その3
昨夜は自分で買った「麦」焼酎はもちろん、おすそ分けやらなにやらでへろへろになるまで呑んだのだがまったく残っていない。
俺の体調が良いのか、それともやはり「九州の焼酎恐るべし」なのだろうか。
さくさくと荷物をまとめて出発の準備。
昨夜大騒ぎした皆の衆にも挨拶。んじゃまたどこかで会いましょう。
8:00am、MAXのエンジンを始動。ゆっくりとキャンプ場を後にする。
空は青いし木々は緑、シールドを開けるとMAXの排気音に混じって鳥の鳴き声も聞こえてくる。どうやら今日も絶好のツーリング日和になりそうだ。
一旦、阿蘇の山を登り、途中から西側へと降りて行く。
前に聳えるのは「米塚」。
その名の通り米を積んだ形に似ているのだが、あまりにも幾何学的で笑ってしまう。
米塚とはよく名づけたもので
県道をそろりそろりと降りて国道57号線。
世間は今日も平日である。通勤車に混じって走るのも昨日と同様だ。
だーっと走り、熊本市手前でコンビニ朝飯&ルートチェック。
今日の第一目標は天草。そのまま海沿いでキャンプしても良いし、先へ進んでも良いだろう。まぁ気ままに行くとしよう。
熊本市近辺にはバイパスが出来ており、市内に入らずに通り過ぎる事ができる。
出てくる標識は「熊本城」に「水前寺公園」、うう、ちょっと寄ってみたい気はするけれど…混んでそうだからヤメとくか。
R3経由で再度R57。
天草街道は海岸線沿いを走る真っ直ぐな国道である。少々交通量が多いもののぼーっと走る分には問題ない。
右手に広がる島原湾、あ~、なんか眠くなりそぉ・・・
天気いいなぁ・・・
うちらうつらと走り(←をい)さすがに危ないので三角西港で休憩。
歴史のある港という事だが、俺にはやはり歴史より景色(←韻を踏んでいるらしい)
隣の島(?)とその間にかかる橋が青空に映える。う~むよしよし。
ここから先がR266。天草四郎メモリアルパークの前をどっこいせと駆け抜け、天草5橋を走り抜ける。
松島温泉を過ぎると、海は右手から左手へと変わる。
ひたすらおっせっせ~おっせっせ~と走っていたのだが、先ほどから海岸沿いに変な景色が見え隠れしている。
均された砂浜に積まれた砂山、いったいなんだ?これは。
怪しい砂山
最初は「塩田か?」と思ったのだが、どうやら違うようだ。
首をかしげながら先へ進むと、これと同じような地形に海水が流し込まれ、ばしゃばしゃと循環用の水車が回っていた。
どうやら海老かなにかの養殖池のようである(先の砂山は休池か?)
そうか、海老か・・・今日のお昼は海老にしようかな・・・
R266をひたすら南(西)下する。
上島と下島の境、瀬戸大橋を渡ったところで本日2回目の給油。
給油の最中、店員のお兄さんがしげしげとMAXを眺め、聞いてくる。
「これってターボ付いてるんですか?」
「いえ、これには付いてないですよぉ・・・」(悪)
さてと気をとりなおし、あらためて悩む。
ここから先の下島、南下するのに西回りのR324を使うか、それとも東回りの県道26を使うのか。
う~む、まだ午前中だから「サンセットライン」を走るのは気が引ける、県道をまったり行くとするか。
県道26は狭かった(笑)
一部拡張されている部分もあるがほとんどは一車線。峠へ入ると道は更に狭くなる。
通る車も激少、路肩で立ちすくむイタチと目が合う程の交通量だ(笑)
他車のないのをいいことに、わがまま一杯に走る。
うらうらうらぁ~と飛ばしてみたり、4速2000rpmでぼへぼへと走ってみたり。しっかしここはなんでこんなに空いているんだろ?
左手に広がる海を見ながら走るのは実に気持ちが良い、だが・・・「腹が減ったぞゴルァッ!」
時刻は丁度お昼、朝飯がいいかげんだったので腹が減って仕方が無い。
小さな漁港がある毎に「食堂はないか?」と探すのだがみつからない。
腹は減ったし気温は高い。あ~、なんかぼーっとしてきたなぁ・・・
R266へ再度合流して目が覚める(嘘)
下島の先端、牛深市へ着いたのが1:30pm。さすがに市街地まで来れば食事をする場所には困らない、「さぁ飯を食ぅぞぉ!」の前に・・・フェリーの時間を確かめておかねばな。
この先、牛深市から長島町へはフェリーで渡らなくてはならないのだ。
フェリー乗り場で聞くと、1時間おきに便があるようだ。チケットを買って準備は万全、さて飯飯っと。
フェリー乗り場併設のレストランでゆっくりと食事。
チョイスしたのは焼き魚と刺身がメインの定食。海老がなかったのが残念無念、レストラン下の市場じゃ山ほど売ってたんだけどなぁ?
焼いて食ったら旨いんだろうねぇ
長島町へと上陸。時刻は4時前。さて、んでは今日のキャンプ場を探すとするか。
地図によれば、15分ほどの場所に結構大きなキャンプ場がある。
どれどれとMAXを走らせ探すがなかなかみつからない。
農作業中の地元の人に聞くと「ああ、それなら」と道を教えてくれた、だが・・・「で、おにいさんあそこへ泊まるの?」「え?ええ、そのつもりですが?」
謎の質問の理由は、その場所に到着して判明した。
ここは完全に夏限定のキャンプ場、というか海水浴場の付属施設であった。
5月の今は当然のように閉鎖中。一応中には入れるものの駐車場もテントサイト(?)も雑草が生い茂り、管理棟らしき建物には雨戸が打ち付けられている。
当然、人っ子一人いない。
ううむ、と悩む。
人がいないのは平気だが、駐車場に書かれた落書き、路面のタイヤ痕等を見るに地元の若いあんちゃんのたまり場になっている可能性が高い。
なにしろ今はGW中、さて、それではどうしようか?
とりあえず、荷物は解かずに来た道を戻る。
まぁ風呂へでも入ってゆっくりと考えよう。
近くにクアハウス様の施設があるのは確認済みである。MAXを乗り入れ、お風呂セットを取り出して施設内へ。
展望風呂で1日走った汗を流す。う~い、極楽極楽。
施設のロビーで汗がひくのを待ちながら考える。
やはりあの場所にキャンプするのはちょいとまずい。かといって他にキャンプ場は無い(実は1つあるのだが、そこも夏限定なのを確認した)
そして、(予定していた事だが)明日以降の天候が不安である、今日中に距離を稼いでおくのは悪い案ではない。
「う~し、んじゃもう少し走るとするかぁ!」
腰に手をあて、フルーツ牛乳ならぬダイエットペプシを飲み干し出発する。今日中にどこまで行けるかやってみよう。
県道から国道389へと戻り、南下する。
黒之瀬戸大橋を渡ると鹿児島県である。
右手に広がる東シナ海、低くなった太陽を浴びて路肩のシュロの木が赤く輝く。そろそろサングラスをウエストバッグにしまい込むとしよう。
とっぷりと日が落ち、路肩の街灯に灯が点る頃、道は海岸線を離れて内陸部へと入っていった。
会社帰りの車に混じって鹿児島市を目指す。
「そういえばMAXで夜ちゃんと走るのは久しぶりだな」と考えながら走る。
山間を縫って走る国道は特に目ぼしい景色はない。ここを夜通過するのは意外に正解だったかもしれない。
鹿児島市の手前で鹿児島豚を使ったとんかつの夕食、美味。
店のおねぇさんに「このあたりにキャンプ場とかはありますか?」と聞くものの「さぁ?」という返事しか返ってこない。
そうだよなぁ、普通の人は知らないよなぁ・・・
8:30pm、鹿児島市内へ。
鹿児島から桜島へは24時間営業のフェリーが出ている。だが、さすがにこの時間に渡るつもりはない。
#桜島は明日のお楽しみ。
とりあえず今日は鹿児島市内に宿泊・・・といってもキャンプというわけにはいかないので宿泊施設を探す。
本日4回目の給油の際、店員さんに「どこか健康ランドのようなものはありますか?」と聞くが、よくわからないとの鹿児島弁。
「んじゃまぁビジネスホテルかサウナでも探すかぁ」と思っていると・・・
「お一人様歓迎」の看板が目に入る。
「出張時にご利用ください」
「料金格安」
ううむ、看板は普通なんだが、この建物、どう見てもラブ○だよなぁ・・・?
しかし考えてみれば、ここの駐車場なら(監視カメラがあるので)バイクや荷物にいたずらされる心配が無い。
屋根下なので夜露もしのげるはず。
料金はカプセルホテル並。今日はどうせこれから寝るしかないのだ。
駐車場の片隅にMAXを停め、フロントへ。
うん、これはラ○ホだよな。
料金を払い、部屋へと入る。
うむ、間違いなく○ブホだ。
ともあれ、ま、いいか、これもネタにはなるだろう・・・(←何の?)