☆ ツーリング紀行 ☆
激走!林道ツーリング記


とってもいい天気でしたよ・・・ 
 
 ※諸般の事情により、今回のレポートには画像が少なくなっております。
随時脳内で補完しながらお読み下さい。


<2007年6月>

やっぱオフロードでしょ

 福島県でお泊りツーリングが計画される。

 「俺も俺も!」と叫んでみてから気づいたのだが、今回は参加者にオフロード車が妙に多い。
 いつもどおり隼で行こうかと思っていたのだが…「そうか、オフロードか」

 基本的に現地集合現地解散のツーリング。
 だが遠くから来る人も多く、結果同じようなルート・時間の連中はなんとなくまとまって移動する事になる。

 試しに「途中、宇都宮に集まってちょっと林道でも走ってみる?」と誘ったところ、数台の同行希望が出た。
 ふむ、こりゃぁ早いところセローを完治させないといけませんな…
※というか、直してから誘いましょう




 当日、なんとか直った(?)セローに跨り、集合場所で皆を待ち受ける。

 約束は朝9時なのだが、一番遠い参加者はなんと5時に家を出ているという。
 対する俺は、起床時間がほんの1時間ほど前
 自宅から10分の場所が集合場所なのはまぁ、言い出しっぺの特権という事で(笑)

・集合30分前に到着していた人
・30分遅れて来た人
・30分後なのに寝坊してまだ東京にいる人
・集合場所間違って泣きながら電話をかけてきた人

 う~む、やっぱりオフ車乗りには自由奔放な人たちが多…(略)

 それにしても(笑)毎度お馴染みのメンバーも、オフ車に乗っているのを見るのは初めてだったりするのだ。
 なるほど、こういうのもなかなか新鮮で良いですな。(←お前もな)

 「遅れた人はとりあえず昼飯代をよろしく~」と叫んだら、んじゃま、出発しましょうか。

 集合場所のすぐ先は川。
 国道を離れ、いつもの河川敷へと突入する。

 道案内の俺を先頭に、後続は4スト2スト合わせて6台。
 パンパンポンポンと様々な排気音が周囲に響き渡る。

 川原は昨日までの雨で若干の水たまりができている。だが土煙は立たず路面が締まっているので走りやすい。
 
 空はまさに「抜けるような」青空、気温も高い。
 今日は絶好のツーリング日和になりそうだ。

 いつものコースとは言え、先頭を走るのは結構気を使う。
 
 何しろ俺はオフ車に乗り始めて半年しか経っていないド初心者なのだ。
 加えて、跨るセローは参加車中最もローパワー

 反面、後ろの連中は、一騎当千の兵が操るハイパワーマシン。
 今回は「先導する」というより「逃げる」というのが的を射ているだろう。
 まぁその分、後ろの走りを心配する必要はないのだけれど(笑)

 脇を流れる川は本流から傍流へ。細い土手道をえんやらと走る。
 
 冬場は見通しが良かったこの道も、今は路肩から伸びた草に覆われている。ほんの1ヶ月くらいでこんなに変るものなんだねぇ。

 周囲は水田だが、この道は地元の人の散策コースにもなっている。

 水見回りの人。犬の散歩中の人。
 すれ違う時にはゆっくりゆっくり・・・っと。
#くそぉ、先頭を走っていたおかげで後続の初転倒(ブレーキミス)を見逃しちまったぜぃ・・・

 30分かけて、20km程の未舗装路を走りきる。
 給油を兼ねて休憩。オンで20kmというとほんのちょい乗りだけど、オフだとやっぱ違うよね。

 「あれがこれが…」と大騒ぎしたら出発。次はメインの林道だ。
 数キロ走って新緑が綺麗な林道入り口へ。さて、んじゃ行きますか。

 心配していた水溜りはさほどではない。路面が締まって走りやすいのは川ベリと一緒。

 相変わらず先頭を走る。

 いつもの「俺のペース」を守りながら走るものの…「これだと遅いかなぁ、でも飛ばすと危ないしなぁ、崖下に落ちると大変だしなぁ」
 まぁ先は長いのだ。ここは安全優先で行くとしよう。

 そういえば(どうやら電装系は完治したっぽい)今日のセロー。エンジンも好調だ。

 低速の粘りは相変わらず。
 新品同様のリヤタイヤと相まって、砂利のふかふか路面をぐいぐいと登ってくれる。

 点火系が正常になったので火花もこれまでより(多分)強くなったはず。キャブレターは分解洗浄済み。オイルは新品だしエアクリーナーも洗ってきた。
 これでもし調子が悪いなら泣くしかない状況ではあるのだが(笑)

 林道の本線を外れ、通称「バス支線」(謎)の行き止まりで休憩をとる。

 木漏れ日が実に綺麗。脇を流れる小川の水音が心地良い。「あ~、お茶が旨ぇ~っ!」

 本線へと戻る途中、何気ない場所で後続が転倒する。(2台目)

 大げさなものではなかったが、当たり所が悪かったらしくブレーキレバーを折ってしまう。
 こんな時には・・・♪ちゃらっちゃっちゃっちゃら~♪、「予備レバぁー」

 セローを買った時に付いていたRALLYのショートレバー。いざという時の予備に持ち歩いていたのだ。
 これなら大抵のバイクに使え・・・あれ?ヤマハ用は殆んど共通だと聞いてたんだけど、微妙に合わないのは何故だろう?
#とりあえずは付きました。


緑のコントラストが綺麗でねぇ
 

 本線途中にあるいつもの滝を見学。
 オフブーツ姿で安易に川を渡り、帰ってこられなくなる人若干名。

 天気の良さとエンジンの好調さ、参加者の「ノリ」で気分がアゲアゲ(笑)になってきたので、ちょっとだけペースを上げてみる。

 「キープレフトで、減速は早めで、リーンアウトで、フロント過重で、でも直線は開けてやって…」

 ガレ場を抜けた左コーナー
 スロットル開け開けでうりゃうりゃうりゃと抜けようと・・・ズルッ、ガッ、ボテッ
 フロントから綺麗にスリップダウンしました。orz (3台目)

 「くっそー、セローで初転倒だよぉ」
 
 もちろんペースがペースなので人車共にダメージはない。
 よっこいせと起こしている最中、後続に追いつかれる。へんっ、なにもそんなに笑わなくたっていいじゃん・・・

 楽しかったダートはその先で終了となる。

 クールダウンを兼ねて山間の舗装路をぐるぐると回る。
 「あ~、こんなに静かだったのね、この山奥…」
#夢中で走っていて気づかなかった。

 お馴染み龍王峡から五十里湖畔。ここはあえて旧道を使ってみる。
 「うっひゃ~、舗装路だけど走る車がいないから砂や埃で滑る滑るぅ~

 福島の県境まで走って昼飯は蕎麦。
 味・量共に皆に満足してもらえたようで一安心。


いかん、蕎麦の画像がない・・・(↑代わりに天ぷら画像を)

 たっぷり膨れた腹を抱えたら、さぁ、あとは宿まで一直線・・・じゃなく、せっかくだからもう一本林道行ってみます?

 福島県、猪苗代湖南側。
 おなじみharuさんに教えてもらった某林道を目指して走る。
 
 林道入り口はとてもわかりにくかったがなんとか見つかった。
 んじゃ突入・・・っとっとっと、お~い、ここでトグロ巻いているシマ蛇踏まないように気をつけてね~


 この林道も砂利が深い。フロントとリアをずるずる滑らせて走る。
 
 今更だが、タイヤはやっぱり重要だ。
 今までのペースならD605でも不満は無いけれど、ハイパワーマシンと一緒に走るとなるともうちょいオフ寄りの方が楽しそう。
 舗装路でのグリップは我慢することにして、次はフロントだけでもD603にしてみようかな?


 えんやら登って頂上休憩。
 ちょっとした広場に停まってわいわいやっていたら、下から元気の良い排気音が上がってきた。

 「4ストだな。XRかな?それともWRかな?」
 手を振ろうと待ち構える皆の前にコーナーから現れたのは……ロンスイ+スパトラのTWに跨った、半キャップ&Tシャツ姿のお兄さんでしたとさ。
 
 あっけに取られる我々の前を、砂利を蹴立てながら次のコーナーへと消えていくお兄さん。
 「なるほど、林道ってのは生活道路でもあるわけなんだねぇ…」


こんなところにも交通量があるんですな


 下りでパンクしたバイクの修理を待ったり、三叉路でどちらへ行くべきか占ったり、何故か迷い込んで来たファミリーカーの老夫婦に道を教えたりしながら先へと進む。

 よっこらせと舗装路へ出たら、すぐに国道へと合流。会津若松市を抜け、猪苗代湖を回りこむ。

 見上げる会津磐梯山がすばらしく綺麗。いや~、気持ち良い気持ち良い。

 翳りかけてきた日のもと、磐梯山をぐるり回って、今日の宿へと到着する。

 埃にまみれた体でバイクを降り、到着済みのオンロード組みに合流する。
 いやぁお疲れ様でした・・・というか、「ビールくれぇビールぅっ!」


<本日の走行距離=約230km>
<本日の成果=転倒3台、小破1台、パンク1台>
<本日の教訓=そうか、たった230kmしか走ってなかったんだ・・・>
 


2日目もがっつりと

 翌日。

 今日も朝から「どうしたの?」と言いたい位の良い天気。ジャケットのベンチレーションは全開にしておこう。

 まずはオンオフ合同で、磐梯山の西側、ゴールドラインを駆け下りる。
 程よく曲がったワインディングと新緑、空は真っ青、あ~、気持ちいいねぇ…
#ここはまたあとで隼で来よう、うんそうしよう・・・

 高速道路入り口でオン組と「んじゃまた」と別れ、会津若松市をぐるっと回り、山中へ入ったのが午前11時。
 「さぁて、んじゃま今日も行きますか」

 オフ車6台で林道へと突入する。今日は道案内の必要は無い、全線フリー走行となる。

 どピーカンの日に、木漏れ日の中を走るのは本当に気持ちの良いものだ。
 そしてなにより…前走者のテールが見えるとモチベーションが上がるんだよねぇ(笑)
#これはオンもオフも同じだな(笑)

 数キロ毎に休憩。集まってわいわいやりながら山を走り回る。
 後続では「オンボードカメラでの転倒動画」の撮影が行われていたようだが立ち会えなくて残念無念。(4台目)

 道が下りになり、「いやっほぅ~!」とか叫びながら下っている最中。
 
 突然、目の前の木から黒い塊が落ちてくる。そして狙ったかのように俺の胸へとぶつかってくる。
 衝撃はない。何かな?とバックミラーを使ってTシャツの胸元を見ると蛭のようだ。
 「そうそう、昔は田植えの手伝いするとよく足に黒い蛭が…………うああああああっっっ!

 半ばパニックになり、急停車。

 路肩でジャケットを脱ぎ、蛭を引き剥がして放り投げる。

 念の為全身を確認。ジャケットもばさばさ。ううう、やっぱり山中では暑くてもジャケットの胸元は締めておかないと駄目だな。


山が綺麗でしたよ

 1本走りきってほうと息をつく。

 聞けば、他のメンバーも毛虫やシャクトリ虫に襲われたという。
 ま、自然の中を走っているんだから仕方ないけどねぇ。

 2本目の林道は、またまた深い砂というか小石の路面。
 それでも段々慣れてきたのでペース上げてみる。

 リアが流れる、フロントも流れる。
 「ハンドルをしっかり持って、体の下でバイクを遊ばせて」とかなんとか偉そうな事を考えてたら、いきなりリアがアウトへ吹っ飛んだ。
 
 慌ててフロントを合わせると今度はカウンターをくらう
 なんとか安定させようとスロットルを開けた瞬間、グリップを取り戻したフロントタイヤの向きに従い、車体はイン側の路肩へ一直線に・・・バホッ

・・・フロントタイヤが路肩のU字溝にハマりました。 orz

 後ろでげらげら笑いながら見ていた(らしい)某氏に手伝ってもらい、フロントを引き上げる。
 (俺基準で)結構な勢いで突っ込んだんだけどダメージは皆無。うむ、やっぱオフ車は丈夫だわ。

 へとへとになって2本目の林道を走りきる。
 
 山を降りると、そこはなんとスキーでよく来る馴染みの場所であった。
 「へぇ、こんなところに出てくるんだ、全然知らなかったなぁ…」

 3本目の入り口も、これまたツーリングでよく訪れる場所。

 いつもは気にもしなかった路地を入っていくと、森林の中に細く林道が延びていた。
 成程、まだまだ知らない道ってのは沢山あるものなんだねぇ。

 ここは前2本とは異なり、路面の変化が激しかった。

 ・綺麗な林間コースから土の締まった路面へ。
 ・小石びっしりに変ったと思ったら岩の転がる荒地へ。
 ・そしてとどめは海岸か?と見まごうばかり一面の砂地獄。

 うひゃうひゃ騒ぎながら走り抜ける。
 楽しい、凄く楽しい。
 この先どうなるか見当もつかないあたりが凄く楽しいのだ。


さすがに橋の上は砂利じゃありません

 3本目の林道も無事(じゃない人もいたけど)走破完了。舗装路を下る。
 
 既に周囲は薄暗くなりつつある。そのせいか、妙に走り難い。
 「やっぱ疲れたんだろうなぁ、林道これだけみっちり走ったの初めてだしなぁ・・・」

 山を出たところで休憩。
 
 「疲れた疲れた」とわいわいやっていたら、メンバーの一人がうちのセローを指差して言った。
 「パンクしてるんじゃない?これ」 え~うっそぉ~

 ぺこりと凹んだフロントタイヤ。押してみるとぷにゅぷにゅである。

 うは、見事にパンクしてるわ。これじゃぁ峠の下りで曲がらないはずだよなぁ。
#というか、あのペースでよくリムが外れなかったよな…


しくしく・・・

 さすがに予備チューブまでは持ってきてはいない。「しか~し!」
 
 ♪ちゃらっちゃっちゃっちゃら~♪ 「タイヤパンドー」 (こんなのばっかりだな)

 これは、スプレー式でパンク穴の充填・エアー補填ができるというお手軽補修用品なのだ。
 他のパンク修理剤と異なりチューブ、チューブレス両方に使えるので、うちのセローにはぴったりだろうと携帯するようにしていたのだ。
 だが、もちろん実際に使った事はない。さて、本当に塞がるのだろうか?

 説明書のとおり、ホースをバルブにねじ込み、スプレーを送り込む。

 タイヤが次第に膨らんでくる。このくらいかな?というところでバルブを緩めると、白い泡がぶくぶくと沸いてくる。
 なんかカマキリの卵というかモリアオガエルの産卵みたいになっちゃったけど大丈夫か?

 これまた説明書の指示通り、入れたらすぐに走り出す。

 5km程走ってチェック、異常なし。
 その後も走りながら確認するがどうやら大丈夫そう。ふぅん、これ結構使えるかも?
 
 

<余談>

 結局、自宅まで問題なし。というか、一週間経ってもエア抜け無し。

 あくまでも簡易補修ということだが、そこそこの耐久性もありそうだ。

 もちろん、入れた後のエア調整も通常通り行える。
(1回目だけ白い泡の名残が少しだけ出てくる)

 パンクの原因にもよるが(今回は原因不明)かなり使えそう。
 これからセローに常備する予定である。
 

 暗くなりかけた頃、お馴染み川俣温泉付近へと到着。
 この先から霧降高原まで登るのはいつものルート。

 ここで突然、俺の中で何かのスイッチが入ってしまい、舗装のワインディングロードでセローの小僧走りに挑戦してみたりする。

・レッドゾーン(タコメーターがないので推測)まで引っ張りシフトアップ。
・トルクが無い上にブレーキが効かないので加減速では勝負せず、とにかくコーナーリングスピード重視。

 思い切り走ってみると、セローの知らなかった面が見えてくる。

 足りないパワーはギアで誤魔化す。結果オーバーレブ気味になるが意外に回ってくれる。
 タイヤとサスも悪くない。滑る気配がなかったのは低いトルクのおかげかも。
 あとはブレーキがもう少し・・・ってそれは高望みしすぎかな(笑)

 一気に上った霧降高原から先は……なんとが降っていた。
 「あんなに良い天気だったのになんでここだけ雨なんだよ…こりゃ誰か強烈な雨男が潜んでいるんだろうな…」
#何しろ俺は天下御免の晴れ男だからねぇ

 地形のせい、というよりは夕立の名残のような変な雨である。
 一旦は止んだものの、旧霧降高原有料道路を降りるとまた雨足が強くなる。
 まだまだ先がある他のメンバーは雨具を着込むが・・俺はいいや、もう濡れちゃったし

 高速を使って帰る他のメンバーとは、日光市街でお別れとなる。
 
 いやいや、楽しい2日間をありがとう。また遊んでねぇ~というか遊んでくださいお願いします。m(__)m

 皆と別れ、日光から先はいつものルート。

 南へ下るにつれ雨は当然のようにあがり、空には星すらまたたきはじめる。
 あ~、濡れたGパンが気化熱で冷えるぅ~

 寒さに震えながら考える。

 帰ったらまず風呂。2日分の泥とホコリがたっぷりと付いたジャケットとGパンも洗濯しないと。
 洗車とブーツの掃除は…明日以降でもいいよね…
 
 
 

<本日の走行距離=約350km>
<本日の成果=転倒2台、中破1台、パンク1台>
<本日の教訓=よ~し、近々リベンジに行くぞぉ・・・>


<エピローグ>
 
 それにしてもセローは凄い。凄いというか懐が深い。
 一般的に「万能」というのは「中途半端」に繋がるのだが、俺程度の腕だとまったく関係なし。
 サスもエンジンも、まだまだ限界の「げ」さえ見えてはこない。
 確かに「もうちょっとパワーがあれば…」という気はしないでもないのだけれど、変に弄っちゃうと今の良さも消えてしまうんだろうなぁ。




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