■ 何用かはわかってますよ(多分…)
某日、ブレーキ(右)側スイッチボックスを入手する。
……とか書くと、「隼と同じに出所不明かよっ!」とか突っ込みが入りそうだが……「はっはっは、よく判ったな明智君!」
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とはいえ、こちらは隼程に車種不明ではない。
十中八九「V-Max国内仕様、後期型用」で間違いが無いはずなのだ。
※十中八九≠完全(後述)
ここで言う「後期型」とは、国内仕様のヘッドライト常時点灯化に伴い、ボックス中央のスイッチがライトオンオフからハザードに変わった後という事である。
さて、何故これを購入したかといえば、そのハザード機能が欲しくて…ではなく、これでライトスイッチの代わりができないかと考えたのだ。
#「なら国内仕様の前期型スイッチボックスを買えばいいじゃないか?」という意見は、費用の面から却下。このスイッチボックスも隼同様「遊び半分価格」なのだ。
ご存知のように、うちのV-Maxは'90アメリカ仕様。
こちらは当時から常時点灯で、ヘッドライトスイッチは付いていない。
今までデイトナの後付けスイッチを付けて誤魔化してはいるが、正直どうにも格好が悪い。
もっとすっきりさせたいなと前々から思っていたのだ。
#買って14年という歳月が「前々から」に該当するかどうかは謎
どうにも格好悪くてですねぇ
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さて、現物が届いたら作業開始。
まずはうちのMAXのスイッチボックス(以下「現ボックス」)を車体から外そう。
フルカウルの隼に比べれば楽…じゃないあたりはさすがV-Max。
スイッチボックス本体(ケース)はスロットルケーブル注油時同様簡単にバラせるが、配線の先のコネクタが車体の奥深くに隠されている。
ダミータンク、右インテーク、キーシリンダケースと外していく。
まぁこの手の面倒臭さは今に始まった事ではないので慌てない。
この辺りに隠れてます
コネクタを外し、やっと車体から取れた現ボックスと、購入したスイッチボックス(以下「購入ボックス」)を見比べてみる。
左(上)現ボックス、右(下)購入ボックス
まずは肝心なスイッチの並び
現ボックスは上から
・キルスイッチ
・FUEL(リザーブ)スイッチ
・セルスイッチ
購入ボックスは上から
・キルスイッチ
・ハザードスイッチ
・セルスイッチ
・FUEL(リザーブ)スイッチ(別体)
FUELスイッチが「別体」というのは、まったく別のスイッチとしてケース下部にボルトで留められているからだ。
これは元のボックスにスペースが無かった事による苦肉の策といったところだろう。
さて、このボックスのベストの改造はといえば、一番下のFUEL(リザーブ)スイッチを生かし、ハザードスイッチをライトスイッチとして使用することだ。
配線を調べ、可能かどうかをチェックするとしよう。
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それではと配線を調べ…る間もなく気づく。「コネクタから違う…」
現ボックスはメス9ピン。
購入ボックスはオス9ピン+別体FUEL用2ピン
う~む、配線どころかコネクタのオスメスからして違うのか。
現ボックスコネクタと購入ボックスコネクタ
首を捻りながら、スイッチボックスをバラして中を確認。
ちなみに国内仕様の配線図(整備マニュアル)はあるのだが、参考程度にとどめあてにはしない。
V-MAXは、とにかく年式・仕様で電気系の配線が大きく異なるのだ。
#ブースト・コントローラ試用記参照
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バラした結果はこんな感じ。(配線図は描けません)
現ボックス
・キルスイッチ
配線:赤白白、赤黒
単純な2線のオンオフ
・FUELスイッチ(リザーブスイッチ)
赤黒黒、赤緑緑、ダミー
単純なオンオフ(3線全部が繋がるか、全部繋がらないか)
・セルスイッチ
青白白、黒、赤黄黄、青黒
オフ(通常)=(青黒黒・黒)→接続、(赤黄黄・青黒)→切断
オン(セル)=(青黒黒・黒)→切断、(赤黄黄・青黒)→接続
購入ボックス
・キルスイッチ
配線:赤白、赤白
単純な2線のオンオフ
・ハザードスイッチ
赤黄、青、青黒
単純なオンオフ(3線全部が繋がるか、全部繋がらないか)
・セルスイッチ
青白、黒
単純な2線のオンオフ
・別体FUELスイッチ(リザーブスイッチ)
赤白、赤緑
密閉されている為確認できず。
でも多分単純な2線のオンオフ
・・・なるほどねぇ。
これまで入念に調べることがなかったスイッチだが、こうしてみるとよく判る。
配線と機能はともかく、スイッチの機構自体は比較的単純な構造で判りやすかった。
それにしても……「これじゃ全然違うじゃん!」
上で「大きく異なる」とは書いたものの、同一車種だし、同じ機能ならさすがに同じ色だろうと考えていた俺が甘かったようだ。
「なら配線は現ボックスを加工して、ケース(外枠)は現ボックスの上半分と購入ボックスの下半分の組み合わせれば別体FUELが付けられるから…」とかなんとかぶつぶつ独り言を言っていて、またまたとんでもないことに気づいてしまう。
「げ、この購入ボックス、スロットルケーブルの戻し側が無い!」
現ボックス裏と購入ボックス裏
購入ボックスの別体スイッチは外してあります
V-Maxのスロットルケーブルは2本。
当然、現ボックスにはその「引き」と「戻し」の2本の線が引き込めるようになっている
しかし、購入ボックスには「引き」だけで「戻し」分の穴が開いていないのだ。
V-Maxの国内仕様はスロットルが1本…などという事は断じて無い。って事は?
「これ…V-Max用じゃない!」
※十中の一かニでした
そうか、そりゃぁコネクタも中身も違うはずだわな。
まぁこのボックスは「車種不明」を納得の上で購入したので悪いのは確認を怠った(というかろくに調べなかった)自分が悪いだけである。
さて、どうしようか…
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穴が無いという時点で、ケースの流用は不可確定。
となると、無理に配線を変更するメリットも無い。
「んじゃスイッチは弄らず、この別体スイッチだけでも付けるか」
購入ボックスのケース下部には、別体スイッチ用にネジ穴が2つ切られている。
現ボックスには当然ついていない。
あれこれこねくり回していたら、現ボックスの似たような場所に(1つだけだが)穴があることに気がついた。
#もちろんネジ山は切られていない
工具箱をごそごそあさって、別体スイッチの取り付け用4mmボルトに合うナットを捜しだす。
これで付けられるかな?穴が足りない分は両面テープを併用してやろう。
両面テープで別体ボックスを貼り付け、更にボルトとナットで留めてやる。
ナットはスイッチボックスの中に入ることになるが、どうやら他のパーツと干渉せずに済んだ。
現ボックスの内側にナットをセットして、底に別体スイッチを貼り付けました
やれやれ、んじゃこれをライトスイッチ化してやろう。
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さて、うちのV魔は、純正でセルボタンを押すとライトが消える仕様になっている。(弱いバッテリーに対する節電対策)
この機能を利用してスイッチ化してやるのだ。
先の配線で「セルボタンを押した時に切れる回路」は「青黒黒、黒」の部分。
これのどちらかにスイッチを割り込ませれば良いだろう。
コネクタ手前で青黒黒のラインをカットし、オスメスギボシを取り付ける。
別体スイッチ先のコネクタをカットし、これまたオスメスギボシを取り付け。
これをそれぞれを接続すれば…ほぉら、ライトスイッチになりました(のはず)
接続完了です
組み立てた新ボックス(というかほぼ現ボックスだが)を仮に車体に繋いで動作テスト。
・別体スイッチRESでライトオンOK
・この時、キルスイッチOK。セルOK(セル時ライトオフOK)
・別体スイッチONでライトオフOK
・この時、キルスイッチOK。セルOK。
・どちらの場合もFUEL(リザーブ切替)は確認できず。(後で確認してやらないと…)
どうやら思ったとおりに動作してくれた。やれやれ。
スイッチボックスの車体への本取り付けはまったく問題なし。
せっかくなのであちこち吹いたり磨いたりするのもいつもの事だ。
取り付け完了。
いろいろあったが、少なくとも見た目はすっきりとなった。
しまった、これ磨く前の画像だ…
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さて、それでは最後に取り付け後に気になった点を2つ3つ。
・まず表示。
見た目FUELスイッチが2つあること自体アレだが(笑)RES=ライトオン、ON=ライトオフというのは逆のような気もする。
まぁこれは修正できないし、スイッチの動作(左へ動かすとライトオン)としては良いのだが。
・次に、ライトオフだとメーターパネルのランプまで消えてしまう点。
セルの節電対策機能を使っているから仕方ないのだが、今までは常時点灯だったのでちょっと気になる。
まぁ夜はヘッドライトを点けるし実用上の問題はないのだけれど。
・同様に、ライトオフの時、ハイビームが点かない事。
HIGH-LOW切替を使ったパッシングが出来ないのはちょっと不便かも。
・スイッチの位置が下すぎてスロットルを握ったままでの操作がしにくい点は、まぁ慣れれば大丈夫か。
上記ポジション・ハイビームの件は、スイッチの配線を純粋にロービームにつければ解消できるはず。
どうしてもという時にはそちらに繋ぎ替えてやる事にしよう。
#これは純正ロービーム配線がヘッドランプブースター取り付けによりリレー化しているからできる技。
で、結局このスイッチボックスは?と後日調査。
見た目が同じでスロットルケーブルが1本となると、FZX750用あたりだった可能性が大である。