☆ ツーリング紀行 ☆
北海道ツーリング2009 "七転び八起き" 記

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今回のツーリングではドピーカン画像はありませんがご容赦を(笑)
 


今年も休めました

 2009年のお盆休み、今年も無事に夏季休暇がとれた。
 しかし期間は僅か5日(+α)、これでは北海道へ出かけるなど到底無理と半ばあきらめていた。

 ところがまぁ、捨てる神あれば拾う神あり(←使用法違)

 朝出発明け方着の往路フェリーに空きがあり、帰りも朝着という便に空きがある。
 これなら帰ってくる日の午前中だけ休暇をとれば、北海道に丸々3日居られることになるのだ。
 よし、3日あればなんとか楽しめる…よね?

 さて、今回で6回目となる北海道ツーリング。
 つらつらと考えて、今年のメイン目標は「島渡り」にしてみる。
 
 北海道本土(?)とまたちょっと違う雰囲気があるという礼文島に渡ってみるとしよう。
 噂に聞く礼文のウニが本当に美味しいかどうか試してみたかったところだし。

※礼文島といえばお隣の利尻島とセットで行くのがお約束だが今回はパス。いや、島へ渡るフェリーの時間を考えるとどうやっても予定がつかなくて…

<2009年8月12日>

辿りつくまでが大変で

 深夜3:00、セロー、エンジン始動。

 新潟発のフェリー出航は午前10時過ぎ。高速が苦手のセローとはいえいくらなんでも早過ぎる出発だ。
 でも午前4時前に高速道路に乗らないと、せっかく付けたETCの料金50%オフの恩恵にあずかれないんだよね。(←貧乏性)


さて、行きますかね

 暖機時間を使って指差し確認。ガソリンよし、オイルよし、タイヤよし。
 闇夜に煌々と光るニュートラルランプ。それはもうあかあかと灯って……

 ◆問:どうしてこんなに明るく感じるんですか?
 ■答:ヘッドライトが点いていないからです。

 「うわー、ライト切れだっ!また土壇場でコレかよっ!」

 ヤバいヤバいとパニくる頭の中で悪魔が囁く。
 「大丈夫、高速乗っちゃえばライトなんていらないって。それに2時間もすれば夜が明けるんだぜ?」
 反対側から天使が呼び掛けてくる。
 「ロングツーリングに整備不良で出かけるなんてとんでもない。どこをどう走ることになるかわからないんだぞ。」
 
 腕組みして考える。時間に余裕が無いわけではない、ここは素直に天使に従っておこう。

 ヘッドランプ外してバルブを引っこ抜いて。オフ車はこの辺りが簡単にできるのがありがたい。
 そして交換するバルブには困らない。うちのガレージにはH4-60/55Wのバルブはそこいらじゅうにごろごろ転がっているのだ。
※但し車検に通らない奴ばかりだがな、はっはっは。

 ついでにとあちこちチェックしていたら、いつの間にか3時半になってしまった。
 いかんいかん、下手すると4時に間に合わなくなるぞ。

 慌てて出発。国道と県道を乗り継ぎ東北道へと乗り込んでいく。
 無事4時前にゲートを通過、ETCの動作はもちろん問題なし。
 
 案の定というかなんというか、真夜中(明け方)だというのに東北道にはかなりの交通量があった。
 
 今日は例の1000円MAXの対象日ではない(明日からなんだよねぇ…)ので空いているかな?との甘い期待を抱いていたのだが、やはりお盆休みはそう生易しいものではないようだ。
 
 左側の車線をトラックに挟まれて走る。
 
 荷物満載トラックの巡航速度は90-100Km/h。夜中の東北道にしてはかなりゆっくりなペースだが、これはセローにとってベストな速度域なのだ。

 去年は移動時間に余裕がなく、セローは高速道路で長時間の全開走行を強いられた。
 結果があのブローバイたぽんたぽん事件(…と思う)
 今年はさほど急ぐ必要はない、このペースをキープできればブローバイもさほどではないだろう。
 それにほら、胸のポケットに入れたiPod shuffleの中にはチャットモンチーを突っ込んできてあることだし(←意味不明)

 「♪行け!行け!」とか喚きながら走っていたら、路肩にちらっとバイクと人が見えた。

 前を走るトラックの影になって直前まで気づかなかったのだが、青いオフバイクを押していたように見えた。
 
 「停まるか?」と思ったが、すぐ後ろにもトラックが迫っている。路肩に寄せるにも前が見えにくい。
 迷っているうちに数百メートルを走ってしまう。

 ん~、あのバイクどんなトラブルだったんだろうか?ガス欠くらいだったら助けてやれたかも?
 停まってやれずにゴメンねぇ…

 「あそこからここまで押すのには1時間はかかるよな」
 そう思いながら通り過ぎた小さなPAの駐車場がびっしりと車で埋まっていて驚いた。
 
 そしてそこから先のSA・PAも全て同様、明け方だというのに全て満車である。
 これもETC割引効果の一端なんだろうか?それにしても、そんなに早起きしてまで50%の割引が欲しいのかなぁ…(←お前が言うな)

 いつもの安積SAで給油休憩。
 コーヒーを買おうとウエストバッグを探ると……「うわ、小銭入れ忘れたぁ!」

 どうやら出掛けのゴタゴタで忘れてしまったようだ。
 もちろんメインの財布はあるので不自由はないが……「むー、この分だと他にも忘れ物してそうだなぁ…」(←判ってるじゃん)


このSAでも、明け方なのにこの状態

 磐越道へ乗り換えるとさすがに交通量は激減した。
 夜も明け、背中側から朝日が照らしはじめる。

 表示板によれば気温は19-20度。
 ジャケットのベンチレーションは全部閉じてあるが、下がTシャツ1枚なので少々寒く感じる。
 北海道はどうだろう?今年の夏は気温が低いと聞いているのだけれど。

 少し前に雨が降ったのだろうか?路肩には僅かな水溜まりがある。
 そして西にはその雨を降らせた後らしい厚めの雲。東からは燦々と朝日が照り付けていて……「うわー」
 
 何時の間にか、空には見事な虹が出来あがっていた。

 初めは曲がった円柱状だった虹は、西へと進むにつれ次第に延び、頭上に巨大な半円を描きはじめる。
 
 とても近い。虹の根元がすぐそこにあるように思える。
 そして太い。こんなに太い虹はこれまで見た事がない。
 
 北から真上を通り南へと延びる七色の巨大な橋。
 そして高速道路は見事にその半円の中心を貫いて走っていく。
 
 あっけにとられながら見上げる俺。
 まさにヘブンズゲート、もしくはノッキンオンヘブンズドアである。(←混乱中)


この画像を撮った後が凄かった…

 巨大な虹は、やがて雲の中に溶け込むようにふんわりと消えていった。

 なにか凄いものを見てしまったような気がするけど、さて、これは吉兆なんだろうか?それとも凶兆なんだろうか?(笑)

 ★
 

 放心しながらぽへぽへと走る磐越道は、一部を除き基本的に1車線である。
 なので後ろから車が来ると(路肩へ避けて)譲るようにしているのだが、車により追い越し方が様々。

 きちんと挨拶していく車あり、減速もせずに凄い勢いで追い抜いていく車あり。
 大型車に大きな相対速度で追い越されると、車体には結構な衝撃が来る。
 こうして「追い越される側」になって初めてわかることってのも多いんだよな。自戒自戒っと。

 峠越え(実際はトンネルが多い)で上り坂になると、セローのスピードが途端に落ちる。
 正確には、スピードが落ちて上りである事に気づく。だろうか。
 隼やV魔では何も感じずに走ってしまうけど、小排気量だと道路のアップダウンに敏感になるんだよね。

 新潟亀田ICへの到着は7時過ぎ。うん、ほぼ予定どおりだな。
 
 給油を済ませた後、市街地のファミリーレストランで朝食を摂る。
 いつもはコンビニで済ませてしまうのだけれど、いや、時間に余裕があるとこういうことも出来るから楽だわ。
 
 出港時刻の1時間前にフェリー埠頭へ。
 
 手続きを済ませて外へ出ると、バイクの乗船が始まっていた。
 一度に全部ではなく、台数を見ながら順次乗せている様子。ということは今日はそんなに混んではいないのかな?


すでに馴染みとなったフェリーターミナル

 予想どおり、フェリー内部の混み具合は「そこそこ」だった。
 
 混雑はしているが、決して「びっちり満室」な感じではない。寝台以上の部屋はいっぱいのようだが、2等の部屋には若干の余裕があるようだ。
 お盆のハイシーズンなのにこの状態、これもまた高速料金1000円の影響なのだろうか。

 ともあれ、利用する側からすれば混んでいないのに越した事はない。
 これなら風呂も食事も落ち着いて楽しむことができるだろう。

 二等寝台のベッドへ陣取って、さてゆっくりするか……っと、「うわー、お泊りセットに歯ブラシが入ってないぃ~」「風呂用タオルが1本しかないぞぉ~」「暇つぶし用の文庫本入れ忘れたぁ~」

 はぁ、やっぱり慌てて出発するとダメだな。とりあえずサッポロクラシック飲んで落ち着こうっと…


ああ、天気が良くなってきたな、今は。

 ★

 
<本日の走行距離=286km><給油回数=2回><教訓:船上では天気は気にしない気にしない>

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