■天気がねぇ…
あけて翌日。
「お~っし、アルコールは1mgも残って無ぇぜえっ!」
これでこそ昨夜の大宴会をビール一筋で過ごしたかいがあるというものだ。
そーっと窓から覗く空は、雲はあるものの比較的明るい。
よーし、午後の走行会までこのまま持ってくれよ…
実は天気予報が良くないのだ。
一週間前までは「土日に雨なんか降らねぇよっ!」だったのが、「雲が多いかもね」「夜には怪しくなるぞ」と変わり、直前には「ゴメン、やっぱ降るわ」になってしまっていたのだ。
天下御免の晴れ男の俺がわざわざ関東からやってきたというのにこれは不思議としか言うほかない。
今回のメンバーにはよほど酷い雨男が潜んでいるのだろう。
※昨夜酔っ払って「あーめーおーとーこーはーどーこーだー」とうろつきまわったのは秘密。
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朝食は例によって3杯飯。「あーなんで旅館で食べる朝飯ってのは…」(略)
出発準備を整え、サーキットへと出かける前に皆で記念撮影。
これだけのVMAXが一列に並ぶとさすがに壮観だ。
総勢20台ですから
「え~、昨夜は皆様大変に…」
★
今日のメインイベント、VMAXオーナーズミーティングのある岡山国際サーキットまではほんの20kmほどだ。
「んじゃ適当に~」と各々出発する。
最初は皆に混じって走っていた俺、だが、「下調べしておいた道と違うんだよなぁ…」
とりあえず停まって地図を確認、先へ行く皆を見送って・・・「うん、やっぱりこの道じゃないぞ」
一人どっこいせとUターン。一旦宿近くまで戻って一度北へ走って…うん、やっぱこっちの道だよな。
1台でぽへぽへと走る。
岡山の県道は程よく田舎で程よくくねっていて楽しい…とか思ううち山間へと入っていき、いつの間にか本格的な峠道になってしまった。
道幅は広くはないが、栃木の地元にも似た感じのワィンディング、嬉々としてペースを上げる。
途中、地元と思われるRZ250(しかも初期型)が合流してきたので追いかけるが、あっという間に見えなくなってしまう。「うひー、さすが地元民凄ぇ…」
それにしても、国際規格のサーキットが近いというのにここは本当に山の奥だ。
どれくらい山の中かと言うと、道路にごろんとタヌキの死骸が転がっているくらい。
「栃木でもタヌキはなかなか無いぞ…鹿は見た事あるけどだな!」
※いろは坂に鹿が転がってると避けるの大変なんですよ…
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20kmはあっという間だった。
道幅が広くなったので停まって地図を再確認。この先をこう行って曲がって…
唐突に後方からV4の排気音。ん?と振り返ると2台のVMAXがエラい勢いで吹っ飛んでいった。きっと先行組の先頭だろう。
それっと追いかける。
ふふふ、知らない道では先行より追うほうが圧倒的に楽……おーい、置いてかないでぇ!
#ま、「あの2人」に追いつこうったってねぇ…
★
数キロ走ってサーキット入り口に到着、にやにや嗤いながら(謎)中へと入る。
パドックへと向かい、駐車場にMAXを停め「おお、あそこにヤマハのテントが」というとき…
「あれ?雨?」
ぽつりと落ちてくる雨。
さっきまで気配もなかったのに不思議なことだ。
富士同様の受付を済ませる頃にはしとしとと降りだしてしまう。
VMAXをピットに入れて空を見上げる。うーむ、雲は薄いんだがなぁ…
到着ぅ~
今回もお世話になります
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VIP待遇は岡山でも同じだった。
「富士に比べると設備が…」って話も聞いていたけれど、いえいえ充分だと思いますよ。
控え室は当然ピット上のVIPルーム
先に分かれた連中を含め、VMAXが続々と集まってくる。
今日は60台ほど申し込みがあったらしい。富士ほどではないがかなりの台数だ。
※実際に集まったのは45台との事でした。そしてうち20台は昨夜からの連中(笑)
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雨は次第に本格的になってしまう。
恒例の「柏氏のライディングスクール」は中止。代わりにヤマハ開発陣によるトークショウとなる。
「夕べあれだけ騒いでおいて今更何話せってんだよ…」とボヤいていた某氏が居たのは秘密にしておこう。
それでも(それでも?)トークショウはさすがだった。
雑誌でもWEBでも聞いたことのない話が多数、「ほほう」とか「うんうん」とか。これでこそ最前列に陣取ったかいがあったというものです。
まさに「膝突合せて」
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これまた恒例のプレゼントコーナーでは、初めて「最遠地から来たで賞」を頂いてしまう。
あ、ありがとうございます。いえ、ちょっとは狙ってましたけどね(笑)
その後は食事会。
バイキング形式だが旨い。そして量もたっぷりとある。
膨れた腹を抱えて…あーこれで雨が止めばなぁ…
#止みませんでした。
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メインの走行会は13:30から
例によって「特攻野郎Aチーム」なので早々に準備を始めてみる。
でもこの天気じゃ合羽着ないとダメだろうなぁ…
#写真撮られるから格好と実利のどちらを取るかが悩みどころ。
結局ごそごそと雨具を着込む。
何しろ今は、その前の4輪の走行会が赤旗中断になるほどの降雨なのだ。
ピットに並んで…さぁ行くぞー
これは別チームの出発前、雨の雰囲気を察してください
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コースイン。
ペースはごく遅い。そりゃまぁこの雨ですから。
岡山国際サーキットは基本的にテクニカルコース。直線は短く、コーナーはタイト。
とはいえ筑波とかに比べれば圧倒的に広いので、二輪で走るのに窮屈な感じはまったくない。
2週目から若干ペースが上がる。
ブリーフィング時に「この雨だと2速は使わないほうがいいでしょう」と言われていたこともあり3速メインで走る。
ところがまぁそれでも滑る滑る。
立ち上がりで滑るのはなんとかなるが、ブレーキング(というほどブレーキはかけていないが)でつるつると滑る。
リアがにゅーっと横へ出ていくのがどうにも怖い。
雨とはいえペースは遅いのに何故だろう?遅すぎてサスが沈んでいないからだろうか?
ま、俺の腕で沈ませるられるような路面状況じゃないんだけどさ。
前を走るVMAXがコースアウト寸前になるのを見てビビリが入る。
思い切ってギアを4速へ。これだとコーナーはアイドリングで曲がるようなものだ。
既に頭の中はツーリングモード…ま、この雨量じゃ安全第一で行きましょう。
※今回の走行中写真撮影(後日CDで送られてくる)はまったく期待できませんな。
うひゃうひゃ言いながら走行終了。
うひー、怖かったけどそれなりに面白かったぁ!(転ばなくて何より)
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合羽を脱ぎ、別のグループが走るのを見学する。
やはり皆雨には苦労している様子、しかしこの雨の中インストラクターの人たちは溝の少ないタイヤ履いたR1で走ってるんだよなぁ、凄いよなぁ…
他グループにて転倒1名、怪我はなし。
その後「2本目の走行は中止」の決断となる。そうですねぇ、この雰囲気だと「ただ回るだけ」になっちゃいますからね。
記念撮影を行い、解散。
今回は、全体とは別にオーナーズクラブの撮影も行っていただいた。ヤマハの配慮には感謝感謝。
「お疲れ様でした&ありがとうございました。来年の富士も楽しみにしてますからね!」
プロに撮影していただきました
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「さぁて、んでは帰りますか!」
もちろん栃木までではなく、今夜の宿までだけれどな!
#今日これから帰ったら青椒肉絲死んじゃいますって!
皆に手を振り、同じ宿に泊まるこたろーさんとサーキットを出る。
来た道戻ってここから曲がって…あれ?道間違ったかな?
どうやら予定の一本西の道へ入ってしまったようだ。「まぁ出るところは同じだし」とそのまま走ったが、この道が凄かった。
とにかく狭くて曲がりくねっている。アップダウンも激しく路面には大量も落ち葉、そしてもちろん雨は降り続いている。
「こたろーさんごめーん」
なんでこんな疲れてる時に道を迷うんだか…
ホウホウの体で赤穂市の宿へと到着する。
荷物下ろして風呂入って着替えて、案の定爆睡していたこたろーさんを内線電話でたたき起こし、飯(というか酒)を喰らう。
「あー、さすがに今日の酒は効くわ。まだ9時だけど部屋戻って寝るぞー」
#3日続けて夜更かしなんて体が続きません!
<本日の走行距離=82km><給油回数=0回><雨は残念でしたが、楽しかったのでよしとしましょう!>