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<2007年8月12日>
■さて、んでは行きますか
日曜日、4:00起床。
「朝日に負けじと早起きして」とか書くと格好いいのだが、「イビキ親父」が煩くて起きだしてしまったというのが正直なところ。むぅ、恐るべしは土曜日の夜。
「まぁ睡眠はフェリーの中でたっぷりとったしな」と考えながら出発の準備に入る。
確認した天気予報では、今日の天気は悪くない。
しかし、現在周囲は一面の霧である。北の山はまったく見えず、南の海は靄がかり。
霧は天気回復の兆しとも聞くけどどうなんだろうねぇ?
★
セロー、エンジン始動。
軽い暖機の後、走り出す。
今日の目的地は積丹半島。海岸線はもちろんだが、途中山の中で林道を楽しむのだ。
晴れりゃぁいんですがねぇ
海岸での記念撮影の後、内陸へと入っていく。
苫小牧西ICを右手に見ながら北上する。
霧のおかげで、ヘルメットのシールドもウエアの前面もびっしょりと濡れてしまう。
見えにくいシールドをテッシュで拭きながら前へと進む。この霧、いつまで続くんだろ?
★
隼でふっとばして走ると楽しそうな道道の途中、「国有林道」の看板を見つけて急停車。
ここが目的にしてきた丸山林道の入り口…だよね?路線名とか書いてないけど間違いないよなぁ?
ここでいい…はず…
クマー!
★
『ここで熊が出たんだよ、えへへ』の看板にどきどきしながら林道へと突入する。
道は比較的広く、路面の荒れはそこそこといった感じ。左右から木の枝が覆いかぶさり見通しは良くない。
1本目なのでゆっくりと走る。
もちろん対向車など皆無。山の中だし、何よりまだ「夜明け」といってもいいくらいの時間なのだ。
★
大荷物を積んだセローだが、高速道路同様、林道でも走りへの影響は少ない。
加速も減速もいつもどおりでOK。
タイトコーナーだけちょい曲がりにくい気がするのと、シートポジションの自由度が少ないのが難点といえないこともない。
ま、ペースがまったりだからねぇ。
★
途中、「口無沼」の看板に惹かれて道を曲がる。
ところが曲がった先が凄かった。
新しい道古い道獣道と、様々な方向へ林道が枝分かれしていたのだ。
「沼はどこだ~」と走る。
道は突然消えていたり、広場で終わっていたり。
結局最後に選んだ古そうな道が沼へのルートであった。
ふぅ、この迷路様の枝道群、方向音痴な人だったら本線へ戻るにも苦労するんじゃないだろうか?
※後で聞いたところ、この辺りは先の大雨&台風の影響で軒並み道が潰れ、補修中との事だった。
多くの支線はその影響らしい。ブルドーザーの通った跡が支線みたいに見えたのかも。
★
到着した口無沼は静かだった。
そりゃまぁこの時間にこの場所では、人の気配のするほうが怖いともいえる(笑)
鳥の鳴き声しかししない湖畔でちょい休憩。霧は…少しだけ晴れてきたかな?
画像ではまだ真っ白ですけどね
それっと走る。
次の目的地は、支笏湖畔の「丸山遠見望楼」
この場所はどこで調べても「お勧めの絶景ポイント」と書いてある。期待は高いがこの霧だと難しいかな?
林道をえっほえっほと走り、到着した見晴台は、考えていたより質素なものだった。
小さな広場に小さな木製の塔。あぁでもこれはこれで味があるな。
歴史が感じられます
えっちら登って周囲を見渡す。
なるほど、こりゃぁ見晴らしはいいわ。もう少し霧が晴れてくれれば下に広がる樹海(といっていいと思う)もはっきり見えるんだろうな。
だんだん明るくなってきました
次第に晴れてくる霧。差し込む朝日を浴びながら、持参のお茶で喉を潤す。
さて、んじゃ林道から国道へと抜けるとするか。
★
それではと走り出してすぐ。
突然首のあたりがチクリというかグサッというかそんな痛みに襲われる。
「痛ててて」
慌てて襟を開け、バックミラーで首筋を見ると…何か黒いモノが小さな鎌首を持ち上げた。
「うわわわわわわわっ!」
確認もせずに、「ソレ」をグローブで摘んで投げ捨てる。
空き地まで走って上着を脱いで確認。
うう、やはりなにかに噛まれたっぽい。前と同じ山蛭かなぁ、蛭は鎌首もたげないと思うけどなぁ…
上着を着なおし、一応締めていた襟をもう一度しっかり締めなおして出発する。
※何に噛まれたかは依然不明。まだちょい腫れてる。
林道の達人曰く「首にはタオルを巻いて走りましょう」とのこと。
★
ぽこんと音を立てて国道へと出る。
やれやれ、林道一本目からいろいろな目にあわされたな。まぁ天気が良くなってきたから勘弁してやるか…
霧が晴れ、上空に青い空が広がっていく。
支笏湖畔で朝飯代わりに持参のパンを齧る。
湖を渡ってくる風と鳥の声が気持ち良い。
あ~、やっぱ早い時間のツーリングはいいなぁ、こりゃぁイビキ親父にも感謝しないといけないかな?(笑)
#何しろ今はまだ6:30だからねぇ。
晴れてきましたよ
★
走り出すR276。朝とはいえさすがに交通量がある。
高速道路同様、4輪にがんがん抜かれるセロー。ああどうぞどうぞ、お先に行ってくださいな。
それでもごくまれだが、ゆっくり走る車を追い越すハメにもなる。
隼なら2秒と掛からず追い越し完了となるところを、たっぷり10秒かけて追い越していく。「んー、やっぱりセローは無理せずゆっくり走るほうが楽しいなぁ」
★
「道の駅フォーレスト276大滝」(しかし最近の道の駅の名前にはなんでこう小恥ずかしくなる奴が多いんだろ?)横の「きのこ王国」でちょい休憩をとる。
きのこ汁が有名らしいのだが、屋台が開き始めたところだったのであえてとうもろこしを買ってみる。
目の前の釜で煮あがったばかりのとうもろこし。「え?1本150円でいいんですか?」
もちろん不味いはずはなし。嬉しい朝飯補充となった。
プリップリですよ
★
R453に乗り換えたら、さぁて、それでは本日2本目の林道へいってみるとしましょうか。
「東湖畔林道」の入り口を探して走り回る。
普通の道路と異なり、林道は入り口がすぐ見つかるとは限らない。こういうときに欲しくなるのがGPSだ。
カーナビなんて大げさな物はいらないが、単純な北緯東経の値は欲しい。
最近のツーリングマップルには林道入り口のポジションが載っているし、山中で迷った時にも現在地の確認ができる。持ってれば便利だろうなぁ…(←贅沢言うときりがないぞ)
★
なんとか探して突入した林道。
これまた先の雨のせいだろうか?走り出してすぐ『こっちへ曲がれYO!』という迂回路の指示があった。
林道の迂回路なので当然未舗装路である。というか、これが凄い迂回路であった。
ガレ石の転がる急斜面のタイトコーナーが連続する。路面は雨の流れた跡の深い溝が刻まれている。
「いつもの林道」の一番荒ている場所が延々続いているような感じなのだ。
「これって迂回路にする意味あるのかYO!」と泣きそうになりながら走る。
怖いよ怖いよと叫びながら数キロ走ってやっと本線へと復旧。ああ、死ぬかと思った。本線は普通の林道だよね?
★
さすがに本線は、ちょい砂利が深いが見晴らしの良い綺麗な林道だった。
空も晴れて見晴らし最高
★
青空の下、広がる景色を眺めながら快走する。
峠の頂上からちょい下ったところに見晴台。そこから眼下に広がるのは…「なんだありゃ?」
なんでしょう?
山々に囲まれた窪地。そこに溜まった真っ白な霧。そしてぽつんと浮かんだ丘のようなもの。
「あ、あれが洞爺湖か」
どうやら湖の上に霧が溜まっているらしい。そして突き出てみえるのが中島。「へぇ、こんな景色も珍しいな」
峠を降り洞爺湖畔に下りると、案の定そこは霧の中だった。
それでも晴れの箇所との境目らしく、移動する毎にさぁっと晴れたり真っ白になったりするのがなかなか面白い。
★
洞爺湖をぐるっと回って北へと抜ける。
目の前に現れたのは後方羊蹄山。ここから3本目の林道へ突入だ。
後方羊蹄山
三本目行きま~す
「小花井林道」は明るくて走りやすい林道だった。
てれてれ流していたら、道の真ん中に座っていたキタキツネが慌てて逃げていった。
む、シャイな奴だな。いつぞやのキツネとは大違いだ。
この林道で、後にも先にも1回こっきりの「オフロードバイクの対向車」に出会う。
青いヤマハ2ストはLANZAだろうか?キャンプ道具満載で笑顔でピースサインを出してすれ違っていった。
すごいなぁ、あの荷物積んであのペースかぁ…
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林道を抜け、海岸線へと出たのが10:30。
R229を北上。急に気温が上がったように感じるのは、見事に晴れ上がった空のせいなのだろうか。
海へ出ました
まだ午前中なのに、海岸には海水浴客が多数。この辺りは岩場が多いので、海水浴というより岩遊びになるのかもしれないが。
浅瀬の岩場も多く、引き潮の時とかは楽しそう。このあたりでゆっくり海岸遊びというのも面白そうだ。
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海岸線の道は、あちこちで付け替え工事の真っ最中だった。
古い道の内側(山側)に道を作り直し、新しいトンネルを掘っている。
これはあれかな?悪天候の時を考慮した道路整備なのかな?
そして、残った古いトンネルには蓋をするらしい。「古いトンネルを塞ぐ工事をしています」の看板がそこここに掛かっている。
まぁ確かに開けっ放しだといろいろ問題があるかもねぇ。
小さく見えるカムイ岩
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休憩を入れながら走り、えんやら神威岬へと到着する。
お約束画像
つまりまぁ、三脚が倒れるくらいの風というわけで
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本当の「岬の先端」は強風のため通行禁止。
まぁ丘の上から眺めるだけでも充分に綺麗な景色なんだけどね。
本当は大画像で載せたいくらい綺麗でした
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昼前。道路際に「ウニ丼」の看板を見つけ飛び込む。
「ウニウニ積丹のウニ~」
なにしろウニは、今回の北海道ツーリングのニ大テーマの片割れなのだ。
※もう一つはあとで
運ばれてきたウニ丼。
うん、旨い。もちろん不味いはずなどない。
ただ「盛り」が少しだけ寂しかった。
この値段ならもう少し豪快に盛って欲しかったけど…今年は不漁らしいから仕方ないか。
物も言わずに食べました
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食った食ったと店を出る。
積丹半島の北端、島武意岬では、細いトンネルの先の展望台(?)から真っ青な海と空を存分に鑑賞する。
階段を下りていくと海辺に出られるらしいんだけど…お腹がいっぱいだから遠慮しておこう(笑)
これまたはっきりくっきりでした
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またまた海水浴客で混雑する海岸線をまったりと走り、「よいち」へと到着する。
気温は更に上がってきた。
なんとなくだが既に30度を超えている予感がする。市街地だからよけい暑く感じるのだろうか。
さて、今日は思っていたより良いペースで走れたので時間がたっぷりと残っている。
前回来た時素通りした、ニッカウヰスキーの工場見学をしていこう。
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観光客(いや俺も観光客だけどさ)に混じり、ガイドのおねぇさんについて工場を回る。
工場の成り立ちもウイスキーの製造工程の説明もなかなかに面白い。うむ、こりゃぁ来て正解だわ。
今日もかなり暑いが、昨日も相当暑かったらしい。「うちは冷房あるところが少なくて…」とはガイドのおねぇさん談。
※土産に北海道工場限定の原酒を購入。くっそー、運転じゃなきゃ最後の試飲コーナーも楽しめたんだけどなぁ…
かなり暑いです&樽
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暑いよ暑いよと出発。
尤もここまでくれば、今日の宿、小樽のホテルはもうすぐそこだ。
迷う事なく着いたいつものホテル(ここもこの時期に予約が取れたのは奇跡みたいなもの)
早めにチェックインして、駐車場にセローを乗り入れ施錠、ぽんぽんとシートを叩いて荷物を降ろす。
部屋でシャワーを浴びて着替えして…さて、夕涼みに出かけるとするか。
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1年ぶりの小樽運河。
「良さそうな店があったら早めに夕飯を…」と考えながらぶらぶらと歩く。
運河沿いのレストランが小洒落ていてなかなか良さそうなので入ってみる。
席に座ってメニューを開くと「小樽ビール呑み放題コース」の文字。「ねぇねぇおねぇさ~ん、これ、もう頼めるの?」
ヘレス、ドンケル、ヴァイスと3種類あるビールを、500ccずつ順番に試してみる。
とりあえず一杯目
俺的好みだったのは重めのドンケル。
最近発泡酒ばかりだから、どっしりとしたビールが特に旨く感じるのかも(笑)
んじゃここからのお代わりはドンケルメインでいくとするか。
つまみは近海魚のカルパッチョとロングソーセージ。双方美味で文句なし。
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ふらふらしながら店を出る。
酔い覚ましがてら、小樽運河でお盆恒例のジャズコンサートに聞き入ってみたりする。
路上の無料コンサートだけど、これがなかなかのものだったりするんだよな。
あ、まだ明るいんだ…
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いつもに比べ、かなり早い時間にホテルへと戻り、早めに就寝。
さあ、明日も朝から走るぞぉ…
<本日の走行距離=約352km><給油回数=2回><教訓:やっぱ天気がいいと気持ちいいわ>