＜２０００年５月３日＞

しまなみから吉野川へ 　あ～、朝飯が美味いぃ～。 　いつぞやのＹＨとは異なり（笑）、夕べの飯も今朝の朝食も、質、量、共に満足満足。 　飛び込みで入ったけれど、これは良いＹＨに当たったよなあ。管理人（って言っちゃいけないのか？）のおばちゃんも気さくな人だし、今度来る事があったら、またここに泊まろうっと。 　８：００ａｍ、ＹＨを出発。 　海岸線からしまなみ街道へ入る。 　しまなみ街道（西瀬戸自動車道）は、瀬戸内の島々を数多くの橋で繋いだ全長５０数キロの高速道路である。 　ＹＨのある生口島のように、ところどころで高速道路が切れており、強制的に一般道へ降ろされる場所もある。 　もっとも、ツーリング中の身にとっては願ったり叶ったり。 　ついついたんたんと走りがちな高速道路だが、それぞれの島で降ろされるたびに、「せっかくだし、ちょっと遠回りして観光でも・・・」という気にさせられるのだ。 　ところでこのしまなみ街道の各橋、扱いは高速道路なのだが、必ず脇に１２５ｃｃ未満のバイク（&歩行者）が通れる車線が併設されている。（お互い行き来はできない） 　高速道路に入れない小排気量車は、高速のＩＣとは別の入り口を使って、それぞれの橋を利用できるのだ。 　そもそもは地元の人達が気軽に利用できるように・・・との事らしいのだが、高速扱いの本線（？）と違って、利用料は爆安（笑）ほとんどタダみたいなものらしい。 　これを利用しない手はないと、１２５ｃｃ以下のバイクで「しまなみ街道ツーリング」を行うライダーも多いとの事だ。 ＃事実、ＫＳＲ２(80)とかスクーターに荷物山積のライダーが走っていた。 　「でもここまで来るの大変だよなあ、高速使えないし…」と思っていたら、「ワゴン車に小型バイクを積んで来て、車はキャンプ場に置きっぱなし」という裏技もあるらしい。 　しかも、たとえば軽トラックに小型バイクを２台積んで来た場合、フェリーも高速道路も四輪車１台分でＯＫ、２人で来るなら断然お徳との事。 　いや、よく考えるよなあ、確かにゆっくりツーリングするのなら排気量ってあんまり関係ないもんねえ・・・ 　大三島から伯方島、大島で一般道へ降ろされたのを期に県道４９を使って島をぐるりと一周する。 　路は広くなったり細くなったり。漁港の堤防では釣り人が大勢釣り糸を垂れている。 　昨日まではあまり釣り人って見かけなかったけど、今日は休日だからなのかな？一体何が釣れるんだろう？ 　最後の橋をゆっくり渡って今治市へ。 　あ～、またまた戻ってきたぞぉ、四国（笑）	今日も快晴だっ！ 周囲はぜ～んぶ島
国道３１７をメインに、あちこち寄り路しながら東へ走る。 　「漁港」の表示があれば覗きに行き、「なんとかガ浜」の表示があれば砂浜へ降りる場所がないか探す。あ～、宛てのない旅って気楽でいいねえ・・・ 　国道１１号に乗り換えて、川之江市のあたりから内陸部へ入ってみる。 　国道は１９２号に変わる、ホント久しぶりの山間部だ（笑） 　しばらく走ると道は川沿いを走るようになる。これが有名な吉野川、このままずっと川沿いに行けば、昨日渡ってきた大鳴門橋のある徳島市へ抜けられるのだ。 　周囲を走るバイクの数が増えてくる。 　山間部だけにオフローダーの姿が多い。四国カルスト、大歩危小歩危、スーパー林道と、オフ車で走る林道には事欠かないのが四国の内陸部だ。 　オフ車で四国、林道好きのライダーには堪えられないんだろうなあ・・・ 　吉野川沿いのうどん屋で昼食。 　うどん定食700円はもちろん「当たり」で大満足。 　その吉野川は東に行くにつれ川幅が広がり、雄大な景色を見せ始める。 　広大な川原が広がるあたりでは、大勢の家族がＢＢＱ（バーベキュー）の真っ最中。風はないし、天気は快晴、気持ち良いねえ、俺も川原で昼寝でもしていこうかなぁ？ 　穴吹町で吉野川にかかる沈下橋を見に行く。 　洪水等の際に、水の抵抗で橋が壊されるのを防ぐため、「水に潜っても大丈夫なように欄干が存在しない（小さい）」のが沈下橋。 　昔ながらの木製の橋を想像していたのだけれど、現物は立派なコンクリート製、まぁ、仕方ないでしょ（笑） 　とはいえ、欄干のない橋ってのは、走ってみるとなかなかに怖い。しかも車１台分の幅しかないし。 　怖い怖いと１往復して（笑）、国道へ戻って徳島へと向かう。 　徳島へ近づくに連れ、川幅は更に広がり、周囲は市街地に変わってくる。 　コンビニで飲み物をし仕入れて喉を潤す。さて、例によって今日もまだ宿を決めていないのだ。瀬戸内側は一通り一周したし、吉野川も攻略（笑）した。去年行った南に下るのも芸がないよなあ？どうしようか？と悩んでいたら・・・	昼寝でもしようか？（笑） 沈下橋は結構怖い・・・（笑）
※以下の文章はフィクションです。実在する個人、団体、事件等とは一切関係がないはずです・・・多分。 　「・・・緊急連絡、緊急連絡、デルピフォース各位、吉野川大橋北詰へ集合せよ！繰り返す、集合は吉野川大橋北詰！」 　突然の無線連絡に、俺は飲みかけの「アサヒ十六茶」をコンビニのゴミ箱「ペットボトル用」に放り込み、Ｖ－Ｍａｘのエンジンを始動した・・・ 　・・・暗黒秘密組織「デルピフォース」…　　＜作：がれーじAk!rAデルピフォース研究委員会＞ 　君は知っているか？暗黒秘密組織を。 　君は知っているか？デルピフォースを。 　「極悪」！「インチキ」！そして「ジメジメ」！ 　君は奴等を知っているか。 　「You loose」！「Day by day」！そして「This is for me」！ 　恐るべきその真の姿。 　日本国中の林道を、恐怖のどん底に突き落とす。 　石ころだらけのガレ場でも、埃だらけのダートでも。 　いつでも奴等は全開全開。 　大排気量のネイキッド、フルカウルのレーサーレプリカ。 　なんでも奴等は全開全開。 　ああ、デルピフォース。恐るべしデルピフォース。 　緑のステッカーを持つ男達・・・ 　・・・ 　…今日、ここ徳島にて「デルピフォース」の極秘集会が行われるとの情報は得ていた。 　しかし、時間や詳細の場所はまったくの不明、到底迎撃はできるまいと諦めかけていたのだ。 　その無線連絡を傍受出来た今、これは奴等の真の姿をあばく絶好の機会に違いない。 　俺は奴等の集合場所へとバイクを急がせた。 　吉野川大橋北詰・・・ 　橋からゆらゆらと立ち上る陽炎、そしてその向こう側にぽつりぽつりと現れるヘッドライト、次第に大きくなる大小シングルマルチオンオフ入り混じった排気音・・・ 　奴等だ、奴等がデルピフォースだ！ 　不敵な笑みを浮かべる「大佐」。ニヒルに佇む「隊長」。 　そしてその周囲に集結する強面のメンバー。 　・・・負けるものか、闇に隠され続けた奴等の姿を、今日こそ陽の下にさらしてやるのだ！ 　「大佐」の指揮の元、奴等は一斉に走り出す。 　信号のスタート毎にウイリーを繰り返し、渋滞では極悪の擦りぬけを敢行する。 　幅寄せしてくる四輪車には中指を立て、車内から手を振る小学生には笑顔で手を振り返す。 　恐るべしデルピフォース、どうなっているんだデルピフォース。 　メジャーキャンプ場に到着するも既に満員。いや、強面の彼らにバブリーなファミリーキャンプ場は似合わない。 　すぐさまマイナーキャンプ場へＧＯ！猫の子一匹しかいないテントサイトを占領だ！ 　テント設営の後、インチキ温泉へ向かう奴等。 　今こそ秘密を知るチャンスだ。残った俺はビールを開けつつ、密かに奴等の主要食料である「徳島博多ラーメン」をチェック、ピリカラの高菜漬け入りラーメンが美味い。うむ、塩味の方もなかなかにイケる。 　奴等が帰ってくる。予想の通り、夜の主食はラーメン＆パスタ。はは、そんな事はお見通しだぞデルピフォース。 　しかし、ここで奴等の恐るべき技「そりゃあ無茶だろうサラスパ２袋一気湯で揚げ、予想どおりコッヘルあふれ」が炸裂する。 　くそぉ、この大技には、禁断の「マカロニインスタントカレー炒め、味的にはちょっと失敗」で対抗するしかない！ 　更に襲い来るインチキビールの罠、奴等の最終兵器は「今は５月、でも何故か西瓜」だっ！ 　恐るべしデルピフォース。強いぞデルピフォース。 　今日のところは、どうやら俺の完敗のようだ。 　そうと決まれば話は早い。西瓜を持って、隣のサイトの焚き火へ乱入だっ！・・・・・・
暗黒秘密組織「デルピフォース」本部はこちら 　 　・・・とまあそんなわけで（爆） 　無事、長尾町の某キャンプ場に腰を降ろした一行は、この後、地元の仲間内で盛り上がっていた隣のサイトへ乱入し、夜半まで大騒ぎを繰り広げたのであった。 ＃その節はお世話になりました＞関係者各位。 　深夜、ふらふらとテントへ戻り就寝。 　あ～、楽しかった。大勢でのキャンプってのも楽しいよねえ・・・	しかし、何故西瓜なのか・・・
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＜本日の走行距離＝約１９０マイル＝約３０４ＫＭ＞＜本日の給油回数＝３回＞＜本日の教訓＝恐るべしデルピフォース＞