YAMAHA VMAX 1700 (VMX17)

☆ メンテナンス編 ☆

マフラー加工(してもらい)

 加工   インプレ 


<2010年5月>加工

  もう大丈夫ですか?

 …というわけで能書きも散々語った事だし、マフラーを加工するとしよう。(←をい)

 「するとしよう」とは書いたが、もちろん自分で出来るわけは無い。ショップにお願いするのだ。

 加工のメニューとしては、
・チャンバー内のバッフル(通称ヤツメウナギ)の撤去。
・サイレンサー差込部のパイプ径拡大
・サイレンサー内のパイプ形状・サイズ変更
となる。
 事実上の「米国仕様と同等とする加工」と考えて良いだろう。
※EXUP部の内径等、一部は米国仕様と異なる。

 オプションとしては、そのEXUPの取り外しもできる。
 だが今回はノーマルのまま(EXUP付き)として頂いた。
※ざっくりと言うならば、「EXUP無し=パワー大、EXUP付き=音量小」だそうだ。

 さて、加工作業はともかくとしても、うちのHP的には車体からのサイレンサーとチャンバーの取り外し・取り付けくらいは自分でやって「ここが難しかった!」とか「失敗した!傷付けた!」とかやるべきだろう。

 ところが、とにもかくにも時間が無い。

 公私共にヤボ用に追われる日々。

 そして隼のマフラー交換の時のように「よぉし今日1日掛けて頑張るかぁ!」なら気合も入るのだが、「半日掛けて外して、梱包して発送して、それなりの日数待って、返送されてきてから取り付け…」だとどうにもモチベーションが上がらない
#セローのサスペンションとかなら平気なのにねぇ(笑)

 作業を別にしても、パーツ輸送の手間や不慮の事故(傷)を考えると、車両を持ち込んでの「丸投げ」の方が都合が良い。
 「交通費だって宅配の料金と変わらないし…」を言い訳に、今回は車両ごと全てショップにお願いしてしまった。

  ★

 某日、作業完了。

 見た目はもちろん変わりなし。
 排気口が一回り大きな単パイプ(ノーマルは二重パイプ)になっているのが外観上の唯一の違いだ。


使用前
 

使用後

 加工上の注意点としては、サイレンサー本体部分のうち、マフラーエンドカバーで隠れる部分が非常に狭い事が上げられる。。

 この為、ここを使っての溶接(それもチタン溶接)が非常に難しい。
 場合によっては、マフラーエンドカバーを着けても溶接跡(というか溶接に伴うコゲ)が見えてしまうのだ。
 
 うちのMAXの場合もちょい気になる部分があったので、カバーを外しで磨いてみた。
#ワコーズのメタルコンパウンド(去年のVMAXメーリングリスト全国大会のじゃんけん大会の商品)で磨いたら綺麗になりました。


マフラーエンドを外すと見える溶接跡(磨く前)


余談ですが、ノーマルって面白いところに排気が当たってるんですね

 ★

 ノーマルマフラーから外された(交換された)パーツはこちら。
 先に書いた通りほとんどがチタン製。もったい無いのであとで何か使い道を考えよう。


何を作りますかねぇ?

  ★

 この改造により、数値的には全域でトルクが1kgちょいアップ、それに伴い馬力が10PSちょいアップ(いずれも後軸計測)だそうだ。

 但し、今回の俺的改造目的はパワーアップではなく抜けの向上、数値的なものにあまりこだわりはない。
#EXUPを残したのも同じ理由。ノーマルだって俺にとっては凄い馬力だし。

  ★

 さて、ところでこの「コンピュータ(ECU)は国内ノーマル、チャンバー・サイレンサーは海外同等、EXUP付き」というのはかなり珍しい仕様のはずだ。

 R-ECUにまで交換した後の話はWEB上にもそこそこあるが、ノーマルECUでのインプレはあまり見た事がない。

 せっかくなので、これから乗り込んで感想をアップしていこうと思う。

 ★
 


<2010年6月>インプレ

  なかなか面白い仕様かも

 さて、それではマフラー(サイレンサー・チャンバー)加工後、1,000km程走って感じた事をまとめてみよう。
※以下はオーナー編の各種インチキインプレと比較していただくと面白いかと(笑)

■アイドリング

 アイドリングでの排気音は確実に大きくなった。
 
 もちろん「大きくなった」とはいえ国内ノーマルに比べての話であり、普通のバイクのレベルで言えばかなり静かな部類だ。
 住宅街での暖機もまったく問題なし。

 音質はやや低く、歯切れが良い。そしてなんとなく先代V-Maxに似た雰囲気がする。
 誤解を恐れず言えば「グラスウールをてんこ盛りした先代MAX」のよう。
 音が大きくなることでV4らしさが感じられるようになったのだろう。

■街中

 通常のゼロスタートは特に変化なし。

 低回転域では「少しスムーズになったかな?」と思わないでもない。
 以前書いた「2000rpm前後でのトルク不足"感"」が小さくなっている気はするのだが、激変というまでには至らない。
 ただ排気音量が大きくなった分、ノーマルで響いていたメカニカル音が消え、より「普通のバイク」っぽくなった。

 比較的変化が大きかったのは4000rpm前後の領域。
 例の「レスポンスが緩慢」に感じた部分が気にならなくなったのだ。
 
 スロットルに回転がきちんと付いてくる。これによりこの回転域での巡航がより楽しくなった。
 尤もこれも、先の排気音が大きくなった事が心理的に影響しているかもしれないのだが。

■峠

 ピックアップを要求される峠ではあるのだが、元々これだけトルクのあるバイクだと変化は感じにくい。
 あえていえば「3速ホールド・オートマモード」でのトルクがやや増えた気はする。
 街中同様、4000rpm前後のスロットルレスポンスが向上しているからだろうか?

 そして2ー4速を積極的に使った走りでは、これまた心理的にシフトチェンジやブレーキングに「きっちり感」を求めたくなる。
 ルーズに乗っていては何かもったいない気にさせられるのだ。

■高速道路

 一番効果のわかるメインステージ…のはず。

 ここで「抜けがよくなった!」とか「凄いよこれ!」とか書くと格好いいのだろうけど、正直なところ劇的に変わったところはない。

 何しろノーマルだってがばっと開ければ化け物みたいな加速をするのだ。
 このレベルから少々変わったところで、素人がちょっと乗って判るはずもないだろう。

 それでも、これまたスロットルレスポンス変化の影響は垣間見える。
 よりスムーズになったというか違和感が減ったというか。
 
 ノーマルだと高速道路は5速5000rpmあたりでブリブリ走るのが楽しかったのだが、これが4000あたりからでも同じように楽しめるようになったのだ。

 いわゆる「カツン開け」(スロットルを一気に全開にする)も試してみるが、こちらは判断不能。
 低いギアだとノーマルでも吹っ飛びそうな加速をしたし、5速だと相変わらずすぐにリミッターが効いてしまうからだ。

■全体的に

 リミッターが付いたままということもあり、上がったという10PS分のパワーを直接肌で感じることはなかった。
 何しろ元のレベルがレベルだ。そこから数パーセントの違いを俺レベルの素人が語れるはずもないだろう。

 だが、確かに「変わった」部分があるのも事実だ。

 なんというか、フライホイールが軽くなったような印象。
 ターボチャージャーで言うと、ブースト圧を上げたのではなく、ブローオフバルブとかミスファイアリングシステムを付けたような感じといえば伝わるだろうか?
#誤解受けそうな気もするけど

 排気系の大口径化により直接の影響を受けるであろう高回転域より、排圧の影響が比較的少ないであろう中低回転域の雰囲気のほうの変化が大きかったのも意外だった。
 いや、実際は上も変わったのだろう。だが俺にはわからなかった(元々凄すぎて判断不能)というのが正解か。

 で、いろいろ言い訳じみた事を言った割に、これはお奨めできる改造だと思う。
 「悪くなった・使い勝手が落ちた」という部分が存在しないからだ。
#あえていえば「音量があがった」部分か?

 パワーアップというと「上は伸びるようになったが下のトルクが薄くなった」とか「トルクは出たが回らない」とかいう場合が多いものだ。
 それが、きちんとノーマルの特性を残したまま、全域で良くなった・違和感が減ったというのは凄い事だと思う。

 問題があるとすれば一つだけ。
 
 外観はノーマルと変わりなし。得られる効果は上記の通り、直接肌に感じるほどではない。
 この効果とかかった費用を秤にかけ、妥当と納得できるかどうかだけである。


<了>



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