YAMAHA VMAX 1700 (VMX17)

☆ メンテナンス編 ☆

ハンドガード装着記


ナックルガードと言ったりブッシュガードと言ったり
  
 仮留め・仮あわせ   インプレッション   再取り付け


<2009年11月> 仮留め・仮あわせ

  寒い時期ですしね

 「気に入らないのなら、流用してしまえ、ホトトギス」(←もはや何がなにやら)シリーズ第4弾。ハンドガードを取り付ける。

 隼を買った時「おや?」と思い、セローに乗るようになって「ほほぅ」と思った事がある。
 それは「冬でも風が当らなければそんなに寒くない」という事だ。

 特にはっきりと判るのが指先

 隼のようなフルカウルだと、ネイキッド(旧V魔)に比べ指先が少しだけ楽になる。
 そしてセローのようにハンドガード(ナックルガード・ブッシュガード)が付いていると、真冬のツーリングでも指先が凍えてしまう事がないのだ。
※もちろん、セローは走るペースが…という要素はあるけれど。

 冬場のちょい乗りに出かけると、体はともかく指先が冷えて困る。
 かといってぶ厚いグローブでは操作性に難あり。
 グリップヒーターの類も同じく操作系の関係で避けたいところ。
 ならせめて、ハンドガードだけでも風除けとして付けてみてはどうだろうか?

 実は、「(旧)V-Maxに付けようか?」と思っていた頃があった。

 今を去ること十数年前、東京の某所でオフ車用のナックルガードを付けたホンダのX11を見たのだが、これが意外に格好良かったのだ。
 ガードの大きさから考えて「寒さ対策」というよりは「ストリート的な格好良さ」を目指して付けられていたようだが、「オンロード車にハンドガードもアリ」というのに新鮮な驚きを感じたのを覚えている。

 さて、「アリ」とは思うものの、正直「新型VMAXにベストマッチ!」というパーツではないのも事実である。
 そこそこの実用性があり、さほど違和感を感じずに済む商品は見つかるだろうか。

 市販のハンドガードはオフ車に付けられる事を前提にしている品物が多い。
 従って、VMAXのようなオン車に付けようとすると問題点も多い。

・材質はどうか?高速道路での風圧に耐えられるか?
・質感はどうか?他のパーツに比べ極端に安っぽくないか?
・操作性はどうか?オン車の長いレバーがきちんと収まるか?
・整備性はどうか?不要な時外せるか?
・そしてそもそも取り付けられるか?

 特に最後の項目はやっかいだ。
 VMAXのハンドルはいわゆるテーパーハンドルなので中央部が太い。(中央と先端とでは太さが異なる)
 なのでここに何かをつける事は不可能。
 そしてブレーキマスタもクラッチマスタも大きく、通常の太さの部分に余計なクランプを噛ませる余裕は少ないのだ。
#しかもうちのVMAXには、その「僅かな余裕」に既にETCを取り付けてある。
 ハンドルバーにステーをつけるタイプは取り付けられない可能性が高いだろう。
 

<余談>

 丁度時期を同じくして、某社から新型VMAX専用のハンドガードが発売された。

 もちろんこれを買えばなんの問題も無く付くし、性能的にも問題ない(はず)

 だが……俺的には、それの形がどうにも気に入らなかったのだ。

#もったいないよなぁ。せっかく専用品として発売するんだったら、何故もっとVMAXらしい割り切ったケレン味のあるデザインにしなかったのか…
 

 ぶつぶつ言いながら(?)あれこれ探してみつけたのがこれ。ACERBISのDual Road Handguards。


「アチェ」か「アチュ」かはさておき(笑)

 アチェルビスといえばオフ車用パーツで有名だが、これは「ロードハンドガード」とあるとおりオン・オフ兼用のもの。
 まぁ実際はモタード用といったところだろう。これならVMAXの長いレバーも収まりそうだ。

 品質も純然たるオフ用に比べれば大分良い。(そしてACERBISのロゴも小さい(笑))
 取り付けはハンドルのバーエンド部に。これならハンドルバーに余裕がなくても大丈夫。


サイズ的にも問題なし

 最終的に購入を決めたポイントは、カバー部のみを取り外せるという点。
 
 夏にはカバーを外して中央のバーのみにできる。
 そしてこれはこれで、カスタムとして面白いデザインのようにも思えたのだ。

 問題は、結構幅を取る(ハンドル幅が広くなる)ように見えること。
 車検時はもとより、普段のすり抜け時にどうか気になるところだ。

 それではと仮留め作業に取り掛かる。

 「仮留め」と書いたのには訳がある。
 このハンドガード、本来はハンドルバーの先端に付属のパーツを差し込み、専用のボルトで締めこんで留めるのだ。(市販のバーエンドの取り付けと同じような方法)
 だが、新型VMAXの純正ハンドルバーの先端は中空ではない。ネジ穴が切られており、ここにバーエンド(バランサー)が取り付けられている。
 とりあえずは純正バーエンド(バランサー)を外し、それを留めていたネジを使って取り付け、様子を見てみよう。
 
 状況確認。うむ、配置的な問題は無い。

 但し、純正(バーエンド取り付け用)ボルトはM6、ハンドガードの穴は8mm用
 締め込めばそれなりにガタはなくなるが、結構な風圧がかかるパーツをこの仕様のままで使うわけにはいかない。そうすると…う~む…


 



<2009年12月> インプレッション

  とりあえず走りました

 え~、「ハンドル交換(失敗)記」はもうお読みいただけましたでしょうか?
…というわけで、「とりあえず取り付けた」ハンドガードのインプレを。

 まず重要なのは、とにもかくにも外観
 決して「付けて格好良くなる」パーツではないので見た目は重要だ。


さてどうでしょう?

 俺的には「んー、まぁ許容範囲かな」という感じ。

 ハンドルの外側が広くなったデザインは悪くない。

 ハンドガードというと、
 □~□ とか <~> のような感じのものが多いのだが、やはり
 >~< の方が良いと思う。
#↑文字化けじゃありません(笑)

 ガードも大きすぎず小さすぎず○

 そして実用性
 
 「やっぱ高速だぜぃ!」と奮発して高速道路上でチェックする。
 ところがまぁ、今日に限って気温が10度以上もある。従って肝心の「防寒」に対する評価は後回し。

 思いがけず良かったのが「防風性」だ。

 比較的小さなガードだが、高速道路では結構効く。
 取り付け角度にもよるが、「コブシの上部に少し風が当るかな?」くらいの感じだ。
 そしてこれが物凄く楽だったのだ。

 ネイキッド車で1.5KS(KousokuSeigen:意訳)以上で巡航したことにある人ならお判りの通り、手にかかる風圧は結構大きい。
 走行中、レバーを操作しようと手を開くと、一気に風が当たり後ろに持っていかれそうになることさえある。
 結果、走っている最中はしっかりとハンドルを握っている必要がある。

 ところがハンドガードを付けたら、この「しっかり」が必要なくなった
 もちろん風が当らないわけではない。(巻き込みが結構ある)
 だが、それは手を握っていようが広げていようが同じなので、気楽にグリップを握っていられるのだ。

 これが本当に楽。疲労度がかなり減る。

 今回は往復200km程だったが、より長距離を走る時の影響は大きいと思う
 冬場の防寒を目的に付けたハンドガードだが、高速の長距離移動にも有効というのは意外な発見だった。

 高速走行中、本体のブレはそこそこある。
 
 結構しっかり作ってある(はず)とはいえ、バーエンドの1箇所でしか固定していないのだから仕方の無いところだ。
 だが、見ていて不安になるほどではないし、「まぁこんなもの」だと思う。
#速度リミッターが効く以上の速度ではわかりません、あしからず(笑)

 ハンドル幅への影響はやはり大きい。

 結構頑張った(?)にも関わらず、純正ハンドル+純正バーエンドに比べ左右30mm以上幅が広くなった。
 このままだと車検で引っかかるのは間違いなしだ。
#ガードの形状から、ハンドル末端ではなくレバー先付近が一番幅広になる。

 これがすり抜け時に気にかかる。
 今まで余裕しゃくしゃくで入っていけたスペースに躊躇するようになった。
 ミラーを交換した時に感じたとおり、この手の事は精神的なものの影響が大きいのだけれど、こればかりは今後も慣れそうに無い。せめて純正の幅に抑えたいところなのだけれど。

 もう一つ精神的な部分で言うと、安心感が増した

 手が「何かに包まれている」という印象が強い。
 セローでは感じなかったから、手(グリップ)の外側にバーがある影響だろう。
#セローはレバー基部にガードが付いている

 というわけで、ハンドガードそのものについては概ね好印象
 未チェックの「防寒」を別にしても、付けて正解だったと思う。

 さて、となると残る問題はやはりハンドル側ですな(笑)


 



<2009年12月> 再取り付け

  純正ハンドルに取り付けます

 ハンドルを純正に戻した後、もう一度ハンドガードの取り付け方法を検討する。

 前に書いたとおり、ハンドガードの取り付け穴が8mmであるのに対し、純正ハンドルのバーエンド用ネジ穴はM6だ。
 そして更にハンドルの穴は、ハンドル先端からちょい飛び出た形状になっている。
 


中央がちょい飛び出てまして
(グリップは内側にズラしてあります)

 バー自体の外径22mmに対し、飛び出た中央部は13mm前後だろうか。
 細いこの部分を相手にM6ネジだけで取り付けると、やはりガタ(&耐久性)が心配になる。

 うんうん考えて最終的に決定した方法がこちら。

 まず、8mmの取り付け穴にはスペーサーを入れる。
 内径6mm、外径8mm弱、長さ20mmのステンレスのスペーサーは、キャリア作製時に使用したものと(長さは異なるが)同じものだ。

 ハンドルとハンドガードとの間には、内径15mm前後、外径20mm前後、厚さ3mmの大型ステンレスワッシャを2枚挟み込む。
 これで広い面圧がかけられる。しかも緩み止めにもなって一石二鳥。


こんな奴です

 念のため、M6ボルトは長さ50mm(純正+10mm)のものに交換した。だがこれは純正のままでもよかったかもしれない。
#長くて締めるのが面倒くさい(笑)

 これで取り付けはかなりしっかりとできた。
 専用ステーを使った時と同様といっても良いと思う。


更に幅広になっちゃいましたけどね

 とりあえず、今後はこの仕様で乗る予定。
 
 ちなみにこれらのステー類でかかった費用は数百円足らず。
 「あー、なら最初からこの仕様にしておけば・・・」
#勉強代勉強代…


実用車っぽいですか?(笑)



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