晴れ男健在!
<2009年6月>
■楽しみにしていたんですが
6月6日6:00am、天候:雨。
ガレージの中でがさがさと雨具を着込む。
ピカピカ新車のVMAXでの雨中走行はできれば避けたいところなのだが…なぁに、いずれは通る道さ…
★
今日は静岡県の富士スピードウエイ(以下FSW)で、ヤマハ主催の「VMAXオーナーズミーティング」が開かれる。
これは新型VMAX国内仕様のオーナーのみが参加できるイベントで、なんとFSWのフルコースを自分のVMAXで走行できるのだ。
この日の為に夜まで走り、更に休暇までとって慣らしと初回点検を間に合わせた。
なのにこの無常の雨である。
正直、「雨じゃ行ってもなぁ…」とは思った。
何しろ現地まで片道4時間はかかる。その上ウエット路面のサーキットは走って面白いものではない。
だが、VMAXでは初めてとなる公式ミーティング。FSW自体にも行った事がないので興味深々。
天気予報も「今日は雨ったら雨!」から「午後は止むかも?」に変わりつつある。
なんと言っても俺は「天下御免の晴れ男」、そのパワーを信じて出かけることにしよう。
★
雨のそぼ降る朝の新4号国道をVMAXで南下する。
もちろん走りに問題はない。
ノンカウル&アップライトポジションにも関わらず、雨粒の当たりがさほど強くないのは風圧同様メーターパネルのカウル効果なのだろうか。
「問題はない」とは言うものの、ラフなスロットル・クラッチ操作をするとリアが流れるのは大排気量車の宿命だ。
無用に水溜りに突っ込まないように、タイヤを白線に乗せないように、注意しながら走っていく。
※横断歩道で20cmほどリアが流れて冷や汗かいたのは秘密
★
埼玉県の越谷市で給油。
外環を使って大泉、環8に乗り換え南下。「あーやっぱ混んでるなぁ、雨のカンパチ」
無理しない程度に摺りぬけながら前へと進む。
新型MAXの摺りぬけのし易さは旧MAXと同程度。
以前インプレで「し難さは旧MAX以上セロー未満」と書いたが、今日はミラーを交換してきてある。
ワイズギア製で、低めでちょい前へ出たいわゆるリュートミラーという奴。
もちろん絶対的な車幅(ハンドル幅)は変わらないが、こういう部分って結構影響するものなのだ。(精神的にね)
★
東京インターから東名高速へイン。
混雑はそこそこ。路面は相変わらずウエット。ま、慌てず行くとしよう。
海老名SAで休憩。
屋台の饅頭を齧りながら空を見上げる。お、ちょい明るくなってきたかな?
まだびしょ濡れだけどね
★
これまで真っ暗だった空だが、少し雲が切れてきた気がしないでもない。
もちろん富士山は見えないが、「せめて雨は上がってくれよ…」
このSAで再度の給油。
旧MAXのツーリングだと、自宅を満タンで出ればここ海老名まではぎりぎり辿り着くことができたものだ。(逆に言うと、ここで入れ忘れると酷い目にあう)
新MAXでは当然無理。それでも越谷で入れた分が高速を降りるくらいまでは持ちそうなのだが、無理せず早めに入れておくことにする。
御殿場ICで東名を降りる。さて、FSWはどこだ?
念のためもう一度給油する。(サーキット走行前に満タンにしておくよう指示されているので)
ついでにGSのおばさんに道を聞いてみる。
いや、だって雨だと地図出すのが面倒でさ。
教えられたとおり走り、15分ほどでFSW東ゲートへと到着。おお、意外に近かったなぁ。
★
ゲートで持参した入場チケットを渡し、中へ入る。
ヤマハ主催だけに、今日のイベントは全て無料なのだ。
もちろんFSWへの入場料も必要なし。
サーキットのピットには、大きな垂れ幕とテントが張られていた。
誘導されるままその前にMAXを停める。と、いきなり大勢の係員に取り囲まれた。
「お疲れ様です」「受付はあっちで」「バイクはピットに」
あ、ああ、いや、はい…(恐縮)
到着ぅ~
とりあえずとVMAXをピットに入れる。
ピット入り口にはなんと個人の名前が書かれたボードが用意してあった。
うーむ、なんというVIP待遇。
受付を済ませ、参加証明のタグと記念品を貰う。
ピットへ戻り荷物を整理して…あ、この部屋使っていいんですか?
係員用の部屋を使用してくれとのこと。そして用意されたハンガーにはこれまた個人の名前が貼ってある。
うーむ、なんというVIP待遇。
感動していたら外から声を掛けられた。
「走行会用にミラー外しておきますね、あとライトにテーピングを」
え?ああ、そんな事までしていただけるんですか。
うーむ、なんというVIP待遇。
入り口にはこんなプレートが
(4ピットあり)
★
時間はまだ早い。
そのせいか他の参加者の影はまばら。相応の応募があったと聞いていたのだが、天候が天候だけに実際に来る人は少ないのかもしれない。
さて、それでは今のうちに昼飯でも食っておくか。何事にも飯ってのは大事だからねぇ。
場内のレストランへ出向き、メニューを眺め、「キーマカレー」をオーダーしてみる。
もちろんこれも無料。しかもソフトドリンク付きである。
意外、と言っては失礼だが、カレーは本格的で旨かった。しかも量もたっぷりとある。
口中の辛さをコーラで洗い流しながら、窓から空を見上げてみる。
どうやら雨は上がってくれた。そして空はまたちょっと明るくなった気がする。
路面も次第に乾きつつある様子。
うん、この分なら走行会の頃には路面はドライに変わるかも。晴れ男のイベントははやっぱこうでないといけないよな。
カレーと参加者タグ
食事を終えてピットへ戻る頃、ぽつりぽつりと他の参加者が現れるようになっていた。
俺同様、到着するや否や大勢の係員に囲まれる参加者。いや、そりゃ慌てますよねぇ。
★
イベントにはまだ時間あるし…と、ピットに置かれた椅子で雑誌を読んでいたら、「ちょっとよろしいですか?」と声をかけられた。
雑誌の記者の方で、VMAXの感想を聞きたいとの事。
あれこれお話して「ありがとうございました」と去ると、違う人が「ちょっといいですか?」と声を掛けてくる。これまた雑誌の記者の方で……
これを繰り返す。
今日は何かとても数多くの雑誌(マスコミ)が取材に来ている気がする。
個人的な事情から名前とか顔写真とかはお断りしたが、あれだけあちこちで写真を撮っているとどこかに紛れ込んで映っている予感がする。
え~、どこかの媒体で俺の画像見かけても指摘しちゃ駄目だよ→常連各位(笑)
★
わいわいやっていたら、あっというまに12時を過ぎてしまった。
「そういえば12時過ぎにライディング講習会があるんじゃなかったっけ?」とスケジュール表を見直してみる。
講習会の場所はちょい離れた駐車場らしい。そういえばなにやらそんな案内放送が流れていた気もする。
「スクールなら参加してみたいんだけどな、とりあえず身ひとつで行ってみるか」
出かけた駐車場では、既に講習会が始っていた。
知ってる人にはお馴染み、柏秀樹氏のライディングスクール。
「うわー、参加してぇー」
どうやら車両に乗ってくれば参加できたようなのだが、歩いてきた俺には後の祭り。
くっそー、その辺り前もって教えてくれていればなー(←自分で聞きましょう)
雑誌でお馴染み柏さん
それでも人の講習を見ているのは勉強になるものだ。
取り回し・Uターン・ブレーキング
説明を聞くとなるほどと思うのだが、知識と実践はもちろん別物。
「あとで俺も練習しようっと…」
神業的な「VMAXでの定常円旋回ステップ摺り」を見てひたすら感動する。
#いつまでもUターンが怖いとか言ってちゃ駄目だよな・・・ぶつぶつ
そしていつの間にか青空が
★
定刻。場所をパドック2Fに移して走行会のブリーフィング(事前説明会)が始る。
#ここでも飲み物無料。
やはり今日は参加者が少ないとのこと。50数人の応募に対し半数程度のようだ。
その為当初のグループ分けが変更になる。
なんと、インストラクター1人に2人づつという贅沢な走行会となった。
ブリーフィングは真剣に
俺が走るのはAの1組。なんと先頭の組である。
準備を整え、ピットでわくわくしながら待つ。
次々にピットロード並べられる新型VMAX。予定より少ないとはいえ、これだけの台数が並ぶとさすがに壮観である。
A組準備開始
(撮影:F氏)
薄日の差し始めた富士スピードウエイ本コース。もちろん路面は完全ドライ。
インストラクターの方に「よろしくお願いします」と挨拶をしたら、さて行って見ましょうか。
んじゃ行きますか
(撮影:F氏)
★
ゆっくりとコースイン
すぐの1コーナーは思っていたより狭かった。
TVだともっともっと広く見えるのだが…ここに4輪のGTカーが何台も並んで飛び込んでくるなんて信じられない幅である。
下りながらうねって左ターン、高速右100Rの先は左ヘアピン。
右300Rをぐわっと加速しながら回ってシケインの切り替えし。
大きなS字を振りかえせば最終右コーナー。
これを立ち上がって・・・全開。
「うっひょーっ」
ここまでの各コーナーでもその予感はあった。そしてそれが現実になる。
初めて9000rpmまで回すVMAX。初めに「ドン」ときた段階で尻がシートバックに押し付けられる。
そのままぐわっと加速が続く。風圧というより、加速に対抗する為ダミータンクに伏せてみる。
「うひー、V魔凄ぇ~」
タコメーターの針はあっという間に跳ね上がり、4速にシフトアップしたところでリミッターが効く。
実は事前のブリーフィングで、「ストレートのゲート1つめから先はゆっくり減速してください」と言われていた。
「えーつまらないぃー」と思ったのだが、成程、そのゲート手前でリミッターが効いちゃうのね。
★
2週目からペースが上がる。
先頭の組だからなのか人数が少ないからなのかそれとも単なるサービスなのか、先導するインストラクターの方がスロットルを開けてくれる。それはもう結構な具合に開けてくれる。
もちろんコーナーでは早めのブレーキング&ゆっくり旋回。
そしてその分、立ち上がりでぐわっとくるのだ。
いや、面白い面白い。
加速もそうだが、コーナーリングも面白い。
車体はとにかく凄い剛性感。フレームは本当にぴくりともしない。
速度3桁で長くバンクさせたまま曲がっていくコーナーでも、「何も・問題は・ない」
さすがにバンク角は控えめで、気をつけてはいたのだけれどヘアピンやS字のクリッッピングポイントでステップがパリパリ音を立てる。
しっかしまあ、これだけデカい車体でなんの不安もなく走れるってどういうことだこのバイクは。
伏せが甘いぞ
(撮影:F氏)
★
天気はまたまた良くなってきた。
1コーナーを曲がっていくと、コースサイドの真っ青な芝生とその向こうの素晴らしく綺麗な丘がに目に入る。あー、カメラ車載してくればよかったなぁ…
最終コーナー立ち上がりの加速では、速めに5速へも入れてみる。
5速だと6000ちょいでリミッターが効くが、そのまま惰性で速度が上がる。
例の「1つ目のゲート」下で194km/hを記録。むぅ、この雰囲気だとリミッター外せばあんなことやこんなことに・・・
20分の走行時感はあっという間だった。
ついつい左足を上げて合図しながらピットイン。
「うっひょ~、今日は来て良かったなぁ」(だろ?)
ゲートには粋な演出も
★
ピットへMAXを入れ、やれやれとヘルメットを脱いだら、「これどうぞ」とおしぼりを渡された。
あ、ありがとうございます、というかそこまでして頂くと恐縮してしまうんですが。
#うーむなんというVIP待遇
ピットレーンから、次の組の走行を眺めてみる。
最終コーナーの立ち上がりは、やはりどの組も「全開」のよう。
「凄いよな、普通の先導車付き走行会でこんなのありえないよな。」
それだけオーナーを信用してくれているという事なのだろう。
その後の2本目の走行も充分に楽しんだ。
「少し前と間隔を空けてもいいですよ」というインストの言葉に甘えて、ライン取りをいろいろ試してみる。
あーでもやっぱインストさんが走ってるラインが一番理に適ってるわ。(当然です)
「うはははは」
(撮影:masa氏)
これまたあっという間の20分が終了。
おしぼりを今度はキャンギャル(?)のお姉さんから渡されて更に恐縮してみたりする。
#うーむなんというVIP待遇
★
その後はまたまた雑誌のアンケートやらなんやかや。
某パーツ屋さん(というかワイズギアですが(笑))に作って欲しいパーツを聞かれたので、キャリア機能付きタンデムグリップバーを希望してみる。
「ええ、キャリアっぽくないバーだけの造りで、ネジ穴だけ開いてればあとはどうとでも。もちろんできるだけ安くお願いします。あ、あと製品化の際にはアイディア料がわりに特別価格で…」
その他、ヤマハの開発担当の方々からも数多く声をかけていただいた。
「エンジンどうですか?」と声を掛けてきた方(エンジン開発担当とのこと)はなんとお子さん連れ。
いいなぁ、こういう雰囲気って。
これは展示してあったY'sギア仕様
タンクバッグ&サイドバッグの実物は初見かな?
★
知人連とあれこれ話し混んでいたら、あっという間に5時前になってしまった。
後片付けのはじまったピットで慌てて荷造り。
くそお、乾いた合羽とお土産(記念品他)積み込んだらバッグが一杯になっちまったぜ!
YAMAHAの方の「お疲れ様でした」の声に送られてピットを出る。
いえいえこちらこそありがとうございました。次回もまたよろしくお願いします。
帰り際にはまたちょっと雲が
御殿場ICから東名高速へ。
海老名SAで給油&自分の腹へコーヒーとカツサンドを突っ込む。
朝同様の混雑の環8をかいくぐり、外環道路。
草加から国道4号へ降りてまたまた給油。
暗くなった国道をゆるゆる走り、途中で軽く休憩&食事。
自宅への到着は22時となった。「うひ~」
★
出かけるときはどうなるかと思ったが、とても楽しめた一日だった。
天気が回復した事はもちろんだが、係りの方々の細やかな気遣いがイベントをより盛り上げていたように思う。
たった20数人でFSWを半日貸切りにして走れる機会などこれから先もそうは無いはず。実に充実した一日だった。
8月の末には第2回のオーナーズミーティングが企画されているという。
場所はまたここ、富士スピードウエイ。
その頃にはVMAXオーナーも増えているだろうし(天候にもよるだろうが)より多い参加者があるに違いない。
参加するのが今からとても楽しみだ。
それにしてもYAMAHAは大丈夫なのだろうか?これに経費掛けすぎて赤字出したりしないよな?(←大きなお世話)
記念品のVMAX時計とピンバッヂ
赤いキーホルダーはアンケートのお礼にと頂いたもの
★
新型VMAXに関して言えば、とにもかくにも「何も・問題は・ない」
いや、こんなデカいバイクがサーキット走ってなんともないなんて、ホントいったいどんな造りになってるんだか・・・
さて、明日はまずこの汚れた車体を洗うとして……気分が乗ったらその後走りに行っちゃおうかな(笑)
★
Special thanks F氏、masa氏
<了>