<2009年10月上旬>
■ずっと行きたいと思っていたんですよ
朝8時過ぎ、セローエンジン始動。
今日は3連休の中日。万全の天気予報に安心したところで、かねてからの検討事項であった新潟県の奥只見方面、国道352号線ツーリングに一泊で出かけるのだ。
積雪のため冬季は閉鎖となるR352。しかも数年前までは夏季でも2輪車は通行禁止というの辱めを受けていた道だ。
国道ではあるが狭く、うねうねと曲がりながら延々走るというこの道。そろそろ紅葉の噂も聞こえてきたし、バイクで走ると楽しいに違いない。(はず…)
「V魔でも楽しめるかな?」とも思いつつセローをチョイス。
どうせ一泊になるのだし、せっかくだから久しぶりに林道も絡めたツーリングにしよう。
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うらうらと出発する。
天気予報どおりの晴天が広がる宇都宮近郊。北へ行くので一応…と中に着込んできたマイクロフリースがちと暑い。まぁ山へ登れば丁度よくなるさ…(…のはずだったんだよねぇ…)
久しぶりにツーリング(北海道以来かな?)で使うセロー、まずはと川沿いのダートへと向かう。
今日はいつも北へ行くのに使う20kmダートではなく、隣の「ぽつぽつダート」コースを走ってみる。舗装の土手とか砂利の河原とかを繋げて走るので足慣らしに丁度良いのだ。
料理で言うならば「前菜というかウエルカムドリンク」的なものだろう。
あ~空が青い…今は。
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オフブーツの具合を確かめながらぐわっと走って鬼怒川温泉。
国道121へ合流して驚いた、道を走るバイクの数が妙に多いのだ。
追いつく、追い越されるはもちろん、信号待ちをしていると交差する道路を十数台のオートバイが駆け抜けていく。そしてコンビニの駐車場にたむろする大小様々なバイク群。
「なんだなんだ、バイクブームの再来か?」
やはり3連休と紅葉と晴天予報の相乗効果なのだろう。
80年代のバイクブームと異なるのは、乗ってるライダーが皆おっさんおばさんで…(略)
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その混雑(?)も川治方面へ道を逸れると静かになった。
土呂部方面へと上る峠は空いていて快適…と思いきや、時折他府県ナンバーの四輪が走ってくるので注意が必要だ。
カーナビって確かに便利だけど、それ信用しすぎるとこういう狭い峠に踏み込んで右往左往することになるんだよね。
峠途中で曲がり、ぐるりと降りて付いたのが田代山林道入り口。今日はここから田代山…ではなく、この先の違う林道を使って桧枝岐へと抜けるのだ。
田代山(右)ではなく馬坂方面(左)へ
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その「違う林道」入り口到着。
「よっしゃぁ!」と走り出…あれ?変な雲が出てるなぁ?
見上げる山の上に掛かる怪しい雲。今日明日はどこもかしこも晴天!の予報だったんだけど。ま、とりあえず上ってみますか。
久しぶりの本格林道なので慎重に走る。
いつもの「枯れ木池」は水が満タン、先日の台風18号の影響だろうか?
紅葉と相まって良い景色でした。空以外は。
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その台風のせいで道は結構荒れていた。
崖崩れ等こそなかったものの、流れた水で派手に道路が抉れている。
先が長いので慎重に上る。周囲の紅葉は4~5分でなかなか綺麗…はいいのだが、「寒い!寒いぞ!」
ここへきて急に気温が下がって来た。
いや、鬼怒川温泉の先あたりから「結構冷えるな」とは思っていたのだが、気づくとふるえが出るほど冷え込んでいたのだ。
加えてシールドに水が付き始める。
雨ではなさそうだが、じっとり湿った空気の中をかき回しているような感じで気持ち悪い。見通しは悪くなく、霧とか雲の中というわけではないのだけれど。
「寒い!濡れる!」と騒ぎながら峠の頂上へと到着。
やれやれとエンジンストップ。見下ろす反対側は今以上に黒い雲で覆われている。
休憩されているXRの方がいたので話を聞くが、俺と同じ方向から上がってきたので先はわからないとのこと。むー、やっぱ雨具着ていこうかな?寒くもあるし。
とりあえずはと、上だけ雨具を着込んでみる。(オフブーツを履いていると下を履くのが面倒でねぇ)
ゆるゆると下り坂にかかる。
やはり天候は回復しない、というか、先に増して「水っぽく」なってくる。
ざぁっと降ってくるなら覚悟もきまるのだが、生かさず殺さずの生殺し状態。ああ、気持ち悪い気持ち悪い…
料理で例えるなら、「馴染みの食堂に行ったらオヤジが風邪でアルバイトが料理作ってた」って感じかな?
でもまぁ、濡れた林道ってのも綺麗ではあります
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林道を抜け、桧枝岐温泉へ到着。
とりあえず給油。まだ100kmちょいしか走っていないが、この先の給油ポイントがわからないので念の為だ。
ここで昼飯をと思ったのだけれど手ごろな店がない。ここからいよいよR352、この先食堂にあまり期待はもてないが…まぁ朝飯もたっぷり摂ってきたし、後でもいいかと先へと進む。
道は峠へと入る。
意外に道幅は狭くない。きちんとした2車線で拍子抜け、でもまぁまだまだ入り口だからねえ。
峠頂上はイイ感じの紅葉。赤じではなく黄色がメインだが、巨木の紅葉は見て気持ちが良い。
これで晴れてれば…
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唐突に、左手に広い施設が現れる。
どうやら尾瀬行きバスの発着場のよう。尾瀬に入る人はここに自家用車を置いてバスで入るのだろう。
「山の駅 御池」だそうで
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食堂もあるようなので入ってみる。
中は中高年の団体さんで一杯だ。先の山梨ツーリングでも感じたけれど、山歩きが大好きなおじさんおばさんってなんでこんなに多いんだろう?
蕎麦・カレーといった定番メニューのみなのでカレーをオーダーする。
妙に量が多かったのは、仕様なのかそれとも「出すの遅れてゴメンね」の意味なのだろうか?
ともあれ、炭水化物を腹に突っ込み安心する。
ずっと続いていた雨(?)も上がって路面もドライへと変わりつつある。でも相変わらず気温は低いから、合羽は着たままで行くとしよう。
#ニーシンガードとオフブーツ履いていたから大丈夫だったけど、普通にGパン1枚とショートブーツだったら下半身が死んでたなぁ…
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「ここから10kmバイク事故多数」の看板を横目にR352を進む。
なるほど、道は急に狭くなった。
常時1.5車線で、場所によりびったり1車線。4輪だとすれ違えない場所もある。
交通量は少ないがペースが遅いのですぐ前が詰まる。4輪の後ろをまったりと進む。
路面はウエットとドライが交互に現れる。空は曇ったり時々青空が見えたり。
気温は相変わらず、というより更に下がってきた。遠くにちらりと見えた山の頂上は…もしかして雪?
#画像撮れなかったのが残念。
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山間から川沿いの道へと変わると、小さな集落が現れた。
「この辺りで暮らすのは大変だろうなぁ…」と思っていたら、右手に突然現れたのはヘリポート。む~、やはり緊急用なのだろうか。
これ、ヘリポートですよね?
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福島県から新潟県へとIN。
いよいよR352のメイン、奥只見湖畔へと入っていく。
道は完全に1車線となり、4輪のすれ違いは路肩の広い場所でしか行えなくなる。
左手の山から流れ出した水が道路を渡り、右手の湖へと流れていく。
その場所は道路が窪まされており、アスファルトではなくコンクリート(?)で固められている。
おお、これが噂に聞く「洗い越し」って奴なんですね。
確かにバイクには危ないです
カーブ途中とか凹んでるとか路面が滑るとか
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地図でみると湖畔を走るように見えるこの道路、確かに湖沿いではあるいのだが、かなり高い部分を通っていく。
下に湖、上に尾根。
大きな橋はなく、湖の形そのままに続く道路。
大きく回りこんだ場所で対岸に見える道が、山の真ん中を横切っているのがはっきりとわかる。
「しかしまぁ、よくこんな場所に道作ったものだねぇ…」(しみじみ)
見事に真ん中に
こんな道が延々と
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こんな天候&気温だというのに、結構な数のバイクが走ってくる。
大型のオンロード車も多数。俺のようなオフ車はともかくとして、大型車でこの道を楽しめるのだろうか?
完全に晴れていれば(&ドライ路面なら)また別なんだろうけどさ。
#今日の俺、セローだから気にならなかったけど、隼やVMAXだったら泣きが入ってたな…
四輪に追いついてはとことこ付いて走り、道を譲られては先へと進む。
おお、やっと向こうに青空が見えてきたぞ。
明るくなってきました
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湖の終点「銀山平」へ着いたのが13:30
おお、(この天候にしては)意外に早く着いたじゃないですか。
ここから北側には「奥只見シルバーライン」という道路がある。
これは延々トンネルが続く道路で、湖の北側「奥只見ダム」へと通じているという。
「という」と書いたのは、こちらは未だに二輪車通行止めだから。
いったいどんな理由つけて通行止めにしているんだか。どうせ「バイクにトンネルは危ない」とかいう馬鹿な理由なんだろうな。
あー馬鹿馬鹿しい…
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いわゆる旧道「枝折峠」を越えていく。
四輪は皆シルバーラインへ回るのだろう、こちらを走るのは二輪ばかり。
コーナーが続くから楽しくはあるのだけれど、初心者にはこっちの方が危ないってえの!
またまたかなり高い場所を通ります
こんなド派手なスノーシェイドがあったりとか
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峠を越えると天候は完全に回復した。
先の雨模様はどこへやら、青空が広がり路面はもちろん完全ドライ、気温も上がってきた。
くそぉ、この天候が奥只見湖畔でもあればなぁ…紅葉の感じは良かっただけにそれだけが残念だ。
例えるなら「正装して高級レストランへ行ったら、料理は美味かったが隣にうるさい客がいた」って感じだろうか。(←段々難解に)
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小出市手前でR352を離れ、「道の駅ゆのたに」へ。
この道の駅にもバイクが多数。BMW軍団やらハーレー軍団やらに囲まれながら一息をつく。
雨具を片付け、R252を北へ。
今日の宿は須原スキー場近くの民宿だ。
屋根下駐車場にセローを停めてほっと一息。さほどの距離は走っていないけど、林道+ウエットワィンディングはやっぱり疲れるもんだねぇ。
「日帰りでもいけるかな?」とも思ったけれど、一泊にしたのはどうやら正解だったようだ。
意外に豪華な夕食は、おかみさん心づくしの料理と魚沼産のコシヒカリに舌鼓をうつ。
早めに就寝、さて、明日の天気はどうだろう?