■実はいろいろなバリエーションが
さて、最初はブレーキ・クラッチレバーの握り方、指のかけ方
バイクに乗るにあたって基本中の基本ではあるんですが、実は人により結構違うわけですよ。
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指4本掛け
免許を取る時教習所で習うのは(多分)「レバーは4本指でしっかり握る」
んでもね、実際に街中で4本かけている人は少数派なンですよ。
四本掛け例
上画像のとおり、指4本をレバーに掛けると、グリップには親指しか残らない。
クラッチはともかく、ブレーキは同時にシフトダウンする事が多く、スロットルを操作(ブリッピング)する必要がある。
この時親指だけだと心細いんだよねぇ。
スロットル操作以外にも、ブレーキング途中での振動とか不意の衝撃とか、そんな時の対応・抑えが効きにくい。事実上ハンドルが握れていないわけなんでね。
もちろん、物理的に「クラッチが重い」「握力が心もとない」なんて時は仕方なし。教わった通りにしっかり4本指で握るべき。
んでもそれ以外では積極的に勧める気にはならないってのがホントのところですな。
まぁ「ンな事は全部承知の上!」のベテランさんなら問題なしなんですがね。
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指2本掛け
お次は2本掛け、人差し指と中指で引くパターン。
これが今の本流ですかね?ライディング技術論的なノウハウ本でも大抵これを勧めてますな。
二本掛け例
2本掛けが勧められる大きな理由としては、「グリップを親指の付け根と小指の根本で対角線的に握れる」という点。
支点の間隔が広いので、グリップを軽く・しっかり握ることができる。
野球のバットとか剣道の竹刀とか、ハンマー(トンカチ)を持つ時をイメージすると判りやすいかな? 結果、ハンドルの抑えが効き、ブリッピング的なスロットルの操作もやりやすいって訳。
弱点は特に無いんですが、あえて言うなら「レバーの根元側を握るので梃の原理が効きにくい:ちょい力がいる」
まぁこれも、今ならスリッパ―クラッチとかラジアルポンプマスタシリンダ・マウントキャリパーとか、さほど気しなくても良い状況にはなっていますがねぇ。
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3本掛け
最後に3本掛け。中指と薬指、加えて気休めで(?)小指も掛けて引くパターン。
後述しますが俺もこの握り方ですな。
三本掛け例
3本掛けの場合、スロットルの操作は親指と人差し指。
調整のし易さとしては2本がけに劣るものの、こちらの主たるメリットは(4本掛け程ではないにせよ)「レバーに力が入れられる」
レバーの外側を握るので梃の原理が効く。より軽くレバーを引くことができる。
バイクに乗り始めた頃2本掛けだった俺が3本掛けに変えたのも実はこれが理由。
いや、サーキットを走っている頃、走行枠25分(実質20分)間、握力が持たなかったんですわ。
手の疲れが原因で、後半になるほどタイムがダメダメに。
当時のレプリカ車はクラッチもブレーキもとにかく重かったので……というよりは、今考えると単に余計な力を入れすぎていたんでしょうなぁ。
それを3本掛けにしたことでなんとか持たせられるようになりました。
そして3本掛けにして気づいた思わぬメリットは、肘を開きやすいという点。
’80年代はいざしらず、令和の現代では「肘(腕)は丸く開いて自由度を高める」というのがライディングの定説なわけで。
2本掛けに比べると3本掛けはこれがやり易いような気がする。
特にオフロードでは楽ですねぇ。
デメリットとしては、ショートレバーが使えないという事。
オフ車では定番のショートレバー。
操作性とか対転倒とかいろいろ便利なショートレバーは2本で握ることが前提。3本指じゃ握れないんですわ。
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自分がやり易い方法で
……とまぁ、いろいろ書きはしたものの、レバーへの指の掛け方が決められているわけではないわけで。
自分が使いやすいと思う握り方にするのが一番、これは間違いはなし。
その上で、もし「これからバイクに乗るぞ!」って人にお勧めするとすれば、やっぱ定番の2本がけですかねぇ。
メリットも多いし、定番になっているのはそれなりの理由があるわけですから。
そして実際に走ってみて、握力に不安を感じたら3本を試してみれば良いわけです。
4本掛けは……先のとおりあまりお勧めする気にはならないかな?
んでも本当にガタガタに疲れた時とか、分厚いオーバーグローブをしている時とか、操作性犠牲にしても楽したい時には俺も使いますがね。
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んでまぁ、最後に余談ではありますが、何本掛けであっても、街中では常にレバーに1本指を掛けておくことをお勧めしています。
何時何が起こるかわからないのが一般道。
ブレーキにせよクラッチにせよ、ちょい指を掛けておけばいざという時の咄嗟の反応が早くなる。
掛けていた指でレバーの遊びを取っている間に他の指を掛け、本格的にブレーキ(もしくはクラッチ)をかける。これが一連の動作で行えますからねぇ。
一本掛けるのは人差し指か中指か。
俺は常に中指をかけるようにしてますね。(TOP画像参照)
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