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<2007年8月14日>
■行きつ戻りつ
5:30起床、6時過ぎ、出発準備完了。
素泊まりなので朝飯を待つ必要はない。オーナーに挨拶して宿を出る。
通りまで出て暖機。
早朝のサロベツ湿原は霧に煙っている。目の前の道路も霧の向こうに消えている。
初日の霧と比べると…どっちもどっちかな?
霧に包まれた湿原
★
ゆっくりと発進。湿原を横断する。
他に走る車は無い。セローのトパパパパパという排気音だけが響いていく。
夕べたっぷりと寝たはずなのに、朝から眠くなりそうな心地よさだ。
7時過ぎ、セイコマで朝飯。もちろん豆(略)グラ(略)
R40を南下する。
時間と共に霧は晴れ、ぎらぎらとした太陽が照り付けてくる。うひゃぁ、今日も暑くなりそうだなこりゃ。
晴れてきました(寄り道中)
★
「物満内川」を渡る手前でわき道に入る。ここに物満内林道という林道(そのまんま)を見つけたのだ。
さほど遠回りにならずにR40へも復帰できるし、ちょいと遊んでいくことにしよう。
★
突入した林道は明るく走りやすかった。
早朝だというのに路肩に停まる釣り人の四輪駆動車。人が入っている林道なら安心して走れるというものだ。
最初は川沿いの明るい道だったんです
ところが、途中から雰囲気が怪しくなる。
周りから伸びる夏草が、尋常な量ではなくなってきたのだ。
最初はひょいひょい避けられた草が、びっしりと道路を全部覆うほどになる。
ばしばしと左手でどけながら走る。草に付いた夜露とよくわからない汁でウエアとメットがべとべとになる。
「なんだなんだこれわ。誰も走ってないのか?ここ」
次第に路面も悪化する。
踏みならされたダートから、ゴロタ石の転がる河原状の路面へ。そしてぐずぐずの砂へ。
とりあえず進みましたけどね
とりあえず進みましたけどね(2)
入り口から10kmのポイントで停止。
「そうか、ここで丁度半分か。でもなぁ、あと半分これが続くんじゃなぁ…」
草に囲まれて呆然と立ち尽くした後、「名誉の撤退」を決意する。
★
秘儀「どこでもUターン」を使い、引き返す。
来る時同様がさがさやりながら走り、やっとのことで林道の入り口付近まで戻る。
やれやれと丁度歩いていた釣り人に話を聞くと、「あ、抜けられないよ、この道は」 な、なんですとー!
理由ははっきりしなかったが、途中までは(釣り等で)入る人はいるが、向こう側に抜ける人はいないのだとか。
そして、来る時にはちらり見しかしなかった林道の標識に気づく。
しっかりとかけられた「抜けられないよ~ん」の看板。
あ~これに気づいてればもう少し早く戻ったのにぃ~(←悪いのは自分)
人間、何事も自分の都合のいいように考えがちですからねぇ…
★
戻りついたR40の路肩でジャケットを脱ぎ、ばさばさとやる。
あれだけのヤブを抜けてきた割には、肩に小さな毛虫が一匹乗っていただけだった。
一安心して、露と怪しい汁が乾くまで、ウエアをバイクの上に干して休憩する。
あー、また一段と日差しが強くなってきたなぁ…
★
9:00、道の駅おといねっぷで休憩。
9:30、美深から例によって無料の高速道路で名寄へ。
10時過ぎ、道の駅絵本の里けんぶちで休憩。しかし最近の道の駅の名前にはなんでこう小恥ずかしく(略)
この道の駅の「売り」の一つは自家製パンらしい。「豆パン」も売っていたので買ってみる。
うん、確かに旨いな。でもちょい上品すぎかな?俺にはやっぱりセイコマの奴のほうが似合ってるかも。
美味しかったですよ
★
旭川をスルーし、12時前、美瑛到着。
それではといつもの丘めぐりを……の前に、やっぱ昼飯を食べないと。
目立つ食べ物屋の少ない美瑛の街。どこにするか迷ったのだが、いつもは行かない駅近くでラーメン屋を見つけたので入って見る。
結構古い店だ。中はそこそこ広いが暗くて雑然としている。
老夫婦2人でやっているようだが、注文も調理もあまり手際が良いとは言えないような。
普通のラーメンを頼んだのだがちょい不安。「こりゃぁ変な店に飛びこんじゃったかなぁ…」
ところが、「お待ちどうさま」と出されたラーメンは不味くなかった。
いや、不味いどころか「旨いぞこれ」と思ったほどだったのだ。
麺もそうだが、特にスープが旨く感じた。何でだろ?腹が猛烈に減っていたってわけでもないんだけどな。
「不思議だねぇ?」と首をかしげながら店を出る(←いや、旨かったならそれでいいじゃん)
#差し支えがあるとアレなので、「あ、それ○って店ですよ」的なレスはご容赦を。(DMなら可(笑))
★
さて、あらためて美瑛といえば丘めぐり。今年もあれやこれやをぐるぐると見て回るとしよう。
今年はなにしろバイクがセローである。
今まで指を咥えて見ているだけだった枝道やわき道にも思う存分踏み込んでみるのだ。
#いや、V魔や隼で踏み込んだこともあるけどさ(笑)
そんなわけで、今年は「この画像はどこで撮ったんですか?」という質問にはお答えできません。
だって判らないんだもーん。(←開き直り)
そしてセルフタイマー失敗
★
丘を存分に楽しんだら、今度は十勝岳方面へと走り出す。
目指すは温泉…ではなく、実は池。
友人から「この辺りに珍しい景色があるよ」と教えてもらったのだ。
★
教えられた目印を辿りながら枝道へと入る。
こう行ってそう行って…あ、ここがそうかな?
砂利の林道の先に広場。その右手には不思議な光景が広がっていた。
なんか凄いでしょ?
枯れ木が立つ小さな池。その水の色は見事な青。
これは裏摩周近くの神の子池にも通じる青さだ。
湖畔で「不思議だねぇ」と見入ってしまう。
横を流れる川も、よく見れば水の色が青い。どれどれと上流を見に行くとこちらも青い。
上にある(はずの)温泉の影響でこんな色になっているのだろうか?
雲が流れ日が差し込むと、その青さが更に増していく。
★
たっぷりと鑑賞した後、舗装の道道まで戻る。
綺麗な小川をみつけ、川沿いまで下りて手と顔を洗う。「あー!冷たい水が気持ちいいっ!」
綺麗な小川
★
ほっと一息ついて思い出す。
「そうだ、オイルはどうなっているかな?」
初めて長距離に使ったセロー。
事前にWEBで調べると「セローはオイルが減るから注意せよ!」と書いてあるところが多かった。
今回は念のためにエンジンオイルを少しだけ持ってきてあるのだ。
★
どれどれと、セローを垂直に立ててオイルチェック……って、「げ、レベル窓に出てきてないじゃん!」
出発直前のオイル交換時に真ん中まで入れたはずのオイル。これが見事に減っていた。
「む~、まだそれほどの距離走ってないんだけどなぁ?」(←いや、結構走ってるかもよ)
ぶつぶつ言いながらオイル補充。目測100ccちょいでレベル窓の下限にオイルが現れた。
結構減るもんなんだねぇ…ところで減った分って燃えているんだろうか?それともブローバイ?
白煙も出てないし、エアクリボックスがべとべとになることもないんだけど?
★
見上げる十勝岳にはうっすらと雲。気温は高く、ガソリンは充分にある。
よーし、夕方まで走り回るかぁっ!
これは?と思った山道へと踏み込んで行く。
・小川沿いに続く林道では、走る程に山が深くなり、熊が怖くて引き返す。
・長く長く続く砂利ダートを駆け上がると、何故かそこはニンジン畑。
・引き返しがてら違う道へ入ると、こちらはキャベツ収穫の真っ最中。
何がでるか、どこへ出るのか、まったく判らない辺りがどうにも面白くて仕方がない。
いや、オフ車で北海道ってのはやっぱ本当に楽しいわ。
うねりながら延々と
これまた何気に行った、日新ダムを一回りするルートが特に気に入った。
路面はフラット。中央に夏草が生えているせいかとても明るく感じる。
周囲の木々も「覆いかぶさる」感じではなくて好印象。林道初心者の練習に丁度いいんじゃないか?とか偉そうなことを考えてしまう。
気持ちの良い道でした
たっぷりあったガソリンを一気に減らして美馬牛で給油。
同じ時にGSに入ってきたジェベル氏にキャンプ場を聞かれ「中富良野森林公園はなかなか良かったですよ」と通ぶってみる。
夕刻、上富良野の今宵の宿へと到着。
荷物の整理もそこそこに、とりあえず風呂、そしてビール。
「ぷはぁっ、やっぱビール旨ぇっ!」
実はこの宿は、夕食の旨さも結構有名なのだ。
「さて、今夜は何が食べられるのかな?」
<本日の走行距離=約370km><給油回数=2回><教訓:まだまだ入っていけそうな林道が山ほど…>