど上にあるらしい。遊歩道ではあるが、地図によればそのモミの木までは車両もOKとのこと。

 よぉしとセローを乗り入れたら、なんとたった100m先でゲートに阻まれた。
 なんじゃこりゃ?ゲートを下に新設したのかな?なら案内にもそう書いておいてくれよぉ。

 ぷんすか怒りながら「どこでもUターン」
 道を下って国道439へ。さて、次はカルスト台地だ。

 見覚えのある分岐からカルスト方面へと入る。
 「おお、ここだここだ、以前は反対側から登ってきたんだよな」

 山の尾根筋にメインの道。周囲には白い石が点在する。そしてその間で草を食む牛や馬。「絶景絶景…」


にしても天気良いなぁ…


風車も見えます

 ゲートが空いていたので、尾根の一つ下の道にも入ってみる。

 こちらは人気もなく静か。吹く風の音しかしない。
 秋吉台に比べるとちょい小ぶりではあるけれど、絶景には間違いが無い。


白い石がポイントで

 ぐるりと一周して国道440へ。

 道は相変わらず狭い。慌てずゆっくりと下る…のだが、「ええい、前からきたデミオのおばちゃん!そんなに膨らんだら俺が擦れ違える幅が残ってないだろうがぁっ!」(←ああ、セローで良かった…)(←畑へ突っ込んで回避)

 道は国道197へ。
 今日の宿のある宇和島を目指し、西へと走り出す。
 
 「そういえば四万十川で沈下橋渡らなかったんだよな」と、道脇の沈下橋(?)で休憩したりもする。


一応欄干がない橋です

 時間はまだまだ早い。
 ならば昨日の宿で、「宇和島へ行くなら寄ってみれば?」と勧められた喫茶店を覗いていくことにしよう。
 
 国道沿いにあるその喫茶店はすぐに見つかった。
 店内はお客さんのバイクの写真でいっぱい、そして親父さんのバイク好きは間違いがなかった(笑)
 
 夕飯替わりのカレーを食べながら、親父さんとあれこれ話す。
 帰り際「写真良いかな?」と聞かれたので快諾。これからあの店へ行く人、飾られた写真のどこかに俺がいるので探してみてね。(←有名店なので店名は書かなくてもわかる…よね?)

 あとは一直線に宇和島へ。
 
 夕方ではあるが宿へ入るにはまだ早い。なら海岸で夕日でも見てたそがれるとしよう。

 景色の良さそうな場所を探して海岸沿いを10km程走る。をを、あの堤防良さそうだな。


たそがれるの図

 堤防にセローを乗り入れぼーっとしていたら、後ろからおっちゃんおばちゃんのご夫婦が来た。
 荷物を抱えて舫われた船へと乗り込んでいく。へぇ、ここに船を繋いであるんだ…

 ふんふんと見ていたら、ふいに「宇都宮(ナンバー)って栃木かい、遠いところから来たねぇ」と声をかけられた。

 なんでもお二人は沖合いに見える島に住んでいて、ここまで船で買出しに来た帰りらしい。
 「大変なんですねぇ」と話していたら、「これもってきな」とポンカンを一つ放ってくれた。ああ、ありがとうございます、いただきます。


ありがとうございます…

 ぽんぽんと音を立てて島へ帰っていく船を見送る。

 何時の間にか夕日見物は増えて、俺の他に男性が二人。地元の人と名古屋から来たという方。
 カメラのセッティングを始めたのを機にセローをUターンさせる。「んじゃ私は暗くなる前に失礼させていただきます」

 「ああ、今日もいい出会いがあったなぁ」と宇和島の市内へと戻る。

 さて今日の宿は…どうやら場所がわかりにくいことで有名な宿みたいなんだよな。

 方向感覚には結構自信のある俺。だが噂の通り、どうにも宿が見つからない。
 宿どころか、基準となる(と案内に書いてある)ランドマークさえ見つからないのだ。

 仕方ないと地元のおっちゃんを捕まえて聞く。「ああ、そんなにあちこち曲がらないといけないんですか…」

 ぐるぐると回り、やっとのことで宿の看板を発見。うへぇ、地図と案内図持っててこれだから、電話とかじゃ絶対たどり着けないぞここ。

 今日の宿にもバイクが多数。10台ほどのバイクはオン車とオフ車が半々というところだろうか。
 
 オーナーさんにご挨拶して部屋へ。

 まずはとにかく風呂。夕飯は済ませてある(先のカレー)のであとは呑むのみ。
 
 バイク話は尽きる事が無い。談話室でライダー数人とこれまた11時過ぎまで話し込んでしまう。
 いかん、明日は最先端まで行かないとならないのに・・・

#というかあの時「剣山林道は完全通行止めです!絶対に通れません!」って自信満々に言っちゃったんだよな、俺…orz

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<本日の走行距離=263km><給油回数=2回><教訓:頂きものってより美味しく感じるよね>

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