YAMAHA VMAX 1700 (VMX17)

☆ メンテナンス編 ☆

自作スクリーン装着記


左右非対称なのがポイントです
  

<2009年10月>

  ずっと欲しかったんですよ

 というわけで、「無いのなら、作ってしまえ、ホトトギス」シリーズ第二弾。(第一弾はこちら)

 新型VMAX用にスクリーンを付けてみる。

 初めて新型VMAXの実車を見た時から、「小さなスクリーンが付けられるといいな」と思っていた。
 
 そして、USヤマハのオプションパーツ「Boulevard Windscreen」を見つけた時、「これだ!」と思った。
 それはもう、個人輸入の手続きを調べ始めた程だ。
 
 だが、実際の車体への装着画像を見て気持ちがしぼむ。このスクリーン、単品で見たイメージより格段に大きかったのだ。
 それにやはり、あの綺麗なフロント周りが黒いスクリーンで隠れてしまうのはなんとも残念だった。

 これまた何度か書いているが、ワイズギアの「リーフスクリーン」はなかなか良いと思う。
 
 ただ、あの横に付いた黒い羽がどうにも気に入らない。まぁ気に入らないのならあの部分だけ付けないという手もあるのだろうけれど。
 尤も一番気に入らないのは「付けている人が多い」という点かもしれないのだが(笑)

 ・正直空力はどうでもいい。風で飛んでいってしまうようなことがなければそれでいい。
 ・防風性もどうでもいい。今より悪化しなければそれでいい。
 ・形が良ければそれでいい。でもあの格好いいフロント周りを隠したくない。

 …そんなわがままを満足させるべく、自作に挑戦してみることにしよう。

 さて、自作するとはいえ、スクリーンそのものを作るわけには行かない。
 素材とか曲げとか強度とか、素人にどうこうできるものではないからだ。
#無理にどうこうするとあとで酷い目に遭いそうな気がする(笑)
 ここは他車用のスクリーンを加工するのが実際的な方法だろう。

 いろいろなバイクのスクリーンをあれこれ眺めてみる。

 新型VMAXに装着しようとする場合、一番の問題点はやはりメーター横に付いたシフトライトだ。


画像流用

 一般的なスクリーンではこれにぶつかってしまう。
 いや、いずれにせよスクリーンはカットすることになるのだが、最初から左右非対称のデザインならカット後の違和感も少ないのではないだろうか?

 で、見つけたのがこのスクリーンだ。


汚れているようにも見えますが、実際は綺麗なものです

 何用なのかは書かないほうが面白いだろう。
 ただ「メーカー純正品」であることを記しておく。まぁ個性的な形だけに調べればすぐ判ってしまうとは思うのだけれど。
#決して出し惜しみじゃないですよ(笑)

 それではと作業開始。

 まずはとにもかくにも実車にあわせてみる。
 
 ・見た目の邪魔にならず、ライトと一体になるように。
 ・できるだけ上に付けたいけれど、下から風を巻き込むと捲くれるので注意して。
 ・そして何より、シフトライトをどう避けたらいいか・・・

 うんうん唸りながらイメージを作る。
 あれをこうしてそうして…どれ、んじゃ切ってみるか。

 周囲をガムテープ等で養生して、糸ノコギリでごりごりと切る。


それはもうゴリゴリと

 
 正直、作業前にはノコギリで切れるとは思わなかった。「小型のリューターとか買わないとダメかなぁ…」と思っていたのだ。
 だがさすがは頑固一徹な純正品、慎重に作業すれば割れる可能性は低そうだった。
#素材にもよるけど、市販の薄いスクリーンだったら無理だったろうなぁ…

 切って、実車に当てて、首を捻ってまた切って。

 これを延々繰り返す。
 切りすぎたらアウトだし、あわてて作業してヒビが入ったら元も子もないし、結構な気を使う。

 さて、とりあえずはこんな感じでどうでしょう?


まだ粗い仕上がりですが

 「うん、悪くないんじゃない?」というわけで、次はステーの製作に移る。
 
 部材は…と言っても、素人が手軽に加工できるのはアルミくらいしかない。
#いわゆる「エーモンステー」は最初から使う気なし。アレは見えないところに使うには便利なんだけどねぇ。
 
 メインステーに選んだのは3mm厚のアルミ材。
 いや、幸い近所のホームセンターが改築してアルミ材が…(以下キャリア作成時同様)

 取り付け場所はメーター脇

 VMAXのメーターは、左右のメーターステーからのボルトが差し込まれて留められている。
※「捻じ込まれて」いるのはステー部にのみで、メーターには「差し込まれて」いるだけ。うーん、文字にすると難しいな…
 
 これは特殊なボルトなので交換はできなさそう。
 「ステーの厚み(3mm)分浅くなるとどうかな?」と心配したが、どうやら大丈夫そうだった。
 
 実物合わせでステーを作り、仮留めする。うん、いいんじゃないでしょうか。


こんな感じに

 これだけだと風圧でステーが歪むので、もう1セットのステー造り。
 今度はウインカー取り付け部へと延ばしてみる。
 
 こちらはスクリーンのゆがみ防止用なので力はさほど加わらないはず。今度は2mm厚の細めの部材で作ってみる。
 3次曲線的に曲げなければならないのでなかなかに難しい。これまた実物合わせで慎重に曲げていく。
 
 うんうん唸りながら作業すること数十分。うん、これまたいいんじゃないでしょうか。


この曲線を出すのが大変でした

 満足したところで一旦全てのステーを取り外す。
 細かいバリと角を取る。細めのヤスリで細部を整えなおして仕上げてみる。


せっせと削ります

 改めて装着して様子を見る。

 「おお、なかなか格好いいじゃありませんか!(←自画自賛)



綺麗に付きましたよ

 それではと試走に向かう。

 一番心配していたのはやはり取り付け強度
 ビビリやゆがみが出ては安心して走ってはいられない。
#メーカー純正品なのでスクリーン自体の強度に関しては心配なし

 場所を選んでのテスト。
 
 速度リミッターが効く手前の速度で丸1分ほど巡航。どきどきしながら観察していたが、震える様子もまくれ上がる気配も無い。それどころかぴくりともせず、実に安定していたのだ。
 「へー、結構しっかり着いたじゃん!」

 空力も悪化している感じはない。もちろん好転もしていない。
 
 ただ、普通の姿勢で高速道路の制限速度付近で走っている時、手をかざしてみたら、胸付近にはまったく風が当たらなかった
 ジェットヘルメットのシールドの下部あたりで初めて風圧を感じる。
 スクリーンなしの時はどうだったかな?後でチェックしてみようか。


乗ってる側からはこんな感じ
 



 思ったより綺麗につけることができた自作スクリーン。
 自己満足の度合いはかなり高いのだけれど、もう少し手を加えたい箇所がないでもない。

・ステーはやっぱり黒の方が目立たないだろうな?とか
・下側のステーはもう少しなんとかできそうじゃないか?とか
・むしろ上のステーで2箇所保持してもいいんじゃないか?とか
・これでノウハウできたから違う形のスクリーンも面白そう。とか

 ともあれ、これで当初よりの希望、「小さなスクリーンとキャリア」は満足できた。
 さて、次は何を作りますかね?(笑)


最後に大きな画像でも



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