今年もこの風車を見ることができました
<2007年8月>
■突然ではありますが
『…というわけで、今年のお盆は通常通りの休みという事で…』
え~っ!今更ぁ~!?
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「お盆はきりきり仕事」を予定していた今年の8月。
「その分9月に代休取って、空いている(&安くなっている)北海道でゆっくりと…」とか考えていたのに、7月も後半になってから「休め」と言われたところで慌てるしかない。
さぁて、どうしてくれようか。
ぶつぶつ言いながらWEBをぐるぐる回って調べるが、フェリーも宿も当然のように満員である。
「ま、寝て過ごすお盆ってのも悪くはないさ」と諦めかけていたのだけれど。
8月初旬。
キャンセル料の発生する「お盆一週間前」は予約が取れる最後のチャンス。
「行くならやっぱり北海道だよな。行きがこれくらいで…中4日くらいで…帰りが…」
信じる物は掬われる救われる。
行き帰りも、何故かスケジュールにぴったりな日にぽっかり空きがでているフェリーの予約。
う~む、これは今年も北海道に呼ばれているに違いないな。
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うきうきと予約を完了。
そうか、今年も北海道へ行けるのか。んじゃ何で行こうかな?
V魔は完調。バッテリーもタイヤも新品だし、長距離走行でも心配はない。
隼も絶好調。新しくなった足回りで去年同様走り回るのも楽しそう。
・・・だけど・・・
「やっぱ順番的に言ってセローかな?」
未だ(1泊はあるけれど)ロングツーリングに使った事のないセロー。
電装系も直ってエンジンの調子も良い。
そして何より、セローなら北海道でこれまで走った事のない林道ルートにもチャレンジできる。
心配なのは馬力と積載量だが、ま、贅沢言わなきゃ大丈夫(多分…)
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それではと準備に取り掛かる。
まずは荷物をどう詰むか。
一般的にオフロード車の場合(重心を考え)荷物は振り分けバッグ等を使って低い位置に積むらしい。
そしてそれ以上の荷物は背中に背負う。これまたオフ走行を考慮しての事らしい。
しかし、俺の好みからするとこれらの方法は×
サイドバッグは低重心にはなるが、横に張り出すのですり抜けがしにくい。
背負うのは肩が凝るし暑い。
「やっぱリアバッグかなぁ…」(←素直に「新しいバッグを買う余裕が無い」と言いましょう)
どれどれと、いつもの60Lバッグをセローに積んでみる。
げ、やっぱ大きいな。これに荷物を満載すると、シグナルスタートの度にウイリーしてしまうかも。
ただでさえ大荷物になる北海道ツーリング。
もちろん一番重い&かさばるのはキャンプ用品だ。なら…
「今年も全泊宿というのはどうでしょう?」
「オフ車で行くのでキャンプをしない」というのは主客転倒というか正反対な気もするが、ここはあえて気にしない事にしよう。
何しろオフ車で長距離走ると疲れるしねぇ(←言い訳)
ざっくりとルートを決めて、めぼしい宿にTELを入れてみる。
そしてきっちり予約が取れてしまうあたりが素晴らしい。
う~む、これはやっぱり北海道に呼ばれているに…(略)
セロー本体は、オイル交換とチェーン給脂だけで準備完了。
もちろん持って行く工具の類は多めに準備しておく事にする。
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■出だしからこれですか
金曜日夕方。
仕事をきっちり定時前で仕上げて自宅へと戻る。(これを「早退」と呼ぶ人もいる)
準備完了、のはずが…
荷物は既にまとめてある。
シャワーを浴びて着替えをすれば準備は完了。
「よ~し、んじゃ行くかぁ」と最後に指差し点検を…「え゛?」
何気に覗いたリアタイヤ。
そしてそこにきらりと光る物が。
「もしかしてもしかしなくても…釘かよっ!」
どう見ても釘ですな
そういえば、昨夜エアチェックした際、前走行から1週間しか経っていないのに0.2kg程圧が減っていた。
「気温か誤差だろ」と思っていたのだが、スローパンクチュアだったのかもしれない。
「チューブレスタイヤとはいえ、これは放ってはおけないよなぁ…」(←考えるまでもありません)
これから走る距離を考えると安心できるプロに直してもらいたいところだが時間が無い。
フェリー出港から逆算した出発時間には多少の余裕を取ってはあるが、さすがにこれからお店にバイクを持っていく暇など残ってはいないないのだ。
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釘をペンチで引っこ抜くと「プシュウ…」と音を立ててエアが抜けた。
ここは以前使った「泡修理」ではなく、チューブレス用のゴムプラグ突っ込み式できちんと直しておくとしよう。
#泡はツーリング中の緊急用に残しておきたいし。
ほぉら釘だ。(結構長いな…)
リアバッグに念のためと突っ込んでおいた(何時買ったか覚えていない)パンク修理用品を引っ張り出す。
「ええと、どう使うんだったかな?そもそも前に自分で修理したのって何年前だっけ?」
うんうん思い出しながら工具を使う。
・リーマーを突っ込んで穴を拡大&整形、周囲のゴムを綺麗にする。
・ゴムプラグの溶剤シールを剥がし、接着剤を遠慮なく塗る。
・情け容赦なく押し込む。
リーマーの使い方がいいかげんだった為、1本目のプラグは差し込み途中で断裂。失敗。
「む~、プラグは2本しかないんだけど…」
穴を拡大した2本目はなんとか挿入に成功。
ちょいと時間を置いて空気入れてツバをつけて(石鹸水など用意する精神的余裕は無い)エア漏れチェック。
見た目大丈夫そうだけど…大丈夫だよね?
プラグの余分な部分を切り取って(多分)修理は完了。
ロスタイムは30分。うん、これくらいなら途中でリカバリできるだろう。
※修理完了の画像はありません(そんな余裕あるかい!)
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慌てながら再度の出発準備。
「それにしても出掛けからトラブルかよ。でもまぁ途中で気づくよりは100倍マシだよな」(←ポジティブシンキング)
気を落ち着けるべく、大きく深呼吸してから家を出る。
東北道のICまでを利用して、パンク修理の状態をチェック。
乗る直前には再度エア計測。漏れ無し。
「よーし、久しぶりにしては無難に直せたみたいだな」
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さて、今年のフェリーも新潟便。日の落ちかけた東北自動車道を北上する。
今日の北関東はここしばらく同様暑かった。
日中の気温は当然30度オーバー。夕方の今も当たる風は生暖かい。
「北海道の気温はどうなんだろ?天気はいま一つらしいけどな」
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そういえば、セローで高速道路を走るのはこれが初めてだ。
苦労するかな?と思っていたのだが、制限速度内で走る分には特に大きな問題は無い。
ハンドリングも安定してるし、振動も許容範囲。「見た目大荷物」も走りにさほどの影響は無いようだ。
弱点はやっぱり「ばんばん抜かれる」事。
まぁ制限速度(もしくはそれ以下)で走ってるんだから仕方ないよな。急いでる方にはどんどん先に行っていただきましょう…
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福島県の白河あたりで、空からぽつぽつと雨が落ちてくる。
げ、パンクの上に雨かよ。ツいてない時ってのはやっぱダメだな。早めに雨具を着ておこう。
その雨も、いつもの安積PAに寄る頃には上がってくれた。
給油に寄っただけだし時間も無いから…と迷ったのだが、ここで夕食を摂っておくことにする。
なにしろ飯ってのは何事においても基本だからねぇ。
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磐越道に乗り換え、磐梯山が見えてくると急に気温が下がってくる。
全開だったウエアのベンチレーションを順番に閉じていく。
うん、やっぱりこのウエアは結構使えるよな。
何時の間にやら空には星。
夜は照明もなく真っ暗な磐越道だが、セローの(オフ車にあるまじき)60/55wハロゲンは明るく、走るのにまったく支障は無かった。
V-Maxの時+30分で、無事新潟県の新潟亀田ICへと到着する。
「思ったほど尻は痛くならなかったな…」と考えながら、いつもどおりコンビニで当座の飲み物と食料を買い込む。
フェリー埠頭での乗船手続きでは、「ネット予約」なる優先窓口があって驚いた。
いやぁ、便利な時代になったものだねぇ…
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定時、乗船。
・バイク固定
・フェリーお泊りセット
・二等寝台
…と定番のお約束をこなす。
もちろん今日は満席のフェリー(取れてよかったよなぁ>二等寝台)
バイク乗りの数は例年よりやや少なめだろうか?
やれやれとまずはフロアで流していた「二課の一番長い日」を見ながらサッポロビール2本をやっつける。
さぁて、んじゃゆっくり風呂に浸かって寝るとするかぁ…
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■初日…は明日という事で
翌日、特に語るべき事のない18時間を過ごし、フェリーは15:30、苫小牧東港へと到着した。
※「揺れがなく快適」とか「家族連れと同室の寝台だったが子供が礼儀正しく感心」とか「天気が良いので柄にも無くデッキで日光浴」とか「ええっ!日焼けすると顔がレーガン大統領みたいになっちゃうんですかぁー」とかは割愛。
バイクの下船は最後。
埠頭に降り立ち「また来たぞ北海道!」をやる頃には太陽は西へと傾いていた。
また来たぞ北海道!
(シムラぁ!逆光逆光!)
さぁて、時間も時間だし、今日はこれから「がっちり走る」つもりはない。他のバイクと共にR235をゆっくり西へと向かう。
苫小牧市内でR36へ。
国道からちょい入ったところにあるホクレンで、明日に向けての給油&道南旗(黄色)のゲットに成功する。
そうそう、これが無いと北海道ツーリングって気がしないんだよな。
国道へと戻れば、今日泊まる予定の健康ランドはもうすぐそこだ。
おなじみharuさんの定宿と化しているらしいこの施設。風呂はもちろん、食事もビールもちゃんとしたものが食べられるのがありがたい。
仮眠場所もリクライニングシートとマットが選べてなかなか便利。唯一の欠点は……ええい、そこのイビキ親父!いいかげんにしないとしまいにゃk(略)
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<2日間(ほぼ本州分)の走行距離=約314km><給油回数=2回><教訓:さぁ、明日からが本番!>