YAMAHA V-Max

☆ メンテナンス編 ☆

バッテリー・電気系チェック記


<2005年8月>

 気づいてはいましたが

 以前、トラブル…というほどではないが、「おや?」と思ったことがある。
 セルスターターの回りが悪い…というか、回らない事があったのだ。

 前回の車検の際、2度程光軸で落ち、あれこれ調整している最中、スターターボタンを押しても「ぐぅっ…」とした鈍い音のみがしてセルが回らない事があった。
 これは完全にバッテリー上がりの症状である。
 
 ところが(車検に来ようというのだから)バッテリは完充電状態である。現につい先ほどまでは元気に回っていたのだ。
 
 むむむと悩んでしばらく放っておき、もう一度試したらなんなくセルは回りエンジン始動。
 この時は「どこかが接触不良だったのか?」とさほど気にはかけなかった。

 ところがその後の北海道ツーリングの最中、現象が再発する。

 北海道にあるまじき炎天下の市街地で、地図を確認する為路肩に止まりエンジン停止。すぐかけようとしたところ同じ現象が起きたのだ。

 ツーリング途中なので正直慌てたが、前回同様、数分放っておいたら元気に復活した。
 
 2回同じ現象が出たとなれば…う~む。

 まず思ったのが「ファン」である。
 
 車検の時は、エンジンをかけたままテスター上であれこれ検査していたのでファンが回りっぱなしであった。
 ツーリング途中も炎天下の低速走行でファンが回っていた。

 試しにとV魔のエンジンをかけ、アイドリングで放っておきファンを回し、エンジンを再始動しようとしたら見事に現象が再現できた。

 つまり、現状では、
■キーオンした際、(水温が高く)ファンが回っているとセルが回らない
という事になる。
※セルさえ回れば、始動性、その後のアイドリングは問題なし。

 直接の原因は、やはり電圧の低下に思える。
 問題は、「何故それが起きたのか?」だ。

 同様の状況(ファン動作時のエンジン始動)など、V-Maxに乗って13年の間に何度あったかわからない
 しかし、セルが回らないなどというのは初めての経験。何か明確な要因があるに違いないのだ。

 V-Maxのメーリングリストで聞いてみると、一見似たような現象が起きた方もいるようである。
 ただしその場合、アイドリングの不安定化(点火系への影響)が出ている方が多い。
 俺のように純粋にセルモータだけに影響(アイドリングはびしっと安定)が出るのはレアケース…というか、このあたりに何か原因のヒントが隠されている気がしないでもない。

 セルモーターの劣化、あるいはファンのモーターの劣化だろうか?それとも電気系の接触不良だろうか?
 とにかく一つづつチェックしていかねば。
 

 ともかく測定を

まずは本当に電圧が低下しているかどうかのチェック。

バッテリーの+-間にテスターをあて、電圧をチェックしてみる。
※本来は動作する機器(この場合はセルモータ)の端子間で測るべきなのだろう。
  まぁ素人のお手軽チェックということでご勘弁を。
 
 
 

通常:
エンジン停止、ライトオン 12.5V
エンジン停止、ライトオフ 13.0V
アイドリング、ライトオン 13.5V
アイドリング、ライトオフ 14.0V
ファン動作:
エンジン停止、ライトオン 11.5V
エンジン停止、ライトオフ 12.0V
アイドリング、ライトオン 12.5V
アイドリング、ライトオフ 13.0V

 ううむ、数字が綺麗に並びすぎてうそ臭いな(笑)
 しかし、これを見るに電圧はさほど低下していない…というか充分に「正常」の範囲内である。

 しかし、このチェック時にも同じ現象が発生した。
 この時の電圧は表のとおり11.5V、12Vには足りないが、セルを回すのが不可能に成る程ではない。

 電圧が直接関係ないとすれば、後は電流(というか容量)。

 何らかの原因でどこかの電流が流れにくくなっているのだろうか?
 それともどこぞの配線でも解けていて、熱が加わるとショートしてるのだろうか。

 「よし、んじゃ配線調べるかぁ!」と気合を入れ、まずは基本とバッテリーを取り外す。すると…

 「電解液が入ってないよ…」orz

 なんと、液がバッテリーケースの半分程度までしか残っていなかった。
 もちろんLOWレベルの遥か下である。

 これではバッテリーの容量が激減していたはず。
 ファンが回って云々以前に、普通に始動できた事が奇跡みたいなものである。

 起電力(コイル、レギュレータ)は正常なので、走っている最中は問題なし。
 始動(=バッテリーの能力だけ)の場合、熱でバッテリー性能劣化&余計な電力(=ファン)を使っているとセル不能。という図式だったようだ。
 
 

 バッテリー補充液を買ってきてゆっくりと保水。その後じっくりと再充電。

 後日同様のテストをしたら、現象は見事に消えていた。

 大げさに騒いだ結果が、バッテリーの点検不足。
 「全てはまず基本から」を強く感じた出来事だった。

 バッテリー内部の板(反応板)が液外に出ていると、バッテリーの寿命が短くなるとも聞いている。
 液を補充したのはいいが、これからはこれまで以上に見てやる必要があるだろう。
 

 それにしても…この状態で1週間の北海道ツーリングに出てたんだよなぁ
 よく動いてくれてたねぇ→V-Max
 

 

 Copyright 2005 Akira



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