YAMAHA SEROW 225WE (4JG6)

☆ メンテナンス編 ☆

フォークオイル交換記


これからもがんばってもらわないとねぇ
 
<2008年6月>

  一度やっておいた方がいいでしょう

 セローのフロントフォークオイルを交換する。

 購入してから約1年半、走った距離は1万km弱。
 そろそろ交換しても惜しくない…というか、本当は中古車を買った時点で交換しておくべきものなのだろうけど。
#「だってサスの動きは悪くなかったんだもの」ってのは言い訳ですな(笑)

 正立フォークだし、オイル交換だけなら特に難しいこともなさそう。
 手順もV-Maxも同じだし、あらためてレポする必要も無い気がしたのだけど…、ま、車両が違えばあれこれあるでしょうということで。

 まずは、整備マニュアルでざっと下調べ。

 上記のとおり特に問題は無し。
 ただ、セローはあらゆる事柄において年式によって仕様がばらばらなのだ。
 フロントフォークオイルの量も千差万別、「俺も自分でやってみようか?」と思っている方は要注意。
※うちの225WE(4JG6)の場合は、油面で106mm、容量で349cc

 それではと作業開始。

 フロントを浮かせてホイールを外す手順はタイヤ交換時と同様。
 毎回異なるフロントの浮かせ方、今回はこんな感じでやってみました。
#う~、やっぱ買うか、メンテスタンド…


毎度おなじみジャッキ2丁掛け

 フォークを抜く手順は簡単で、三又のクランボルト(片側2本)とトップブリッジのクランボルト(片側2本)を緩めれば良い。
 それでは…の前に、フォークに留めてあるヘッドライト用のベルトを外し、ついでに今のフォーク位置(突き出し量)をメモしておこう。


ゴムベルトフォークの突き出し量(突き出してはいないけど)

 マニュアルによれば、フォークの位置は「インナーチューブ上面がハンドルクラウンと面一」とのこと。
 うん、なら今は純正の位置のままのようだ。

 マニュアルを見直して気がついたのだが、フォークのボルトの中央に小さなボルトが付いている。
 「なんだろ?これ。やっぱ外しておいたほうが良いんだろうな?」

 マイナスドライバーで緩める。
 ある程度まで緩めたら、「プシュッ」と音がして空気が漏れてきた。
 そうか、これ、フォークの内圧を抜く(もしくは保持する)ボルトなのか。

 トップブリッジのクランプボルトを緩め(三又はそのまま)車体にフォークが付いた状態でフォークトップボルトを緩めておくのはV-Max同様。
 理由はもちろん、フォークを外してからだとレンチに力を入れにくいから。

 意外にも、フォークトップボルトはするりと回ってくれた。
 「ふうん、やっぱ1,2回バラした事あるのかな?」
#そりゃまぁ走行距離が距離だからねぇ…

 クランプボルトを緩め、フォークを外す。
 さて、ここからが本当の作業だぞ。


ここからが本番

 洗車したばかりだというのに、フォークはやはり汚れていた。

 フォークブーツ下部のタイラップを切り、上部ボルトを緩めてフォークからブーツを抜き取る。
 中のインナーフォークに錆などは無いが、意外にも泥汚れが付いていた。
 「きちんとカバーされてるのにどこから入ったんだろ?ま、あれだけ泥の中走り回ったら仕方ないか…」

 インナーチューブに錆が無いのは、購入直後にシリコングリスでメンテしておいたおかげかもしれない。
 今回も取り付け前にグリスアップしてやるとしよう。

 汚れとホコリを拭き、シール部を綺麗に掃除。
 緩めたおいたトップボルトをじわじわと回すと、さほどの衝撃もなくポコンと外れた。この辺りはV魔とは大分違うようだ(笑)

 ボルトを外し、カラーを抜く・・・と、「なんだこりゃぁっ!」

 見事に錆の浮いたカラー。
 なんだこれ?水分でも入ってたのか?

 ぶつぶつ言いながら、ワッシャとスプリングを引っこ抜く。この辺りのパーツ群はV魔とまったく一緒である。


他は綺麗なのになんでコレだけ?

 フォークを逆さにして古いオイルを抜いてやる。

 出てくるオイルは真っ赤なヤマハ純正色
 さすがにシャバシャバして若干黒ずんではいるものの、そんなに悪い状態には思えない。
 やはり何度か交換しているのだろう。

 抜いたスプリングをチェックしていて気づく。
 「ありゃ?逆さじゃないか?コレ」

 不等ピッチのフォークスプリング。
 マニュアルによれば「細かいピッチ側が下」のはずなのに、見事に逆の向きに入っていたのだ。

 ちなみにV-Maxの場合は「細かいピッチ側が上」で、一般的にもこちらの指定が多いと聞く。
 前回、手馴れた人が経験値だけで組んでしまったのか、それともマニュアルの記載ミスか。う~、判断悩むなぁ…

 新しいオイルを少量入れ、フォークを数回ストローク。
 そのオイルをもう一度抜く。「フラッシング、フラッシング…っと。」

 あらためてオイルを投入する。
 使用するのは当然、ヤマハ純正のG10だ。

 新しいオイルの量は、先に書いたとおり油面で106mm、容量で349cc。
 もちろん俺は油面優先。容量は参考程度に。

 オイルを投入した後、ゆっくりフォークをストロークさせオイルを各部に行き渡らせる。
 その後、オイル内の空気の泡が浮き上がるまでしばし放置する。

 オイル量の測定方法は、V魔同様「差し金」で。
 フォークを一番縮めた状態で、フォークトップから106mm下にオイル面が来るよう、オイルを足したり抜たりする。
 この作業を「面倒」と思うか「楽しい」と思うかが、メンテの分かれ目のような気がしてみたり(笑)


専用の器具を買うほどのものでもないですし

 
 スプリングを投入。
 散々悩んだが、やはりマニュアルどおり「細かいピッチ側が下」にして組み込む事にする。

 ワッシャの次は、錆を落とし紙やすりで綺麗に仕上げたカラー。
 トップボルトは手で締めて、最後にレンチでトルクをかける。
 最後に例の「小さいボルト」を締めこんで、オイル交換は完了だ。

 それではと反対側のフォークに取り掛かる。
 作業は一緒、カラーの錆はちょいマシなくらい。
 スプリングも一緒…「じゃねぇよっ!なんでこっちは正常に入ってるんだよっ!」

 きちんと「細かいピッチ側が下」になって入っていたスプリング。

 前言撤回。
 「手馴れた人が経験値だけで組んでしまった」じゃなく、「あまり気にせず組んじゃった」って事ですな、こりゃ。

 ☆

 左右のフォーク完了。

 フォークのインナーチューブには、ごく薄くシリコングリス。
 数回ストロークさせて馴染ませた後、余分なグリスを綺麗にぬぐう。

 フォークブーツは汚れを払い、水抜き穴が後ろになるようセット。上部のボルトは「内向き」になるようセット。
 
 車体へ仮組みし、トップ位置を確認。
 この状態でアクスルシャフト穴がきちんと合っていることを確認。

 ホイール組んで、フレや引っ掛かりが無いことを確認。
 スタンドから下ろして2,3回ストローク。その後各ボルトを本締め。

 ブレーキよし、メーターケーブルよし。全てよし。

 「おーし、作業完了っと」


ライトのバンドも忘れなく

 残念ながら、今日のテスト走行は時間切れ。

 尤も、これまでも悪い足回りではなかったし、事実オイルもそんなに悪い状態ではなかった(ように見えた)
 オイルを交換したからといって、何かが劇的に変化することはないはずだ。

 でもまぁ、大事なんですよ、この「自己満足」って奴がねぇ(笑)
 

 



Copyright 2008 Akira
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