YAMAHA SEROW 225WE (4JG6)

☆ メンテナンス編 ☆

タイヤ脱着・チューブ交換記


パンクしちゃったしねぇ…
 

<2007年6月>

  やっぱできなきゃまずいでしょ。

 …というわけで、パンクしてしまったセロー。

 補修剤が効いているせいか今のところ空気の漏れは止まっている。
 このまま放っておいても次のタイヤ交換くらいまでは使えそう、だけど…
 「やっぱオフ車に乗るなら、自分でチューブくらいは交換できないと駄目だよな」

 何を隠そう、これまでタイヤ交換というものをした事がない俺。

 人がやるのを見た事はあるし、自転車でなら自分でも何度か経験がある。
 でもやっぱり実車となると違うんだろうな。

 というわけで、まずはネットで下調べ。

 どうやらバイクも自転車も、基本的に交換方法は同じらしい。
 特にチューブタイヤの場合、大きさの違い程度に考えても良いようだ。
 「ん~、これならなんとかなりそうだな」

 それではと道具を揃えに走る。

 まずはともかく「タイヤレバー」
 
 タイヤレバーというと鋼鉄のヘラみたいなものが思い浮かぶのだが最近は違うらしい。
 特に「オートバイ用」であれば、先端がスプーンのようになった奴が便利らしいのだ。
 某アストロで2本購入する。1本1000円弱。

 「リムガード」はホイールにタイヤレバーをかける時傷にならないようカバーするものだ。
 2個1セットで600円

 「ビードクリーム(ワックス)」はタイヤの耳(ビード)を滑りやすくするもの。
 これを塗っておくとホイールにハマりやすくなる。500円。

 「ムシ回し」はタイヤのバルブの中に入っている小さいワンウェイバルブ(ムシ)を外す為の専用ドライバー。500円也。


工具揃いました

 とりあえずこんなところかな?
 そうだ、肝心の交換チューブも買わないと。
 セローのフロントタイヤ、2.75-21に該当するサイズで1500円程度。

 ガレージへと戻ったら作業開始。

 セローの前輪をジャッキで浮かせてホイールを外しにかかる。
 ブレーキ外してディスクガード外して…何故か妙に固く締められてるアクスルシャフトを緩めて抜けばOKだ。


さっくり外れました

 ホイールを作業デスクへ。
 
 本当は、入れ替えるタイヤを下に敷いて作業するとホイールやローターに傷が付かず良いらしいのだが、今回はチューブ交換なのでタイヤが無い。
 まぁ、作業デスク上でホイールを跨がせるように作業すれば大丈夫だろう。

 空気を抜き、ムシ回しでバルブの中のムシを取り外す…っとっと、抜けたと思った空気がまだ結構残っている。ムシが吹き飛びそうになってびっくり。


ムシ

 <余談>

 このムシという奴。
 先に書いたとおりワンウェイバルブになっていて、これがあるので「入れた空気が抜けない」のだ。
 
※真ん中のポッチを押すと空気が抜けるのはまぁ常識という事で。

 言い換えると、これが無ければ空気は出入り自由。
 タイヤ(チューブ)交換の作業中には完全に取りはずさなければならないが、反面「ちょっと空気を入れておきたい」時には付け直す必要がある。

 バイク屋でタイヤ交換作業を見ていると、ムシを付けたり外したりしているが、あれにはこんな理由あったんだねぇ。
 

 タイヤを押しつぶしてビードを落とす。
※ビードはタイヤの耳で…ってのは前に書いたな…

 空気の抜けきったオフタイヤはかなり柔らかく、手だけで簡単にビードを落とす事ができた。
 このあたりは自転車と一緒。でも、チューブレスタイヤだとこんな簡単にはいかないんだろうな、きっと。

※扁平率の高いチョーブレスタイヤ用には「ビードブレイカー」なる専用工具も売られている。


ビードが落ちると指が入るようになります

 ホイールを裏返し、両側のビートを完全に落とし込んだら、いよいよタイヤを外しにかかる。
 
 ホイールにリムガードをセットしてタイヤレバーを突っ込む。
 レバーでチューブを挟んでしまい、かえってパンクさせるということも多いそうなので注意注意。


差し込んで、めくります

 ぐいっとめくってとりあえず固定。
 少し離れた場所で同じようにタイヤをめくって……むぅ、両方とも固定されちまったぜい!

 両方ともタイヤに挟まっているので身動きが取れない(笑)
 なるほど、「レバーは3本あった方が初心者には楽」というのはこういうことだったんだな…

 一旦片方を外して、今度はリムガードの端のほうでタイヤをめくる。
 捲ったタイヤの下にすっぽりリムガードが入ってしまえば…ほおら、こんどはレバーが取り外せました。

 これを繰り返し、タイヤを半周ほど捲ったら、あとは手で引き剥がしていく。

 めりめりめくりながら思う。「柔らかいオフタイヤだからこんな事もできるけど、チューブレスだときっと…」(略)

 タイヤの片側が全周外れたら、隙間から(バルブの固定用ナットを外しておいた)チューブを引っ張り出す。
 「おお、取れる取れる…」


簡単に取れますよ

 今回の目的はチューブの交換なのだが、せっかくなのでタイヤも取り外してみよう。
 
 反対側のビードを捲るのは表側とほぼ一緒。今度は1箇所めくれば後は手で大丈夫。

 外れたタイヤをしげしげと観察したら、せっかくなのでホイールの内側を磨いてみる。
 「あ~、なんかリムの一部に削れてるところがあるなぁ…曲がってる様子はないから、出先で無理なタイヤ交換でもやったのかな?」

  組み込みは逆の手順で…って、やっぱ簡単にはいきませんな。

 組み込みの最初は、タイヤの耳にビードクリーム。
 リムにハメこみやすくする為である。

 このタイヤに回転方向の指定は無いが、「馴染み」があるはずなので前と同じ向きになるようセットする。
 消えかけている黄色い丸印「軽点マーク」もバルブ位置に合わせてやる。
 
 まずは片側をリムに押し込む。これは手だけでOK。

 新しいチューブは、(ムシを入れてから)少しだけ空気を入れて膨らましてからタイヤの内側へ入れてやる。
 こうすると中でヨレたり噛んだりする可能性が減るらしい。

 リムの内側にバルブを引っ張り出してナットで仮留め。
 バルブが真っ直ぐになるようチューブの位置を調整したら、どれ、んじゃ本格的にタイヤを入れようか。

 残った片側の耳。半周くらいまでは手で押し込んでいく。
 残り半周はレバーでセット。
 最後の1箇所は、また手でぐいっと押し込んでやる。

 ばこんとセットされるタイヤ。

 うん、初めてにしては順調にできたんじゃない?

 後は空気を入れて、ビードを出す(リムにハメる)だけ。
 これはコンプレッサーがあるので何の苦労も無いはずだ。

 一旦ムシを外す。
 ムシのない状態から一気に空気を入れるとビードが上がりやすいらしいのだ。

 コンプレッサーセット。
 しゅうしゅう音を立てて入る空気、膨らむタイヤ。だけど…「あれ?なんか形が変だぞ?」

 膨らむと共にビードが上がっていくのだが、タイヤの一部分が歪んでいる。はっきり言うとビードが上がってこない部分がある。
 「ん~、コンプレッサー使ってるのに何故だぁ?」

 一旦コンプレッサーから外す。ムシを入れていないので空気はすぐに抜けてしまう。
 
 確認すると、やはりビードが上がっていない部分がある。
 「こりゃ何かを噛みこんじゃったかなぁ?」

 仕方ないかと、もう一度チューブ&タイヤを外す。
 
 ホイール内側を入念にチェック。例の傷のせいか?とも思ったのだが、ビードが上がらない場所とは関係がない。
 「おかしいな?ビードクリームを多めに塗ってみるか」

 組みなおした後、空気を入れる。

 だが、やはりビードが上がらない。しかも今度は違う場所だ。
 「ぐあ!、何でだよぉ!」

 頭にきたので、そのまま一気にエアを送る。
 すると、にゅるっ…という感じで耳が出てきた。おお、上がったじゃん、ビード!

 どうやら、単純に送り込む空気が足りなかった(圧が低かった)らしい。
 「遠慮せずがんがんぶちこまないとビードは上がらないんだな。でも柔らかいオフタイヤでこれだとすると、チューブレスではきっと…」(略)

 一旦コンプレッサーから外し、空気を抜き、ムシをセットする。
 エアを入れなおしてビードを再確認。
 空気圧を純正指定の1.25に合わせてやる。

 もう一度入念に外観を確認。どうやら大丈夫そう。

 ふぃ~、とりあえずこれでOKか。
 やっぱ知識と実践は違うものだねぇ。この次はリア(チューブレス)でも試してみないとな…
 


もちろんテスト走行は入念にしましたよ(笑)

 



Copyright 2007 Akira
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