YAMAHA SEROW 225WE (4JG6)

☆ メンテナンス編 ☆

ブローバイチェック記

今回は画像が少ないんです。ええ、慌てて対処したので。

<2008年8月>

  そして帰ってきたわけですが

 
 今年の北海道ツーリングからも無事帰宅。
 
 ロングツーリング後のあれやこれやメンテを含め、向こうで発生した現象(限られた条件での僅かな失火?)の原因を究明すべく、「とりあえず エアフィルター掃除してキャブばらしてみるか」と思ってガレージを開けると…「うひぃ」

 サイドスタンドの周りに、直径20cmはあろうかというオイル溜まりができていた。

 「うわっ、どこから漏れたんだー」

 以前のドライブスプロケ周りか?それともカムチェーンカバー周りか?

 慌ててチェックする。

 しかし、エンジンもエンジン下(エンジンガード含む)も綺麗なもの。クランクケースカバーもチェーンも問題なし。
 「え?じゃどこから?」

 なんとなく、どこからか伝ってきたのではなく直接サイドスタンド(の接地面)に落ちている気がする。

 まさかと見上げるが、もちろんガレージの天井からではない(←をい) 
 しばらくキタキツネにつままれた感じでいたのだが……「こ、ここか」

 サイドスタンド接地面の直上にあるのは左ステップ。ここにちょいオイルが付いている。
※サイドスタンドを立てている状態。

 サイドスタンドとステップの延長上にあるのは左サイドカバー。
 そしてそのサイドカバーの中にはエアクリーナーボックス。

 まさかと触るとべったりとオイルが…って、なんでエアクリボックスからオイルが漏れてくるんだよ!
 

 慌ててボックスを開けてみる。

 見た目、エアフィルターには問題ない。「?」とフィルターを外す、と、
 「なんじゃこりゃぁ!」

 セローのエアクリボックスは、板状のフィルタで外側と内側(キャブ側)に分かれている。
 そして内側には凹んだ部分(オイルパンのようなもの)があり、ブローバイガスが還元されたオイルが溜まるようになっている。
 そしてその部分に、これでもかとばかりにオイルがなみなみと溜まっていたのだ。

 そりゃまぁこれだけ溜まってれば、エアクリボックスの隙間から流れ出ても当然でしょう。


フィルタを境に内と外。
※これは後日撮った画像、当日はそんな余裕はなし


こうやって指を突っ込んだら「タプンッ…」って…

 慌てて、エアクリーナーボックス下部に付いているドレンホースのキャップを外す。
 が、オイルはちょろりと出てきただけ。もちろん先の部分にはまだまだたっぷりと溜まっている。
 「え?このドレン、ドレンじゃないの?」(なんじゃそりゃ)

 ともかくこれではラチがあかない。とりあえずボックスを取り外そう。

 まず、ペーパーを突っ込み染みこませ、ある程度オイルを減らす。
 
 整備マニュアルを参照し、ボックスを固定しているボルトを全て外す。
 (右側バッテリー内側のボルト外し忘れ注意)

 「セローのエアクリボックスはリアタイヤを外して後ろへ抜かないとはずれない」という先人の言葉を思い出しながらも、ひねくりまわしてなんとかサイド側から引っこ抜く。
 (キャブへ繋がるインテークパイプを潰さないよう注意)

 洗面器の上でボックスを逆さにしたら、どばっとオイルが流れ出てきた。
 その量、推定200cc
 
 むー、これ、全部ブローバイガスだったのか。
 
 

※何を今更ブローバイガス

 ・クランクケースの中には、気化したオイルを含む高温の空気が回っている。
 ・放っておくと抵抗になるので、このガス(←ブローバイガス)を抜く為のホースが付いている(←ブローバイホース)
 ・これをそのまま外へ出す(←大気開放)と大気汚染になるので、エアクリボックスへと誘導する。
 ・エアクリボックス内でガスが冷えると、中のオイルが液状化して溜まる。

 ここで問題は2点ある。

1.何故ボックスのドレンホースから抜けなかったのか?
2.そもそも何故ブローバイガスがこんなに出たのか?

 1.は仕組みを調べて判った。

 ボックスのドレンは、フィルターの外側、それも細い仕切りで区切られた中にあった。
 ブローバイのオイルというより、外部から進入した水抜き用のように思える。
※細い通路を伝ってオイルも抜けるようになって…いなさそうなんだよなぁ

 2.はよくわからない。

 もともとブローバイガスが多いと聞くセローだが、いくらなんでもこれは多すぎる。
 北海道(というより高速道路か?)で減った分のオイルは、全てここに出ていたのではないだろうか。
 例の現象(失火?)も、「なみなみと溜まったオイルがインテークより吸い込まれた」のが原因ではないだろうか?
※もしくは(オイル溜りによる)ボックス容量の減少による吸気圧減退とかかも。

 さて、それでは対策をどうしようか。

 暫定的には、小まめにチェックすれば良い。
 エアフィルターのチェック・掃除時に、ペーパーでオイルを吸い取ってやれば良いだろう。

 恒常的には、オイル用ドレンを新設するか、現ドレンへのバイパスを作るか、はたまた別途オイルキャッチタンクを付けるか、単にブローバイホースを長くする(途中で冷えやすくする)…あたりだろうか。

 根本的な「ブローバイガスが多い」への対策は…んー思いつかないな。

 これがそもそもの「仕様」であるならいかんともしがたい。
 他のセローではこの手の現象は起きていないのだろうか?調べてみなければ。
 

「ピストンリングが劣化するとブローバイが増える」って聞いた事もあるんだよな…
 
 



Copyright 2008 Akira
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