■ 「冬の間にゆっくり考える」とかなんとか言ってた気もしますが
というわけで、「高いなら、作ってしまえ、ホトトギス」(←ちょっと変わった)シリーズ第三弾。
ローシートの作製に取り掛かる。
これまで散々書いてきたとおり、現在、VMAXで最も手を加えたいのが足つき性の改善。
足つきさえ改善されれば、取り回しもUターンも(もしかするとちょっと遠めに感じているハンドルとの関係も)かなり楽になるはずなのだ。
足つき改善にはサスペンションを調整する方法もあるが、ここを弄るとバンク角が減る。
決して「鬼のようなバンク角」とはいえない新型VMAX、峠を安心して走るためにもこれは変更したくない。
となれば、あとはシートを低くするしかないのだ。
そしてこれまた以前から書いているとおり、ワイズギアのローシート(4万円)には手が出ない。
価格性能比では問題ないものの、対費用効果というか絶対価格というか…(略)
さて、「ローシート」とか気取って書いてみたが、要はシートのアンコ抜き。
アンコ抜きは何度も経験済みだし、手順に迷いは無い。
問題は、素人が作業して新型VMAXに相応しい仕上がりになるかどうか?の一点のみだ。
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それではの作業開始は、まずは表皮剥がしから。
シート裏側に打ち込まれたコマ(ツメ)を、マイナスドライバーとラジオペンチでちまちまと外していく。
例によってびっちりと打ち込まれているわけです
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先端がダミータンク脇に入る特異な形状のVMAXのシート。目的はアンコ抜きなのでここを弄る必要はない。前部のツメは外さず残しておく。
シート後部から表皮をぺろりとめくる。
内側には薄いビニール。ふむ、新しいシートだけにビニールもまだまだ使えそうだ。
新しいシートはやっぱいいですね
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これもめくってスポンジとご対面となる。
今回、スポンジは普通に削るだけにする。
本当は薄くする分固めにしたいところだが、素人にはシートスポンジ材の調達は難しい。
旧MAXの時のように、「乗り心地の改善」が目的ならまだなんとかなるのだけれど。
削るのに使用したのは、ハンディタイプの金ノコギリだ。
これが厚みといいしなり具合といい実に使い勝手が良かった。仕上に表面を均すのにも使えてなかなか便利でもある。
というわけで、削っては座り、座っては削りを繰り返す。
削り具合、形はもう個人の好みでしかない。
足つきが良くなり、それでいてクッション性が損なわれないように…とか言いつつ、素人の日曜大工仕事でそううまくはいくはずもない。物事には何事も妥協が肝心である。
それらしく基準線を描いてみてから
ごりごり削ったりするわけです
(↑仕上げ8割くらいの状況)
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シートのアンコ抜きで一番大切なのがこのシート貼りだ。
皺がよらず、ぴっちりと貼るのは、コツというよりどれくらいじっくり作業できるかによると思う。
一度で仕上る気にならず、「最初は仮貼り」くらいの気分でやると良いだろう。
#今回も結局3度くらいやり直した。
ちなみに今回の仕上がりは、個人的に点数をつけるなら85点(及第クラス)くらいの感じだ。
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シート本体が出来上がったら背もたれ部(シートストッパー)の取り外し・取り付け
#今回は買ってきたシートをアンコ抜きし、それに背もたれを取り付けた。
背もたれ部の取り外しは結構面倒だった。
・左右のバネを固定部から外す。
・シート側の留め具のボルト片側2本を外す。
・背もたれから突き出た部分に付いた小さなCリングを外す。(細いマイナスドライバー2本を使った)
・ここの板状のパーツを抜く。
・背もたれをシートから抜く。
ここのバネを外して
ネジ外してユニット外して
矢印のところに付いていたCリングを外します
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気をつけるのは、上のCリングの外し方と各パーツの向きだ。
Cリングは慎重に取り扱い、各パーツは作業前に画像に撮っておくと良いだろう。
もちろん、取り付けは取り外しの逆の手順となる。
さて、こうして完成した自作アンコ抜きシート。
肝心の足付き性とか、座り心地とか、尻への攻撃性とか耐久性とか。
ちょいと走って試すとしますかね。
…の前に、上で書き忘れた注意点。
シートスポンジを削る作業を室内で行うのはお勧めしません。何故なら盛大にカスが飛び散るから。
#しかも静電気を帯びているので始末が悪い。 どうしてもという場合には、綿の服と掃除機をお忘れなく。 室外で行う場合も風のある日はやめましょう、ご近所からの視線が冷たくなります(笑) |
さて、それではと出来上がったシートをツーリングで使用してみる。
<足つき性>
良い。
いや、これが想像していた以上に良くなったのだ。
贔屓目というかプラシーボが混じっているのは事実だが、それにしても信号待ちでの安心感が飛躍的に増大した。
削ったスポンジは尻直下でせいぜい2cm。
サイドの太股が当る辺りはもともとそう厚くはないので微々たるもの。
それでこれだけ変わった感じがするのは驚きだった。
プラシーボか否かに関しては、いずれノーマルシートと「その場で交換してテスト」してみようと思っている。
<疲労度・もしくは尻への攻撃性>
ノーマルと変わらず。
今回のツーリングでの走行距離は600km。
内訳は、高速400(うち渋滞100)一般道150(うち渋滞100)峠50、といった感じ。
体力的にちょい結構厳しいめなツーリングだったが、9月の山陰ツーリングの時と尻の疲労度は変わらなかった。
当たり前の話かもしれないが、純正シートのスポンジには結構余裕がある気がする。
<操作性>
峠でのヤンチャ走り時のクイックさは若干削がれたかもしれない。
シートが下がり、かつフラット気味になったので、体重移動はより積極的に行わないといけないかも?
「かも?」というのは、今回のテストが「一部ウエット、路肩に落ち葉、お巡りさん多数」な状態だった為。
本来はいつもの峠のいつもの走りで試すべきなんだが…そろそろ気温がねぇ…
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…というわけで、結果的にかなり満足できる状態になった。
前に書いたとおり、見た目もちょいアラはあるもののそこそこの仕上がりだし、これは作業したかいがあったと思う。
これでこれからはこの仕様で乗れるぞ…とか言いつつ、「ならもう少し削って」とか「スポンジ表面にヤスリをかけるともっと綺麗に仕上がるかな?」とか考えてしまうのが俺の悪い癖なんだよね(笑)