YAMAHA VMAX 1700 (VMX17)

☆ メンテナンス編 ☆

ハンドル交換(失敗)



いやぁ、経験って大切ですねぇ
 
 取り付け→失敗   純正ハンドル調整



<2009年12月> 取り付け→失敗

  主客転倒という話もありますが

 「やりたくて、やっちゃいました、ホトトギス」(←いいよもう)
…というわけで、ハンドルバーを交換する。

 VMAX純正のハンドルも悪くは無い。というか品質的には申し分ない。ポジション的にも充分許容範囲だ。
 海外(主はアメリカ)向けの車両なのに身長170cmの俺に合うというのは本当に懐が深いと思う。

 今回交換しようと思った原因は、

1.「もうちょっと手前に」
 決して遠くは無い純正ハンドルだが、フルロックのターン時にはやはり外側の手が延びきってしまう。
 もう拳半分手前になればずいぶん違う気がするのだ。

2.「もうちょっと狭くコンパクトに」
 大型車はハンドル幅が広い方が押さえが利くので乗りやすい。だが、その分肩が張る。
 もう少しだけ短いと気軽に扱えるような気がするのだ。

3.そして…「ナックルガード付けるぅー」
 あっはっはぁ、まさに主客転倒だわ。

 それではまず、純正ハンドルのスペック調査。

 新型車と言うことで、新型VMAXのハンドルの数値はどこを探しても見つからない。
 新しいハンドルを選ぶ為にも、一度各部を実測しておこう。


言葉的にはこんな感じで
(実際の「引き」は、クランプ部からの数値かも?)

 メジャーで測ったスペックはこんな感じ。

■全幅:730mm±α
■高さ:110mm±α
■立ち上がり:80mm±α
■クランプ部幅:150mm±α
■引き:80mm±α
(全てハンドルバー中心間での実測。でも測り方によって結構違ってくるんだよねぇ)

 新しいハンドルを選ぶのに全幅は関係ない。切れば良いのだ。(…と思っていた)
 クランプ部はこれより長い分には問題なし。(…と思っていた)
 影響の大きいのは立ち上がりと高さだろう。ではここの値を参考にメインに新しいハンドルを選ぶとしよう。

 さて、サイズもだが、VMAXのハンドル交換で注意しなければならない最大のポイント、それは「ファットバー」であることだ。

 このファットバーという奴、先端は通常の22.2mm(7/8インチ)だが、中央部は28.6mm(9/8インチ)と太くなっている。
 強度を増し、ブレを減らすのが目的のこの仕様、高級感を出すのにも一役かってはいるが、いざ交換するとなるとあまり選択肢が無い。

 ハンドルのメーカーにより呼び方も異なり、レンサルだとファットバー、プロテーパーだとコンツアーハンドル、ZETAだとSX3となる。
(確かFLYにもあったよな…)

 このサイズで売られているファットバーは、主としてオフロード用
 先にあげたブランドも、全てオフロード用である。
※アメリカン用のファットバーもあるが、こちらは中心部が1インチのものが多い。

 オフ車用のハンドルは、一般的にフラット気味(引きが小さく一文字に近い)だ。

 新型VMAXに使うのだからあまりフラットなものでは困る。
 うんうん言いながら各メーカーのサイトを周り、選んだのはZETA(ダートフリーク)のSX3:エンデューロ ローというハンドルだ。

 カタログ上のスペックはこんな感じ

■全幅:805mm
■高さ:73mm
■立ち上がり:53mm
■クランプ部幅:205mm
■引き:72mm

 オフ用にしては比較的引きが大きく、高さが純正に近いのが決め手になった。
 まぁ「決め手」とは言っても、この手のものは実際に取り付けてみないと判断できないのが本当のところなのだけれど。
#そうそう

 色は
 シルバーもあったのだが「交換していることをアピール」したくて純正と異なる色にしてみた(笑)

  んじゃ換えますか

 某日、ハンドル到着。
 「うん、格好いいんじゃない」


やっぱ結構違いますね

 黒のつや消しがなかなか渋い。だがやはりフラット気味で、これだと「もう少し手前に」にはなりそうにもない
 「ま、とりあえず付けてみますかね」
 
 取り付ける前にはもちろん端をカットする。

 純正との差は75mm。グリップ部をちょい狭くしたいし、ハンドガードを取り付ける分も考慮しなければならない。
 結局片側を45mmずつカット(計90mm)することにした。

 さすがは肉厚なオフ用ハンドル、金ノコではなかなか切れず、グラインダーを使用してのカットとなった。


最初はゴリゴリやったんですけどね

 いそいそと車体へ装着。
 
 「新型VMAXへの市販ハンドルの取り付け時の注意」としては以下のとおり。

・ハンドルクランプ部に位置決めピンが打ち込まれているので引き抜くこと。(結構きつい。バイスプライヤ推奨)
・左スイッチボックス内のU字パーツに位置決め突起あり。ニッパで切ること。
・右スイッチボックス内に位置決め突起あり。ニッパで切ること。
・右スロットルケーブルホルダに位置決め突起あり。アルミなので削る必要あり。

 注意点以外の作業内容は他車と同様なので略…と。


ハンドル位置決めピン


左スイッチボックスにはこんなパーツも
※中央の突起を削ります

 ハンドルが落ち着いたら、あれやこれやの取り付けに移る。
 
・ハンドル角度を調整して仮留めして、
・ケーブル・ワイヤー系の取り回しを確認して、
・スイッチボックスを自分の好みの角度にして、

 最後にクラッチ・ブレーキマスタ(ミラーステー兼用)を取り付け……「アーッ!」

 マスタを取り付けるスペースが無い。
 正確には「ハンドルの直線部分に取り付ける余裕が無い」

 「うひー、またやっちまったぁ!」
 そう、これは旧V-Maxで一度やっている失敗なのだ。

 「そうだよなぁ、全幅がそんなに変わらなくてクランプ幅が50mmも長ければ、それだけ直線部分が短くなってるはずだよなぁ…」

 「ガレージに『温故知新』の額でも掛けるか…」とか考えながら、VMAXの周りをうろうろとうろつきまわる。

 純正に戻すのも悔しいし、かといって他にハンドルは無い。(22.2mmのなら何本かある(笑))
 そして明日はヘルメットを買いに出かけなければならないのだ。

 「ええい、このまま付けてしまえぇっ!」

 左右グリップを15mmずつずらし、端をハンドル外に出してしまう。
 確かハンドガードのステーに長めのものがあったはず、出た分はそれで支えてもらうことにしよう。
 
 15mmズラした事で、ブレーキ・クラッチマスタはぎりぎり取り付け可能となった。
 しかし、取り付けられるのはハンドルが曲がりはじめている場所、だからレバーには微妙な角度が付く。
 しかもハンドルバーと面一でなくなり、レバーを握ると若干上に動くのだ。
 
 この状態だと取り付けステーにも嫌な圧力がかかっているはずだ。
 取り付けボルトを締め込み過ぎると割れる可能性もあるだろう。

 「額の文字は『背に腹は替えられない』でもいいな…」とか考えながら作業を続ける。
 あちこちをずらしながら位置を調整、ハンドガードも取り付けて「とりあえず乗れる」仕様にはなりましたとさ。ふへぇ~
 


とりあえず仕様

 翌日、往復240km程のお買い物に出発する。

 その途中で感じたことを上げてみようか。
 

○良い○
 
・黒色のハンドルは格好良い。メーター周りが締まった印象になった。
・ハンドルが若干低くなり、困っていたバックミラーの角度が改善した。
・グリップ幅丁度良い。
・スイッチ類がばっちり俺好みの位置に。
×悪い×

・ハンドルは遠くは無いが、手前にもなっていない。
・やっぱりもっと絞り(引き)が欲しい。
・レバー操作にやはり違和感あり。多分そのうち慣れるのだが慣れたくない。
・うわ、ブレーキ・クラッチホースがキツキツに曲がってるじゃん!
 

…というわけで、結果的に今回のハンドル交換は「失敗」に終わりましたとさ(笑)

 もちろん乗れるし普通に走れるのだけれど、純正より良くなったと言えるものではない。
 それどころか、ブレーキ・クラッチホースのようにこのままにしておきたくない部分まである。
#見るからに折れそうで不安

 わざわざ交換してはみたが、これではまったく意味がない。
 何事にも妥協は必要だけど、我慢はしたくないのだよ私はっ!(←何気張ってるんだか)

 ともあれ、このままやさぐれていても仕方が無いので、とりあえずは純正に戻す予定。
 その先は…まぁゆっくり考えましょう(笑)


格好はいいんだけどねぇ…

 さて、散々調べたので、「オフ用テーパーハンドルでこれ以上絞り・引きの大きいものは見当たらない」のは判っている。
 今後の選択肢としては、

1.同様のオフ用テーパーハンドルで、高さの大きいものにしてみる。
  これでホースの曲がりがきついのは解消できるはず。ハンドルも手前になるはず。
  但しクランプ幅は変わらないので、ブレーキ・クラッチをきっちり取り付ける為にハンドル幅は広くしなければならないだろう。

2.海外サイトでオンロード車用テーパーハンドルを探す。
  サイズ的な問題は解消できるかも?
  但しそう都合の良い品物が見つかるかどうか?そして個人輸入の手間と費用は?

3.クランプ部にスペーサーを噛ませ、通常の22.2mmのハンドルを取り付ける。
  選択肢が山ほどあるので、サイズ的な問題は全て解消できるはず。
  但し、せっかくの純正テーパーが無駄になる。実質的な影響は無いにせよかなり悔しい。

4.純正ハンドルを切り、バーエンドをドリルで貫通させる。
  多分これが一番無難で安く上がる(笑)
  但し、純正に戻せなくなる。しかもバーエンドを貫通できるかは未知数。

 さぁて、どうしますかね。
 しばらくはインターネットを見回って悩む日々が続きそうだ(笑)
 



<2009年12月> 純正ハンドル調整

  結構変わるもんですね

 「額の文字は『転んでも只では起きるな』に決まりました」
…というわけで、純正ハンドルへの戻し・調整について少々。

 元通り純正ハンドルを取り付けなおした訳なのだけれど、前と同じではつまらないのでいろいろと調整してみる。

 まずは「よりコンパクトなポジション」をめざすべく、左右グリップをそれぞれ10mmほど内側へセットした。
 ノーマル時に正は端が5mm程外へ出ていた(バーエンドに掛かっていた)ので、今度は逆に「ハンドルバーが5mm余る」ことになる。

 ハンドルバー自体はやや手前に回転させて固定する。
 これによりバーエンド部は若干下がったが、グリップは狙っていた「より手前」にすることができた。
 スイッチボックス上下角・ミラー位置も、全て好みの位置へと調整する。


絞り(引き)もやや大きくなったかな?

 これらは全て「純正の固定(突起)部を外した・削った」から実現できた事だ。

 メリットは先のとおり圧倒的な自由度だが、反面、走っている最中に動く危険性がある。
 より確実に締める・確認することはもちろん、「何か遭った時には全て自己責任」を覚悟する必要があるだろう。
※まぁ、旧V-Maxも隼も皆そうして乗っているわけなのだけれど。

 ともあれ、この位置変更は絶大な効果があった。
 とにもかくにも「乗りやすくなった」のだ。

 これまでぶつぶつ文句を言っていた(←だっけ?)のが嘘のよう。
 Uターンも楽々と…とはいかないが(笑)ライディングも取り回しもとても楽になった事を記しておく。

 費用もかからないし、純正のポジションに若干でも違和感を感じている人には是非試してもらいたいと思う。
 もちろん、固定ポッチ外しは自己責任という事で。
 
 



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