SUZUKI GSX1300R 隼

☆ メンテナンス編 ☆

負圧同調他、定期清掃記

 きれいさっぱり片付けましょう    テスト走行 


<2006年5月>

きれいさっぱり片付けましょう

 先日のツーリングで気になった「ボーボボ現象」
 
 現象としては、
 ・アイドリング+α(2000rpm前後)で走っていてぎくしゃく感が出る。
 ・アイドリングはばっちり安定しているのに、走り出すと妙にガクガクする。
 ・スロットルに敏感すぎるというか、綺麗に燃えていないと言うかそんな感じ。
 ・3000rpm以上では快適。

 極低速域での不安定感と言えばやはりスロットルバルブ周りの汚れだろうか。
 そういえば同調もしばらく取っていないし、しばらくエアクリーナーも洗ってないし…よし、ここはまとめて綺麗にしてやるとしよう。

 まずはエアクリーナー(エアフィルター)
 
 前夜のうちにエアクリーナーを取り外し、専用液で洗浄する。
 #それにしても「洗える」というだけでもK&Nを入れる価値はあると思う。
 
 そのまま一晩放置して乾燥。
 気温が高かったせいか翌日には綺麗に乾いたので、ごく薄く専用オイルをスプレーする。
 この辺りの手順は同じK&Nを入れているV-Maxと同様だ。
 
 

 さて、それではいろいろとはじめよう(笑)

 まずは何はなくともエアクリーナーボックスの取り外し


毎度お馴染みです

 続いてプラグのチェック
新品も買ってあるのだが、まだ1万kmも走っていないので交換はしない。(←貧乏性)

 確認したプラグは綺麗なキツネ色…というかちょい白い。
 これはまぁ、この前高速道路をナニしたせいだろう。
 
 4本の焼けにもバラつきはなく、特に問題はなさそうだ。
 せっかくなので取り付け時にはプラグキャップ(兼ダイレクトイグニッション)に接点復活剤を吹いておく。


いかん、ピンボケだ
 
 

 スロットルバルブの洗浄いつもどおり
 
 見た目、それほど汚れている気はしなかったのだが、いざエンジンクリーナーをつけたウエスで拭くとあっという間に真っ黒になった。
 ううむ、これは念入りに磨いてやらねば…

 今回、エンジンクリーナー(ワコーズ・エンジンコンディショナー)は中には吹き込まず、ウエスや綿棒に付けて磨いてみた。
 なんとなくだが、この方がエンジンにやさしいような気がしないでもない。
 #カーボンべったりなら、きっちり流し込んで洗ってやる必要があるのだろうけど。

 続いて本日のメイン、吸入負圧の同調
 
 そういえばこの同調作業、隼では今まで詳しく書いたことが無いのでレポートしてみる。
 #V-Max版はこちら

 以下能書き

同調というのは、マルチシリンダ(この場合は4気筒)の吸入負圧を合わせる作業で、「4気筒のバランスをとる」という事である。

メリットは主としてアイドリングの安定と低回転時のスムーズさである。

※他についてはV-Maxの同調記を参照の事
 

 まず、外してあったエアクリボックスから、吸気温度センサーとコネクタ一式を取り外す。
#吸気温度センサーは、裏側からナットを回す事で外れる。

 これを(エアクリボックスは無いが)元のとおり組み付ける
 センサーが外れていると「FI」ランプが点灯し、正常な吸気にならない可能性があるからだ。
#ホース(細い方)の装着もお忘れなく
 
 


いつもは外しっぱなしの奴ですが

 続いて負圧取り出しニップル(バルブ)の準備。
 

スロットルバルブを(バイクにまたがった状態で見て)左側から1、2、3、4とする。

1と4のボディから出ている2本のホースのうち、左側のホース(車体側へ繋がっている方)を取り外す。

外したホースは、何らかの方法で栓をする。(今回はビニールテープで密閉)

2と3のボディは、左側にメクラ栓がしてあるのでこれを外す。

こうして1~4のボディ全ての左側ニップルが現れる。これにバキュームゲージのホースをつなぐ。

 


準備完了
 

 ちなみにこの繋ぎ方、毎度お馴染みHOC(隼オーナーズクラブ)のBBSで知ったのだが、うちのような'99式(?'00までか?)限定の方法らしい。
 それ以降の年式では方法が違うとの事。今回はあくまでも'99式の場合という事でご了承下さい。

 ここまでできれば、後の手順はV-Maxと同様である。
 キャブレターとインジェクションの違いはあれ、同調の手順、注意点にさほどの違いは無いのだ。

 バキュームゲージのボルトが閉じているのを確認してエンジン始動。
※暖機は終了済み。

 回転が落ち着いたらバキュームゲージのボルトを少しだけ開け、それぞれのメーターのフレが読めるくらいにする。
 4つのメーターを確認。
 「う~む、ほとんど合ってるけど、2番だけちょっと低いか?」


ほぼ合ってますが

 同調調整は、スロットルバルブ間にあるプラスネジで行う。
 ・1~2間にあるのが1~2の同調用
 ・3~4間にあるのが3~4の同調用
 ・そして2~3間にあるのが、1~2と3~4の同調用である。

 基本的には1と2を合せ、3と4を合せ、その後連動した1~2と3~4を合せれば良い。
 文章にすると面倒だが、実際にイジると感覚的に判るものだ。


これは1~2用

 作業はほんの3分で完了。
 
 今はまだ大丈夫だが、暑い時期の同調作業は、エンジンが熱ダレしないうちに終了するのも重要な事だ。
#まぁ夏は前から扇風機で風を送るけど
 
 ちなみにどこまで律儀に合せるかは人それぞれという事で(笑)

 俺的に満足できる程度に合ったゲージに満足したら、各ホース、センサー類を元に戻し、後はエアクリボックスを装着するだけ。
 ちなみにインマニ部には極薄くシリコングリスを塗って、密閉度を高めるおまじないにしたりする。

 やれやれとエアクリボックスと取り付けようとこねくり回していた時、1本のホースがぷらぷらしているのに気づく。
 「あれ?そういえばこのホース、今日は抜いた覚えが無いぞ・・・」


何時から外れてたんでしょう?

 隼のエアクリボックス内には、フラップ(パタパタ動く蓋)が仕込まれている。
 これがエンジンの回転数(負圧)により自動的に開いたり閉じたりして、吸気圧をコントロールしている(?)のだ。

 確か、「エンジン停止時:オープン、エンジン始動:クローズ、2500rpm前後以上:オープン」だったはず。
 そしてその動作を制御する弁に繋がるパイプ(負圧検出用)が見事に外れていたのである。

 「ボーボボ現象」が出るのは見事にその2500rpm以下。
 「む~、前回ここバラしたの何時だったかなぁ?今まで外れてたのかなぁ?んでこれが原因なのかなぁ?」

 外れていたとすれば、フラップは常時全開(エンジン停止時のまま)になっていたはず。
 だが、実はフラップはさほどの問題ではない。なにしろこのフラップ、「パタパタ動くとエンジンが安定しない」とばかりに殺してしまう(常時全開)改造もある程なのだ。

 問題なのは外れていたパイプの方。
 「負圧の検出用」という事は、エンジンに繋がっているという事。
 これが外れていると、所謂二次エアを吸っていた事になるはずだ。

 「原因はこれかなぁ・・・」と首をひねりながら接続する。

 さて、これで一通り完了…っとっとっと、せっかくだからスロットルポジションセンサーも見てやるか。

 スロットルポジションセンサーの調整いつものとおり

 例の秘密ツールを使用し、スロポジを確認。
 案の定ズレていたセンサーに「ホント、何時ズレるんだ?これ?」とこれまた首をひねる。


まぁ合えば文句はないんですが

 電気系コネクタ、ホース類、そしてボルトナットの類。
 全て指差し確認したら、再度エンジン始動する。

 清掃により当然のように上がっているアイドリングを、いつもの1300rpmに合わせてやる。

 ヘルメットを取り上げて、近場のガソリンスタンドまでテスト運転。
 
 「を~、いいんじゃない!」

 「ボーボボ現象」は見事に消えていた。
 先のツーリングの帰り、妙にぎくしゃくして曲がった交差点もすっきりと通過。「ふむ、どうやら大丈夫そうだな。」
 
 原因はスロットルバルブの汚れか、それとも外れていたパイプなのか。
 はたまた今は出ていないだけで気まぐれに(もしくは長距離乗った後に)発生するのか?
 疑問はいろいろとあるのだが・・・ま、いいか、とりあえず今調子良くなれば。

 さて、んじゃこの後、オイル交換とチェーン清掃をしてやるとしよう・・・
 


<2006年5月>

テスト走行

 某日、車検の為に陸運支局まで自走する。

 気温は比較的高く(20度以上)、平日の市街地ではのろのろ走行を強いられた。
 走るには面倒な状況だが、先日のメンテの結果を試すには良い機会だった。

 で、結果から言うと「全快」

 「ボーボボ現象」は綺麗に消え去っていた。

 2-3速2000rpm前後というのは街中で頻繁に使用するギア・回転数だが、なんの問題も無く巡航できる。
 東北ツーリングのすり抜けで感じた「なにやら詰まった感じ」は皆無だった。

 もちろん、初期型隼の仕様であるこの回転域でのスロットルの敏感さ(神経質さ)までは消えていない。
 ちょいとラフに扱うとぐんと前に出てしまうが、まぁこれは新車の頃からの話だ。

 4速でたらたら走り、前方の信号が赤。3→2と落としたあたりで信号が青に変り加速…
 こんな状態の時でも車体がするりと前に出てくれる。
 うむ、これなら渋滞も怖くないぞ。

 整備は成功。というか正解だったようだ。
 これならロングツーリングもより楽になる事だろう。
 
 

copyright 2006 Akira




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