☆ ツーリング紀行 ☆
目指せ火の国!九州ツーリング記
<第5話>
「沈 黙」
<2002年5月2日>
思いもかけぬ…
6:30am、心地良い鳥の鳴き声で目が覚める。 外を覗く。快晴!というわけにはいかない空だが、充分に明るい。 歯ブラシをがしがしやりながら考える。この分なら道路もドライに戻っているだろう。今日は移動日だし、日中はまた大荷物を抱えて走らなければならない。 さくさくと荷物をまとめ、テントを畳めば出発できるようにしておく。 ありゃ?うちのMAXは始動性の良いのが自慢なのだが、今朝は珍しくエンジンがかからない。 ともあれ、数回のクランキングの後、エンジンは無事に始動した。 キャンプ場を抜けて峠道へ。案の定ドライ路面のワィンディングを一気に駆け上がる。 キャンプ場から10km程登った場所、そこが有名な草千里ケ浜である。 満足するまで撮影し、さて、この先はどうなっているのかな?とMAXへ跨る。
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トラブル発生
んが?なんでかからないんだ?エンジン。 腕組みをして考え込む。 「プラグか?それともケーブルか?コイルか?」 ふと気づく。V-Maxは大排気量の4気筒、1気筒死んだくらいならエンジンはかかるし、走る事だって可能なのだ。 全滅である。 4気筒共、セルは回れど火花の飛ぶ気配はない。全てのプラグ&コードが同時に死んでしまう事など考えられない。これはもっと根の部分のトラブルのようだ。 とりあえず出来る事をやってみようと、携帯電話でキャンプ場のつちもとさんを呼び出してみる。 「え~、動かなくなっちゃったんですかぁ?!」と驚くつちもとさんに事情を説明して、ここまで来てくれるようお願いする。 シート、タンク、ダクト等の外装はもちろん、電装パネルを引き剥がして確認する。 つちもとさん到着 うんうん悩んでいると、なにやら話していたつちもとさんが携帯電話を差し出してきた。 「水分によるトラブルなら時間を置けば復活するかも?」との言葉に一縷の望みを繋ぎながら、電装関係のチェックを続ける事にする。 コンピュータのパネルを開け、中を確認、浸水の気配なし。 いつの間にやら周囲は観光客で溢れかえる。 人の良さそうな老夫婦、怪しげな親父、10代と思われるカップル等が次々と声を掛けてくる。 あきらめ半分、駄目モトでセルスタート。 お~!かかったかかった、原因は全然わからないけどかかったぞぉっ! つちもとさんへとTELを入れる。
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復活、と思いきや…
テントサイトへと到着、3時間に渡る空白時間にTOTORO氏も、「何故帰ってこないんだろう?」と大分心配してくれていたようだ。 空には僅かだが太陽が覗き、昨日びしょ濡れだったテントもドカシーも綺麗に乾いている。 きゅるきゅるきゅる・きゅるきゅるきゅる・・・ 現象再発である。 これではもう駄目である。 つちもとさんが調べてくれた地元のバイク屋へ電話。 軽トラックに詰まれたV-MAXの後ろを、TOTORO氏のTDMにタンデムさせてもらい付いて行く。 引き上げに来てくれたバイク屋は、四輪から農機具まで扱う工場であった。 さて、ではどうしようか。冷静になって問題点を洗い出してみる。 難問山積。う~む、コレは困ったと頭を抱えていたところへ、またまたつちもとさんが携帯電話を差し出してくる。 「行きましょう、名古屋へ。」 今日の午前中に回る予定だった高千穂。明日泊まる予定だった長崎。絶対見てやろうと思っていた桜島、そして鹿児島、宮崎。 さて、そうと決まれば話は早い。 夕刻、手配が済む。 借りたハイエースで工場へ逆戻り。 6:00pm、出発準備が完了する。 ハイエースを駈って、これまた丸1日おつきあいしてくれたつちもとさん、TOTORO氏(ありがと~)と共に熊本市内へ向かう。 市内の店でラーメン+餃子を楽しむ。 10:00pm、熊本ICから九州自動車道へ。 ディーゼルエンジンの排気音を響かせて、V-Maxを乗せたハイエースが九州自動車道を北上する。 |
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<本日の走行距離=約20マイル=約36KM><本日の給油回数=0回><本日の教訓=ああ・・・>