その2
2004/8/10
オホーツク海から上る朝日をなんとしても…とがんばって早起きしたのだが、う~む、なんか天気がはっきりしないな。
見るには見られましたが
とりあえず朝日は拝めたものの、へんな雲行きである。
東はきれいに晴れているが西はまっ暗。
天頂には濃い雲、そしてとうとうぽつりと振り出す雨。う~む、なんだかなぁ…
ところが、2時間ほどで状況はがらりと変わった。
黒い雲は全て東へと流れ、西から綺麗な青空が広がっていく。
ひゃっほぅ、こぅこなくちゃねぇ!
晴れた晴れた!と出発の準備。
このまま南下するANK&OYG夫妻とはここでお別れとなる。
いやはや昨夜はお世話様でした。んじゃ次は俺が京都まで遊びに行くということで…(ホントだな?)
ピーカンだぜぃ!(上を飛んでいるのはトンボ)
「さらばじゃ」と、お2人を見送った俺は北を目指す。
とはいってもほんの十数キロ。サロマ湖の隣に広がるシブノツナイ湖、そしてコムケ湖。この湖のほとりに写真を撮りに行くのである。
ネタはといえば「アウトライダー誌」
ここで紹介されていた場所に是非行ってみたいと思ったのだ。
コムケ湖畔。
「キャンプ場」の標識のあるダートへと入っていく。
ダートといっても大げさなものではない。フラットだしガレてもいない。
オフローダーには笑われそうなダートだが、荷物満載のV-Maxにとっては立派なオフロードなんですよ。
道を奥へと進む。
やがて周囲には高さ1m前後の草が生い茂り、右にオホーツク海、左にコムケ湖が広がる1本道となる。
空は青空、海も湖も真っ青。いや~すごいなこりゃ。
せめて雰囲気だけでも…
バイクを停め、写真撮影。
腕がアレなので充分にとはいかないが、雰囲気だけでも感じ取っていただければ幸いである。
凄い凄いと海砂で粘るダートを先へと進み、反対側へと無事到達。いや、たった数kmですが結構緊張しました。
いそいそと国道238へ。この国道がまた立派な道である。
ついついペースが上がり気味になるが慌てない慌てない。
この国道からだけでなく、1本横道に入るととんでもない風景があったりする事には昨日から気づいていたのだ。
あちらこちらと寄り道しながら走る。
緑の牧草とまっすぐに伸びた道。そしてぽつんと立つ赤い屋根の農場、絵に描いた北海道の景色そのままである。
ううむ、侮りがたし、北海道。
侮れないでしょ? 天気がいいので記念撮影
感動しながら、昨日の北海水産へ再訪。
自宅への土産の手配をして出発…って、ああ、またホタテバーガー食べるの忘れたぁ…
失敗した失敗したと騒ぎながら、キムアネップキャンプ場へと寄り道。
ここも目の前にサロマ湖の広がる素晴らしい景色である。
次に泊まる時はここでもいいな、夕日も湖に沈みそうだし(笑)
能取湖から網走湖付近の国道238をさっくりと流し、網走監獄へちょいと寄り道。
「ホラ、2000年前の蓮の種だって立派に花を咲かせたじゃないか」(意味不明)
網走監獄&蓮
国道は244から334へと変わり、知床半島へと続いていく。
オシンコシン滝をふむふむと観察した後の国道。いや~、ここもいい道だねぇ…
適度なアールの高速ワィンディング(なんかこればっかりだな…)を吹っ飛んで走る。
交通量は激小、道が広いので追い越しも楽。いや~、楽しい楽しい。
どのくらい楽しかったかというと、ウトロに昼飯に寄るのを忘れそうになった程の楽しさである。
ウトロでは、これまたツーリングマップルお勧めの店に寄って……まぁそこそこ美味しかったけど、価格と内容とのバランスが取れているとは言えないような気がするような…(1敗1分)
気を取り直して知床横断道路。
うっひゃ~、気持ちいい~っ!
ウトロ側は高速コーナー、羅臼側はタイトコーナーが連続する。
どの位楽しかったかというと、頂上の駐車場で写真を撮るのを忘れた程の楽しさである。(ホント、こんな表現ばっかだな…)
ウトロ側の直線
「さぁて、んじゃ風呂にでも入るかぁ」と、峠下の無料露天風呂「熊の湯」を覗いてみるも満員。
満員の露天風呂ってのもねぇ…ま、今回はパスしておきますか。
国道335。羅臼を過ぎると海沿いの直線が連続する。
海を眺めながらほんだらほんだら走り。
対向してくるバイクからは相変わらずのピースサインの嵐、眠気を覚ます為にこちらも派手に返してみたりもする。
「サーモンパーク」の看板を見て、行きすぎた事に気づく。
おっとっと、そろそろ内陸部へ入らねば。今夜は音に名高い開陽台でキャンプするのだ。
開陽台へと向かう途中、道が濡れ始める。
GSでの給油の際聞くと「今日は降ったり止んだりですね」との事。
う~む、北は平気だったんだけどなぁ?山のこっち側は天気が悪かったのか。
時間はまだ早い。先の熊の湯に入れなかったので、手近なところで温泉でもと探してみる。
地図で見ると「鉄の湯」というのがが近くにある。
どれどれと行ってみると、家内制手工業のこじんまりとした温泉だった。
当然のように湯船は貸切…と思ったら家族連れが一組。結構訪れる人もいるようである。
赤く染まった湯にゆったりと浸かっていると、外が急に騒がしくなる。
なんだなんだ?と外を見ると、なんと土砂降りの雨になっているではないか。う~む、荷物にカバーをかけておいてよかった、さすがだぞ、俺。
降ったものは仕方が無い。脱衣所でトランクス1枚姿のまま外を眺める。
雨は強くなったり弱くなったり。時折雷も聞こえる。ま、急ぐ旅じゃなし、慌てずゆっくりといきましょう。
幸いな事に、1時間ほどで雨はあがった。
念の為にと雨具を着こんで出発、開陽台はすぐそこである。
「開陽台」の標識を曲がって、あんぐりと口があく。「なんじゃぁこの道路はぁっ!」
向こう側ってドコ?
直線である。
それも上下にうねりながら地平線まで続く直線である。
周囲は牧草地。真っ青な草を防風林が囲み、牛が草を食んでいる。
ぐはっ、まいりました。以後この手の直線を「真・莫迦直線」と呼ぶことにする。
まいったまいったと開陽台入り口へ。
「地球が見渡せます」が合言葉(?)の開陽台。360度広がる景色と地平線はかなりの見ものらしい。
駐車場に入り、どこに停めようかな?とうろうろしていると…「おや?」「まぁ?」「あれ?」
地元栃木県の知人、某S夫妻とばったり遭遇する。
もちろん打ち合わせ等は一切無し、なんで地元から遠く離れたこんな場所で偶然会うんだか(笑)
「例え同時期に北海道へ来ていたとして、会う確立はどれくらいになるんですかねぇ」とかなんとかバカ話。
夫妻はこの後、一旦南へ下ってから北上するという。気を付けていってらっしゃ~い。
さて、噂の開陽台のキャンプ場はというと…
実は駐車場からキャンプ場のある頂上まで、キャンプ用品一式を抱えて階段を延々登らねばならないのだ。
※獣道のようなルートはあるので、オフ車ならそこを登って行くことも可能。
巨大バッグを抱えて上がるのは…結構きついな…はぁはぁ…
階段のせいか時間のせいか、キャンプ場に張られているテントはまだ十数張り。
ぜいぜい言いながら、どれ、適当な場所にテントを…という時に、また雨が降ってくる。
今度は結構本格的な雨のようだ。
まずは雨具を着込み、テント設営&荷物を格納。
タープも張ってはみたが、雨が降ってからではあまり有効ではなかったかも。
これら一連の作業でへとへとになる。
これから飯を作るのも面倒だ、中標津まで降りてそこで食べるとしよう。
空荷のMAXで山を降りる。
ツーリングマップルを頼りに中標津方面を目指すと…うわぁ、ここにも真・莫迦直線がぁっ!
雨の夕方の莫迦直線もなかなかに味があるものだ。
すごいすごいと中標津の市街地へと入り、ライダーズインの隣のラーメン屋で味噌ラーメンと豚生姜焼き丼のセットを頼む。
意外と言っては失礼だが、旨い。雨に冷えた体にラーメンの熱さが染み渡る。
ひと休みの後、ゆっくりとキャンプ場へと戻る。
雨は上がり、西は真っ赤な夕焼けとなる。
開陽台は低く垂れ込めた雲の中だった。
白く煙る駐車場の片隅でMAXを停め、入念に施錠。えんやこらと階段を登り、テントへと転がり込む。
やー、疲れた疲れた。そういえばコンビニで買ってきた酒がこの辺にあっ…たよ……zzz(爆睡)