☆ ツーリング紀行 ☆
2005 北海道ツーリング記
 
 <その4>
 

<2005年8月13日>

今日は内陸へ入ります

 5:00am起床。

 昨日に続き、風がちょい強い
 もっとも、このおかげで蚊は出てこないしテントはカラカラ、撤収には最高の天候だともいえる。
 
 空は相変わらずの快晴、今日も暑くなりそうだ。


朝から空が青いねぇ…

 出発は7:00am

 今日は海沿いを離れ、内陸へと入る予定。目的地は…とりあえず富良野あたりかな?(←いいかげん)

 道道103を南西へと下る。

 「と~ば~す~と~もった~い~な~い~し~」とまったり走っていたら、丘の上に黄色い塊があるのに気がついた。
 停まって目を凝らしてみるとどうやらひまわり畑のよう。「よし、ちょっと見に行ってみるか」
 これが運のつきであった。

 丘の下から農道を上がっていく。
 最初は舗装だったのに途中からふかふかのダート。しかも急に道が狭くなり、坂がきつくなる。
 
 「ええい、ままよ!」とそのままMAXを突っ込み坂を上がる。
 すると途中から道はなくなり、トラクターが通るような単なる畦へと変わってしまった。
 しかし停まるわけには行かない、この急斜面のダートの途中で停まったら、まず間違いなく発進できないからだ。

 勢いだけで坂を上がりきる。
 坂の上は畑で一応平坦。できるだけ足元がしっかりしていそうな場所にV-Maxを停めて…ひえぇぇぇ…帰りどうしよう…

  
これを見つけたのが運のつき         確かにひまわりは綺麗でしたけどね・・・


その先を左へ曲がってからが…(泣)

 ひまわり畑見学などどこへやら、MAXをゆっくり切り返して下へと向ける。
 大きく深呼吸して…いきま~す
 
 1速だとリアがロック、2速だとスピードが出すぎる。
 リアブレーキは効かず、フロントをかけたら多分転倒。
 
 「どうすりゃいいんだよぉ…」と泣きを入れながらもじりじりと降りる。
 轍…というか路面の凹凸が激しく、フロントタイヤが右へ左へと振られていく。
 
 なんとか抑えようと、試しにちょんとフロントブレーキをかけてみる。すると……
…ドシャ…
 案の定、あっという間にフロントロック&転倒とあいなった。


 尤も、転倒といってもさほどのものではない、タイヤが埋まるほどの土&轍なので、車体が完全には倒れないのだ。
 
 よっこいせとバイクを降りる。

 やれやれ、こいつを起こすのも久しぶりだなと妙に冷静になる俺。
 こういう時、アドレナリン全開のまま起こすのもいいのだが、いい歳をしてそれをやると腰を痛める可能性があってですねぇ…

 大きく2回深呼吸して、ハンドルとフレームを掴み、うんこらせと引き起こす。
 フル積載のV-Maxだが一発で起こせて一安心。
#転倒した時の画像撮っときゃよかったな…

 さて、安心ばかりもしていられない。坂はまだまだ続くのだ。
 
 それでもなんとかコツらしいものを掴む。
 フロントは勝手に暴れさせたまま、リアを半ロックさせながら降りるとそこそこ安定するようなのだ。
 「オフロードの経験のある人ならもっと上手に降りるんだろうなぁ…」

 やっとの事で舗装路へ。
 え~ん、怖かったよぉ…ホント朝一番にダートへ入るとロクな事にならないなぁ…(だろ?)

 コンビニ休憩でチェックするが、転倒の被害はエンジンガードについた小傷のみ。不幸中の幸いといったところだろうか。


さすがMAX、なんともないぜ

 一休みの後出発。

 景色を見ながらゆっくりと道道を走る。

 水田地帯では、やはり気温のせいなのだろう、大量に飛んでいるトンボがヘルメットのシールドにがつんがつんとぶつかってくる。
 をいをい、そんなにスピード出してないんだから避けてくれよ→トンボ(←無理です)

 シールドにばかり気を取られていたのがいけなかったのだろうか?突然、胸元に「ドカンッ」という衝撃、そして猛烈な痛み。
 「痛たたたたたた…」
 
 慌ててバイクを停め、ジャケットを脱いで胸元を見る。
 何やら小さく赤くなっているだけだが猛烈に痛い。
 「何だこりゃ?蜂にでも刺されたか?」
 
 何かに刺されたのは間違いないが、刺した本人(?)の姿は見当たらない。
 とりあえず傷口を絞って血を出し、絆創膏を張っておく。「変なものに刺されたんじゃないといいけどなぁ…」
 ここから先、暑いがジャケットの胸元はきちんと留めておく事にしよう。
<余談>
 これから先、2日くらい痛くて痒かったが、腫れるとか熱が出るとかしなかったので大丈夫でしょう、きっと。
 
 「"泣きっ面に蜂"を地でいってるよな」とかなんとか考えながら、いろいろあった道道103に別れを告げてR39。
 ここは去年の初日に一気走りした国道である。

 今年はこのルートを去年とは逆方向へ。
 おんねゆ温泉付近の直線も良いが、一番気持ち良いのはその後の森林コースだ。

 ほんの少し曲がった道路が深い森林の中を突っ切っていく。天気も最高、だはっ、ツーリングは(略)

 石北峠の頂上のパーキングは(昨年の経験から)華麗にスルーし、下りに入る。
 これまた気持ちの良い下りだが慌てない慌てない、路肩でちょい休憩して持参のお茶で喉を潤す。

   
小休止中              すンごい青空です

 大雪湖のT字路でR273に乗り換え南下。
 去年は走れなかった三国峠を目指してレッツゴー(死語)

 これまた素敵なワィンディングにヒャッホーと走っていたら、路面になにやら緑色のものを発見する。
  
 停まってみると道東のホクレン旗であった。
 柄は折れてしまっているが旗は無傷。誰が落としていったのだろうか?これも何かの縁と保護し、リアバッグにくくりつけてやる。
 

  
素敵な直線           保護完了

 三国峠。
 
 外は暑いのに頂上のトンネルに入った途端、ぞわっと鳥肌が立つほど空気が冷え込んだ。
 う~む、やはりトンネル内には夜の冷気が残っているものなのだな。(←冷気じゃなくて霊気だったりして←ヤメましょう)

 頂上のパーキングでお約束の休憩。
 相変わらず天気は最高、風も気持ち良いのだが、気になるのはこの先に雲が見える事だ。
 せっかくここまで良い天気できているし、間違っても雨なんか降らないでくれよ・・・

  
ここは良い天気なんですけどねぇ・・・   この先雲が見えるのがちょっと


 三国峠の下りも直線&高速コーナーが連続する素晴らしいルート。
 
 路肩も広く取られており、「これなら四輪でも楽しく走ることができるだろうな…」、と思っているところで見つけたのは…路肩にポツリとうち捨てられた1つのドアミラー。
 い、いったいこの場所でどんなドラマが…


わざわざUターンしてこれ撮った俺も俺だよな…

 R273を走るうち、空に雲が増えてくる。

 三国峠で見たとおり、ここから先は雲の下なのだろうか?う~む、それならなにもここを通らずに道南を回っても良かったかなぁ…
 
 天気に伴い気温も次第に下がってくる。

 糠平湖からはもちろん道道85の峠ルートをチョイス。
 去年同様駆け上がる峠道。
 「去年はこの辺りでキタキツネが出たんだよなぁ…」と思っていたら…またお前かよっ!


去年と同じ狐なんだろうか?
 

 やや天候が回復した然別湖畔で休憩していると、下からCB1300氏が上がってきた。
 
 どもどもと挨拶し下の状況を聞くと、「士幌のあたりの天気が今ひとつ」との事。う~む、それならなにもここを通らず…(略)
 
 CB氏に「三国峠まで上がれば晴れますよ」と伝えて駐車場を出る。
 よし、天気が悪いならこのまま一気に駆け抜けてやろう。

 士幌の町は成る程霧に包まれていた。
 うっすらとシールドに付く水の粒。頼むぞ、雨だけは降らないでくれよ…

 道道からR38。

 狩勝峠手前の電光掲示板には「視界不良 路面濡れ」の表示。
 対向してくるバイクも半数は雨具を装着している。
 あ~、やっぱり雨なのかなぁ…それならなにも(略)

 

 幸いにも、狩勝峠の路面はドライのままだった。
 しかし峠頂上はすっかり雲の中。そこからの下りも雲なのか霧なのか判断のつかない白い景色のままである。
 こりゃぁどこかで雨具をつけないといけないかな…と山を下り、いくつめかのカーブを曲がる。すると…

 本当に、本当に唐突に、真っ青な空の下に出てしまう。
 
 なんだこりゃぁ!と後ろを振り返るとそこは真っ白な霧の壁。
 まるでドアを開けるように霧のエリアを通過したようだ。

 突然ぎらぎらと照りつける太陽に、慌ててサングラスを取り出す。
 気温も急に上がりだす。
 そうか、心配する事は無かったのか。ははっはっは、やっぱりこのルートをとって正解だったなぁ…(←現金な奴)
 

 道の駅南ふらので休憩。
 
 時刻はまだ12:00前、ううむ、「一気に」とは思ったが、午前中に300km近く走ってしまうとは思わなかった。
 
 途中の曇りの鬱憤を晴らすべく(?)昼飯というかおやつを食す。
 
 オーダーは茹でとうもろこしにジャガバターにメロン。
 ハスカップジェラードが品切れだったのが唯一の心残りである。


まぁ見てのとおりという事で

 さて、ここから先、R38も昨年の朝に走った道。
 
 しかし今日は去年とは天気が段違い。遠くの山までくっきりと見える直線道路は走っていて実に気持ちが良い。
 交通量は多少多いが、時刻と土曜日である事を考えると仕方が無いところだろう。
 

 走りながら「さて」と考える。一体どこに入ろうか?
 そう、路肩に「スイカ・メロン」の看板の立ち並ぶこの辺りで、去年は食べられなかった「露天でメロン」に挑戦するのだ。

 勘で選んだ店の軒先にV魔を突っ込む。
 ヘルメットを脱ぎながら、店のおばちゃんに「ここでメロン食べられる?」と聞くと「大丈夫だよ、今食べるなら冷えたのもってきてやるから」との返事。お~さすが気が効くねぇ。

 メロンやスイカ、トウモロコシが並ぶ軒先に座って待っていたら、奥の冷蔵庫から大きなメロンが出されてきた。

 ざっくりと半分に、そして四分の一、八分の一。
 「はいよ」と渡されたオレンジ色の果肉にかぶりつく。どれどれ、味は…

 「う、旨い…」
 
 旨い、これは旨い。
 味も凄いが、とにかく香りが強いのだ。
 冷えているのに、酔いそうになるほど良い香りである。
 さきの道の駅で食べたメロンも不味くはなかったが、これは段違いの旨さだった。

 物も言わずに食う。
 おばちゃんが「どう、旨いだろ?」と聞いてくるが頷きしか返さない。
 後から来た客が、「あのお兄さん旨そうに食べてるなぁ…」と言っているのが聞こえるが聞こえない。
 半球分を一気に食い尽くす。くそぉ、あと○歳若ければ、あと半分追加するんだが…


この味がねぇ…

 おばちゃんに「うむ、なかなかやるな、親父」(←いや、親父じゃないし)と皮を返す。
 いや、本当に旨かった。バイクじゃなければ3個くらい(土産じゃなく自分用に)買っていたところである。
 

 ヘルメット内にメロンの香りを漂わせながら中富良野へ。

 ホクレンで給油がてら「今日も30度だよ、暑いねぇ」と世間話をしたら、そのすぐ先にあるのが「中富良野森林公園キャンプ場」である。
 

 去年までは無料だったが今年から500円のキャンプ場、受付を済ませ、出入りしやすい場所にテントを設営する。
 よし、これで今宵の宿も確定、身軽な姿で観光にでも出かけるか。


まだ空いてますが

 出掛けにジャケットを脱ぎ、Tシャツ姿になる。
 とにかく今は、ここが北海道だとは信じられないくらい暑いのだ。
 


 キャンプ場のある公園の入り口が「フラワーパーク」になっていた。
 咲く花々を見て周り、ついでに記念撮影。
 
 画像を撮ってくれた人に礼を言っていると、突然後ろから英語で声をかけられた。
 
 「あなたのバイクの写真を撮ってもいいですか?」
 「ええ、特に問題はありません」
 
 俺のV魔をバックにピースサインで写真を撮る韓国人(?)カップル。
 え~っと、大荷物積んでる上にホコリだらけで横にサンダルが下がってるV-Maxなんですがいいんでしょうか?
 
 「あなたのバイクはとても凄いです」
 「どうもありがとうございます」
 
 カタコトの英語で返事を返し、フラワーパークを出る。う~む、このパターンの出会いは初めてだな…


記念撮影をば

 すぐ傍の「ファーム富田」
 駐車場は満員だったが、停める所に苦労しないのが二輪車の良いところである。

 有名な花畑の見学もそこそこに「ラベンダーソフト」と「ラベンダーラムネ」を制覇する。

  
「ラベンダーソフト」は意外な旨さ


 ファーム富田を出たら、一路美瑛へ。
 そりゃまぁここまで来て、美瑛に寄らないはずはない。

 再訪した美瑛では、例によって「なんたらの木」やら「なんたらの丘」をぐるぐると見て回る。
 
 去年と違うのは土曜日の午後である点だろう。
 とにかく観光客の数が多い
 車も多く、駐車場だけでなく路肩に駐車している車が多数。景色を撮影するのに適しているとはいえない状況ではあった。

  
午後の美瑛も雰囲気があっていい感じでした。(客は多いけど)


美瑛 3.8MB 1:00


 「今日は夕日が綺麗だろうなぁ…」と思いつつ、ここで夕方まで待たないのが俺の俺たる所以である。

 道道996を一気に南下、目の前に広がる十勝岳を愛でながら白金温泉を目指す。
 
 ところが到着した白金温泉の営業は5:00pmまで。今の時刻は5:20pm。
 がっくり肩を落とす俺に、白金温泉の係員の方が「この上の白銀荘ならまだ大丈夫ですよ」と教えてくれた。そうですか、んじゃ行ってみますね。

 白銀荘のある十勝岳高原だが、ここが意外に絶景であった。
 途中、大きく回り込むコーナーから見える山と下界の対比が実に美しい。

  白銀荘温泉は趣ある湯船の落ち着いた温泉だった。
 露天風呂から眺める夕日が実に綺麗、たっぷりとくつろいで出てくると、ちょうど日が沈むところだった。


夕日…なんでしょうか?

 薄暗くなった山道を街中へと下る。
 途中、面白そうな景色があると寄り道してしまうのはいつものとおり。


「夜のひまわり」とか

 中富良野のキャンプ場近くへと戻ったのは7:30pm
 
 今日中に給油を、と思っていたのだが、この辺りのガソリンスタンドは既に全部閉まっていた。
 う~む、予想ではそろそろリザーブに切り替わる頃なのだが。
 まぁキャンプ場からGSはすぐだし、スタンドがオープンするまで明日の出発を遅らせれば問題はないだろう。

 夕食はお手軽に市内の店でラーメン。特に可も無く不可もなく。

 ゆっくり戻った土曜日のキャンプ場はやはり結構な混雑になっていた。
 
 「科学の耳栓」を準備しながら考える。
 今日もまたまた走ってしまった。まぁ今日は移動がメインだから仕方ないよね。




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