☆ ツーリング紀行 ☆
2005 北海道ツーリング記
 
 <その0>
 


<2005年8月>

今年も行きますよ

 夏のツーリング、と言えばもちろん北海道である。(去年初めて行ったというのに何を偉そうな…)

 今年の盆休みは非常に微妙な日程だったのだが、強引に連休にしてしまう。(その分、休暇前後の仕事が…)

 一旦連休にしてしまえばこっちのもの、7月の中旬になってからいそいそとフェリーの予約。
 お盆向けの予約が始まる6月上旬(2ヶ月前)は非常に混雑する北海道行きフェリーの予約だが、1ヶ月前になるとキャンセルやら変更やらでそこそこ空きが出るのだ。
 今年も新潟経由で道内5日というベストなスケジュールの設定に成功する。
 

 さて、今年の目的はと言えば、ずばり「道北」である。

 昨年は初回という事もあり、北海道ツーリングとしては最もメジャーな道東をメインにした。
 開けた大地と山、それに湖が点在する道東は走っていて実に気持ちが良かった。
 もちろん道東へも行くとして、今年は最北の地と海岸線もそれに加えるとしよう。

 また今回は、「走り過ぎない」ようにも注意したい。
 道が気持ちよく、ついつい走り続けてしまいがちな北海道だが、せっかく連休を取って行くのだ、落ち着いてあちこち見て回るようにしなければ。

トラブル発生

 直前まで仕事であたふたしていた出発前夜、荷物を詰め込んだリアバックをV-Maxに積み込もうとして気づく。
 バッグを固定するストラップを留めるバックルが、一箇所割れて取れてしまっているのだ。
 
 そういえば、前回の北陸ツーリングの際、壊れてしまったような気がする。(いいかげんだな…)
 その後のドタバタですっかりと忘れてしまっていた。
 ううむ、しかし出発前夜に気づいてもどうしようもないんだよな…
 
 とりあえず、ストラップの予備を取り出し、荷物取り付け用のDリングへ繋ぎ固定する。
 揺すってみるとなんとか大丈夫そう、だが念の為にとバッグ全体を別のコードで固定してやる。
 これだとバッグの積み下ろし(開け閉め)は面倒になるが、旅行中の安全には代えられない。
 


 バックルが見事にありません
 
 バッグの上にはテントとテーブル。
 いつものキャンプスタイルではあるが、忘れ物の無いように気をつけてっと。
#それでも水筒替わりのペットのボトルを忘れた俺

 ちなみに、V-Max本体の方はいたって元気である。
 GWのツーリングでは散々な目に遭ったが、考え方を変えれば、トラブル箇所はそれで全て解消済みともいえる。

 あえて言えば、5分山のフロントタイヤと例のクラッチだろうか?これは気になるといえばなるが…ま、気にしなければ大丈夫。
 
 これから1週間強のロングツーリング、しっかりがんばってくれよ>V-Max。
 

<2005年8月9日>
 
出発進行

 5:00am過ぎ、控えめな暖気の後、自宅を出発する。
 
 周囲は一面の霧である。
 
 濡れる程ではないが、走っているとジャケットの前がじっとりと湿ってくる。
 朝霧は快晴の前兆ではあるのだが…これから栃木県が晴れてもなぁ…(笑)

 それにしても、やはりロングツーリングへの出発は深夜か早朝が良い。
 誰もいない空いた道路を走っていると「よぉし、行くぞぉ!」という気にさせてくれるからだ。
 


 東北自動車道へと乗り込み、北へと向かう。
 今年のフェリーも新潟発。片道4時間弱の道のりは、北海道へのオープニングとして丁度良い距離でもある。
 
 高速もやはり霧が付きまとう。
 時々雲間から太陽が覗くが、すぐまた霧の中に入ってしまう。
 高速道路の温度表示の掲示板によれば、気温は21~22度。
 3シーズンジャケットの下にTシャツ1枚だと、ベンチレーションを全部閉めて走らないとちと寒い。

 東北道から磐越道へと乗り換えても、ぱっとしない天気は変わりなし。
 磐梯山も見えず、猪苗代湖も眺められない。う~む残念だなぁ…
 
 景色以外に、バイクで高速道路を長距離(今回はそれほど長距離という訳ではないが…)走っていて感じるのは、風(空気)の匂いと温度だろう。
 周囲が水田から畑、あるいは都市に変わる度に匂いも変わる。
 また山一つ、川一本わたるだけで上下する気温も肌で感じる事ができる。磐越道のようにトンネルが多い場所では言わずもがな。
 これを楽しむのもツーリングの醍醐味の一つに違いない。

 高速道路では75(マイル)をキープ。
 これはV魔で走っていて一番気持ち良い(と俺が思う)ペースである。
 天気は今ひとつだが、こうしてこのペースを守って走るとV4エンジンの音と振動が実に心地良い。
 

 2度の給油&休憩を済ませ、8:30am、新潟市内へと無事到着する。
 
 例によってフェリーへの持ち込み品を買おうとコンビニに立ち寄り、お茶とおにぎりを買って外に出ると……「おにいさんこれなんしーしー?」
 朝からナンシーGET。
 しかしこのナンシー、只者ではなかった。
 
 V-Maxの周りをぐるりと回るその様といい、メーターを覗きこむ格好といい、「どれくらいでんの?」と聞く様といい、まさに絵に描いたような典型的ナンシーなのである。

 「こりゃぁクるな、どっちかな?」と思っていたら、「俺も昔、陸王に乗ってて…」と言い出した。
 をを、インディアンじゃなくて陸王ですか。それはそれはかなりの……(以下略)

 推定60歳過ぎのナンシーだったが、「もしかしてうちのHPを知ってて、引っ掛けに来たんじゃないか?」と思うほどハマりきったナンシーであった。
 


 9:00am、フェリー埠頭到着。

 バイクの数はさほどではない。去年に比べると自転車の方が目立つ。


空は次第に晴れてきました

 駐車場でGPZ(ニンジャ)のオーナーから、(V魔のステッカーを見て)「ビーバスって名古屋のバイク屋さんですか?」と声を掛けられる。
 「ええ、もしかして愛知の方ですか?」と聞くが、東北ですとの事。
 なんでも知り合いが同じステッカーを貼っているらしい。いやぁ、全国的になりましたねぇ>ビーバスさん。
 


 10:00am、船に積み込まれ、10:30の定刻、出航

 フェリーでは、これまた去年に比べ子供(つまり子供づれの家族)の姿が目立つ。
 フェリー上で子供に「騒ぐな」と言っても無理な相談なので、大人の俺は2等寝台と観覧室でビールを片手にトム・クランシーの新作に挑んでみたりする。

 下船は18時間後。
 さて、北海道の天気はどんな具合だろう…
 




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