☆ ツーリング紀行 ☆
思いつき北回り記


「気分が乗ったので…」とは言いますが 
 


<2007年8月>

はじめはチョイ乗りのつもりだったんですけどね

 中途半端な仕事とヤボ用で、せっかくの土曜休みが潰れてしまう。
 翌日曜日は朝から綺麗な青空。気温は高く、降水確率は0%。

 「おーし、出かけるぞぉ」

 メッシュジャケットを着込み、隼をガレージから引っ張り出す。
 エア圧チェックをしながら考える。さて、どこへでかけるか?

 今日は8月最後の日曜日、となれば・・・うむ、やっぱとうもろこしを食いに金精峠かな。

 隼、エンジン始動。
 よいしょと跨ると、久しぶりの隼は妙に車体が大きく感じられる。

 軽くレーシング。
 ギアを1速に入れ、クラッチを繋いだ瞬間、「うわ、トルクすげぇっ!」

 ゴリッと前へ出る感覚に慌ててしまう。
 「そうか、ここのところずっとセローだったからなぁ・・・」

 大通りへと出、いつもの道を北へと走る。

 走るにつれ、体が次第に隼の乗り方を思い出してくる。

 グリップが。
 シートが。
 ステップが。
 
 全て「あるべき位置」に落ち着いてくる。

 大きかった隼の車体が、体の下で次第にコンパクトになっていく。
 「そうそう、この感じこの感じ…」

 某所でフル加速を試す。

 2速でふわりと持ち上がるタイヤ。それにかまわずスロットルを開ける。

 10000rpmでシフトアップ。加速。シフトアップ。

 加速に目が付いていかない。体の下で猛烈な力が暴れているのが感じられる。
 うはっ、やっぱ凄ぇよこのバイク…

 凄い凄いとスローダウン。いつものまったりペースに戻していく。

 到着した日光市。

 さほど混雑していないいろは坂を、いつものペースで駆け抜ける。
 妙にしっとりとした足回りに感じるのは気のせいか?
 「そういえばフォークOHした後、いろは坂に来るのは初めてだったかも?」

 メンテした価値はあったみたいだな、と思いながら半月山へ。

 こちらも混雑はない。
 相変わらず読みにくいカーブの連続に苦戦しながら峠を登る。
 結構な回数来ている機がするのだけれど、毎回同じ場所でオーバーランしそうになるんだよな。

 駐車場で男体山と中禅寺湖を見ながら一息つく。
 おし、もう少し登ってみるか。


ちょい雲が出てきました

 一旦中禅寺湖畔まで降りて北上。戦場ヶ原の先はちょいと寄り道して林間コースへ。
 あー、木漏れ日が気持ち良いなぁ…


こちらは晴れてます


 ヨシムラの排気音に聞き入りながら金精峠を登る。
 
 相変わらず高い気温だが、頂上のトンネルの中だけは震えがくるほどの冷え込み。
 カウルの中に体を押し込んで一気に駆け抜ける。

 ぐわっと下ればそこはもう「とうもろこし街道」
 
 道沿いの店を眺めながら走り、まぁ慌てることもあるまいと、まずは隼に給油する。

 ガソリンが流し込まれると共に冷えていくタンクが気持ち良い。
 見上げる空をゆっくりと雲が横切っていく。

 「あー、なんか気分が乗ってきたなぁ…」

 とうもろこしは逃げはしない。もう少し、もう少しだけ走ってみるか。

 隼発進。
 片品村からR401を尾瀬方面へと向かってみる。

 尾瀬戸倉からは水上方面へ。

 この先は何度か来たことがあるルートだが、よくよく考えてみると一人で走るのはこれが初めてだ。

 2,3速を使いながら走る峠道、次第に山が深くなってくる。

 とにかく木が太い。緑が濃い。
 「こんなに深い森だったんだ。やっぱり一人で走ると感じが違うものだな…」


そして川沿いでもあります

 山を越え、下る途中で看板を発見して急ブレーキ。
 奈良俣ダムにちょいと寄り道。

 これまで下から見上げる事しかなかったこのダムだが、上から見てもその迫力は変わらなかった。
 へええと見て回る。
 水上から比較的近いからだろうか、結構な数の観光客もいることにもびっくり。


高所恐怖症の方にはお勧めできません

 さぁて、ここまで来たならあそこにも行かねばなるまい。そう、一の倉沢へ、だ。

 R291へと出て北上。
 天神平へのロープウエイ乗り口を過ぎ、急に細くなった道をゆっくりと進む。
 
 この道は4輪だとすれ違いが難しいほど狭い。
 今日のような休日だとそこそこ交通量があり、時折行き違いできず大騒ぎになる。
 う~ん、気持ちはわからないでもないけれど、何も混雑する時期にわざわざ大きな四駆で入ってこなくてもいいと思うんだけどなぁ…

 到着した一の倉沢(の下)
 相変わらずの景色におおと感動する。
 さすがにこの辺りまでくると涼しい。下を流れる川の水も冷たくて実に気持ちが良い。


相変わらずの景色でした

 景色を楽しみ、たっぷり涼んで出発する。

 一旦沼田まで降りてR120。
 ついでにこれまた久しぶり、「吹割りの滝」を覗いてみる。
 「おお、相変わらずの景色だな。ちょい滝の形が変わったかな?」(気のせい?)

 R120をそのまま走り、金精峠から日光は来る時同様のルートだ。

 夕刻、自宅着。
 「ふぅ、走った走った。久しぶりの隼に浮かれてたっぷりと走っちまったぜぃ!」

 やれやれとヘルメットを脱ぎ、ガレージへ隼をしまいこんで気づく。

 「あ、とうもろこし食べるの忘れた…」
 

<本日の走行距離=約400km><本日の教訓=今シーズン、もう1,2回行けるかな?>




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